太田述正コラム#8445(2016.6.8)
<皆さんとディスカッション(続x3018)>
<太田>(ツイッターより)
BBC電子版が、大和君退院を大々的に報じた。
http://www.bbc.com/news/world-asia-36466399
「本件が<どうして>こんな世界的ニュースになったのか」(コラム#8437)と書いたが、「男児置き去り事件。…欧米は「しつけ」でなく「捨てた」と報じた…」から、という点に気付かなかったのは、僕としたことがヤキが回ったなと反省しきり。
http://news.livedoor.com/article/detail/11612667/
「…欧米の感覚では…子どもだけで放置する…ということは、それだけで犯罪的な行為として強く認識されており、世間の関心もやたらに高い<上、>…捨てられた場所は…熊でいっぱいの森」だったんだからね。
「…山中で1週間生き延びた大和君に対しては、その強い意志とたくましい体に敬意を表さざるを得ない。同時に、日本が学校教育、家庭教育において子供の体づくり、忍耐力、環境への適応力を高める教育を重点的に行っていることも称賛すべきだろう。…」
http://j.people.com.cn/n3/2016/0607/c94473-9069359.html
習ちゃんによって、大和君は、祖国の声望を高めたところの、アジアの英雄になった。
<太田>
続きはこうだ。
中共当局の日本社会分析能力は極めて高い。↓
「・・・第二次大戦後、日本は戦後の廃墟から急速に立ち上がり、経済強国となった。この過程で、教育は欠かせない役割を果たした。中でも伝統文化に基づく日本の家庭教育は、日本の全教育体系の基盤と言える。日本の家庭における子供の教育は、各国からも参考にされてきた。しかし今回の事件により、日本式の家庭教育について反省を促す声も出ている。
日本人は家庭教育を高く重視し、しつけや情操教育など様々なやり方で身をもって子供に教えている。日本人は集団意識や秩序を重んじる気持ちが強いため、子供の道徳教育や心の教育を重視し、社会に溶け込める力の育成に重点を置く。彼らは子供が将来、素直で感情が豊かで、個性的で、忍耐力と自制力があり、周囲の環境にうまく適応できる人になることを望む。勉強は主に学校任せで、両親は監督をしていればよい。
日本の子供は小さい頃から「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられて育つ。日本の親は日常生活で絶えずこの言葉を口にする。
このような教育の結果、日本社会では道徳に対する要求が高まり、道徳を守れない人、周りに迷惑をかける人は最も嫌われ、信頼されず、社会全体から排斥されることもある。日本の親は、子供が公共の場で間違った行為をすると非常に恥ずかしく<思>い、厳しくしかり、しつける。これこそが、日本の家庭で長期的に存在してきた懲罰の文化だ。
日本の教育専門家は、今回の北海道の男児失踪事件によって、日本の家庭教育における「父親不在」の問題が再び浮き彫りになったと指摘する。現代の日本家庭は「父親不在」の時代と言われる。父親は毎日仕事で忙しく、家にいる時間が少ない。子供の教育にとって父親は欠かせない存在であり、子供は世界観、社会観などを主に父親から学ぶ。ゆえに、家にいる時間が短く、子供や家族との接触が減ることは、子供の成長にとって不利だ。特に子供の接触が少ない父親は、子供の成長過程をよく知ることができない。ゆえに、子供が間違いを犯した場合に単純で乱暴な罰を与えてしまいがちになるという。」
高過ぎて背筋が寒くなるのが、下掲の記事だ。
完全に日本国内の議論の水準を超えている!
