太田述正コラム#1543(2006.12.2)
<米国、対北朝鮮政策転換?>(有料)

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1 始めに

 米国が対北朝鮮政策を宥和政策に転換したのではないか、という指摘が<一部メディア>でなされているので、・・その概要ご紹介しておきましょう。

2 <メディアA>

 拡大ASEAN首脳会議に出席したブッシュ米大統領は、11月18日のノ・ムヒョン韓国大統領との会談の際に、「もし北朝鮮が核開発計画を廃棄し、核武装への野望を捨て去れば、私は朝鮮戦争の終結を宣言する協定に、金正日とともに調印し、その上で、経済協力や文化・教育面での関係樹立へと進むことができる」、と語ったという。
・・
 ・・これまで金正日のことを、「ちんちくりん(pygmy)」、「暴君(tyrant)」、あるいは「甘やかされた子供(spoiled child)」と呼んできたブッシュが、自ら、金を交渉相手として認めた、とも受け止められるのであって、そういう意味では極めて注目される。

2 <メディアB>

 北京で11月28、29日に行われた、米・中・北朝鮮の3カ国会談において、米国の対北朝鮮スタンスに大きな変化が見られた。
 一つは、核開発計画(the whole nuclear program)の完全・検証可能・不可逆的な廃棄(CVID=complete, verifiable, irreversible dismantlement。IAEAによる徹底的な査察を受け入れることを含む)という言葉を使わなくなったことであり、もう一つは、北朝鮮との2国間協議の実質的容認だ。
・・

3 私のコメント

 こういう記事が出た時は、私は英米の主要メディアに同様の記事が出ていないかどうかを確かめます。
 私の知る限り、米国の対北朝鮮政策の転換を示唆する記事は英米の主要メディアには全く見あたらないので、結論的には、<これらメディアは>単なる憶測記事を載せた、ということでしょう。
 私自身、・・仮に米国に上記のような動きがあるとしても、米国の対北朝鮮政策が宥和政策に転換したとは考えられない、と思っています。