太田述正コラム#6822(2014.3.19)
<皆さんとディスカッション(続x2207)>
<太田>(ツイッターより)
 「「赤い疑惑」の宇津井健死去 中国でも高い人気…」
http://j.people.com.cn/206603/8570389.html
 中共当局の対日戦略は、アクロバティックだが論理的だ。
 「首脳会談めぐり日本に具体的措置求める=韓国外交部…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/18/2014031803379.html
 しかし、韓国政府の対日戦略は甘えん坊がだだをこねてるみたいで非論理的だ。
 「具体的措置」について「具体的」に示さないんじゃ対応のしようがないじゃん。
 どうせ、慈父のごとき日本政府が「具体的措置」とは何ぞやと問い詰めることはない、と高を括ってるんだから度し難い。
 頼むから成長してくれー。
 昨年、日本での音楽売上が17.6%も減り、世界の音楽売上を3.9%押し下げたとよ。
http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-26626396
 こんなデッカイ魔訶不思議なニュースが何で日本のメディアで報じられてないの?
 一体何が起きてるんだぁ?
 音楽業界通のヒト、ぜひぜひ説明してくだしゃんせ。
<shihouen>
「集団的自衛権を・・・議員と市民の勉強会」
≫自民の吉田ドクトリン・バネってやつだ。≪(コラム#6820。太田)
 元プロで、身内(一次安倍内閣)だった方もいる。?↓
 <集団的自衛権:柳澤協二さん(1)>解釈改憲そのものに平和の問題だけではなく 日本の民主主義の根幹にかかわる問題が内在している
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3585.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E6%BE%A4%E5%8D%94%E4%BA%8C
<太田>
 彼、(コラム#6814で)登場したばかりです(そのほか、コラム#6368)が、1971年に私が役所に入った時に最初に配属された会計課で業務を引き継いだ前任者(年次は一年上、年齢はもうちょい上)です。
 天下り期間が終わるといかに自由な発言が可能になるかの素晴らしい事例ですねー。
 しかし、40数年間にも及ぶ、役人現役/OBとしての見ざる言わざる聞かざる生活が、いかに人間の知性と人間主義性を鈍麻させるかの典型的事例でもあり、まことに痛ましい限りです。
 (役所に入る前から鈍麻していたとすれば、何をかいわんやですが・・。)
<.Qd3UbWU>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫日韓会談を拒否してまで、謝罪と補償を求めてきたところの、韓国側の完全な一人相撲で終わった、ということなんだよ。まだ、何か疑問ある?≪(コラム#6818。太田)
 太田さんの掲示したURLの中のどこに「補償」ってあるの?
 個人賠償請求権の放棄なんざしてないと、前から言われていることだけど・・。
<太田>
 賠償を補償と言い換えただけだよ。
 個人賠償請求は韓国政府にすりゃいいだろってのが日本政府の立場だけど、個人賠償請求の問題を韓国政府は日本政府と話し合いたい、と言ってるんだから、韓国政府は、個人賠償を日本政府に求めうると考えてるってことだろ。
<.Qd3UbWU>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 また河野談話の継承が謝罪たり得ないとは一体どのような観点からの指摘?
<太田>
 米下院は、河野談話が日本政府による公式の謝罪とは言えない、と思ってるところ、いかなる観点からだってのは、提案者のホンダ議員あたりに聞くしかないんじゃない?
<太田>
 失踪機関連からだ。
 私は、ミャンマーから中共を抜けて中央アジア方面に向かった可能性が最も高いと思ってたんだけど、中共南部には、核施設がたくさんあるので、対空レーダー網は充実してるっちゅうんだな。まいったねー。↓
 If the missing Malaysia Airlines jetliner flew north over the Asian mainland after it lost contact with ground controllers on March 8, it would have had a difficult time avoiding detection by Chinese, Indian or American radar,・・・
 ・・・experts said that the military forces arrayed in the Asian interior, especially in China, India, Pakistan and Afghanistan(←駐アフガン米軍のことよ(太田)), would not be likely to overlook or ignore unidentified aircraft.・・・
 China’s network is especially intensive north of Thailand, Myanmar and Laos in Yunnan Province, where many of China’s nuclear missiles are based・・・
 <他機を装った信号を出して侵入したのでは、と言うんだが、そんなことが可能だとすりゃ、それを見破るシステムもあるはずだからなあ。↓>
 One way the aircraft might have tried to elude detection・・・would have been to broadcast bogus identification signals, such as those for a different commercial aircraft on a regular route.・・・
http://www.nytimes.com/2014/03/19/world/asia/experts-see-robust-radar-along-missing-jets-potential-path.html?ref=world&_r=0
 今のところ、機長のメールやシミュレーターから不審な点は見つかっていない。↓
 A review of emails and a search of a home flight simulator have found nothing to suggest the pilots on missing Malaysia Airlines Flight 370 purposely diverted it from its Beijing destination・・・
