太田述正コラム#9070(2017.5.3)
<皆さんとディスカッション(続x3331)>
<太田>(ツイッターより)
「…安倍首相とトランプ大統領との過去5回の電話会談は、すべて直後に概要を発表していた。ところが1日は一転して電話会談そのものが無かったことにされている。
政府関係者は「今回は両首脳の話し合いで公表しないことになった」としている。…
ある政府高官は「いちいち公表しなくてもいい。(続)
日米首脳が気楽に電話を掛けられる間柄になったということだ」などと説明している。
また首相周辺は「アメリカは日本とばかり電話していると他国から抗議を受けているようだ」と話している。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e6%a5%b5%e7%a7%98%e3%81%ab%e6%97%a5%e7%b1%b3%e9%a6%96%e8%84%b3%e9%9b%bb%e8%a9%b1%e4%bc%9a%e8%ab%87-%e9%87%8e%e5%85%9a%e3%81%8b%e3%82%89%e6%89%b9%e5%88%a4%e3%82%82/ar-BBACF7V?ocid=iehp#page=2
ツイッター魔にして電話魔。
トランプ旦那は愉快だねえ。
<太田>
関連記事だ。
たわいない話ではあるが、藪の中だわ。↓
「・・・外務省幹部は首脳間の電話会談の扱いについて「全部公表するのは日本ぐらいだ。欧米諸国は首脳が頻繁にやりとりしているが、明らかにしていないものも多い」と語る。安倍首相とトランプ氏の電話会談は各国首脳と比べて突出しており、回数の少ない関係国に配慮したとの見方もある。
しかし、今回の公表見送りは、情報管理をめぐり政府が過敏になっている一面をうかがわせた。
電話会談に先立つ4月30日には、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦が米補給艦を5月1日から防護する計画について、朝日新聞朝刊が「米艦防護 初の命令」と報道。日米両政府は計画の非公表で合意していただけに、米側から懸念が伝えられたという。
安倍首相も情報漏れに強い不満を表した。政府は自衛隊法95条を適用した「武器等防護」を米艦艇に行うことについては、表に漏れてしまうことも覚悟していた。しかし今回、防護の任務に就く海自艦艇を海自横須賀基地(神奈川県)を母港とする「いずも」と特定され、任務上の安全を脅かしかねないと問題視した。
このため、官邸は情報管理の徹底を関係省庁に指示した。安倍首相とトランプ氏の1日の電話会談は「北朝鮮をめぐり機微に触れる内容を話し合ったため、公表する情報がない」(政府高官)こともあり、米側とすり合わせた上で公表しないことを決めた。」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e3%80%90%e6%97%a5%e7%b1%b3%e9%a6%96%e8%84%b3%e9%9b%bb%e8%a9%b1%e4%bc%9a%e8%ab%87%e3%80%91%e5%8c%97%e6%9c%9d%e9%ae%ae%e6%83%85%e5%8b%a2%e7%b7%8a%e8%bf%ab%e3%81%a7%e7%ae%9d%e5%8f%a3%e4%bb%a4-%e6%83%85%e5%a0%b1%e6%bc%8f%e3%82%8c%e3%81%ab%e3%83%94%e3%83%aa%e3%83%94%e3%83%aa%e2%80%a6%e5%ae%89%e5%80%8d%e3%83%bb%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%97%e9%9b%bb%e8%a9%b1%e4%bc%9a%e8%ab%87%e3%82%92%e9%9d%9e%e5%85%ac%e8%a1%a8%e3%81%ab/ar-BBADyme?ocid=iehp#page=2
そのトランプ、ドゥテルテとも電話会談して米国に招待したし、プーチンとも電話会談。
金正恩とも電話会談する気まんまん?↓
<ドゥテルテは相手にしてない?↓>
・・・ President Trump continued his outreach to rogue leaders on Monday, declaring he would meet North Korea’s dictator, Kim Jong-un, provided the circumstances were right, even as the Philippine president, Rodrigo Duterte, brushed aside the president’s invitation to visit the White House, saying he might be “too busy.”・・・
And he is working to keep open lines of communication with President Vladimir V. Putin・・・
Mr. Trump and Mr. Putin are scheduled to speak by telephone on Tuesday afternoon,・・・
https://www.nytimes.com/2017/05/01/world/asia/trump-north-korea-kim-jong-un.html?rref=collection%2Fsectioncollection%2Fworld&action=click&contentCollection=world®ion=stream&module=stream_unit&version=latest&contentPlacement=9&pgtype=sectionfront
でも、ドゥテルテ、オバマよりはトランプ、だけど、習ちゃんの方がもっと、気があうみたいね。
いや、そもそも、ASEAN全体がそうなりつつある?↓
「比大統領の中国軍艦乗艦は積極的メッセージ ASEANの模範・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0502/c94474-9209901.html
<太田>(ツイッターより)
「安倍首相(自民党総裁)は…現行の9条1項、2項を維持した上で、憲法に規定がない自衛隊に関する条文を追加することを最優先させる意向を示した。…」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170502-OYT1T50251.html?from=ytop_ylist
ついに国賊にして逆臣が、そのホンネを剝き出しにしたな。
諸君、こんな憲法改正、絶対阻止を!
