太田述正コラム#9170(2017.6.22)
<皆さんとディスカッション(続x3381)>
<太田>(ツイッターより)
 サウディアラビアで、現国王の長子、ムハンマド・ビン・サルマーンが皇太子に就任した。
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-40351578
 これを契機として、サウド王位は、兄弟継承から長子承継に切り替わるのだろう。
 彼が掲げる宗教界の力の減殺(上掲)の成功なくして同国の将来はないが、他のサウド王族達の多くと同様の自らの傍若無人な行動や顕示的消費
https://en.wikipedia.org/wiki/Mohammad_bin_Salman
を改めようとしている話が聞こえてこない以上、この31歳の次期国王に大した期待は持てそうもない。
 同国の最高学府の法学部卒だが、彼の妻や子供の情報が殆どない(上掲)ことも気になる。
 「日本、「注文を間違える料理店」が話題 客が怒らないワケは?…」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0621/c94473-9231421.html
 「妻との最後の33日間を描いた日本人の絵本が中国でまず刊行…」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0621/c94473-9231426.html
 日本のほっこりした、レアものの話題を2つも。
 習ちゃん謝謝。
<太田>
 だもんで、引き続き、中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
 <だもんで、引き続き、人民網より。
 参考にしてくれてありがとう。↓>
 「日本における農業科学技術革新の支援方法・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0621/c94476-9231227.html
 <邦画のご愛顧、ありがとう。↓>
 「映画版「昼顔」が中国で熱狂的人気に・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0621/c94473-9231270.html
 <ここからはサーチナより。
 日本へ行けキャンペーン総合版。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本の魅力について「桜と紅葉でいっぱいの国」であり、「高い民度と清潔さの国」と称賛し、海外旅行先としての魅力を伝える記事を掲載した。 
 記事は「日本の攻略法」として、まずは旅行にうってつけの季節を紹介。16年の統計によると夏休みになる7月と8月の訪日中国人数が最も多かったが、記事は春と秋が一番のおすすめだとした。春には桜が満開になり、秋には山が赤く染まるほどの紅葉が楽しめるからだという。 
 もちろん日本ならではの食も見過ごせない。記事は、寿司、ラーメン、天ぷら、刺身といった日本料理は絶対に試してみたほうが良いと紹介。ほかにも屋台文化からミシュランガイドに掲載されている一流レストランまで、旅行客の舌を心から満足させてくれるとした。 
 また、中国人の筆者が個人的に日本で最も印象に残っているというのが「アニメ関連のショップ」だ。二次元に非常に興味があるわけではなくても、「子供のころから日本のアニメに接してきた中国人」なら、何かしら心に感じるものがあるだろうと主張し、秋葉原の聖地巡礼や限定フィギュアはアニメファンならなおのこと歓喜するに違いないと紹介した。 
 筆者がほかに勧めているのは、「和服を着て写真を撮る」ことだ。これは絶対に外せないという。また、茶道体験や歌舞伎などの伝統芸能の鑑賞も良い経験になるという。とはいえ、外国の旅行には不便がつきものだ。日本は交通が複雑で、言葉が通じない、物価が高いなど中国人にとって高いハードルもあり、事前の準備は不可欠だが、それでも日本は魅力的な国であり、このグローバルな社会で「異文化体験」する価値は十分にあると強く勧めた。」
http://news.searchina.net/id/1638246?page=1
 <日本へ行けキャンペーン農村版。↓>
 「・・・日頭条はこのほど、「日本の農村の真実の姿を紹介する」と題する記事を掲載し、複数の写真とともに日本の「田舎暮らし」について称賛する記事を掲載した。 
 記事はまず、中国では「日本は主に製造業によって経済発展を遂げた資本主義の国」として知られているゆえ、日本の農村の生活ぶりについてはごく一部の人にしか知られていないと紹介する一方、日本の農村では道路はそれほど広くはないが両脇に街路樹が並び、しっかりとアスファルトで舗装・整備されていると指摘、自動車や歩行者は少ないものの、景色は緑が豊かであることを伝えた。 
 中国の都市部は道路が整備され、道路わきの緑化も進んでいるが、農村部へと行くに連れ、道の整備が遅れているのが目につくようになる。また個人の所有地に草木を植えてきれいに整えるということはあまりされていないので、中国の農家では広い敷地のなかをニワトリや犬が走り回り、植えられた野菜をついばむという光景が見られる。また、家の造りも3階建てが多く、屋上も使用できるようなタイプが多い。 
