太田述正コラム#3755(2010.1.8)
<皆さんとディスカッション(続x707)>
<太田>
 昨日の夕刻、早稲田大学政経学部の3、4年生を対象とする授業の1コマを受け持ち、「日本の「独立」」をテーマに講義をしてきました。
 30名以上来てたかな。普段よりずっと多かったらしい。
 学生諸君が、あらかじめ配布してあった講義案を読んでおり、太田ブログにも適宜目を通してあるという前提で、プロジェクターにパワーポイント資料を投射しながら、話をしたところ、活発な質問が出て、私の言いたかったことがある程度伝わったことが分かり、胸をなで下ろしました。
 その後、有志の学生6名(全員4年生。官僚、ジャーナリスト、会社員の卵)ほか2名と私で、もよりの居酒屋で懇親会を行いました。
 講義の時も女性の学生の多さが印象的だったけれど、懇親会では学生の半分(3名)が女性でしたが、太田オフ会の二次会のような雰囲気で、活発な「議論」が続き、私も少しは若返ったような気持ちになりました。
 この講義案、一ヶ月後には公開するので、その折、ぜひ読んでください。
 また、パワーポイント資料も、今後色んな形で活用していきたいと考えています。 
<パイナップル>
≫太田の性格分析なんて、日本が「独立」してからでもゆっくりやってね≪(コラム#3747、3753。太田)
 政権交代を達成した今、僕ら(一般庶民)が独立に向けてできることって何ですか?
 やっぱり身近な人たちに対して地道に説いていくしかないんですか?選挙もしばらくは無いことですし・・・。
<太田>
 まずは、上記講義案を読んで、私の主張をしっかり頭に入れ、それを踏まえて身近な人たちの説得を試みてくださいね。
 また、何とか、近々、「日本の「独立」」に係る新著を編集、出版したいと考えており、出版された暁で、この本をぜひ広めて下さい。
<θθββ>(「たった一人の反乱」より)
 地検も亜米利加から独立しないといけないのか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E9%80%80%E8%94%B5%E7%89%A9%E8%B3%87%E4%BA%8B%E4%BB%B6
<太田>
 キミが何を言いたいのかまで書かなくっちゃ。
<OT>
 時間が合えばオフ会にも参加したいのですが、なんとなく敷居が高いような気がしてなかなか踏み切れません。
 どなたかが提案していたように、講演会という形式のほうが良いかもしれません。
<太田>
 次回のオフ会は、そのような形のものにしたいと思っています。
 ただし、それ以降、かかる形のものを含め、色んな形でのオフ会開催を追求していくことになろうかと思います。
<コバ>
 –テロとの戦いはどうなっていくのか?–
 テロという現実を目の当たりにすることで、イスラム国家でビンラディンへの支持が減少するというのも非常に皮肉なことだと思います。↓
 ・・・One of the best examples was Jordan where, before the bombing of hotels in the capital Amman of November 2005, polls showed nearly two-thirds of locals had confidence in Osama bin Laden “to do the right thing in world affairs.” After the blasts, the level dropped to 24 percent.
 In Turkey, only 3 percent backed bin Laden by 2005, down from 15 percent three years earlier. The same phenomenon could be seen in Morocco, Saudi Arabia and Egypt. While the violence and its victims remained abstract, it could be supported. However, when it meant your policemen, your soldiers and your neighbors were killed and your economy ruined, that was very different.・・・
 しかし米国の影響力が衰えている今、日本が現状のまま思考を停止して独立を選ばずに喜んで米国の属国であり続けていたら、世界の不安定化がとめどなく進行してしまうのではないでしょうか。とにもかくにもフリージャパン! フリージャパン!↓
 But then, it is difficult to say that the West has won. The threat remains. Few of this global conflict’s root causes have been dealt with and any improvements are fragile. In December 2004, when Bush had just been re-elected and was preparing his triumphal second inauguration, the official quadrennial intelligence review by US agencies had predicted “continued US dominance.”
 The same agencies reported last year that the US would soon no longer be able to “call the shots” alone as its power over an increasingly multipolar planet begins to wane. If this is a victory, then the US cannot afford many more like it.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2010/01/07/2003462833
<太田>
 私の提案を踏まえ、太田流の内容でご投稿いただき、ありがとうございました。
 それでは、記事の紹介です。
 小沢幹事長の政治錬金術の原資のもう一つの調達方法はこれか?↓
 「民主党の小沢一郎幹事長が代表時の06~08年に党本部から財務委員長の2議員に支出された計約22億円の「組織対策費」。議員名の領収書さえあれば使途の説明を求められないこうした支出は、小沢氏が過去に率いた新進、自由両党でも、4議員に計75億円余が集中的に支出されていた。このうち計約31億円は、辞任した藤井裕久前財務相あて。他の3議員のうち2議員は「まったく知らない」などと話しており、名義借りの疑いも出てきた。・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100108k0000m010126000c.html
 韓国とともに、中共でも親日感情はどんどん高まってるようだね。↓
 「中国紙のアンケートで、・・・十五~二十歳で「最も好きな国は」との質問に、「日本」とした回答者は12.3%だった。二位はフランスと米国で、それぞれ11.8%、韓国が10.9%、英国が7.7%とつづいた。全年代では、日本は米国、フランス、オーストラリア、シンガポールに次いで二十七カ国中五位だった。
 一方、三十一~四十歳で「最も好きな国は日本」と答えたのは2.5%にとどまった。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010010802000072.html
 
 中共で大活躍している日本人の美容師、建築士が紹介されてるよ。↓
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/newyear/repo/rep100107_2.html
 こりゃ面白い。↓
 「北朝鮮の国家計画委員会、貿易省、外務省、食料日用工業省、金日成(キム・イルソン)総合大学の教授ら経済官僚や専門家計48人が、昨年末に韓国政府の予算で、中国の大連大学で株式市場など資本主義市場経済に関する教育を受けた事実が確認された。
 韓国政府高官は6日、韓国政府が2億2500万ウォン(約1850万円)を投じて実施した「対北知識協力事業」に対し、北朝鮮が中堅の経済官僚を派遣していることを明らかにした。
 同事業は2008年から予算が組まれ、一部では実現可能性が低いとの指摘も受けたが、昨年から北朝鮮が実際に参加し、教育が行われている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権末期に予算編成され、李明博(イ・ミョンバク)政権になっても事業が継続されている。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100108000027
 シーシェパードの高速艇と捕鯨船との衝突の映像だけど、
 昨日お示しした、捕鯨船側によるもの
http://www.youtube.com/watch?v=h5uptwYWeY8
と高速艇側のもの
http://www.youtube.com/watch?v=Bbuq0YEIPNU&feature=player_embedded
、それぞれが、それぞれの主張を裏付ける印象を与えるのが面白いね。
 後者は、目の錯覚を利用してる感じがするし、大体からして、どうしてこんなカメラアングルの場所にシーシェパードの僚船がいたんだい?
