太田述正コラム#6353(2013.7.27)
<皆さんとディスカッション(続x1973)>
<太田>(ツイッターより)
過大評価されているとの評判がある米芸能人50人が紹介されている。
 クリントンや某フットボーラーが登場してるのはご愛嬌だが、それぞれの(おおむね好意的な)月旦はなかなか読みごたえがある。
http://blog.sfgate.com/mlasalle/2013/07/26/overrated-according-to-readers/#14229-1
 活躍してる芸能人って異能者揃いだとする彼の意見に花丸。
 日本の女性が世界一長命の座を香港から2年ぶりに奪還。
 男性は、アイスランド、香港に次ぐ3位。
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/07/26/japans-women-regain-claim-to-longest-life-expectancy/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
 人間主義者は長生きなんよ。
 アイスランドの人口は32万に過ぎず、香港は人口700万の一都市で中共の一部だ。
 そもそも、比べるの意味ないと思うがねえ。
 中共軍が制作に協力した、尖閣奪還・防衛ゲームが出現。
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/07/26/chinese-army-designed-video-game-lets-players-fight-japan-for-the-diaoyu-islands/
 日本側必勝なのに、そもそもゲームになるってのが不思議だわ。
<eGhahup2>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫慰安婦問題に関して言えば、あまりの荒唐無稽さから、右が騒がなくても、周知されたと思う≪(コラム#6351。2gqbqRys)
 それ本当?
 今でも左系の言論は韓国の言い分を丸ごと事実だと信じている現状があるし、当時は左系の言論が圧倒的に日本の主流だったというのになんでそんなことが起こると思うの?
 その仮説こそ荒唐無稽でしょ。
≫右の言論が海外に対して、何の論駁もしていない≪(同上)
 韓国や中国に対してけっこう直接抗議してると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=fUGHTaD4FiA
<2gqbqRys>(同上)
>韓国や中国に対してけっこう直接抗議してると思う。
 アメリカに対しては?そこが核心なんよ。↓
 「ところが、上記サイトの檄文では、邪悪な韓国のプロパガンダに善良な米国が乗せられた、という誤った構図に乗っかった記述がなされています。
 そうではなくて、米国の反日的歴史認識に染まった韓国人・・例えば、米国に「亡命」していた李承晩・・等(後述)が、かかる歴史認識を韓国内で人々に注入し、かかる歴史認識を注入された韓国人が、それを米国に逆輸出した、という構図であることに、我々は気付かなければならないのです。」(コラム#6217)
http://blog.ohtan.net/archives/52172872.html
 <eGhahup2クン、>韓国の言い分=狭義の強制連行説だけど、日本で狭義の強制連行説が潮流となった事なんてあった?
 あなたの主張は、右の言論が無ければ、日本において狭義の強制連行説が潮流となったはずだという主張だけど、そもそも日本において狭義の強制連行説を主張する学者なんて居るのか?
 日本における慰安婦問題の争点は基本的に以下の点だと認識しているんだけども。
 「従軍慰安婦問題の研究者吉見義明も「強制とは『本人たちの意思』に反する行為をさせること」であり「本人の意思に反して連行していくことは『強制連行』」であると定義している。
 民間人による就職詐欺のケースも強制連行に含め朝鮮半島や台湾で慰安婦の強制連行が行われたのは事実であり、軍はこれに通行許可書を発行するなどの関与をしたと主張している。
 このように拡大された定義を「広義の強制連行」と呼ぶ。吉見によれば、
自発的に慰安婦になる女性が存在するはずはなく、「たとえ本人が、自由意思でその道を選んだようにみえるときでも、実は植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果」なのだという」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E9.81.8B.E5.8B.95.E5.AE.B6.E3.81.AB.E3.82.88.E3.82.8B.E5.B7.A5.E4.BD.9C
 狭義の強制連行説には真偽不確かな証言以外に証拠は無いんだから、その説が否定されるのは自明だろ。
 (自明じゃないってあなたは言ってる訳だけど、印象論以外に何か示してもらわなきゃ困る。)
 例えば河野談話だって、広義の強制連行説によった謝罪だろ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E9%96%A2%E4%BF%82%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B2%B3%E9%87%8E%E5%86%85%E9%96%A3%E5%AE%98%E6%88%BF%E9%95%B7%E5%AE%98%E8%AB%87%E8%A9%B1
 それと、中国や韓国は当事者間なんだから、彼らに抗議するっていうのはかなり矮小な出来事だろ。
 だって、それが右の言論が「十分役に立ってる」というあなたの主張を裏付けるような功績にはまったくならないからな。
 むしろ、なぜ、右の言論は、日本の国際社会の立場において比較にならないほど重大性(影響力)が大きい、第三者(≒英米のメディア)の慰安婦における日本批判に対して論駁しないのか不思議に思わないのか?
 それを不思議に思ったら右の言論のふがいなさに憤りを覚えない?