http://www.latimes.com/world/asia/la-fg-malaysia-plane-pilots-20140319,0,7482774,full.story#axzz2wNkzW2n0
 次に、STAP細胞問題だ。
 自分で自分の首を絞めたとはこのことだが、改めて、これらを故意/過失によって見過ごした、(小保方さんの上司の)笹井芳樹副センター長の無能さ、醜悪さを感じるねえ。↓
 「・・・キメラマウスの細胞のT細胞受容体遺伝子を解析したデータなど、一度分化したT細胞からSTAP細胞が樹立されたというこれ以上の証拠は論文に掲載されていなかったものの、前述した部分を読んだ多くの研究者は、分化しきった細胞の代表格であるT細胞が、多能性を獲得したのではないかと考えた。
 しかしその後公表されたプロトコルでは、CD45陽性のリンパ球由来のSTAP細胞から複数系統のSTAP幹細胞を樹立し、そのうち8クローンを調べたところ、「いずれにもT細胞受容体遺伝子の再構成は認められなかった」と記述されていたのだ。解析したのは8クローンだけのため、より多くのクローンを調べれば再構成が確認できる可能性はあるほか、作製したSTAP細胞には再構成が見られたものの、培養して増殖能を持たせたSTAP幹細胞には再構成がなくなったという可能性もゼロではない。「しかし、両者の記述を素直に読むと、矛盾しているとしか考えられない。プロトコルを読んで唖然とした」とある研究者は打ち明ける。・・・」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201403/535430.html
 「・・・現在でも公にされていない記者会見でだけ配られた1枚の補足資料に、この騒動を引き起こした最大の原因があった。この補足資料は、小保方ユニットリーダーの共同研究者が作成・配布、理研の広報の事前チェックはなかった。
 補足資料はSTAP細胞と多能性を持つiPS細胞との比較を図示したもの。口頭で説明を加えた。これによって、新聞やテレビなどの論調は大きく影響を受け、STAP細胞とiPS細胞に不幸な3つの誤解が生まれたのだ。iPS細胞と比べて、STAP細胞は安全で、簡単に誘導でき、効率も良いという何ら科学的検証も経ないイメージが垂れ流されてしまった。・・・
 いずれの誤解も時間の経過を無視して、8年前にiPS細胞が樹立された極めて初期的な段階とあえてSTAP細胞を比較した作為によって生まれた。理研が最新の研究成果と比較するというフェアな、科学研究では当たり前な説明の姿勢を取らなかったことが大きな禍根を生んだ。・・・
 慢性的なマスコミの勉強不足と、マスコミの報道が国からの研究予算確保に影響を与えるため、過大な期待を抱かせるような記者発表が横行しているわが国の大学や研究機関の広報に対する姿勢にも、共に猛省が必要である。・・・」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201403/535353.html?bpnet
 自分とこでやっちゃダメだと何度言ったらいいんだろうか。
 理研は、確信犯的に本件を隠蔽しようとしている!↓
 「STAP細胞論文問題で理化学研究所は18日、細胞の万能性を調べる再現実験を理研内で実施し、結果が出るまでには少なくとも3、4カ月かかる見通しを明らかにした。・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG3L3Q9QG3LULBJ005.html?iref=comtop_list_sci_n03
 小保方サンは、エラいセンセ方のご希望通りの実験結果を、コピペで作り出す、(あの日本の考古学界を揺るがせた)ゴッドハンドのおじちゃんのオネエ版ってところだな。↓
 「理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2011年に米専門誌に発表した論文に「図表の重複使用や誤った配置が見つかった」として、共著者のチャールズ・バカンティ・ハーバード大教授は18日までに、実験データを示す複数の画像や画像の説明内容を訂正した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031901001020.html
 私は前から両事件の類似性を指摘してらい。
 それにしても、今回も、長いだけで中身殆んどないね。
 しかも、またもや、連載するんだって。
 ホント、この人、原稿料稼ぎの名人だよ。↓
 「・・・偽ベートーベンとSTAP細胞研究者・・・の似た点と違う点です。こんなことを書くのは、国内外を問わず私くらいのものと思います・・・
 初期にイージーな嘘をついて、それが通ってしまい、味をしめて人間として腐った・・・
 次回はこれに続けて、高等学術研究、特に学際融合の落とし穴についてお話ししたいと思います。」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40221
 インフレーション理論→重力波理論→その検証、という流れのようだが、佐藤氏を取り上げるのは日本のメディアだけ、リンド氏を取り上げるのは米国のメディアだけっての、身内ビイキが過ぎてやしない?↓
 「宇宙誕生直後に発生した「重力波」の証拠を観測したと米チームが発表したことに、重力波のもとになった宇宙の急膨張「インフレーション」の理論を1981年に提唱した佐藤勝彦自然科学研究機構長<は、>・・・自身の受賞の可能性を問われると「期待は持ちたいとは思っているが、ちょっと何とも言えません」と苦笑した。」
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140318/scn14031815250006-n1.htm
 ・・・Andre Linde, a physics professor at Stanford University, is “the founding father of inflation,”・・・
http://www.washingtonpost.com/news/post-nation/wp/2014/03/18/watch-a-physicist-learn-theres-evidence-his-cosmic-inflation-theory-is-true/?hpid=z6
 永遠を瞬間に凝縮してとらえられる、世界で唯一の民族が日本人だとマルローが言ってるんだね。↓
 ・・・The novelist Andre Malraux, he said, had personally told him that the Japanese were “the only people who can grasp eternity in a single moment.” Ishihara, blinking in his owlish way, went on, “The haiku is the shortest poetic style in the world. This was not created by the Chinese but by the Japanese.”