 ロサンゼルスタイムス掲載の写真集↓見て、改めてそう思うな。
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-whalers-clash-pictures,0,2601301.photogallery
 なお、ニューヨークタイムスは、上記の二つの映像をともに埋め込んでいる記事↓を掲載している。
http://dotearth.blogs.nytimes.com/2010/01/06/anti-whaling-speedboat-wrecked-in-collision-with-whalers/?hpw
 米タイム誌も、本件の記事↓、掲載してる。
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1952194,00.html
 捕鯨船側=日本政府は、抗議する↓だけじゃなく、国際世論に向かってもっときちんと説明しなくっちゃ。
 平野官房長官は7日午前の記者会見で、反捕鯨団体シー・シェパードの小型高速船が南極海で日本の調査捕鯨船団の監視船に衝突した事故について、「極めて遺憾だ」と語り、日本政府として小型高速船の船籍のあるニュージーランド政府に抗議したことを明らかにした。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100107-OYT1T00607.htm?from=nwla
 中共からの頭脳流出を食い止められるか、当局の死闘は続く。↓
 ・・・China’s spending on research and development has steadily increased for a decade and now amounts to 1.5 percent of gross domestic product. The United States devotes 2.7 percent of its G.D.P. to research and development, but China’s share is far higher than that of most other developing countries.
 Chinese scientists are also under more pressure to compete with those abroad, and in the past decade they quadrupled the number of scientific papers they published a year. Their 2007 total was second only to that of the United States.・・・
 No Chinese-born scientist has ever been awarded a Nobel Prize for research conducted in mainland China, although several have received one for work done in the West. While climbing, China ranked only 10th in the number of patents granted in the United States in 2008.
 Chinese students continue to leave in droves. Nearly 180,000 left in 2008, almost 25 percent more than in 2007, as more families were able to pay overseas tuition. For every four students who left in the past decade, only one returned, Chinese government statistics show. Those who obtained science or engineering doctorates from American universities were among the least likely to return.・・・
http://www.nytimes.com/2010/01/07/world/asia/07scholar.html?ref=world&pagewanted=print 
 中共中央がどんないいことを企画しても、党の下部組織や地方組織が、金儲けのためのそれを歪めてしまうという一例だな。↓
 ・・・Created in 2008 as part of a reform effort to grapple with the country’s growing narcotics problem, the centers, lawyers and drug experts say, have become de facto penal colonies where inmates are sent to factories and farms, fed substandard food and denied basic medical care. ・・・
 ・・・the drug rehabilitation system that replaced the Communist Party’s previous approach of sending addicts to labor camps, where they would toil alongside thieves, prostitutes and political dissidents. ・・・
 ・・・has simply given the old system a new name. What is worse, they say, is that it expands the six-month compulsory detentions of old into two-year periods that the authorities can extend by five years. ・・・
 ・・・detox centers were little more than business ventures run by the police. Detainees, he said, spend their days working at chicken farms or shoe factories that have contracts with the local police; drug treatment, counseling and vocational training are almost nonexistent. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/01/08/world/asia/08china.html?ref=world&pagewanted=print
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<globalyst:翻訳>
コラム#3751より
もっとも、米国の諜報諸機関がどれだけしっかりしてたとしても、イエーメンのような国じゃ、途方に暮れちゃいますがね・・。↓
 ・・・米国が、疑わしい過激派を攻撃したり、そうした攻撃を支援したりすることによって、イエーメンでのアルカイーダのシンパが増えてしまう可能性がある。・・・
イエーメンでは、より大きな不安定化要因は戦闘状態よりも水不足であり、この国を悩ませる部族間戦闘の多くの原因は水不足となっている。
 国連は、最も水の乏しい国の1つとしてイエーメンを挙げており、・・・現在の利用量ではサヌアの井戸は2015年に枯渇するであろう。・・・
コラム#3753より
 総合ビタミン剤は効用ないんだって。
 フリーラディカルを除去するためのビタミン剤服用に至っては、かえって危険だとさ。 ビタミン中毒の米国人への警告です。↓
 米国では成人の約半数が何らかのサプリメントを摂取している。しかし、多種多様な患者集団および症状に対する研究によれば、数ある中で最も一般的に利用されているマルチビタミンが健康人の主要な慢性疾患を防止するとの証拠を見出すことができなかった。・・・
 ・・・抗酸化サプリメントは、心臓疾患、脳卒中、癌から守ってくれないだけでなく、実際には死亡リスクを高めてしまう。・・・
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太田述正コラム#3756(2010.1.8)
<左脳・右脳・人間主義(その3)>
→非公開