太田述正コラム#1526(2006.11.24)
<有料コラムを増やす方針について>
1 あるブログ読者とのやりとり
<読者>
私は有料購読をしておらず、もしかしたら、私の言いたいことが既に非公開の文中に含まれているかもしれませんが、<コラム#1525について>敢えて書き込ませていただきます。
日本のランキングがこれほどまでに低い理由としては、もちろん経済的格差の問題もありますが、むしろ政治的格差(女性議員数)の問題の方も大きいのではないかと思います。
ただ、世界経済フォーラムによる具体的な評価のデータや基準が発表されていないようですし、大して意味があるとは思えない、国の順位付けに終始しているようですから、ギネスブックのように雑学的な興味の対象にしかならないと思うのですが、いかがでしょうか?
<太田>
そのうち理由をご説明しますが、有料コラムの割合を大幅に増やすことにしました。
>もちろん経済的格差の問題もありますが、むしろ政治的格差(女性議員数)の問題の方も大きいのではないかと思います。
有料版をお読みになった方はお分かりのように、非公開の文中でそのあたりのことは説明しています。
>世界経済フォーラムによる具体的な評価のデータや基準が発表されていないようですし、大して意味があるとは思えない、国の順位付けに終始しているようです
非公開の文中で明らかにしている原典をご覧になれば、そこにデータも基準も明確に記されています。
>雑学的な興味の対象にしかならないと思うのですが、いかがでしょうか
困りますね、そんなことをおっしゃっては。 憶測でモノを言わずに、ぜひ有料会員になってください。
<読者>
すみません、世界経済フォーラムをよーくをチェックしたら詳細がありましたので、上コメントの後半部分を訂正させていただきたいと思います。
さて、上位のドイツと試しに比較してみますが、
http://www.weforum.org/pdf/gendergap/japan.pdf
http://www.weforum.org/pdf/gendergap/germany.pdf
男女の経済格差における日本の最大の問題は、「総合職的に仕事と関わることを引き続き敬遠し続ける女性がいる」ことよりも、賃金格差よりも、「上級職への採用数」ではないでしょうか?
つまり、これらのデータに現れているのは、昇進の道が閉ざされた総合職に多くの女性が就いていることこそが問題なのではないかと思われます。
もはや、仕事さえあれば女性は自立できる、といった時代は過去のものになりつつあるのかもしれません。
重ねて申し上げますが、私は有料購読をしませんので、既に非公開の文中で仰っているかもしれませんが、敢えて書き込ませていただきました。
<太田>
>世界経済フォーラムをよーくをチェックしたら詳細がありました
しまった。
典拠が頭隠して尻隠さずになってましたね。
次回から、有料コラムの典拠は完全に隠すことにします。
>男女の経済格差における日本の最大の問題は、・・賃金格差よりも、「上級職への採用数」ではないでしょうか?つまり、・・昇進の道が閉ざされた総合職に多くの女性が就いていることこそが問題なのではないかと思われます。もはや、仕事さえあれば女性は自立できる、といった時代は過去のものになりつつあるのかもしれません。
女性が「総合職的に仕事と関わることを引き続き敬遠し続ける」ことと、「総合職になっても昇進の道が閉ざされている」こととは、矛盾していません。鶏が先か卵が先かというだけのことです。
>重ねて申し上げますが、私は有料購読をしません
世の中半分は女性だというのに、日本の男女格差問題の深刻さに気付いていない方がおられるのにショックを受けました。 これで一人の読者を啓発できた(失礼!)のですから、私のコラムも少しは世の中人のためになっている、ということですかね。
ただし、ご自分を啓発させるための材料を自分自身で見つけるのは、手間とおカネがかかるはずのところ、私のコラムで、材料が簡単に手に入るのですから、私にほんの少し見返りを提供しようと思っていただければありがたいのですがね・・。おカネ以外にも色々方法はあります。
多くの読者にこのことをお考えいただくためにも、有料コラムを増やす(無料コラムを減らす)ことにした次第です。
2 有料コラムを増やす方針について
既に、上記のやりとりの中で、有料コラムを増やす方針であることと、その一つの理由を申し上げています。
蛇足ながら、補足させていただきます。
有料化してから5ヶ月近くにわたって無料読者が増えていないことが、この方針を打ち出した背景にあります。
購読者数も、私のホームページとブログへの訪問者数も増えていません。(後者については、世間の耳目を集めるような事件が起こったかどうかで増減はしますが、趨勢的に増えているとは言えません。)
つまり、無料コラムの質と量だけでいくら勝負しても、無料読者は増えないことがはっきりした、ということです。
しかし、無料読者の中にも、冒頭に登場した読者のように、熱心な読者もおられます。
そういう方々にはぜひ、新たな読者を私のコラムに誘って欲しいのですが、そうしてはいただいていない、と言わざるをえません。
それならせめて、熱心な無料読者には、有料読者になることをお考えいただきたい、と思った次第です。
有料読者が増えれば、コラムの形で発信を続けることによって日本人の意識を変える、という私の大それた目論見を、もうしばらく続けることができます。
ぜひご理解をいただきたいと存じます。
実は、有料コラムを増やす方針を打ち出した理由として、技術的な理由がもう一つあるのですが、それは後日、説明します。