太田述正コラム#11407(2020.7.13)
<皆さんとディスカッション(続x4498)>

<太田>(ツイッターより)

 「欧州議会<が>…子の連れ去り禁止の要請…対日決議<。>…別居、離婚となる以上、当然…別居…<し>なければなら<ず、また、>…同居中に子を監護していた親が、別居にあたって子を連れて出るのは…当然なのに、それを…禁止<するとは。>…」
https://blogos.com/article/470834/
 この主張を批判してみよ。

<太田>

 これ、典型的な、ジコチュー論理だ、的なコメントを期待したんだけどな。
 (相手国側の立場や男性側の立場を完全に無視しているという意味でジコチューなのよね。)
 こういう昔の名前で出ています的な話↓を今頃臆面もなくする人が信じられないんだけど、戦後日本のこの元祖的なジコチュー論理・・この場合は、それに形式論理がつけ加わっている・・で育つと、上のような話を恥ずかしげもなくやらかすんだろうな。

 「・・・技術的な観点からイージス・アショアの導入を断念したからといって、敵基地攻撃能力を持つべきだという議論には論理の飛躍がある。
 必要最小限の敵基地攻撃は可能とした鳩山内閣の「座して死を待つべしというのが憲法の趣旨とは思えない」という国会答弁は、長年政府見解として引き継がれてきており、確立したものだ。この考え方を否定するつもりは全くない。
 しかし、それは我が国の存立を守るために他に全く手段がないと認められる場合に限り、敵基地攻撃も許されないわけではないという意味だ。自衛隊が、常に敵基地を攻撃することを目的とする体制をとり、それを抑止力と位置づけることとは似て非なるものだ。・・・」
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20200710/pol/00m/010/002000c

<i1ml8zIU>

≫吉田麻子(あさこ。1972年~)は、佐生大博士。現在学習院女子大、相模女子大、東海大学などで非常勤講師。≪(コラム#11382(未公開))

 「佐生大」とあるが以下の引用からすると「早稲田大学」か?
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784582858198

≫「島津斉彬コンセンサス」、「横井小楠コンセンサス」、「勝海舟通奏低音」の三つ巴の争いが日本の戦前史≪(コラム#11388。太田)

 とありますが、戦後史は「勝海舟通奏低音」のみと考えて良いのですね。

<太田>

>「佐生大」とあるが以下の引用からすると「早稲田大学」か?

 ご指摘ありがとうございます。

>戦後史は「勝海舟通奏低音」のみと考えて良いのですね

 冷戦終焉までは、米国の属国となりつつ、その米国に、横井小楠コンセンサスないし島津斉彬コンセンサス中の横井小楠コンセンサス部分、を完遂させた形であり、両コンセンサスの変形といったところでしょうか。
 それは、日本の独立の維持だけを目指したところの、勝海舟通奏低音、とは無縁の代物でした。
 では、冷戦終焉後は?
 ひたすら脳死を目指す緩慢なる自殺の過程だった、と言うべきでしょうね。

<太田>

 コロナウィルス問題。↓

 <やったぜー。↓>
 「・・・982人(+0人)・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55811680Z10C20A2I00000/
 <全然気にならないわ。↓>
 「東京で4日連続で感染者200人台…野党「緊急事態宣言を」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/267995
 <基地内は宗主国「領」よ。↓>
 「独立記念日にパーティー…沖縄でコロナ感染者続出、在日米軍基地2カ封鎖・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/268000
 <まどろっこしいなあ。まず子作りを!↓>
 Lockdowns make the heart grow fonder in Japan as online matchmaking surges・・・
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-pandemic-matchmaking-dating-online/2020/07/11/2bcf0266-bf87-11ea-864a-0dd31b9d6917_story.html

 王位戦第二戦1日目をながら鑑賞中。↓
https://abema.tv/now-on-air/shogi

 Japan announces plans for new stealth fighter as US approves sale of F-35 jets・・・
https://edition.cnn.com/2020/07/10/asia/japan-new-stealth-fighter-intl-hnk-scli/index.html
 うーん、よー分からん。↓

 「富士通の疑似量子コンピューター 最適解を支える現場・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61353440Z00C20A7XXA000/