<太田>
もう一つ付け加えておこう。
ただただソ連(ロシア)をぶちのめすためだけに、先の大戦時には日本の敵の敵であるナチスドイツと組んだところ、その後の冷戦時にはやはり日本の敵の敵である米国・・ナチスドイツよりも、更に、獰猛でタチが悪く、かつ人種主義的・・をおだて挙げて組んだ、ということなのに、そのことを忘れちゃって、ロシアをぶちのめしてからも、漫然と属国として米国と組み続けているってことは、今や、日本は(米国人達の過半を含む)「全人類の敵」に成り下がってるっちゅうことなんだからね。
<fQJdDaFU>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
「中国が2万人のスタッフを雇って「中国版Wikipedia」を作成へ・・・
中国政府は、国家が作成した既存の百科事典「中華百科大全」のオンライン版を2018年にリリースする予定で、その作業のために大学や研究機関から2万人もの執筆者を雇用する計画とのこと。収録される内容は100以上の分野にわたり、1記事あたり1000文字以上の記事が30万項目以上も収録される予定になっています。中国書刊発行業協会のトップで、百科事典制作プロジェクトをまとめているYang Muzhi氏は「中華百科大全は単なる書籍ではなく、『文化の長城 (Great Wall of culture)』です」とプロジェクトの意義を「万里の長城」になぞらえて語っています。また、Yang氏は国際的に「人民や社会を導いて率いる」ための百科事典の作成を求める声が大きいとも語っています。」
http://gigazine.net/news/20170502-china-great-wall-of-culture/
今の日本の文系の学者センセイにはこういう構想はできないだろう。
⇒いやなに、プーチンも同様の構想をぶち上げ済のようだよ。
(英語ウィキペディア「修正」大工作に従事してた要員達の失業救済では?)↓
Wikipedia is available in China, but some of its content it blocked.・・・
<エルドアンもウィキペディアが大嫌い。↓>
Last week, Turkish authorities blocked access to Wikipedia within the country without giving a reason.
In 2014, Russia also announced plans for an alternative version of Wikipedia, with the stated aim of providing better information about the country than was available on the platform.
http://www.bbc.com/news/technology-39779088 (太田)
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
英国の(大衆向けである)タブロイド紙群は、ブレグジット一色のようね。↓
・・・most tabloids can be counted on to act as the zealous guardians of Brexit and as a cheering section for the Conservative government of Prime Minister Theresa May — even though the city that houses them voted the other way.・・・
https://www.nytimes.com/2017/05/02/world/europe/london-tabloids-brexit.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=second-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
ルペン、本選で40%確保見込みまで漕ぎつけた。↓
・・・According to polls, Marine Le Pen will win at least 40 percent of the vote in the second and final round — more than double her father’s total 15 years ago.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/europe/where-is-frances-famed-republican-front-in-2017/2017/05/02/3a9b15fa-f764-4bec-9526-9292712fdd6e_story.html?utm_term=.c13bea0e5cea
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<まず人民網より。
日本の図書館をベタ褒め。↓>
「ゆったりとした時間を過ごせる日本の図書館・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0502/c94473-9209862.html
