太田述正コラム#7008(2014.6.20)
<皆さんとディスカッション(続x2300)>
<太田>(ツイッターより)
 「…<昨年までの37年間>の大学入試成績最優秀者900人あまり<の中で>…、経済学を専攻した人が最も多く288人、経営マネジメント専攻が283人とすぐ後に続いた。…<また、>男性成績最優秀者の割合が45.12%にまで低下し…た。…」
http://j.people.com.cn/n/2014/0619/c94475-8743694.html
 さて、これは一体どこの国のことでしょう。
 当然中共。
 前段については、政治回避と拝金主義が背景にあるんだろうが、学問未満で余り役にも立たないものばかり学んでどうする?
 後段については当然のこと。
 むしろ、日本で大学入試に限らず、女性が全力を尽くしていないのは残念だし、困ったことだと思う。
<CRHMILFY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 
 「「お前が早く結婚したほうがいいんじゃないのか?」都議会における塩村あやか議員へのセクハラヤジ・・・」
http://logmi.jp/15195
 ・・・<都議会>議員がこんな有り様だから日本の女性蔑視がいつまで経っても是正され無いわけだ。
<太田>
 女性による男性搾取構造が戦後日本に存在する中で、品の悪い男性議員が、客観的には更なる男性搾取をもたらしかねない女性議員の発言に悪罵を投げつけたってこと。
<Ct06b/l.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫武力と詐術を用いてインディアン居住地を狭めて来た≪(コラム#7006。太田)
 ISISとアメリカの違いはどこにあるんでしょうかね。
 で、インディアンにひどいことをしたのはアメリカ人であって、アメリカに渡ってきたばかりのイギリス人とはいえないんですかね?
<太田>
 北アメリカ大陸に渡ってきたイギリス人は、キリスト教原理主義者・・確かにイスラム教原理主義者のIsisに似てる・・じゃなきゃ、食い詰め者、一発屋、といった、いずれ劣らぬ、イギリスの鼻つまみ連中だったからねえ。
 非キリスト教徒で非白人で狩猟採集民でもって土地を「十分活用していない」「人のいい」アメリカ原住民に対する敬意など、持ち合わせてなかったわけだ。
 
 それでは、その他の記事の紹介です。
 この上、(回りまわって)税金で無駄実験なぞやるなってんだ。↓
 「理化学研究所の野依良治理事長は・・・STAP細胞の再現実験に小保方晴子ユニットリーダーの参加を認める意向を明らかにし・・・「小保方さんがやらないと決着がつかないんじゃないかと思っている」と述べた。
 理研の懲戒委員会が現在、小保方氏らの処分を検討している。野依理事長は「(小保方氏が)例えば懲戒解雇になれば(再現実験に)参加できない」とも語った。・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG6M67DCG6MULBJ017.html?iref=comtop_list_nat_n05
 <お嬢が証拠を残さなかった以上、そのことを含めて懲戒免職に値する。懲戒免職した上で、訴えが提起されたら、それに応じればいいだけのことじゃん。↓>
 「・・・ES細胞を疑わせる解析結果が出てきているが、現時点ではいずれも状況証拠にすぎない。STAP細胞が存在しないという断定には至っていない。
 保管されている試料の遺伝子解析では、STAP細胞の有無を証明するのは困難とみられている。小保方晴子氏の細胞やデータの管理が悪く、論文作成に使った細胞の存在が不明瞭だからだ。CDBも、残った細胞の遺伝子解析を続けているが、結論が出るかどうかはっきりしない。
 最終的には、CDBで取り組んでいる再現実験にかかっている。誤った論文を世界に発信した理研には、科学的に決着をつけ、公表する責任がある。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASG6M4G9YG6MUGTB00F.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG6M4G9YG6MUGTB00F
http://digital.asahi.com/articles/ASG6M7S6YG6MUGTB01D.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG6M7S6YG6MUGTB01D
 まず、四点留保が必要だ。
 第一に、中共が「奪われた領土」回復のための軍事行動に乗り出したのは、「近年」ではなく、1959年の中印紛争を嚆矢とする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%8D%B0%E5%9B%BD%E5%A2%83%E7%B4%9B%E4%BA%89
 第二に、中共は、ロシアとの間では、領土回復を断念していると解される。
 (ロシアが核を持った軍事大国であったことは直接関係がないと思われる。1969年に、小規模領土紛争を起こして、それを1991年~2005年にかけて逐次解決に持ち込むことで、大規模領土回復を永久に断念する必要はなかった。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E3%82%BD%E5%9B%BD%E5%A2%83%E7%B4%9B%E4%BA%89 ※
 なお、1969年時点では、中共も核武装には至ってはいた
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93
が、核能力に圧倒的な差があった上、在来軍事力においても大きく劣っていたにもかかわらず、中共側から攻撃を仕掛けている。(現に大きな損害を被った。(※))
