太田述正コラム#14575(2024.11.11)
<皆さんとディスカッション(続x6074)/映画評論181:ローマ帝国の滅亡>

<kHDGasnw>(「立った一人の反乱」より)

≫そんなこと言っても、すすきのホテル殺人事件があったばっかしだからなあ。≪(コラム#14573。太田)

 自分は、仕事の関係で心療内科の患者(10人程)を世話したことがあり、その治療スタイルを観察する機会に恵まれた。以下はその時の感想です。
 初診 患者の過去から現状までを聞く。
 そして抗うつ薬を処方する。もちろん仕事は出来ない。2回目以降は現状確認、薬の処方。これを良くなるまで繰り返し、良くなると薬を減らして患者と相談して復帰を模索、失敗すれば又、薬というサイクルであった。
 まるでベルトコンベアのような単細胞ぶりで、私には人間を扱っているという感覚が無いように感じられ、私は嫌悪感しか感じられなかった。もちろん、世の中にはハイエンドな治療を行う病院がどこかにあるのかもしれないが。

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <ね、国民民主党だって安全保障意識ゼロだろ。↓>
 「玉木雄一郎氏「高松観光大使」元グラドルと隠密不倫デート&地元ホテルで逢瀬…取材には「家族との話し合いが終わっていない」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b9902cddbe5b9d599955f738260c1d463078a5f
 「国民・玉木代表 不倫報道「おおむね事実」と謝罪・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/27531288/
 <原因は戦争放棄の一択。↓>
 「・・・もし価値が一定で有限ならば、誰かが価値あるものを得ているのは別の誰かから奪っている以外にありえない。善人対しても「我々に気づかせないほど巧妙に、我々の価値を奪っているのでは」という疑念がよぎることになる。 こうした誤った推論により、日本の現状を誰かのせいにする言説が流行した。・・・
 <その結果、>日本はここまで「衰退」した・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ddd50e7b60d38a0cb96bdd4fa582476fd9fbb826

 ウクライナ問題。↓

 <リニアにしなさい!↓>
 In Russia’s shadow: The Baltics wait for Europe’s strategic new railway・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cx2n4r9reejo

 ガザ戦争。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 ヤメ判事の言うこともワケ分からん。脳死は当然ここまでも。↓

 「最高裁事務総局での生活は苦痛でしかなかった」…アメリカ留学から帰国した「エリート裁判官」を待ち受けていた2年間の”地獄の日々”・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0b7ed257d66b93abbc6e31d3bcbcb2331f75121
https://gendai.media/articles/-/139382?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related

 日・文カルト問題。↓

 <底意のない素朴な疑問。日本には同様の施設はなさそうだが、どうして韓国にはある?↓>
 「慶尚南道陜川郡の原爆被害者福祉会館を初めて訪れたのは、大学生だった2018年8月のことだ。太平洋戦争末期の1945年8月、米軍による広島と長崎への原爆投下当時に被爆した韓国人たちが住んでいる所だ。・・・
  日本被爆者団体「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」がノーベル平和賞受賞者に選ばれた10月11日、しこりのように残っていた記憶が浮かび上がった。そして15日未明、車で陜川に向かった。6年前に会った高齢者の大半は亡くなっていた。建設当時、約110人の人々が入居していたが、現在生存しているのは67人だという。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/11/05/2024110580169.html
 <知らんがな。↓>
 「「金持ち」と「アカ」の間…透明人間の在日韓国人–韓国籍の在日同胞26万人–第2の鄭大世はもはや現れず–韓国に帰還したら「マイクロアグレッション」がまん延–
左派・右派を問わず、問題点にこだわって背を向けた・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/11/05/2024110580170.html
 <外国音痴の米国にも、外交・安保をぶんなげた戦後日本にも、基本、「専門家」はいません!↓>
 「日本の専門家 「トランプ、中国への圧力のため韓米中協力を維持するだろう」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/326025

 トランプ問題。↓

 <いや、そうじゃなく、エゴってやつだよ。ヒスパニックや黒人は既得権益を守るために新規ヒスパニック等移民を排除したいし、男達は女性の力増大を妨げたいし、女達は女の大統領誕生を嫉妬したのさ。↓>
 From Trump’s victory, a simple, inescapable message: many people despise the left・・・
https://www.theguardian.com/commentisfree/2024/nov/10/donald-trump-the-left-social-media-rightwing-propaganda-progressives-woke
 <言ってることに意味不明な部分があるが、いずれにせよ、それを担うのは人間主義しかないぜ。↓>
 Donald Trump and the New World OrderThe End of the West–Donald Trump’s return to the White House shows that liberal democracy has failed. It proved unable to provide a coherent structure to the post postwar era.・・・
https://www.spiegel.de/international/world/donald-trump-and-the-new-world-order-the-end-of-the-west-a-b71fa1bd-6147-47a4-8738-5c17eff44a55
 <それにしても、このハナシ、どうなるんだろね。↓>
 New York State has found a legal loophole that would force Trump to serve his prison sentence for the entire 4 years of his Presidency. -Keep in mind Trump is sentenced on Nov.26, that is before he’s sworn into office and even then cannot be pardoned from a state case.
https://x.com/PopFlopHQ/status/1855384206140158102?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1855384206140158102%7Ctwgr%5E444994a0edf3e9544477d40f2ac7b15614263043%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fitainews.com%2Farchives%2F2041490.html

