太田述正コラム#8156(2016.1.15)
<映画評論47:スター・ウォーズ/フォースの覚醒(その4)>(2016.5.1公開)
 (一見似通った話を、コラム#138でやったことがあります。
 その折には、米国映画では悪役は英国人、という話をしたところ、その後、米国人達は、英国(人)を手放しで憧憬の対象とするようになった、ということかもしれませんね。)
 英国への憧憬ぶりは、下掲からも窺うことができます。
 「2013年の5月に、<この映画>が英国で撮影されることが確認された。
 <製作会社の>ルーカス・フィルムの代表陣がジョージ・オズボーン英蔵相に会い、<この映画を>英国で製作することについて合意した。
 オズボーンは、英国の文化と映画産業に寄与(boost)するとして、この映画に、公金2500万ポンド(3700万ドル)を拠出することも約束した。」(B)
 これを、単なる経費削減のための製作陣のあざとい動きと見てはいけないのであって、2014年4月の最初の台本読み合わせの時には、一緒に出演する場面のない、ハミル、及び、フォードとフィッシャー、の3「巨頭」まで、ロンドン近郊の映画スタジオに集合させ、また、ワールドプレミアこそ、2015年12月14日に(ルーカス・フィルムの親会社のウォルト・ディズニー・カンパニーが所在する)ロサンゼルス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%BC
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF_(%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%B7%9E)
で行われたものの、事実上のもう一つのワールドプレミアが、12月17日にロンドンで挙行されています。
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/star-wars-london-premiere-live-watch-the-force-awakens-cast-hit-the-red-carpet-here-a6775681.html
 ちなみに、ロサンゼルスとロンドン間の製作陣や主要俳優達の移動は、R2D2模様を機体に描いた、全日空機で行われたところです。
http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/star-wars-force-awakens-cast-7022933
 (以上、全般的には、下掲に拠った。
https://en.wikipedia.org/wiki/Star_Wars:_The_Force_Awakens )
 (2)音楽
 ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams。1932年~)は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で作曲を、ジュリアード音楽院でピアノを学んだところの、『屋根の上のバイオリン弾き』(アカデミー編曲賞)(コラム#5751。但し、原曲の作曲者はジェリー・ボック)、『ジョーズ』(アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)★、『未知との遭遇』(グラミー賞受賞)、『スーパーマン』(グラミー賞受賞)、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(グラミー賞受賞)★、『E.T.』 (アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)、『シンドラーのリスト』(アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)、『プライベート・ライアン』(グラミー賞受賞)、『SAYURI』(ゴールデングローブ賞受賞)『ジュラシック・パーク』シリーズ(第1作★)、『ハリーポッター』シリーズ、でも有名な作曲家・指揮者であり、スターウォーズ・シリーズ公開第1作品の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でも、アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞をしています★。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA_(%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6)
が、彼が今回の映画の音楽も手掛けているところ、それだけでも、映画館に足を運ぶ価値はある、と言えるでしょう。
 ちなみに、★の曲が下掲に収録されています。
 (スターウォーズ第1作からは、The Imperial MarchとMain Themeの2曲が収録されています。)
https://www.youtube.com/watch?v=sSW3a4bYwdM
 お時間のある方は、その続きの2つもどうぞ。
 Hedwig’s Theme(ハリー・ポッター) Duel of the Fates(スターウォーズ Episode I: The Phantom Menace)、Superman’s Theme(スーパーマン)、Another Happy Landing(スターウォーズ Episode III – Revenge of the Sith)、Home Alone Theme(ホームアローン)
https://www.youtube.com/watch?v=TDIPumROvuQ
 Main Theme(ET)、Fight to Neverland(フック)、Main Theme(タンタンの冒険)、Main Theme(シンドラーのリスト)(コラム#3360(、5144))、Main Theme(戦火の馬)、Main Theme(やさしい本泥棒)、Main Theme(パトリオット)
https://www.youtube.com/watch?v=9u4C9XbzLhQ
 今回の映画では、善と悪とフォースをそれぞれテーマとした下掲が特に聴きどころです。
 フォースは、シリーズの上出のMain Themeを基調としつつ、それに一ひねりを加えています。
 主役(善):https://www.youtube.com/watch?v=65As1V0vQDM
 準主役(悪):https://www.youtube.com/watch?v=RjhawcfpAyM
 フォース:https://www.youtube.com/watch?v=iJpAwKMuiO4
 より詳しくは、今回の映画の音楽を取り上げた下掲コラムを参照してください。
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2016/01/08/john_williams_new_music_for_the_force_awakens_is_packed_with_hidden_information.html
(1月9日アクセス)
 まるで、臨時一人題名のない音楽会のようになってしまいましたが、このあたりでお開きにしたいと思います。
(完)