 ゆえに日本の平屋や2階建ての住まいと、敷地内に庭木や草花が整然と植えられている様子を「日本ならでは特色」とし、日本は国土が狭いというイメージがあるようだが、農村部は広々とした感じを受けて、自然環境も良いと紹介している。・・・ 
 また日本では田畑を持つ農家は自給自足の暮らしが可能で、1日の労働のご褒美として新鮮な食材が食卓を飾るとし、都市部に比べれば不便な点があるにしても、環境や空気はとても良いと紹介した。
 ・・・中国人ネットユーザーからは「気持ちがとてものびのびとして、爽快になった」という声も感想として寄せられていた。」
http://news.searchina.net/id/1638263?page=1
 <日本へ行けキャンペーンたこ焼き版。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「たこ焼きを食べずして日本旅行を語るなかれ」と論じる記事を掲載し、日本のたこ焼きの有名店などを数多く紹介、日本を訪れる予定の中国人旅行客に向け、機会があれば訪れてみるよう伝えている。 
 記事は、たこ焼きについて「日本の国粋の軽食」であるとし、中国のみならず東南アジアでも流行していると紹介。さらに、日本でも広く親しまれていることを伝えつつ、特に関西地方では「たこ焼き器が一家に一台ある」と表現されることもあるほど、ポピュラーな軽食であることを伝えた。 
 さらに、日本には数十年間も親しまれているたこ焼き店があったり、新しい味に積極的に挑戦するたこ焼き店があることを伝え、日本を訪れたら必ずたこ焼きは食べるべきだと指摘。むしろ日本を訪れても本場で本物のたこ焼きを食べなかったら「日本を訪れたとは言えない」などと主張、日本旅行を予定している中国人読者に向けてたこ焼きを食べることを強く勧めている。」
http://news.searchina.net/id/1638300?page=1
 <日本の建築士の人間主義性称賛。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本人の一般的な住環境について写真とともに掲載する記事を掲載し、「日本の設計士は住む人のことをしっかりと考えて設計しているのが分かる」と伝えつつ、中国人の設計士は「恥ずかしく思わないのか」と批判した。 
 記事は、日本の住環境における設計コンセプトは中国と「正反対」であるとし、日本の設計はあくまでも住む人のことを第一に考えて行われるのに対し、中国の設計は「人に見せること」を第一に考えて行われていると主張。そのため、機能性において中国の家は日本に大きく劣るとの見方を示した。 
 続けて、数多くの写真とともに「日本の住宅設計は空間を上手に利用し、収納や導線などにも配慮した作りとなっている」と紹介し、住む人のことを第一に考えているからこそ、住みやすい家になっていると指摘した。 
 一方で、中国の家は「見た目至上主義」であるため、見た目は良くとも住みにくいと指摘、日本の設計士の仕事ぶりを見て、「中国の設計士は恥ずかしい気持ちにならないのだろうか」と疑問を呈した。」
http://news.searchina.net/id/1638282?page=1
 <中共南部日本車優位論に微修正を施しつつ、日本車買えキャンペーン。↓>
 「・・・今日頭条は・・・中国国内における日系メーカーの省別の販売状況を見てみると、各メーカーともに広東省が上位にあるのが普通であると指摘し、広東人はなぜ日系車を好むのかと疑問を投げかける記事を掲載した。 
 記事は、日系車が広東省で売れる理由について、一部では「広東省一帯に日系メーカーの工場が数多く存在するため」という考察がなされていると紹介する一方、この考察は正確ではないと主張。なぜなら、広東省で生産されていない日系車でも広東省での売れ行きが好調だからだと論じた。 
 続けて、広東省で日系車が売れるのは「それだけ高いブランド力を持つからである」と主張し、広東省の人びとにとって「日系車は市場黎明期から存在していた車」であり、日系車は当時から「憧れ」として君臨していたと指摘。 
 香港にほど近い広東省には中国で自動車が普及する前から香港経由で自動車が持ち込まれていたとし、当時のクラウンやカローラなどの日本車が広東省で日系車に対する良質な口コミを醸成したとし、こうした文化と良質な口コミが今も脈々と受け継がれていると指摘した。 
 また、中国人の性格や気質は北方と南方の人で大きく異なるのが一般的で、消費においても現実的で実用性のあるものを好む広東人にとって、日系車が持つ「燃費性能の高さ」は大きな魅力に映ると指摘し、こうした理由がもとで広東人は日系車をこよなく愛すのだと伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1638292?page=1
 <今や定番となった、日本の漢方薬称賛。↓>
 「悔しい・・・漢方薬は中国発祥なのに「世界シェアは日本が圧倒的」・・・」
http://news.searchina.net/id/1638265?page=1
 <これも定番の日本の制服称賛。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、中国の制服と日本をはじめとする海外の制服を比較し、「なぜ中国はこんなに醜いのだろうか」と嘆く記事を掲載した。 