<日中友好挿話紹介。↓>
「機上で急病になった73歳日本人男性、24歳遼寧女性に救われる・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0502/c94475-9209874.html
<ここからはサーチナより。
辛口ながら、やらせの人民達の貢献もあり、結果は日本長期滞在奨励記事に。↓>
「・・・今日頭条はこのほど、日本の工場で働く中国人たちについて紹介する記事を掲載し、「給料は良いが、日本に溶け込めないのが問題」であると伝えている。
記事は、中国国内では「工場で働きたくても、働き口が見つからないことが多い」と伝え、そのため外国に出稼ぎに出る人が増えていると紹介。日本は中国と地理的に近いうえ、給料も良いため、多くの中国人女性が働くために日本に渡っていると主張した。
一方、日本という異国の地で働くのは、中国人たちにとって「決して楽なことではない」とし、仕事のプレッシャーのもと、疲労困憊になるまで働く中国人は少なくないと紹介。日本の風光明媚な観光地など行く暇などないのが現状であると論じた。
さらに、日本で働く研修生たちは決して良好ではない住環境で暮らしている場合もあると主張したほか、日本の食べ物はなかなか慣れることができないため、中国人たちで集まって中華料理を作って食べていると紹介する一方、「仕事が忙しいため、日本に溶け込むことがなかなか難しく、給料は良くても孤独で孤立した生活を送っている」などと報じた。
こうした中国人たちの日本での決して楽ではない暮らしぶりについて、中国人ネットユーザーからは「農民生まれの中国人はどこにいても苦労しなければならないのが現実。自分もそうだ」、「中国で働いていても、結局は同じ境遇だ」という意見が寄せられていた。また、「それにしても、彼女たちはどうやって日本での働き口を見つけたんだ?」と、自分も日本で働きたいと言わんばかりのコメントも見られた。」
http://news.searchina.net/id/1634940?page=1
<日本社会総体の人間主義性に着眼した称賛。↓>
「・・・今日頭条は・・・日本の街で見つけた「驚きと喜びの瞬間」について紹介する記事を掲載した。日本にやってきた中国の人たちは、普段われわれが何気なく見ている光景に驚きを覚えるようだ。
まずは、日本の街でよく見かける防災無線のスピーカーを紹介。「夕方に音楽が鳴って、子どもたちに帰宅するよう促すほか、主に地震や台風などの自然災害の警戒に用いられる」と説明した。
続いてはコンビニに関することだ。出口付近に給湯器があり、とても便利であること、購入した食べ物を加熱してくれるサービスがあることを挙げた。さらに近年各コンビニで力を入れているコーヒーのサービスについても言及。「氷入りのカップを持ってお金を支払うと出口付近でコーヒーを抽出することができる。安くて非常に便利だ」と評している。さらに、どのコンビニにもある「成人雑誌コーナー」も紹介し、「われわれにはとても奇妙に思えるが、日本人にしてみればこれも生活の一部なのだ」と伝えた。
記事はまた、日本の立体駐輪場の階段脇に見られる自転車用ベルトコンベアを紹介。車輪をこの上に乗せれば、自転車を押すことなく階段を登れることから「この便利さに、人への思いやりを感じる」としている。
さらに、日本のコンビニや居酒屋などでよく見られる男女兼用のトイレについても取り上げた。トイレの待ち時間が長くなってしまいがちな女性への配慮によるものだが、中国の人にとって「男女が一緒の公共トイレを使う」ということに対する驚きが強いようである。」
http://news.searchina.net/id/1634980?page=1
<切り口が新しい、広義の日本へ行けキャンペーン。↓>
「・・・今日頭条は・・・世界各国の観光市場規模について「中国は米国の半分、日本は中国の半分。すごいのはどこだ」とする記事を掲載した。
記事は、世界経済フォーラムが発表した2017年の観光業競争力リポートのデータを紹介。市場規模ランキングでは米国が4880億米ドル(約54兆4000億円)で1位となり、2位が中国の2240億ドル(約25兆円)、3位がドイツの1138億ドル(約12兆7000億円)、4位が日本の1067億ドル(約11兆9000億円)となったことを伝えた。5位以下は英国、フランス、メキシコ、イタリア、スペイン、ブラジルの順となっている。
また、観光業が国内総生産(GDP)に占める割合では、メキシコ、ギリシャ、アルバニア、レバノン、モロッコ、ベトナムとともに香港と台湾が7%以上の高水準となったことを紹介。2-5%に米国、英国、ドイツ、中国大陸、日本が入ったとした。一方、ロシアや韓国などは2%に満たなかったことを伝え「ロシアや韓国は、観光の目的地としては喜ばれていないようである」と評している。
記事が提起した「誰がすごいのか」という疑問に対して、自国を挙げる中国のネットユーザーは少ないようだ。「中国の市場規模が大きいのは、観光地の入場料が高いから」との意見がみられた。一方、中国よりもはるかに国土面積が小さい日本やドイツがこれだけの観光市場規模を持っていることを評価するユーザーが見られた。
また、日本や米国は観光資源の開発が基本的に頭打ち状態になっており、中国にはまだまだ発展の余地が大きく残されているとする意見も。」
