太田述正コラム#5513(2012.5.31)
<私の現在の事情(続x8)>(2012.9.15公開)
1 始めに
 案の定、大変な一日になりました。
2 大田区役所の出張所にて
 まだ現実に引っ越しをしていないので、転出・転入届を出すのはグレーゾーンなのですが、三菱地所リアルエステートの担当者が、新住所で建物保存登記をした方が登記料が安上がりになるというので、旧自宅の最寄りの出張所で転出・転入届を出し、新住民票と新印鑑登録証を、開庁直後にもらおうとしたのです。
 ところが、係官の女性は、まだ建物が区に登録されていないから転出・転入はできないというのです。
 すったもんだした挙句、携帯で三菱の担当者にクレームをつけ、9時半にやってくるテラダコーポレーションとその空調機専門提携業者を待たせるわけにいかないので、急いで自宅に向けて引き返しつつあった時、三菱の担当者からまた電話があり、係官の女性ととにかく話をさせてくれ、と言うので、再び、上記出張所に戻りました。
 その結果、三菱から登録証のFAX送付を受けたこの係官の女性の「誤解」が解け、その場で転出・転入届が受領され、住民票と印鑑登録証が発行されました。
 その時、再び私がのけぞるような事実が判明しました。
 私の聞いていた住所の地番まではあっていたのですが、号数が一つズレていたのです。
 この物件の案内のチラシに書いてあった号数を信じるのは当たり前であり、恐らく28日契約した時の契約書には「正しい」号数が書いてあったのでしょうが、そこまでは普通見ませんからね。
 建物が既に登録されていたことは間違いないようなので、区の方は関係部門間の連絡がうまくいっていなかったということのようですし、三菱の方は、とんだチョンボだ・・土地を分筆した時に号数付けが予想と異なった結果になってしまったけれど、三菱がチラシの修正を忘れていた、ということのようです。
 前者については、バタバタしたけれど、テラダと関連業者を15分待たせただけで済みましたが、号数、つまりは住所については、光熱水料関係やケーブルTVやテラダ、家電量販店等のほか、防生協、私の弁護士・司法書士にも連絡済みであったので、困りました。
 当日中におおむね連絡ができましたがね・・。
 1115頃には、テラダと関連業者は全ての作業を完了して自宅を出、他方、1145の指定時間よりも少し早く、裁判の相手方およびその弁護士と弁護士の助手の男性が3人で現れ、私は自宅の鍵2種類をそれぞれ一個ずつ渡し、最寄りの児童公園で時間をつぶしました。
 (件の裁判の家裁でのこと。本人尋問を(弁護士を解任したため)私自身がやったのですが、その時と同じ顔を彼女はしていました。別居のしばらく前までと比較し、余りにも激しい容貌の変化に、再び私は直視するにしのびず、目を逸らせました。)
 すると、1100前に早くもこの弁護士から私の携帯に電話があり、息子の写真類はちゃんと残っていた・・私は練馬のマンションやパソコン内に息子の写真類はたくさんあるので、自宅にあった息子の写真にはそれほど執着はない・・けれど、(私が額をぶつけたあの)食器入れを持って行かれるとは全く予想していなかった。しかも、その中には、さまざまな人から自分がもらったものが入っている。よって本日中に私にカネを渡すわけにはいかない、と彼女が言っているというのです。
 それに対し、私は、「事前に、しかも余り明確ではない形で、息子の写真の件は当方に貴弁護士経由で聞こえて来たけれど、当方から、要望があるのならあらかじめ聞かせて欲しいと申し入れてあったのに、何の返事もなかったではないか。この期に及んでそんなことを言われても困る。私はこれ以降のスケジュールをびっしり組んでいる。もしカネが本日払われなかったら、1000万円の損害賠償を要求することになろう。(手付金ウン百万円が契約相手のものになった上であらゆる引っ越し関係の契約が解除され、私は損害賠償請求をされるであろうことから、当然です。)
 こんなことになったのは弁護士たるあなたの責任でもある。」と切り返しました。
 相手は、「随分あなたのためにもよかれと思っていろいろ尽力した私に向かってそんなことを言っていいのか・・相手は私の高校の先輩。(大学も先輩かどうかは不明。)それはともかく、今次裁判において、彼のお世話になった意識は私には毛頭ない・・、と怒りを露わにし、「では、本日、渡すはずのカネから1千万円を減じたものを渡すということでどうだ」と言うので、この提案についても断固拒否しました。1千万円不足したら、転居先の残代金が不足し、契約は解除されてしまうからです。