 記事は、世界中の多くの国の学校に制服の制度があるのは、ただ外見の美しさだけではなく、「学生に帰属意識を培わせるのが主な目的である」とし、学校ごとに制服のデザインや色が異なることを紹介、写真とともに各国における代表的な制服を紹介した。 
 続けて「日本が最もおしゃれ」とし、日本の女子高生の写真を紹介しているが、「上着には様々な種類があってコーディネートが可能だが、季節を問わずスカートは常に短い」とした。また韓国の高校の制服は「着こなしは整然としていて、男子はスーツ調で女子は白いブラウスにプリーツスカート」というデザインが多く見られると紹介した。」
http://news.searchina.net/id/1638238?page=1
<太田>
 藤井四段小特集だ。
 28勝目を速報したNHK。↓
 「「藤井四段28連勝 30年ぶり歴代最多の連勝記録に並ぶ6月21日 17時25分・・・」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170621/k10011025681000.html
 動画もどーぞ。↓
 「将棋 藤井聡太四段 歴代最多に並ぶ28連勝 ロング特集 シブ5時・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=XxYLGDxwtN0
https://www.youtube.com/watch?v=mNNlT-PBULY ←ハイライトの棋譜・解説付き
https://www.youtube.com/watch?v=oNoVSJpVV2M ←全体の棋譜。
 その直前のこの動画、面白ーい。↓
 「フィーバーはどこまで続くのか?藤井聡太四段の今後を数年先まで徹底予想!・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=m10OpxpnFuU
 その途中のこの動画も面白いわー。↓
 「【藤井対局中】豊川七段 ダジャレ解説・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=rIY12M__LpI
 終わってからの記事。↓
 「【藤井聡太四段28連勝】–AI時代の申し子 21世紀生まれの初の棋士 詰め将棋も怪物・・・」
http://www.sankei.com/life/news/170621/lif1706210052-n1.html
 「藤井四段28連勝 群抜く「集中力」「読み」・・・」
https://mainichi.jp/articles/20170622/k00/00m/040/099000c
 「28連勝“新世代”プロ棋士 藤井聡太四段はどこまで強くなるか?・・・」
http://blogos.com/article/230232/
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 見出しほど、「賛成が大勢」でもなさそうだな。
 自民党内での、安倍チャンのように「タカ」を止めた多数派、対、「タカ」を続けたい少数派の戦い、石破氏を始めとする後者に、(吐き気を抑えつつ、)「熱烈」声援を送りたい。↓
 「憲法9条改正案、自民党内で議論開始 賛成が大勢・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASK6P2VSQK6PUTFK001.html?iref=comtop_list_pol_n04
 おめでとう!X2。↓
 「世界の主要なバレエコンクールの1つ、モスクワ国際バレエコンクールの受賞者が発表され、シニア部門のデュエット男性の部の1位に青森県出身の大川航矢さん(25)が、またジュニア部門の男性の部の1位にモスクワ出身の千野円句さん(18)が、それぞれ選ばれました。・・・」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170621/k10011024521000.html
 共演した時の印象等は????だったけど、なかなかいいこと言ってんじゃん。↓1
 「兵庫県知事選出馬の勝谷誠彦氏「Fラン大学は必要ない!」・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/13230776/
 もうこういう報道は止めにした方が・・。
 縄文モード深化だってのに、事大に逆行してるぜ。↓
 「「とくダネ!」小倉智昭が人妻美人記者と「週1密会」・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/13232988/
 これも、弥生的偏見コラムってカンジだな。↓
 「(オトナの保健室)性の対等なんて無理 社会活動家・仁藤夢乃さん語る 女子組・・・」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12996858.html?rm=150
 高級オンリーでも高級+中級でも、いずれにせよ、家具専業じゃダメってことね。
 娘の方のマネジメント能力の問題もあるが・・。
