太田述正コラム#2824(2008.10.1)
<単独著についての裏話>(2009.4.1公開)
1 始めに
 本日は、コラム#2805に登場した「知人」に長文の最終となるメールを送った後、本日の有料読者向けのコラムに何を書くか首をひねり、最初、「米金融産業救済法案の否決」(コラム#2822)の続編にしようと思っていたのですが、材料不足であるとの結論に達し、今度はセックス依存症(sex addict)についてのコラムを書こうと思い立ちました。
 しかし、典拠にあたってみたところ、どうしてもコラムの執筆構想がまとまりません。
 そこで、これもあきらめました。
 というわけで、結局、単独著についての裏話でお茶を濁させていただくことにした次第です。
 あしからず。
2 単独著について
 (1)出版日程
 単独著は、9月3日に印刷所に持ち込み、9月17日に見本ができ、早ければ9月24日に店頭に並ぶ、ということです。平積みになるだろう、とも言われました。
 とにかく、どんなに衆議院解散が早くても、投票日までには店頭に並ぶわけであり、この本の内容からして、タイミング的にギリギリ間に合ったな、と胸をなで下ろしています。
 (2)タイトル
 タイトルは『実名告発 防衛省』になったそうです。
 『防衛省への最後通牒』だとばかり思っていたので、何だ、イエローペーパーの見出しみたいなタイトルだな、どうしてこのタイトルにしたのか簡単でいいから説明して欲しい、と(株)金曜日にメールを打ったところ、私を担当している週間金曜日の伊田副編集長から電話がかかってきました。
 スタッフが本屋を回ってリサーチしたところ、「最後通牒」という言葉がむつかしくてよく分からないのではないか、という感触だったので、タイトルを再度部内で検討した。
 その結果、太田さん本人も実名であるだけでなく、告発相手もすべて実名であるということから、端的に「実名告発」でどうか、という意見が出てきた。
 調べたところ、これまで「実名告発」という本は出版されていない。それに、内部告発という言葉は陰湿なイジメにあった人による告発というイメージがあるところ、実名告発なら、そんなイメージもない。
 こういうことで、『実名告発 防衛省』とした、と伝えられ、納得しました。
 
 (3)校正
 2日後には印刷所に最終ゲラを持ち込むというのに、本日もまだ、校正が続いています。
 編集者とのメールのやりとりの一部をご披露しましょう。
編集者:<防衛関係費の対GNP比1%枠突破のところに出てくる、当時の防衛担当主計官の>西村さん、<その後任の主計官の>岡田さん、<防衛総括主査の>黒田さん、<その後任の>佐藤さん、について、可能であれば氏名表記にしたいと思います。
 西村さんは<銀行局長で退官した>「西村吉正」さん、岡田さんは<環境事務次官で退官した>「岡田康彦」さん、と思われますが、黒田さん、佐藤さんが不明です。もしおわかりでしたらお教え願えますでしょうか。
太田 :<現金融庁長官の>「佐藤隆文」です。
 黒田さんについては、若くして亡くなられていることもあり、申し訳ありませんが、思い出せません。
編集者:黒田さんの件ですが、お一人だけ名前が抜けるのはよろしくないかと思いますので、ここの扱いは伊田さんと相談させて頂こうと思います。
太田 :財務省の官房秘書課に「1986年頃、主計局防衛係総括主査をされていた黒田さ
ん・・故人。佐藤現金融庁長官の前任者・・の名前を教えてください」と問い合わせれば、教えてくれると思いますよ。
編集者: ありがとうございます! 早速問い合わせてみました。
 が、なかなか該当の「黒田さん」が見付からないようです。
 まず、最初の電話では、「すぐには見付りそうにないので、電話をかけ直します」とのことで、待機しました。するとしばらくして、「やはり見付からないので、ほかに手がかりをください」という折り返しがきました。
 そこで佐藤さんに加えて、西村さん、岡田さんの名前や肩書を伝え、その周辺で調べてもらっています。
 いま再度の返信を待っているところです。後ほど、結果をご連絡します。
太田 :大変お手数をおかけしております。
 それにしても、そんな目端の利かない人間が、財務省の秘書課にいるとはショックです。
 キャリア名簿を見て、佐藤氏(1973年入省)より、1~3年先輩の中から黒田氏を捜せば一発で見つかるはずです!
編集者:それが、最初はその手順で探したのだそうです。ところが佐藤氏から辿っても見付からないとのことで……。
 あ! いま電話があり、黒田さんのフルネームがわかりました。
 黒田康夫 さんだそうです。
 助かりました。ありがとうこざいました。
 (4)プロモーション
 出版後、阿佐ヶ谷ロフト(コラム#2449、2462)でこの本の宣伝を兼ねたトークライブを開催することになりそうだとのことです。
3 終わりに
 私の毎日の様子がお分かりいただけたのではないでしょうか。
 こういうのが、いわゆるブログなんでしょうね。
 ところで、私の著書が2つ立て続けに出版されたこともあり、11月中に東京でオフ会を開きたいのですが、東京圏在住の有料会員の方で、何人か幹事役を引き受けてくださる方いらっしゃいませんか。ささやかな御礼として、今度出る単独著(サイン入り)を各人に贈呈します。
 公共施設(例えば、勤労福祉会館)を使えば、会場費を安く上げられますよ。
 土曜日の午後2時から6時までを1次会とし、それから食事と飲み会を兼ねた2次会にしたいと思います。