 簡単な話だよ。英国は大英帝国を維持するために先の大戦を戦ったってだけさ。
 そして、その最大の敵はドイツじゃなく日本だったのさ。↓

 The great remembrance divide: Britain fought for freedom in Europe, but against it in the colonies・・・
https://www.theguardian.com/commentisfree/2024/nov/10/remembrance-day-britain-colonies-second-world-war-europe-britain-india-hitler

 ピンボケだ。
 非難されるべきは教義宗教全般だよ。↓

 V13: Chronicle of a Trial by Emmanuel Carrère review – a humane and thoughtful testimony of terror and loss・・・
https://www.theguardian.com/books/2024/nov/03/v13-chronicle-of-a-trial-by-emmanuel-carrere-review-bataclan-attacks-paris-2015

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <メッ。↓>
 「中国で商標事前パクリ、今度は化粧筆の白鳳堂がやられる・・・中国メディアの界面新聞・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b943559-s25-c20-d0198.html
 <同じく。↓>
 「「ホテル従業員が日本人拒絶」続報 従業員本人が“愛国動画”投稿・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b943562-s25-c30-d0198.html
 <答えが分かり切ってる問題提起をすんな。↓>
 「・・・日本華僑報網は「無人配送は日本の配達員の仕事を奪うのか」と題した文章を掲載した。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b943485-s25-c30-d0193.html
 <健闘を称える。↓>
 「中国ショートドラマが1兆円規模に、日本でもハマる人が続出・・・中国メディアの中国新聞・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b943421-s25-c20-d0190.html

<太田>

一 ディスプレイ

 次はこれか。↓

 「8KテレビをPCのモニターとして使う・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/8k%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%82%92pc%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E4%BD%BF%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%82%B9%E3%82%84%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-AA1tOMZp?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=03f3321f314040618f9f3e8173489358&ei=40

二 歯

 本日、歯科の「定期健診」なのだが、ついに一か所部分入れ歯にする決心を固めて赴く。

 ガックリだが、仕方なし。

              --映画評論181:ローマ帝国の滅亡--

「『ローマ帝国の滅亡』(・・・The Fall of the Roman Empire)は、1964年の叙事詩的<米>映画。・・・
 史実では病死となっているアウレリウス<(注a)>帝がクリアンダー(クレアンデル)<(注b)>によって暗殺されたことになっている。

 (注a)Marcus Aurelius Antoninus(121~180年。皇帝:161~180年)。「第16代ローマ皇帝である。五賢帝最後の皇帝。第15代皇帝アントニヌス・ピウスの后妃ファウスティナ・マイヨル(大ファウスティナ)の甥で先帝の外戚にあたり、また大ファウスティナはハドリアヌスとトラヤヌスの傍系血族でもある。
 外叔父アントニヌスの皇女で自身の従姉妹であるファウスティナ・ミノル(小ファウスティナ)と結婚して帝位を継承したが、共同皇帝としてハドリアヌスの重臣の子ルキウス・ウェルスが立てられていた。アウレリウスは小ファウスティナとの長女ルキッラを嫁がせて両皇帝の結束を固めたが、169年にウェルスが崩御した事で単独の皇帝となった。
 ストア哲学などの学識に長け、良く国を治めた事からネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌスに並ぶ皇帝(五賢帝)と評された。対外政策ではパルティアとの戦争に勝利を収めたが、蛮族への予防戦争として始めたマルコマンニ人、クアディ人、サルマティア人などへの遠征(マルコマンニ戦争)は長期戦となり、国力を疲弊させ、自らも陣中で崩御した。
 軍事よりも学問を好んだ皇帝という姿は、彼の著作である『自省録』への評価を通じて今日も維持されている。これは『国家』を執筆したプラトンの時代から学識者にとって理想とされた「哲人君主」の実現例と見なされているからである。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%8C%E3%82%B9
 (注b)Marcus Aurelius Cleander(?~190年)。「第17代ローマ皇帝ルキウス・アウレリウス・コンモドゥス・アントニヌスの侍従長(執事)として立身を果たし、皇帝からの信頼を武器に汚職政治を行ったと言われている。一時は近衛隊長の地位まで手にしたが、やがてコンモドゥス帝に処刑された。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB

 映画では、コンモドゥス<(注c)>が父帝アウレリウスの実子ではなく、母ファウスティナが愛人の元剣闘士との間に生んだ子であるとの脚色が加えられている。

 (注c)Lucius Aelius Aurelius Commodus(161~192年。皇帝:180~192年)。「彼の治世は一般にパクス・ロマーナとして知られるローマ帝国の歴史における黄金期の終わりを示すと考えられている。・・・
 統治の間、帝国はマルクス・アウレリウスの治世と比較して軍事紛争が減少していたが、陰謀や謀議がはびこり、コンモドゥスは次第に独裁的なリーダーシップをとるようになり、ついには宗教のような個人崇拝に至った。・・・
 父アウレリウスはコンモドゥスの教育を自ら手がけ、博学な知識を生かして様々な学問について息子に教えた。これはコンモドゥスに文官としての知識と能力を与えたが、その反面として父と同じく軍人としての能力は犠牲にされてしまった。・・・
 アウレリウス帝は在位中に後継者を儲けており、初めから帝位継承者として育てられる息子を持つ最初のローマ皇帝だった。したがって、それまで養子による継承を基本としていた「賢帝の時代」の一人とはいえ(また自らもその恩恵に与ったとはいえ)、彼はコンモドゥスを継承者にする確固たる決意を固めていた。176年、成人の儀式から1年後にアウレリウスは、息子に皇帝称号の一つであるインペラトル(軍指揮官)を付与することを宣言し、帝位継承の意思が内外に明確に示された。
 そして続く177年にアウグストゥス(尊厳者)の称号も与え、これでコンモドゥスは「カエサル」「インペラトル」「アウグストゥス」という三大称号を得て、父とほぼ同等の政治的地位を与えられた。即ち、父から共同皇帝としての指名を受けたのである。若い共同皇帝に対して父アウレリウスは凱旋式の挙行という名誉をまず与え、その上で護民官を兼務させて「身体の不可侵」という最も神聖な特権を享受させた。
 177年1月、コンモドゥスは護民官に続いて執政官にも就任した。わずか15歳での執政官就任はローマ史上でも最年少であり、父親としての溺愛に近い扱いであった」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%B9 ※

 ルシラ(ルキッラ)<・・この映画ではソフィア・ローレンが(他の出演者達同様、な英語・・結構流暢・・で)演じている(太田)・・は、史実ではコンモドゥス帝の10歳以上離れた既婚の姉(父アウレリウス帝と<形の上でだが、初の>共同皇帝<にアウレリウスがし>たルキウス・ウェルス<、>の未亡人、クラウディス・ポンペイウスの妻)であるが、映画ではそこまでの年齢差のない未婚女性として描かれ、アルメニア国王との政略結婚のエピソードが加えられている。またコンモドゥス帝の暗殺未遂事件は、史実では姉ルキッラが当時の夫ポンペイウスを帝位に付かせるために計画し、愛人に実行を命じた事件であるが、映画では義憤にかられたルキッラが自らの手で弟を殺そうとしている。ルキッラは史実では弟コンモドゥスの暗殺未遂後にカプリ島に流されて亡くなっているが、映画では流されることなく、コンモドゥスの死後も生き続けている(史実では、コンモドゥスが死んだのは姉の死から10年後)。
 コンモドゥスは、史実では10年以上帝位にいた後に重臣らによって暗殺されているが、映画ではそこまで在位しておらず、姉ルキッラによる暗殺未遂事件の直後に元親友の軍指揮官との決闘に負けて死んでいる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%BB%85%E4%BA%A1

 この機会に、帝政ローマが傾き始めたまさにその時についての史実の方を少しおさらいしてみたが、自分の娘のルキウスと息子のコモドゥスと、どちらも高い倫理観を持った人間に育てそこなった「哲人」皇帝アウレリウスに最大の責任がある、という感が深い。
 そして、それに加えて、コモドゥスに、(彼を一流の戦士たらしめ(※)つつも、)指揮官/参謀としての教育を授けることを、アウレリウスが怠ったことが致命的だった、と言えるのではなかろうか。
 つまり、より一般的な形で言えば、ローマのような大帝国を維持する軍隊の指揮官/参謀養成機関、や、エリート子弟のための中等高等教育機関、を、設置する最後の機会をアウレリウスが逸してしまったことについて、哲人・・考える人・・であったからこそ、彼は咎められるべきだ、と、思うのだ。

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太田述正コラム#14576(2024.11.11)
<G・クラーク『ユニークな日本人』を読む(その31)>

→非公開