太田述正コラム#4175(2010.8.6)
<皆さんとディスカッション(続x915)>
<太田>(ツイッターより)
(コラム#4173に関し)日本には北畠親房や松平定信ら、民主主義につながる有力政治思想家が何人もいたんだよ。
コラム#4170(未公開)が公開されたら読んでね。
間違っても、戦後日本が米国によって民主化されたなんて言わないでくれー。
<akira_848>(同上)
後醍醐帝の独走を嫌ったものの、階級思想の権化のような『神皇正統記』を著した親房、「寛政異学の禁」を出した定信。
民主主義との関連性説明を楽しみに待ちたい。
<太田>
そいじゃ、予告編を。
ちょっとだけよ。
「私は、北畠親房・・・は、天皇直接統治(親政)は控えるべきであるとしつつ、天皇は、誰に統治させるかについて慎重を期さなければならず、人望があり善政を行い得る者、或いは人望があり現に善政を行っている者を選ぶべきである、と主張したと考えます。・・・
松平定信<は>・・・「治世者は私心ではなく、天下の公理、すなわち世論、を踏まえて治世を行わなければならない。」<と記しています。>」(コラム#4170。未公開)
<veg_tan(べじたん?)> (同上)
≫ウーム、<聖アポロニアの>どこがグラマラスじゃい?≪(コラム#4173。太田)
「信心が足らん by桂ざこば」ですよ(笑) 。
<太田>
この際、聖アポロニアについて一言。
彼女は、アレキサンドリア在住のキリスト教尼僧であり、ローマ創建1,000周年の249年に、反キリスト教暴動のさなか、群衆によって歯を全部叩き折られるという拷問を受けた後、彼女が涜神的言辞を吐かなかった場合の焚刑のために用意された火の中に自ら身を投じて亡くなったとされています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Saint_Apollonia
<KK>
こんなところにも漫画が使われているようです。
新しい?プロパガンダでしょうか?
A LASTING PARTNERSHIP
永続的パートナーシップ
http://jp.wsj.com/japanrealtime/tag/%E7%B1%B3%E5%9B%BD/
続きがどうなるかですが、永遠の奴隷な気がします。
早く太田さんの本とかも漫画化になるといいですね。
そういえば、以前出ていた映画の候補<(コラム#4073)>で『招かれざる客<(Guess Who’s Coming to Dinner)>』<(1967年)>
http://en.wikipedia.org/wiki/Guess_Who’s_Coming_to_Dinner (太田)
を見た中で黒人の男性が白人の女性に結婚を申し込むという内容でしたが、白人家庭の黒人家政婦さんが、黒人男性に対し結婚を思いとどまるよう忠告的に「思い上がるのもいい加減にしろ」みたいなことを言っていたのを思いだました。
黒人は、黒人らしく奴隷的のほうがいいだろと無意識に言っている気がして、気味が悪かったです。
日本人もまたそうなのであろうか・・・・
<太田>
言及された映画、「米国では1664年にメリーランド州が、初めて白人と黒人との間の婚姻を禁じる法律を施行しました。19世紀中には、米国の大部分の州で同様の法律(anti-miscegenation statute、anti-race mixing law。ただし、対象が黒人以外のすべての非白人へと拡大された)が施行され、1960年代に至るまで41の州でこれらの法律が生きていました。実にこの状態は、1967年に米最高裁がこの種の法律を違憲と断じる判決(Loving v. Virginia)を下すまで続いたのです。」とコラム#720で記したところ、この判決が下されたまさにその年に封切られたのですね。
この映画で主役級で登場するシドニー・ポワティエがやはり主役級で登場する英国映画『駆逐艦ベッドフォード作戦(The Bedford Incident)』(1965年)
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Bedford_Incident (太田)
・・冷戦時代の行き詰まる米駆逐艦とソ連潜水艦とのにらみあいを描く・・を、偶々先ほどケーブルTVで鑑賞したばかりです。
この映画の、潜水艦から核魚雷が発射され、駆逐艦が影も形も亡くなってしまう、というエンディングからも、私のかねてよりの、戦後、日本に対する渡洋作戦は不可能になった、という指摘が正しいことを、この映画をご覧になった方にはご理解いただけることと思います。
それでは、記事の紹介です。
米ウォールストリートジャーナルの記事(有料記事なので冒頭部分しか読めない)をめぐって読者が投稿でやりあっている。↓
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703748904575411123599873634.html?mod=WSJ_Opinion_carousel_3#articleTabs%3Dcomments
いずれにせよ、今回の広島での式典への駐日米大使の出席は、米国民の間で、事実上の謝罪と受け止められているよう↓で、大変結構なことだ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100806-OYT1T00415.htm?from=rss&ref=mixi
中共の人々が脱出を図る目的地に日本なんて影も形もない。↓
・・・ even as China grows richer, the number of its rich choosing to emigrate is rising. Many want to maintain two homes, merging their money-making abilities in China with what they perceive as the greater security and ease of international travel offered by a foreign passport or permanent residency. ・・・