 <しかし、FTのピリング、日本のユニークさと称されるものは、支那の影響を脱してからの江戸時代にまでしか遡れない、なんちゅうアホみたいなこと言ってるよ。↓>
 Much of what we today consider quintessentially Japanese originated from this period of breaking with China.・・・
 <そもそも、日本のユニークさと称されるものは、支那との違いを際立たせたいがためのでっちあげだというイアン・ブルマの言まで引いてるぜ。
 (ピリングちゃん、太田コラムを読みなさい!(太田))↓>
 Similarly, much of Japan’s supposed exceptionalism was a modern construct, said Buruma. “The reason the Japanese nativists describe their own culture as completely different from China was a form of defensiveness.”・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/03/17/why_is_japan_so_different
 言い訳しなくてもいいんだよ。
 東京新聞が、(販売戦略もこれあり、)「右」旋回を遂げつつあるってことだろ。
 ただし、それにしても、見事なまでに習近平戦略に乗せられちゃってるねえ。↓
 「「クリミア侵攻の意味」と題して書いた<ところの、>・・・論説委員<たる>・・・私のコラム(三月十二日付)・・・の要点は次の三つだ。危機で国連が無力化した。中国に伝染する可能性がある。日本はアジアにおける集団防衛体制も視野に入れて集団的自衛権を容認すべきだ。
 本文中でも断ったように、この欄は私説であって社説ではない。にもかかわらず「社説と真逆で許されない」という声があった。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014031902000130.html
 次に、ウクライナ問題だ。
 プーチン、クリミアを併合。
 その直後、クリミアでウクライナ兵士1名、ロシア兵によって殺害。↓
 Putin confirms Crimea annexation as Ukraine soldier becomes first casualty・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/mar/18/putin-confirms-annexation-crimea-ukrainian-soldier-casualty
 <おかげで、ウクライナは、ロシアに負ってる、天然ガス代金等の借金の相当部分をチャラにできるんじゃないかってさ。↓>
 ・・・It may be cold comfort when enemy tanks are still on its border, but some observers suggest that Kiev should be able to write off at least $5 billion of its debt to Russia because Moscow has effectively stolen Ukrainian territory and energy resources, as well as military hardware and bases. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/03/18/clean_slate
 <グルジアから「独立」を達成した南オセチアは現在経済の低迷と物価上昇で、ひどいことになってるようだ。
 クリミアもそうなるだろうってさ。↓>
 As Crimeans danced in the streets this week, giddy at the prospect of being gathered into Russia, few were watching as closely as the residents of the tiny mountainous enclave of South Ossetia, who, five and a half years ago, were similarly ecstatic.・・・
 <南オセチアにロシアはカネをつぎ込んだが、大部分は、くすねられて、目的を達成していない、と。↓>
 Russia’s federal audit chamber found that six months after the conflict, only $1.4 million had been spent on reconstruction out of a disbursement of $55 million in priority aid. By last year, the chamber estimated that $33 million had been lost or misused.・・・
 <ロシアは、その周辺の地域情勢を考慮して南オセチアを自国に併合してないけど、今まで南オセチアを承認したのは、ロシアを除き、太平洋のミニ国家2国を含む4か国のみ。↓>
 Though many in South Ossetia had hoped to be absorbed into Russia, the Kremlin has so far refused to consider annexation, most likely because it would prove destabilizing for Russia’s turbulent Caucasus region, Mr. Malashenko said. Despite 15 months of lobbying by Moscow, only four nations followed Russia’s lead in recognizing South Ossetia as an independent country, and two of them were Pacific islands with populations of fewer than 15,000.
http://www.nytimes.com/2014/03/19/world/europe/south-ossetia-crimea.html?ref=world
 とにかく、チョコレートは健康にいいんだと。↓
 Gut bacteria turn dark chocolate ‘healthy’・・・
http://www.bbc.com/news/health-26626507
http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sci-sn-secret-to-dark-chocolates-health-benefits-20140318,0,6762224.story
 ソニーが仮想現実ヘッドフォンを開発中という記事が、かなり大きく(もう一紙にも)取り上げられていた。↓
 Sony Unveils Project Morpheus, Its PlayStation Virtual Reality Headset・・・
http://time.com/29730/sony-unveils-project-morpheus-its-playstation-virtual-reality-headset/
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太田述正コラム#6823(2014.3.19)
<網野史観と第一次弥生モード(その4)>
→非公開