 日・文カルト問題。↓

 <今回は、日韓引き分け。↓>
 「・・・死者は前日から変わらず、計289人。・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200713001500882?section=society-culture/index
 <この話の信憑性は別にして、「支持層」じゃなく「世論」!↓>
 「支持層を意識する安倍首相「韓国より台湾を優先して入国緩和を」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/267996
 <朝鮮人虐殺を取り上げた被害者学者の著作はないのかねえ。↓>
 「村上春樹・・・氏は・・・「こういう一種の危機的状況にある場合には、例えば関東大震災の時の朝鮮人虐殺のように、人々が変な方向に動いていく可能性がある」・・・と語った。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/267993
 <引用しなかったマクラの部分と結論の「お互いに対する尊重」が目障りだが、こういう記事をもっと増やしてね。↓>
 「・・・日本は「韓国が非合理的」という。ボルトン前大統領補佐官の回顧録に対し青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)国家安保室長は先月、「政府間の相互信頼に基づいて協議した内容を一方的に公開するのは外交の基本原則に反するもので、今後交渉の信義を非常に深刻に傷つけかねない」と明らかにした。青瓦台関係者も「外交関係の協議過程は明らかにしないという基本を忘却したもの」と述べた。
 これに対し東京の日本消息筋は「慰安婦合意から2年で暴き出し非公開合意まで公開した韓国がそのようなことを言う資格があるのか」と話した。ボルトン前補佐官に「外交の基本を忘却」をうんぬんできる論理的一貫性が青瓦台に果たしてあるのかということだ。3月の日本の入国制限措置の時も議論が起きた。韓国は「ただの一言の事前協議もなかった」とした。これに対し日本は「発表前に外務省の韓国ラインは自分たちが把握した情報を在日韓国大使館に伝えた」と反論した。専門家の間では「相手が日本でなかったなら『ただの一言もなかった』という断定的表現は使わなかっただろう」という指摘が出た。
 韓国の記者らも限度を超える時がある。一部メディアは日本のネットユーザーの反応だけを基に安倍内閣を批判する記事を書く。もし日本の記者が韓国のポータルサイトのコメントだけを根拠に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を批判するならわれわれは簡単にうなずくことができるだろうか。
 こうした不思議で、非常識な枠組みの中で関係改善は不可能だ。お互いに対する尊重が問題解決の出発点だ。2年7カ月ぶりに日本を離れながら考えた思いだ。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/267987
 <人も企業もイロイロ。↓>
 「「韓国人は野生動物」 東京1部上場の不動産大手<の>・・・フジ住宅・・・が嫌韓文書3年間配布・・・」
https://www.donga.com/jp/home/article/all/20200713/2118679/1/%E3%80%8C%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%81%AF%E9%87%8E%E7%94%9F%E5%8B%95%E7%89%A9%E3%80%8D-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%8C%E5%AB%8C%E9%9F%93%E6%96%87%E6%9B%B8%EF%BC%93%E5%B9%B4%E9%96%93%E9%85%8D%E5%B8%83

 私も「最も過激な評論家」の端くれだけど・・。↓

 「・・・アメリカが失敗国家だというのは、ごく最近まで最も過激な評論家ぐらいしかまともに取り合いませんでした。しかし、今日では政治学者が一般的に用いる指標の中に、その兆候を見ることができます・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/18562380/

 で、もちろん、アフガニスタンでも米国は敗退したわけ。↓

 ・・・Taliban commanders and fighters speak not of peace but of toppling the Afghan government in Kabul. They boast of a hard-fought “military victory” over American forces in the country.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2020/07/12/afghanistan-taliban-territory-peace-deal/?arc404=true

 ヒエー。↓

 「2つの子宮を持つ女性、双子をそれぞれの子宮で妊娠する。「5000万分の1の可能性・・・」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/2-wombs-and-a-twin-growing-in-each_jp_5f0aaf39c5b63a72c342f3e6