http://news.searchina.net/id/1634981?page=1
<偽物を作らない日本に対するツッコミを入れた、しかし称賛。↓>
「・・・今日頭条はこのほど、「日本人はなぜ偽物を作らないのか」と疑問を投げかける記事を掲載し、中国のネットユーザーたちが様々な議論を交わしている。
日本に偽物がない理由について、中国人たちはどう捉えているのだろうか。多くの中国人ネットユーザーが、日本の法律で知的財産権が厳格に保護されていることのほか、道徳教育がなされていることを理由として挙げていた。また中国と違って、偽物を売りつけて信頼を失うことは、信用や信頼を重視する日本社会においては個人も社会も「自殺行為」になるという意見も見られた。
一方、「日本で偽物が売られていないというのは嘘」という意見もあった。日本へのツアー旅行では、客に粗悪品を高額で売りつけるという事例があるためだという。そして、健康食品や化粧品などは宣伝文句ほどの効果がないなどの理由で「偽物をつかまされた」とのクレームも多いというコメントがあった。だが、「中国人旅行客に粗悪品を無理やり買わせる」などの行為をしているのは大抵が中国人であるという意見もあり、日本に限らず、中国人旅行客を狙った悪質な行為は、中国人の好みや傾向をよく知り尽くした中華系の人によるものというコメントがあった。
ほかにも、「偽物を作らない日本人は頭が悪く、偽物を作る中国人は賢い」という意見もあった。」
http://news.searchina.net/id/1634976?page=1
<捧腹絶倒、見事なガス抜き。↓>
「・・・今日頭条は・・・「日本人が中国人を羨ましがる時、いったい何を羨ましがるのか」とする記事を掲載した。
記事はまず「日本は島国であり、国土が狭く地震などの自然災害が多発する。それゆえ国民は潜在的に危機感を持っており、中国人ほど楽観的ではない。かたや、先日行われた20カ国の若者向けの調査では、中国の若者が未来に対して最も楽観的との結果が出たという」とした。
そのうえで、日本人が中国人を羨む理由について列挙。まずは「中国はゴミの分別に厳しくなく、楽である」点を挙げている。・・・
2点目は「中国は能力至上主義である」こと。日本では「出る杭は打たれる」だが、中国では突出した能力があればどんどん出世できるとのことである。3つ目には「中国社会は日本のように抑圧されていないので気楽だ」という点。集団を重んじ、仲間外れにならないようにし、さまざまなルールや秩序を守らなければいけない日本では個人が抑圧され、そのストレスが歪んだ形で発散されることになるのに対し、縛りの少ない中国では自由奔放に生きられるというのだ。
4つ目は「スイカが信じられないほど安い値段で食べられる」こと。・・・
そして最後に挙げたのは「中国は女性が自由である」点だ。・・・日本では小さいころから「女子は家庭を重んじよ」と教えられ、多くの少女が将来の夢を「お嫁さん」と答える、と記事は説明している。」
http://news.searchina.net/id/1634933?page=1
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連休の臨時一人題名のない音楽会です。
メンデルスゾーンの余り知られていないピアノ協奏曲を紹介してきましたが、ここで、前からよく知られているピアノ協奏曲をお送りしておきます。
ランラン(Lang Lang)によるものとどちらにするか少々迷いつつもハメリンの方にしました。
ランラン、現在のNHK大河ドラマのテーマを弾いていて、そういうのであればOKなのですが、「本格」クラシック曲では彼の軽快過ぎるタッチがどうしても気になるので・・。
Piano Concerto No. 1(注)(1831) ピアノ:Hamelin
https://www.youtube.com/watch?v=Z4t9hEVdj1M
(注)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3)
連休最深部であり、音楽漬けになりたい人もおられえると勝手に想像し、もう一曲お送りすこととし、同じメンデルスゾーンが作曲した曲の中から、Piano Concerto No. 2(1837) にしようかと考えたところから始まり、迷いに迷った挙句、結局、最終的に、ピアノ協奏曲の親類筋のピアノ三重奏にしました。
Piano Trio No. 1 in D Minor(注)(1839年) 演奏:Beaux Arts Trio
https://www.youtube.com/watch?v=KioVcstEF9E&t=1s
(注)https://en.wikipedia.org/wiki/Piano_Trio_No._1_(Mendelssohn)
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太田述正コラム#9071(2017.5.3)
<ナチが模範と仰いだ米国(その16)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x3331)
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