太田述正コラム#2151(2007.10.28)
<大阪とんぼ帰り紀行(その2)>
 さて、讀賣テレビだけなのか、それとも民放一般、とりわけ大阪の民放一般にあてはまることなのか、分かりませんが、台本に事前に目を通しているヒマがありませんでした。
 実は、自分の席のテーブルの上に置いてあった封筒の中に台本が入っていたのですが、何の言及もないので、そんなことは知る由もなく、次から次へとやってくる人と話をした後、この封筒には一切触らず、案内されるままに、メックアップをしてスタジオへ向かったわけです。
 自宅へ戻ってから、持ち帰ったこの封筒の中身を取り出して初めて台本を発見し、中を読んでみると、次のように書かれていました。
<引用始め>
 辛坊 マダム・スシは正しかった
 今の防衛省、「ここがイカン!」と思うところは、どこですか?
 山田まりや:<守屋の顔のようなマンガが描かれていた(太田)>
 桂ざこば:<何も書いてなかった(太田)>
 田嶋陽子:天下り・体育会体質
 三宅久之:秘密主義
 橋下徹 :他省庁へのコンプレックス
 谷澤忠彦:国防の心が無い
 宮崎哲弥:守るべき事が漏れ情報公開させるべき事がされていない所
 原口一博:隠蔽と証拠隠滅
(注)この部分だけは、例の担当の女性から私に直接示されていた。(太田)
★各意見あって
 ここでゲストをお招きしております! 元防衛庁審議官の太田述正(おおたのぶまさ)さんです!
★太田氏紹介
・71年東京大学法学部卒業、防衛庁入庁。
 つまり、守屋氏と同期!!
・98年官房審議官(1999年防衛白書編纂等)。
・99年仙台防衛施設局長。
・無気力、事なかれ主義がはびこる防衛庁を告発する「防衛庁再生宣言」を出版
辛坊 以前から防衛省がはらむ問題を指摘してきた太田さんですが、一連の不祥事についての見解は?
★太田氏が主張する問題点、今後の課題
・主要マスコミが何ヶ月も本件を報道しなかった理由の追及
・民主党が何ヶ月も本件を追及しようとしなかった理由
・検察が、昨年来捜査を続けているというのに、いまだに具体的な立件への動きを示さない理由の追及
→日米関係ないし自民党政権への配慮から、主要マスコミを巧みに誘導してついに主要マスコミに報道させることに成功した?
 後は日米関係ないし、自民党政権がどうなろうとそれは主要マスコミや野党の責任であり、検察はよけいな心配をしないで立件に取り組めるし、波濤が関係者を証人として国会喚問してくれれば偽証罪でも本件に切り込めて助かると思っている?
・本件の「黒幕」であるGEの追及
・時代感覚がかくも欠如しており、脇もすこぶる甘い守屋氏がトップになれる防衛省の構造的退廃の原因究明
・自民党系の政治家の防衛利権寄生状況の究明
・防衛省。ひいては全省庁の天下り構造の一層の解明
辛坊 ここで、もうひとつお伺いしております! この騒動を受け、年内解散総選挙はあると思いますか?(YES/NO回答) またそうなった場合、民主党は勝てると思いますか?
<ここの解答が台本にも入っていないのは当然だとしても、私の手にもわたっていない(太田)>
★各意見あって
★テーマ
・守屋氏の証人喚問は、民主絶好のチャンス!
→インド洋での燃料転用疑惑とともに新テロ特措法案への影響は?
・しかし、そんな時まさに小沢氏と「山田洋行」の関係が・・
★結局また「政治の本質」とは違う所が政局になる「愚」
★多かれ少なかれ、ほとんどの政治家や官僚が「金まみれ」なら、いっそのことそれでいいからはやく、社会保障制度の再生や財源確保など実のある議論をしてほしいような・・
<引用終わり>
 これまた、素晴らしい台本だと思いません?
 だけど、どうして訪映前に私が台本をオープンする気になったか?
 ゲストの私が台本を一度も見ていないのだから、この台本通りに番組が進行するわけないじゃないですか。
 要するに、ほとんど使われなかった台本だから、オープンにしたのです。
 では何が生収録スタジオで起こったか。
 とにかく、番組を見てね。
 (インターネットで後で見ることができるというアングラ情報もあるよ。)
(続く)
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太田述正コラム#2152(2007.10.28)
<防衛省不祥事報道に思う(続x8)>
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