太田述正コラム#14490(2024.9.29)
<映画評論138:つぐない>(2024.12.24公開)

 てっきり、表記について、もう映画評論を書いてアップしてあったと思い込んでいたのですが、そうではなかったが分かったので、遅ればせながら書くことにしました。↓

 「『つぐない』(原題: Atonement)は、2007年の<英仏米>の映画。・・・第65回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)と第61回英国アカデミー賞作品賞受賞。第80回アカデミー賞では作品賞を始めとする7部門にノミネートされ、作曲賞<(注1)>を受賞した。・・・

 (注1)Atonement Soundtrack
https://www.youtube.com/watch?v=4ICisTSQMEY&list=PL2qQXyLK4-1X_WZNc-lp5cVDIJdvMyxcc&index=2
https://en.wikipedia.org/wiki/Atonement_(soundtrack)

 <これは、>イアン・マキューアン<(注2)>の『贖罪』を・・・映画化した作品<である>。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%90%E3%81%AA%E3%81%84_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
https://en.wikipedia.org/wiki/Atonement_(2007_film) ←筋が邦語版より詳しい

 (注2)Ian McEwan(1948年~)。「サセックス大学<卒、>・・・イースト・アングリア大学[修士。]ブッカー賞<を>・・・1998<年に>・・・受賞」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%B3
https://en.wikipedia.org/wiki/Ian_McEwan ([]内)

 実は、atonementという英単語、それまでも知らなかったわけではないのですが、1988年のイギリス「留学」当時、宿舎での夕食に何組かの「同僚」「学生」夫妻らを招待したところ、イギリスの外交官の某氏夫妻が現れなかったので、終わってから彼に電話したところ、「うっかりして忘れていた、そのatonementのために日にちを改めて我が家の夕食にお招きしたい」、と、彼が言ったので、ああ、atonementって堅苦しい単語だという認識だったけれど、こういった時にも使えるんだな、と、思ったことがあります。
 また、この映画の制作直前・・制作中?・・の「2006年、『贖罪』(2001年)の一節が1977年にルシラ・アンドリューズが刊行した回顧録”No Time for Romance” からの剽窃であると<マキューアンが>訴えられ、彼の作品が情報源であることを認めた。他にも、『贖罪』にアンドリューズの自伝や他の作品から短いながらも流用したことを認めたことで、この件はますます長引き、デビュー作『セメント・ガーデン』の鍵となるプロットが、イギリス人作家ジュリアン・グローグ (Julian Gloag) が1963年に発表しドラマ化もされた”Our Mother’s House” に酷似していること<も>露見した。・・・
 アンドリューズの死から1か月後の2006年11月、マキューアンは『ガーディアン』で盗作については・・・否定・・・しながらも、”No Time for Romance” の作者には恩があると認めた」(上掲)という騒動があったことを知りました。
 後は、様々な有名な映画でお馴染みだったイギリス人女優のキーラ・ナイトレイ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4
の顔と名前がこの映画を見て初めて一致したこと、と、この映画の後半の背景である第二次世界大戦が、様々な意味・・この映画の場合は、ダンケルク撤退戦(ダイナモ作戦)、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2%E4%BD%9C%E6%88%A6
と、ザ・ブリッツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84
の過程でのBalham tube station disaster
https://en.wikipedia.org/wiki/Balham_station#Second_World_War
・・で、イギリス人にとってもトラウマになっていることを改めて自覚させられたこと、を特記しておきます。