中共人民に、ここまで真似をしてはいけないと諭すとともに、日本の男性達に男性差別社会打破の革命に立ち上がることを促している?↓
「・・・青網は・・・「日本の男性はイヌ以下? 給料はすべて上納」と題し、現在の日本に生きる男性の経済的苦悩について紹介する記事を掲載した。
記事は、「日本の家庭は中国とは異なる点がある」としたうえで、一般的に夫が毎月の給料を妻に渡し、家計を切り盛りする妻が改めて小遣いや昼食代を夫に支給するというシステムとなっていると紹介。そして、「家庭の支出という制約によって、日本の妻は極力夫の小遣いを圧縮するほかないのである」と説明した。
そのうえで、ゲーム開発企業で働く35歳男性の例を紹介。結婚前から専業主婦を宣言していた妻、子どもを1人で養ううえ、妻は毎月子どもの教育代として7万円を積み立てるよう要求しているとした。このため生活費はひっ迫し、男性は毎日食事代としてわずか300円を受け取ることしかできず、「月に食事代が1万3000円かかるという隣家のイヌ以下である」と感じていると伝えた。
また、結婚願望が強いながらも預金がないために独身を余儀なくされ、賞味期限切れの食品を安価で購入するなどの努力により、37歳になった現在ようやくそれなりの預金ができたという男性の例も併せて紹介した。
記事はさらに、小遣い節約のために弁当を持参したり、スーパーの試食を繰り返し食べたりといったことをする男性の光景がよく見られるとする一方、「これらはまだ辛い、というレベルではない。今より辛くなっているのは、仕事帰りに同僚から酒や食事に誘われること。行けば割り勘で支払うお金が心もとないし、行かなければ同僚間における面目を失うことになる」と指摘。「人として、男として、面目を重んじる日本人男性はますます生きづらくなっているのだ」とした。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e7%94%b7%e6%80%a7%e3%81%af%e3%82%a4%e3%83%8c%e4%bb%a5%e4%b8%8b%ef%bc%9f-%e7%b5%8c%e6%b8%88%e7%9a%84%e3%81%ab%e6%82%b2%e6%83%a8%e3%81%aa%e7%8f%be%e5%ae%9f%ef%bc%9d%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2/ar-BBtWDPP?ocid=iehp#page=2
<カチハヤ>(2016.6,2)http://kachihaya14.seesaa.net/
今回紹介するのは、安全保障や比較政治を主としてコラムを執筆している評論家太田述正による『007 スペクター』評だ。
もともとは太田述正のメルマガで有料で公開されていたものだが、このメルマガは一定期間が経過すると無料公開されるのでそうなったら紹介しようと思っていたのだが、なんやかんやあってすっかり遅くなってしまった。
ちょっと長いけど面白いので興味のある方は下のリンクからどうぞ。
映画評論:007 スペクター(その1) http://blog.ohtan.net/archives/52242179.html映画評論:007 スペクター(その2) http://blog.ohtan.net/archives/52242225.html映画評論:007 スペクター(その3) http://blog.ohtan.net/archives/52242269.html映画評論:007 スペクター(その4) http://blog.ohtan.net/archives/52242299.html映画評論:007 スペクター(その5) http://blog.ohtan.net/archives/52242354.html映画評論:007 スペクター(その6) http://blog.ohtan.net/archives/52242418.html映画評論:007 スペクター( 続 ) http://blog.ohtan.net/archives/52242459.html
ざっくり要約すると、太田は本作を英国的制作陣が英国人俳優を起用して作られた“かつては偉大だった英国へのオマージュ的メッセージ性”を帯びた映画だという。
ボンドと義理の兄弟であるオーベルハウザーは、それぞれ英国と米国を象徴しており、彼らの勝手な振る舞いによって世界が引っ掻き回される様から見えてくるのは、戦後の様々な混乱はほとんどが英国と米国のせいであって彼らがいなければ世界はもっと平和だっただろう、という製作者側の考えだと語る。
一見事件は解決したかに見えるも、悪党にすっかり手玉に取られていた英国の首相や内相が無傷のままであるのは、落ちぶれた彼らにはもはや世界の舵を取っていくことなど到底できない、という英国知識人による自国の政治への絶望を表しており、だからこそ本作はボンドの辞職&結婚で終わるのだという。
僕がこれまで目にしてきた他の『007 スペクター』評では、本作を「今後の続編制作を容易にするために原点回帰した」とするものが多数見られたし、僕自身もこれまでそういう感想を持っていたが、今回紹介した映画評を見た今では真逆の感想になってしまっている。(もちろん、ただ続けるだけならできるけど)
折しもパナマ文書が公開され、これによってシティ・オブ・ロンドンの栄華も陰りを見せていくだろう。
今後、世界の富はタックスヘイブン(銀行系)からデリバティブ(証券会社系)へと移動する。
