太田述正コラム#3843(2010.2.21)
<皆さんとディスカッション(続x751)>
<ΝββΝ>(「たった一人の反乱」より)
 ・・・<「英陸軍の近現代史」シリーズ(コラム#3559、3561、3563)を読みました。>
 そういやイギリス陸軍って、昔は1年毎に議会の承認が無ければ継続できなかったんだよね。
 今は有名無実になってるけど。
 週末、太田氏に捧げるアニメソング。
 「ヘタリア」より「パブってGO!」
http://www.youtube.com/watch?v=TNNlUWwZK3Q
 最後の「アメリカのバカ~!」は思いっきり感情を込めて叫んでくださいw
<太田>
 おお、これはイギリス論アニメじゃあーりませんか!
<KY>
 太田先生。。。こんにちは~^^ 
 検事・事務官・刑事は、あまり簿記・会計に詳しくないですねん。 
 私も政治・軍事だけ、少し知っている人間なのですが・・・今回の小沢問題では、検察の恣意的捜査とマスコミ(増すゴミ)の報道について勉強になりますた。。。
 今日の紹介です。
 「単式・複式簿記の違いが解れば、小沢氏の政治資金問題は氷解する」~細野祐二氏(公認会計士)インタビュー・無用放映中(70分)
 私も見ましたが、文字より良く解りますた。
http://www.videonews.com/interviews/001999/001364.php
<太田>
>検事・事務官・刑事は、あまり簿記・会計に詳しくないですねん
 典拠は?
 経済事犯を扱おうと思ったら、簿記・会計が分からなきゃハナシにならんぜ。
 ついでに言っとくと、企業相手に助長・規制行政をやってる中央官庁の役人にとっても、やっぱし簿記・会計の知識は不可欠だ。
 こういう人々は、フォーマルな教育を受けたことがなくても、自学自習で簿記・会計の知識を身につけてるんよ。
 石川議員には簿記・会計の知識がないかもしれんが、検察等も同じだと思っちゃいけない。
 だから、政治資金規正法が単式簿記的発想に立っていることへの細野会計士の批判はそれなりに筋が通ってるけど、それ以外の彼の主張はゴミっぽいねえ。 
<少数株主>
 植物状態の人と「会話」 fMRI使い脳活動検出
http://www.asahi.com/science/update/0206/TKY201002060149.html
 このこと、今後の事実認定に役立ちそうですね。
<太田>
 残念ながら、その話↑間違ってたみたいですよ。↓
http://www.guardian.co.uk/world/2010/feb/19/miracle-patient-facilitated-communication
 ついでに、コラム#3839で、νΒΒνクンの投稿に身も蓋もないお答えをしたけど、ちょっと補足すると、米国は、もともと英本国が北米駐留英軍のコストシェアリングを北米植民地にさせるべく税金をかけたのに怒って独立したというお国柄なんで、米国の人々は、政府ないし政府がかける税金には反感・不信感が強いのだな。
 だから、所得税を徴収できる根拠を20世紀にもなってわざわざ憲法に明記する必要があったり、内国歳入庁(IRS)が武装組織を持たなきゃならなかったりするわけさ。↓
 ・・・the 16th Amendment to the Constitution, which authorizes Congress to levy income taxes, ・・・was ratified in 1913.・・・
 ・・・IRS’ criminal division already has 2,700 armed special agents.・・・
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/content/view/print/281800
 更に蛇足。
 「たった一人の反乱で」男性差別のハナシを持ち出したヒトがいるけど、コラム#3492で処理済みだからな。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 モサドならずとも、世界の諜報機関は、殺人のライセンスをもらっている。
 CIAは一旦このライセンスを返上したんだけど、9.11同時多発テロ以来、再び「法解釈」により、このライセンスを回復して現在に至ってるんだな。↓
 ・・・The CIA itself has a long record of planning and sometimes bungling the killings of high-profile foreign officials, including then-Cuban President Fidel Castro, Indonesian President Sukarno, and Congolese dictator Patrice Lumumba. President Ronald Reagan — acting in the wake of embarrassing disclosures by Congress and the media about such plans in the mid-1970s — wrote an executive order that says: “No person employed by or acting on behalf of the United States Government shall engage in, or conspire to engage in, assassination.”