 こりゃ言い得て妙だわ。↓

 ・・・China has won twice over: First rising with the active collaboration of naïve American centrists, and then consolidating its gains with the de facto collaboration of a feckless American populist.・・・
https://www.nytimes.com/2020/07/11/opinion/sunday/china-coronavirus-power.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <定番。↓>
 「のびのびと過ごせる日本の寝台列車、我慢を強いられる中国の寝台列車・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1690959?page=1
 <同じく。↓>
 「日本が衰退中の国だと? じゃあ「なぜこんなにノーベル賞を取れるんだ?」・・・中国メディアの騰訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1690961?page=1
 <面白い。↓>
 「中国のポータルサイト・百度・・・記事は・・・実は日本でも当初好んで鑑賞されたのは桜ではなく梅の花だったとし、かつては渡来人として日本にやってきた中国人が持ち込んだ梅を愛でる習慣があったと説明。日本最古の和歌集である万葉集には梅の花にまつわる和歌が大量に収録される一方で、桜に関するものは少ないと紹介している。
 一方で、平安時代になると日本人は自らの文化の発掘と醸成を重んじるようになり、そこから梅よりも桜を鑑賞する風習が生まれたとし、古今和歌集には日本土着の風物を取り上げた和歌が多く収録され、その中に桜に関するものも多く含まれるようになったと伝えた。
 そして、桜はやがて春の盛りを象徴するようになり、桜の鑑賞が宮中の儀式の1つになったと説明。さらに武士の時代になると、散りざまを重んじる日本の武士道精神と、満開になってすぐに散る桜の花のイメージが重ね合わされるようになり、桜は文化的、精神的な意味合いを帯びるようになっていったとした。
 記事は、日本人と桜の関係は「最初の単純に美しいものを求める気持ちから、儀式的なシンボルとしての積極的な崇拝の対象へと変化した」と説明するとともに、その背後には「日本が古代中国の文化的な束縛から抜け出し、自前の文化を発揚していくことに対する決心があった」と評している。そして現在では、日本人自身の重厚な文化に基づく「日本の桜」が他国の人びとからも広く愛されるようになっているとしたうえで、「文化や習俗が持つエネルギーや生命力には、かくも大きな魅力が宿っているのである」と結んだ。」
http://news.searchina.net/id/1690960?page=1
 <ウエッヘン。↓>
 「日本人の自律性の高さは異常・・・ジェットコースターでも叫ばないらしい・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1690962?page=1
 <震えながら、同じく。↓>
 「日本の怖すぎる「病院型ホラーハウス」、恐怖の後で感じるのは高い「プロ意識」・・・中国メディア・騰訊網・・・」
http://news.searchina.net/id/1690964?page=1
 <褒め方がなんだかオカシイ。↓>
 「・・・中国メディアの百家号・・・記事は、日本人が静かなのはよく言われるような「民度の高さゆえ」ではなく、「恥ずかしいから」でもなく、「TPOをわきまえているから」だと結論付けている。時と場所をわきまえているので、日本人にはメリハリがあり、静かな時には非常に静かで、宴会のような場所では「中国人以上に弾ける」と紹介している。」
http://news.searchina.net/id/1690965
 <へー。↓>
 「・・・元の時代に日本の僧侶・龍山徳見が、中国で修行していた際に滞在先でマントウ職人をしていた林浄因を弟子として連れ帰り、奈良に定住した林浄因が小麦粉を発行させた生地で蒸したマントウの中に、小豆のあんを入れた饅頭を考案したと<ころ、>・・・ふかふかの食感に小豆餡が入った饅頭は戒律により肉食できない僧侶たちの間で好評を博し、やがて貴族にも広まっていった・・・。
 <そして>、林浄因が結婚する際に紅白の饅頭を作って振る舞ったことが評判となり、その後日本の婚礼に欠かせない「紅白饅頭」として定着した・・・。
 ・・・そのうえで、日本に饅頭をもたらした林浄因は自然と日本人からリスペクトされるようになり、本人を祭った神社が作られ、毎年多くの人が参拝に訪れると紹介。「古代中国からやってきた技術や文化は、周辺の国でなおも残っているのである」・・・。
 林浄因の子孫はその後代々饅頭店を継ぎ、「志ほせ饅頭」として現在に至るが、「志ほせ饅頭」は当時の小麦粉を発酵させた生地ではなく、やまといもと米粉で作った皮に餡を入れたものである。これは林浄因の孫が中国に渡り、薯蕷饅頭の製法を学んで帰ってきたことによるものだ・・・。・・・中国のポータルサイト・百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1690967?page=1
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太田述正コラム#11408(2020.7.13)
<高橋昌明『武士の日本史 序・第二章以下』を読む(その2)>

→非公開