パナマ文書をスクープした南ドイツ新聞はゴールドマン・サックスの孫会社らしいが、それは情報を手にした人間が銀行系のスキャンダルだからあえて証券会社と関係のある新聞社を選んでリークしたのか、それとも世の金持ちに対して資産をデリバティブに移すよう促すために意図的にリークされたものなのか。
007ならその辺の陰謀の裏側にいる黒幕を暴いてくれそうなものだが、英国人にはもう無理そうなのでいっそのこと次の007は渡辺謙にでもやらせてみたらどうだろう。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
まず、舛添問題から。↓
<住田サン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8F%E7%94%B0%E8%A3%95%E5%AD%90
出だしは正論。↓>
「元「行列」住田・・・裕子・・・弁護士 舛添氏側を痛烈批判 調査甘い、ヤメ検佐々木弁護士に皮肉・・・
住田弁護士は「ざっくり言いまして、ご本人の言い分を聞いてそれを裏付けもしないまま法律的にまとめあげた。しかも自分たちの元検事としての権威をお付けになっただけ。事実調査が極めて不十分。甘い」と手厳しい見方を示した。・・・
住田弁護士は「第三者調査の流れ」について説明。いつ、どこでなど「相手先への事情聴取」を重んじることを述べ、「周りを固めてから本人に聞くんです。今回は裏付けというものが領収書だけみたい。関係者のヒアリングまでやる必要はないと乱暴なことをおっしゃいましたけど通常の特捜部はそんなことあり得ません。まず周りを固めてからやる」と佐々木弁護士の手法を批判。
<これもその通りなんだが、同じくヤメ検の住田サンが言っちゃあいけませんや。↓>
その上で住田弁護士は「どうも佐々木さんは特捜部の副部長で終わられたのは、そこらへんに限界があったからじゃないですか」と皮肉を込め・・・爆笑を誘った。
住田弁護士は女性初の法相秘書官を務めた。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%e5%85%83%e3%80%8c%e8%a1%8c%e5%88%97%e3%80%8d%e4%bd%8f%e7%94%b0%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab-%e8%88%9b%e6%b7%bb%e6%b0%8f%e5%81%b4%e3%82%92%e7%97%9b%e7%83%88%e6%89%b9%e5%88%a4-%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%94%98%e3%81%84%e3%80%81%e3%83%a4%e3%83%a1%e6%a4%9c%e4%bd%90%e3%80%85%e6%9c%a8%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%81%ab%e7%9a%ae%e8%82%89/ar-BBtXamy?ocid=iehp#page=2
⇒本日の都議会一般質問の出だしの自民の2人の質問を聞いたが、舛添を口汚く罵りつつ実は守り抜こうとしていることがミエミエ。
自民党が、結党当時から憲法9条改正を掲げつつ、実はそんな気など全くないまま今日に至ってるのと全く同じ構図だわ。
もち、連中、政治屋稼業をできるだけ長く続け、できれば世襲させていきたいってだけを考えとるのよ。
ところが、こんだけスケールの大きい詐欺になると、それが詐欺だって、有権者の殆どが思わなくなるらしい。
そんな自民党、少なくとも冷戦が終わった時点までに、耐用命数が完全に尽きてるってのに、ゾンビを生かし続けている国民、そして、都民が悪いのよ。(太田)
都議会自公に関し、そのあたりの事情が、描かれている。↓
「・・・自公与党も含めた議会の厳しい追及を受けた舛添知事が給与の一部返上を申し出、議会と一緒になって条例をつくる。『厳しい公正な第三者』の指摘で身を切り、議会からもペナルティーを食らう。自公のメンツを立てる“手土産”を忘れず、十分に処罰を受けたというシナリオで逃げ切る算段なのです」(都政関係者)
恐ろしいほどウソを塗り固めるツルセコ知事も、容認する議会も異常。全員退場させなければダメだ。」
http://news.livedoor.com/article/detail/11616189/
そもそも、制度設計が最初から杜撰だったんじゃないかい?↓
「即応予備自衛官、減少の一途・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5075MSJ50UTIL065.html?rm=437
よかったよかった。
でも、恋愛自体が精神疾患だっちゅうのに、情痴犯を精神鑑定してどうするのよ。↓
「意識回復の冨田真由さん、脳機能に異常なし・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11616779/
「芸能活動の女性刺傷 男を精神鑑定へ・・・」
http://www.news24.jp/articles/2016/06/06/07331986.html
2人が不人気度を競い合う、異常な本選がいよいよスタートだ。↓
「クリントン氏が勝利宣言・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASJ6822KHJ68UHBI004.html?iref=comtop_list_int_n01
皆さんとディスカッション(続x3018)
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