 Reagan’s 1981 order is still in effect, but the CIA has interpreted other laws and presidential covert action findings since the attacks of Sept. 11, 2001, as allowing targeted killings of individuals. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/02/19/AR2010021905335_pf.html
 その殺しのライセンスには、(これもどこの国の諜報機関でも)自国民の殺人が含まれている。↓
 ・・・Obama administration claims the right to assassinate Americans suspected of involvement in terrorist plots.・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2010/02/19/mission-impossible-dubai/
 ところで、このNYタイムス掲載ブログには、ハマス高官のドバイでの暗殺の前に、英国のMI6はモサドから一般的な形で通報されていたって興味深い話も出ている。↓
 ・・・MI6 was tipped off that Israeli agents were going to carry out an ‘overseas operation’ using fake British passports, it was claimed last night. A member of Mossad, the Israeli intelligence service, said the Foreign Office was also told hours before a Hamas terrorist chief was assassinated in Dubai. The tip-off did not say who the target would be or even where the hit squad would be in action. ・・・
 音楽家であり、法学者でもあるイヴォ・ジョシポヴィッチ(Ivo Josipovic。1957年~
http://en.wikipedia.org/wiki/Ivo_Josipovi%C4%87
)が、クロアティアの大統領になったんだね。↓
 Ivo Josipovic ・・・took office as president< of Croatia> on Thursday・・・is no ordinary politician.
 A softly spoken professor of international criminal law specialising in war crimes, he is also a composer of edgy, avant-garde music. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8521615.stm
 その彼の作曲した曲をお聴きください。↓
 数々の賞を欧州で受賞したSamba da Camera 
http://www.youtube.com/watch?v=icvad4vqpB4&feature=related
 もうちょっとポップな曲もどうぞ
http://www.youtube.com/watch?v=-0oOwPNO8jY
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<globalyst:翻訳>
コラム#3835より
 既に始まっている、アフガニスタンにおける対タリバン大軍事作戦とあいまって、アフガニスタン情勢に転機が訪れた感があります。↓
 
 先週、カラチにおけるパキスタン諜報部とCIAとの共同作戦中に、アフガニスタンのタリバーン司令官のNo.2であるアブドゥル・ガニ・バラダル師が拘束された。・・・
 ・・・バラダル師の拘束は、南アフガニスタンにおける米軍およびアフガン軍の大規模攻撃の最中に公表された。・・・
 米国当局者は、バラダル師は、タリバーンの軍事行動に加えて、しばしばクェッタ・シューラ(*1)と称されるグループの指導者会議を主催していると考えている。と言うのも、ここ数年、指導者会議の指導者たちが、パキスタンのバローチスターン州の州都であるクエッタ(*2)近傍に隠れていると考えられているからである。・・・
 バラダル師の尋問はパキスタンが指導しているが、米国人も関連している。尋問の状況は不明である。オバマ政権は、就任後の最初の週に、米国人による水責めのような厳し尋問を禁止したが、パキスタン人は、長い間、囚人を残忍な尋問にかけてきた。・・・
 指導者会議は、そこには多くのタリバーンの最も有名な指導者が含まれているが、・・・3~4ヶ月毎に開かれ戦略が立てられる。彼は、つい3年前まで、会議には19人のメンバーがいたと言った。その後、6人が殺害または拘束された。それ以降、<会議の>開いた席には他の者がついている。・・・
*1:クェッタ・シューラ(Quetta Shura)は、
>パキスタン南西部の都市に所在するタリバンの指導評議会(leadership council)(コラム#2818)
*2:クエッタについて
 原文は”Quetta, the capital of Baluchistan Province in Pakistan”となっていますが、
>バルチスタン(Baluchistan)とは、現パキスタンの西南(バローチスターン州)、イラン東南(スィースターン・バルーチェスターン州)、アフガニスタン南部にまたがる地方。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3
>クエッタ (Quetta) は、パキスタンのバローチスターン州の州都である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BF
ので、原文中の”Baluchistan Province”は–Balochistan Province–の誤記であると考えられ、原文からは外れますが「パキスタンのバローチスターン州の州都であるクエッタ」と訳しました。
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太田述正コラム#3844(2010.2.21)
<イギリスとユダヤ人(続)(その2)>
→非公開