So they come to Mr. Charette, who specializes in investment immigration to his home province of Quebec. Or they go to other lawyers dealing in immigration to major destinations like the United States, Australia, Singapore, New Zealand and Hong Kong. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/08/06/world/asia/06iht-letter.html?ref=world&pagewanted=print
80年代の韓国のポップスを北朝鮮の女性が歌詞を変えてギターの弾き語りで歌っている映像が見られるよ。↓
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/08/03/2010080300956.html
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太田述正コラム#4176(2010.8.6)
<アダム・スミスと人間主義(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x915)
- 公開日:
(平成22年8月6日 活動動画)
Dailymotion版
(1/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www.dailymotion.com/video/xebaet_100806yyyy1_news
(2/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www.dailymotion.com/video/xebat3_100806yyyy2_news
(3/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www.dailymotion.com/video/xebbaj_100806yyyy3_news
(4/4)No more Hiroshima, No more Nagasaki. Pearl Harbor once again!
http://www.dailymotion.com/video/xebc22_100806yyyy4_news
プレイリスト
http://www.dailymotion.com/playlist/x1dr57_shukenkaifuku_22-08-06yyyyyyyyyyyyy#videoId=xebaet
Axfc UpLoader(DLK:shuken)
(1/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www1.axfc.net/uploader/B/so/66661.mp4
(2/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www1.axfc.net/uploader/B/so/66663.mp4
(3/4)【デモ行進】米国は原爆投下を謝罪せよ!
http://www1.axfc.net/uploader/Ar/so/22424.mp4
(4/4)No more Hiroshima, No more Nagasaki. Pearl Harbor once again!
http://www1.axfc.net/uploader/K/so/73873.mp4
※4/4は14分弱の長さです。
◆原爆犠牲者への黙祷とデモ行進
<米国は原爆投下を謝罪せよ!アメリカの戦争犯罪に時効はない>
※日本民族が絶対に忘れてならないのが、8月6日、人類初の米国がしでかした史上最大の殺戮である原爆投下だ。投下同時刻に犠牲者たる我が同胞へ黙祷、米国大使館付近を通り日比谷公園に向け、米国の戦争犯罪を糾弾するデモ行進を決行します。
日時:平成22年8月9日(月) 集合18:00(長崎原爆被害者への追悼集会)
場所:JT本社前(地下鉄銀座線「虎ノ門駅・3番出口」より外堀通りを溜池山王方面へ直進。徒歩4分 )
http://www.jti.co.jp/corporate/outline/jt/map/index.html
※米国は広島における酸鼻きわまる殺戮の翌々日、さらに長崎へ二回目の原爆を投下した。非戦闘員の虐殺を、今なお恬として恥じない米国の非道を放置、許してはならない。各自ペンライトを持参の上ご参集を、米国大使館に原爆犠牲者への弔花と共に抗議文を届けます。
主催:主権回復を目指す会
※雨天決行
連絡:西村(090-2756-8794)
http://www.shukenkaifuku.com/info/main.cgi?mode=thr&no=95
無料読者なので、ディスカッション上の話の流れが断片的にしかわかりませんが、
これまで(1999年まで)の近現代史の帰納的研究成果をまとめた『日本近現代史研究事典』によりますと、
日本の歴史学においても日本における民主主義の淵源が、少なくとも江戸時代にあると言うことは漠然とですが、わかっているそうです。
もしかしたら、北畠親房から明治までの民主主義思想の発達をひとつながりの歴史として描けるのかも?
