太田述正コラム#1291(2006.6.12)
<施設庁談合事件はどうなった?(番外編)(その1)>
(06/05/11 11:08:23 – 06/06/10 23:59:59の太田HPへの訪問者数は、30,976人でした。先月の31,739人(06/04/10 11:05:48 – 06/05/11 11:07:54過去最高)を若干下回りましたが、ほぼ同じ水準を維持したと言えそうです。(HPへの累計訪問者数は、714,970人です。)他方、太田ブログ(http://ohtan.txt-nifty.com/column/)への月間アクセス数は、萬晩報効果があった3ヶ月前の月の約9,500、そして先月の9,245を超えて、9,869(ただし、06/05/11 00:00:00??06/06/10 24:00:00)と新記録を達成しました。この訪問者数とアクセス数の単純合計で比較すると40,845人となり、過去最高であった先月の40,984人並の水準を維持しました。なお、メーリングリスト登録者数は1364名と、先月から3名減少しましたが、2ヶ月ぶりに幽霊メルアド(7名分)の削除を行っているので、現状維持と見てよいと思います。)
1 村上ファンド事件の補足
村上ファンド(MF)事件に関して私が行った種々の指摘は、その正しさが一層裏付けられつつある観があります。
村上が猿回しでライブドアの堀江以下は猿に他ならなかった、という指摘(コラム#1277)を裏付ける記事が次々に出てきています。(例えば、http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060607k0000m040147000c.html(6月7日アクセス)やhttp://www.sankei.co.jp/news/060610/sha028.htm(6月10日アクセス))
また村上が、秋田男児殺害事件の容疑者並に往生際が悪いとの指摘(コラム#1278)についても、彼が逮捕直前の5日の記者会見の時に話したことを、それほど日が経たないうちに、いとも簡単に翻してしまったことで、よりはっきりしました。
というのも、一つには、ニッポン放送株の買い付けについて「フジテレビ、ニッポン放送の資本政策をいかにしたら直せるか一生懸命やっていた」などと記者会見で弁明していたけれど、一週間も経たないうちに、東京地検特捜部の調べに対し、インサイダー取引で買い付けたニッポン放送株について「利益を優先した」などと、高値売り抜けが目的だったことを認める供述をした(http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060611k0000m040104000c.html。6月11日アクセス)といいますし、二つには、上記記者会見で「今日をもってこの<ファンドマネジャーの>世界から身を引く」と大見えを切ってからわずか2日後の7日に、東京拘置所に接見に訪れた弁護士にMFの投資銘柄の前日終値を質問した上で、翌日、株価をまとめた表を接見室の窓越しに示させ、銘柄を指定して売買方針を伝えた(http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060611AT1G0905210062006.html。6月11日アクセス)というからです。
こんな村上の人間性を見ていると、安月給の官僚になったのは不可解だ、と以前(コラム#1280で)申し上げたのも、まだ彼を買いかぶっていたのかもしれません。どうやら、幼少の頃からの株の相場師が、業界情報(インサイダー情報)を求めて旧通産省に入ったというだけのことだったようです(注1)。
(注1)だから村上は、規制緩和が進む中で権限が縮小してゆく通産省に見切りを付けて退官した(http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060610/eve_____sya_____002.shtml。6月11日アクセス)のではなく、通産省でインサイダー情報を十二分に得、仕手筋としてやっていける自信がついたので退官した、ということだろう。
しかも、その彼のMFが投資した、というより仕手戦をしかけた企業の業績は、ほとんど結果的には悪化している(http://www.asahi.com/business/update/0606/155.html。6月8日アクセス)といいいます。
それにもかかわらず、なお、一般のサラリーマンは村上に肯定的な見方をしている(http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060607AT1D0607P06062006.html。6月7日アクセス)というのですから、困ったものです。
大企業経営者は村上に対して否定的な見方をしています(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060607AT1D0606K06062006.html。6月7日アクセス)が、このように村上が大企業経営者達の「敵」であったからこそ、一般のサラリーマンは村上贔屓になるのかもしれませんね。
(続く)