<hTC5qDe2>(同上)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130726/kor13072603210001-n1.htm?view=pc
産経のこの記事は秀逸。
 慰安婦問題にたいしてアメリカ人識者が冷静な観点を持っていることを伝える一資料だ。
 <eGhahup2クンは、>例えばこういう記事を引用して英訳したサイトでも作って、慰安婦のニュースが英米系ニュースサイトに出るたびに『こういう意見もあるぞ』って感じで投稿しなよ。
 右系の議論は参考になるならないはともかく、兎に角、国内”だけで”言ってる分には発展性はないのは間違いないよ。
<xzPsr51w>(同上)
 <eGhahup2>君が、もともと言っていたのは、日本国内では、右系の議論はそれなりに存在価値があるという意味だと思うのだがなぁ。
 皮肉を言うつもりはないが、個人で英訳したサイトが作れるのなら苦労せんよ。
 <eGhahup2>君に何を求める気だよ。俺には、理解できないね。
<fDCeMi/Q>(同上)
 韓国にはまず小中華思想というバイアスがかかった歴史観がある
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%80%9D%E6%83%B3
 次に漢字を廃止した事による知的劣化がある
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1134368/1155934/76067687
 やっかいだが、こういう隣人と付き合っていかなければならない。
<OKLpUI3E>
 米コミコン参加の「キック・アス2」スタントマンが投身寸前の女性を救助
http://eiga.com/news/20130726/19/
 アメリカでも人間主義は浸透してますね。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 田中均は主観的には宗主国サマ命、客観的には米国務省キャリア達サマ命だと思えばエエんよ。↓
 「田中元審議官 安倍外交を批判・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130726/plc13072622000017-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130627/plc13062709030005-n1.htm ←参考
 どっちもどっちで、要は人間として合わないだけ。
 「みんな」の空中分解を祈る。↓
 「みんな、分裂懸念も…渡辺・江田氏の確執深まる・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130726-OYT1T01225.htm?from=main2
 その懸念は正しい。
 海江田ともども、労組依存勢力の一掃が期待される。↓
 「・・・大畠氏の起用を巡っては、保守系の議員を中心に「民主党の労組依存がより鮮明になり、『解党的出直し』のイメージが薄れる」(党幹部)との声が出ている。」
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130726-OYT1T00939.htm?from=ylist
 昨日の続きだが、オバマの第一任期の時の、大使の政治任命率は35%、現在は56%だって。↓
 ・・・During his first term, the ratio of career diplomats to political donors appointed to ambassadorships was about 65:35, according to Bloomberg, roughly the going average over the past 30 years. In Obama’s second term, though, political appointees have jumped up to 56 percent. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/07/26/keep_your_friends_close_and_your_campaign_donors_closer?page=full
 米大統領の国務省嫌いは今に始まったことじゃなさそうだ。
 ハリー・ホプキンスやアヴェレル・ハリマン、ウェンデル・ウィルキーらが欧州に派遣されて、米国の第二次世界大戦参戦のお膳立てをしたとよ。↓
 ・・・Roosevelt despised the state department, and turned instead to a remarkable collection of American originals to be his representatives on high-stakes diplomatic missions.・・・
 Roosevelt’s personal emissaries — Sumner Welles, William “Wild Bill” Donovan, Harry Hopkins, Averell Harriman and Wendell Willkie — were the earlier surveyors who helped chart a course for a reluctant US to venture out into a dangerous world.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/0553de6a-f453-11e2-a62e-00144feabdc0.html#axzz2aCvNEtK4
 米国の人種主義は今でも健在だ。
 黒人の平均富は白人の6分の1に過ぎない。↓
 ・・・whites on average possess six times the accumulated wealth — in the form of home equity, savings and retirement accounts — of blacks.・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/race-blind-admissions/2013/07/25/2b3aaeae-f3ab-11e2-9434-60440856fadf_story.html
 近現代支那の指導者達を突き動かしたものは富と権力だったとさ。↓
 ・・・the ideas that propelled them forward. What strings the characters together is the leitmotif “wealth and power”・・・
 <これまで、欧米の理想である自由民主主義を是としつつも、支那が統一を果たし、強く、豊かになるまでお預けよ、と孫文を始めとする指導者達は言ってきた。(だけど、彼らが富と権力、すなわち個人エゴを追求してきたことで、「公」の精神が民衆の間でいつまで経っても醸成されず、結果として自由民主主義の実現を遠ざけて来たのよ。(太田))↓>
 The emphasis on “wealth and power” in statecraft differs, however, from the more Western ideals of achieving democracy and individual liberties. Even Sun Yat-Sen, the Western-educated founding father of the Republic of China, doubted democracy’s success in his newly minted country. ・・・
 <毛沢東が支那の古い伝統を破壊しつくしたおかげでトウ小平は改革開放に乗り出すことができた(ってのは最近の英米でのキャッチコピーになりつつあるようだが、デタラメだと繰り返し強調しておこう(太田))。↓>
 Mao’s acts may have finally cleared the burdens of China’s ancient traditions and allowed for the pragmatically minded Deng Xiaoping to reform and open up China’s economy・・・.
 <で、ついに支那で自由民主主義化が可能な状況になった(と言うんだけど、ぜーんぜんそうは思わねーぞ。(太田))↓>
 ・・・feels that democracy or republican government is good, but not until we’ve unified, not until we’re strong, not until we’re wealthier. So now that’s happened.・・・
http://www.atimes.com/atimes/China/CHIN-01-260713.html
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 一人題名のない音楽会です。
 庄司紗矢香の最終回(第4回目)は、ドイツ以外の作曲家の続き等です。
Elgar Salut d’amour/Paganini La Campanella ピアノ:岩崎淑
http://www.youtube.com/watch?v=6ZddQfQxmHk
Paganini : 24 Caprices No.17 “Sostenuto” 指揮:Yuri Temirkanov オケ:Saint Petersburg Philharmonic Orchestra
http://www.youtube.com/watch?v=64Kp0MLsseg
Dvorak Concerto for violin in A Minor 指揮:? オケ:Tokyo Metropolitan Symphony Orc
http://www.youtube.com/watch?v=9tUXGWzuKHI
? ←誰か、曲名を教えてたもれ!
http://www.youtube.com/watch?v=OZ0NxGcjt9A
 最後に、もう一つTV番組に登場する庄司をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=QqgHPn6b01w
http://www.youtube.com/watch?v=k6JF90eCEro
(完)
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太田述正コラム#6354(2013.7.27)
<日支戦争をどう見るか(その8)>
→非公開