以下は江戸時代の思想(新井白石等の儒学者の思想?)が幕末に公論思想になり、五箇条の御誓文に受け継がれ、明治憲法体制の重要な理念になった、という話。
――「公義」論と幕末政治――
<1867年10月14日、徳川慶喜>は朝廷に対し、大政奉還の上表を提出した。その文面には、「広ク天下ノ公義ヲ尽シ」との文言が見える。
この「公義」とは幕末から現れる。「公義輿論」、「公論」、「衆議」等々とほぼ同意の類語、あるいは密接に絡み合う言葉である。
それが大政奉還という幕府捨て身の行動を取らせたひとつの原動力であった。
しかし、後の五箇条誓文の第一条にも現れる(万機公論)これらの言葉は、幕末政治という狭い問題に限定されない、およそ日本の近代国家形成に関わる重要な理念を形成するものである。・・・
【「公義」とは何か】
その意味を明確にするのは容易ではないが、まず「公義輿論」という言葉を取り上げてみよう。
これは「公義」と「輿論」の複合とみられることもあり、井上勲は前者を国家(日本を指す)意志、後者をその国家を構成する単位の意見の様々とした。
この前者に関しては三谷博の批判があるが、その三谷は「公義輿論」を日本全体に関わる問題の解決に際し、政権外の政治主体が政権担当者に参照と尊重を要求する集合的意見と解した。
・・・「公義」を尊重せしめた背景<は>・・・外圧による国家的危機に際し、“幕藩体制の支配の正当性、または国家体制の本質”が表面化したという類いの解釈がとられている。
まず、政治思想の観点から、「公義」の発生を“徳川将軍家の支配の正当化に動員された儒教の「天」ないし「天道」観念の活性化と変容”にもとめる井上の見解。
また、松本三之助も近年初頭の儒教思想における「天」(天下)と「公義」との関連を指摘している。
他方で、尾藤正英や三谷博は、幕藩制国家の本質を大名連合政権(国家)とみることにより、それと<外圧による対外ショック>を関連させて「公義」尊重の風潮を説明している。
両者ともさらに踏み込んで、中世以来の合議制の伝統も重視する。
・・・<「公義」論>は幕末のみならず、明治初年の制度改革、士族反乱、自由民権運動、帝国議会開設と、そののちまで重要さを失わないとの見解はほぼ定着していると言えよう。・・・
(『日本近現代史研究事典』「公義論と幕末政治」 東京堂出版 1999刊 から抜粋)
補足:新井白石の思想
幼年の将軍(=7代家継、徳川家の象徴化か?)を“補佐する立場(=徳川幕府の永続性を考える立場)”にいた新井白石が家継の為に書いたのが「読史余論」である。
「読史余論」は摂間政治の開始から徳川家康制覇に至る政権の変遷経過を論じ、武家政権の正統性を主張したものである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%AD%E5%8F%B2%E4%BD%99%E8%AB%96
以下、読史余論の訳文(日本の名著『新井白石』 中央公論社)から抜粋
<新井白石の頼朝評(正統性に関わる部分のみ焦点をあてて抜粋)>
『“神皇正統記”はつぎのように語っている。
「・・・後白河の時代に戦乱が起こって、よこしまな臣たちが国を乱した。このために天下の民はひじょうな苦しみを味わわされた。
頼朝は力をふるってその乱れを平定したのである。・・・都の戦塵もおさまり、万民は肩の荷をおろした。
また、すべての人が安心して暮らせるようになり、東からも西からも頼朝の徳をしたって帰服した」また、こうもいっている。
「だいたい、保元・平治以来の世の乱れたようすに、もし頼朝という人もなく、泰時という者もいなかったとしたら、日本の人民は、いったいどうなっていたことであろうか」
・・・当初、頼朝が、すでに破れていた兵士を集め、関東の武士や民衆の心をひきつけて、勢力が日々さかんとなり、天下がついに彼のものとなったのは、祖先の残した勢いだけによるものではない。
彼自身が英雄の素質をもち、すぐれた人たちが彼を援助したのである。・・・』
<新井白石の足利尊氏評>
『この人が初めに挙兵して以来二十六年のあいだ、一日とて戦いのないことはなく、天下は最後までおちつかず、君臣父子兄弟たがいに争い合ったことは、古今に例のないことである。
すべて、自分が正しくなかったために、他人を正すことができなかったからである。
しかしこの人が、けっきょく武家の棟梁となったことは、公家の政治が、ことのほか武家の治世に劣るということを武士も人民もよくわかったので、
だれでもいい、武家の時代を再興してくれる人を君主にまつりあげようと天下の万民が思い慕っていたところ、
好都合なことに、この人が朝廷にそむいたから、朝敵というその名は憎んでも実を慕ったわけである。』
所々、正統性が正当性になってる・・・・・・
間違いですorz