 その上で、私の新居を彼女が訪問し、食器入れそのものは返さないが、その中に入っているものについては、最大限彼女の要望に応える、ということでどうだと反対提案をしました。
 再び、相手側は協議し、「それでは、彼女と彼女の母親があなたの新居を訪問することにするが、直接連絡をとりあうことは避けたい。あなたの友人で、あなたの結婚式の際の立会人を務めた大学教授はどうだ」と折れて来ました。
 ただし、連絡役は、彼女の友人で私の知人でもある建築家はどうか、と伝えたところ、今度は彼女がイヤだとのこと。
 結局、彼女側の弁護士が引き続き、連絡役を務めることで決着しました。
 (半年後には弁護士を引退することもあり、もう仕事はしたくないが、単なる連絡役だけなら、彼女の父親の代から彼女の家の弁護士を務めてきたことからも、彼は引き受けたもの。)
 そこで、彼女は姿を消し、この弁護士と助手はタクシーを呼んで、また、私は歩きで、最寄りの銀行の支店に赴きました。
 結局、タクシーを呼ぶのに時間のかかったこのご両名の方が私より後になってこの支店に到着しました。
 予定通りの1230からカネの私の口座への振り込みと、自宅の残りの鍵の同時履行に着手がなされました。
 そして、この支店から送金がなされたことがこの銀行のシステム上に登録された時点・・振り込み依頼から25分くらいかかったですかね。月末は混むのです。なお、振り込みは、「カネ総額マイナス1000万円」、及び、「1000万円」の二つに分けてなされました。いつでも1000万円を減額できるよう、彼女の要望で、二つに分ける形で、銀行側とも打ち合わせつつ、事前準備したとのこと。ゾ!・・で上記ご両名は私から残りの自宅の鍵を受け取って帰りました。
 それから、私は支店内のキャッシュディスペンサーの列に並び、記帳を試みたところ、間違いなく記帳できたので、同じ支店内でほとんど隣り合わせですわって待っていた、三菱、売主たる業者、施工業者、司法書士の席にかけつけたところ、約束の1300を1分過ぎていました。
 それからの手続きは大変でしたが、どうやら終え、今度は、私と三菱の担当者は一緒に、そして売主たる業者、そして施工業者は三々五々、転居先に向かい、転居先に着いたのは1415くらいだったでしょうか。
 もう既にアートの人々が転居先の駐車スペースに引っ越し荷物を山積みして待っていますが、約束の時間は1500にしており、その間、私はこの物件に瑕疵がないかを、三菱の担当者らと一緒に見て歩きました。
 結局、1500少し前から、引っ越し荷物の搬入が始まり、1730頃、完了しました。
 その間、1600頃にはCATVのTV機能、インターネット機能付与のためにケーブル会社の係員が訪れ、1700頃には、東京ガスの係員が訪れました。
 その際、床暖房がリヴィングに入っていることを教えられたのはうれしかったけれど、自宅から持ってきたガス・ファンヒーターは、ガス取入れ口がついていないので、使えないことを知ってがっくりしました。(昨年買ったばかりです!)
 こうして長い長い運命の一日は終わり、西馬込駅付近で晩飯を食べる先を探したところ、ファミレスの「ジョナサン」に出っくわし、そこに入りました。
 ファミレスに入るなどということは、5年ぶりのことです。
 ああ、そうそう、私も大田区の住民として、馬込文士村のことは聞いたことはありましたが、全く忘れていたところ、案内表示板が設けられていました。
 江戸情緒のある田園調布といった風情の場所なので、文士達の住居がこの界隈に集まったということなのではないでしょうかね。
 この点も、私として、満足のいくところです。
 こうして、まだカーテンもなく、照明も、台所、風呂場、階段、玄関にしかない、真っ暗な新居に戻り、、とにもかくにも、風呂に入って、ミストサウナを体験しました。
 その時点では、蛇口(シャワー)から熱いお湯を出すことすら、使い方が判然とせず、できませんでしたが、ミストサウナでご機嫌になって、(シーツ等はまだ開梱して取り出していなかったので、)適当なものを身に巻きつけて、ベッドで就寝しました。