 すなわち、中共は、より強力な軍隊との「衝突」であれ「交戦」あれ、必ずしも厭わないことも分かる。
 第三に、2001年の海南島事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%8D%97%E5%B3%B6%E4%BA%8B%E4%BB%B6
からも分かるように、中共は「米軍との衝突」そのものを回避しているわけではない。但し、米軍との交戦を回避している可能性は高い。
 第四に、日本の場合は、日米安保条約があるので白紙的な議論はできないものの、交戦すれば負ける自衛隊との交戦も中共は回避している可能性が高い、と考えられる。↓
 「・・・近年、中国は、国力の増大を背景に国際法上の根拠がない「中国の夢」の実現に乗り出した。ただし、「奪われた領土」を全て取り戻そうとしているのではない。その軍事行動には原則がある。軍事行動の利益とコストを計算して、利益がコストを上回ると判断した場合に行動する。人が住んでいない海上境界線の変更は陸上国境線の変更よりも目立たずコストが低い、と中国は考えている。・・・
 フィリピンのミスチーフ礁を占拠する最大のリスクは、米軍の介入であった。それを恐れた中国は、交渉による解決や問題の棚上げを主張し、米軍介入のリスクを回避した。だが、91年9月、フィリピン上院が米比基地協定の批准を否決し、92年11月には米軍はフィリピンから完全撤退した。介入の可能性が低くなったと判断した中国は95年、武力を行使してミスチーフ礁を占拠した。
 中越海戦における中国の行動から読み取れるのは、米軍との衝突というリスクがなく、ベトナム軍との衝突に至ってもコストが低いという条件の下だったから、中国は軍事行動を選択したということだ。・・・
 中国は、米軍との衝突が予想される場合には、軍事行動をとらない。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140620/chn14062003140001-n1.htm
⇒結局、中共の領土「回復」のための軍事行動は、一貫した戦略目標に基づいて行われているというより、それぞれ、別個の具体的目標があって行われていると見た方がよかろう。
 最近のものは、日本「独立」を期してのものである、と私が考えていることはご承知の通りだ。
 (なお、中共の尖閣に対する領土攻勢は、琉球列島に対する領土回復の断念を含意している。)(太田)
 Isis関連地図集だ。
 Isisが目指す新「国境」まで示されているが、その典拠を知りたいところだ。
 それにしても、シリアの南西部の一部が「国境」外になっていること、(こちらは当然のことながら、)(バグダードを除き、)イラクのクルド人地域とシーア派地域は除かれているのは興味深い。↓
http://www.nytimes.com/interactive/2014/06/12/world/middleeast/the-iraq-isis-conflict-in-maps-photos-and-video.html
 欧州全域で反ユダヤ主義が高まっているところ、とりわけ(ユダヤ人人口が欧州最大の)フランスで甚だしいとさ。
 (何度も言ってるように、プロト欧州文明への先祖返りってこと。(太田))↓
・・・Here and across the region, they are talking of the rise of a “new anti-Semitism” based on the convergence of four main factors.
 <背景に、経済不況、極右の台頭、黒人系とユダヤ人との軋轢、イスラム系とユダヤ人との軋轢、の4つがあるとよ。↓>
 They cite classic scapegoating amid hard economic times, the growing strength of far-right nationalists , a deteriorating relationship between black Europeans and Jews, and, importantly, increasing tensions with Europe’s surging Muslim population.
 In Western Europe, no nation has seen the climate for Jews deteriorate more than France.・・・In a country that has the largest Jewish community in Europe, ・・・
 <フランス人の37%、英国人の8%、イタリア人の20%、ドイツ人の27%が反ユダヤ人。↓>
 A recent global survey・・・suggested that France now has the highest percentage in Western Europe – 37 percent — of people openly harboring anti-Semitic views. That compares to 8 percent in Britain, 20 percent in Italy and 27 percent in Germany. ・・・
http://www.washingtonpost.com/world/a-new-anti-semitism-rising-in-france/2014/06/19/1da8ae34-1a71-4f50-893a-9842af51e3ce_story.html
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太田述正コラム#7009(2014.6.20)
<第一次世界大戦がもたらしたもの(その1)>
→非公開。