 「お家騒動の大塚家具 第2幕「春日部戦争」1年、「共倒れ」懸念・・・」
http://www.sankei.com/economy/news/170622/ecn1706220005-n1.html
 よー分からんなあ。↓
 「・・・理研の「京(けい)」が世界1位だったと発表した。昨年11月に続いて2期連続の首位で、産業利用などの実用面・・流体解析や構造解析などのソフトをスパコンで動かす際の計算処理速度・・で高い性能を持つことを示した。京は、単純な計算速度を競う国際ランキング・・・では8位だった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/science/20170621-OYT1T50082.html?from=ytop_ylist
 納得。↓
 「・・・ヒトの肉体は元来人工的な車や船の動きは想定していない。よって乗り物の過激な動きによって引き起こされた気持ちの悪さに、脳は「何だこの嫌な感じは?」ととまどう。そこで危機管理役の脳幹、いわゆる爬虫類脳は「毒を食らったに違いない」と即断して胃袋に「吐け!」と命じる。・・・」
http://globe.asahi.com/bestseller/2017053100003.html?iref=comtop_fbox_d1_01
 衝突事故起こしたイージズ艦、日本で修繕しないのね。
 それじゃあ、横須賀を母港としてるメリットを半分しか生かしてないことになる。
 それほど、自衛隊のイージス艦に比べて秘密が多いとも思えないが・・。↓
  ・・・U.S. shipyards are already lobbying to fix the vessel. Navy officials are also considering putting the Fitzgerald on a gigantic lift ship to bring it back to the United States, much like it did with the USS Cole after it was targeted by a suicide bomber in 2000.
https://www.washingtonpost.com/news/checkpoint/wp/2017/06/21/navy-sailors-made-tough-call-to-seal-flooding-ship-compartments-unclear-if-survivors-were-inside/?hpid=hp_hp-more-top-stories_cp-destroyer-630pm%3Ahomepage%2Fstory&utm_term=.61c7ce50e00c
 本件についての邦書の出版にしてもこのインタビュー企画にしても、太田コラムによる紹介(コラム#省略)が契機になったのかもしれないが・・。↓
 「・・・スタンフォード大学経営大学院で「マインドフルネス」の授業が人気を博した理由とは?・・・スタンフォード大学経営大学院 リア・ワイス博士に聞く・・・
 アメリカの経営大学院でもマインドフルネスを学ぶ授業が次々に開講されつつあるが、その先駆者ともいえるのがスタンフォード大学経営大学院だ。世界のエリートが学んでいるマインドフルネスの授業とは?6月22日発売の書籍「スタンフォードでいちばん人気の授業」(幻冬舎) で紹介されているリア・ワイス博士のインタビューを2回にわたってお届けする。・・・
 <実は間違い。(恐らく)狩猟採集時代に由来し、日本の縄文時代以降、及び、インダス文明、においてのみ存続しえた人間主義に由来。↓>
 マインドフルネスが仏教に由来しているのは確かです。・・・
 <こういう功利主義的なアプローチでは人間主義は正しく理解できない。また、社会全体を人間主義的にしない限り、個々の人間ないし個々の集団が人間主義化しても、当該個人もしくは集団は存続し得ない。更に言えば、人間主義だけでは、国は滅んでしまう。こういうことが、この教授、ひいてはスタンフォードビジネススクール、ひいてはアメちゃん識者達、ひいては、世界の、中共当局を除く識者達は、分かっていない。↓>
 授業は、マインドフルネス、コンパッション(他人を思いやること)、セルフコンパッション(自分を思いやること)という3つの概念について、様々なテーマをとりあげます。たとえばマインドフルネスはどのように仕事の生産性を高めるのか。思いやりを持つことは、リーダーにとって強みになるのか、弱みになるのか。他人に思いやりを示すことがなぜ利益につながるのか。マインドフルネス瞑想、コンパッション瞑想はどういうときに実践すると効果的なのか。どのようなセルフコンパッション瞑想を実践したら、失敗から立ち直れるのか。このようなテーマについて、理論と実践の両方の側面から学んでいくのです。・・・」
http://diamond.jp/articles/-/132551?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
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太田述正コラム#9171(2017.6.22)
<改めて米独立革命について(第II部)(その3)>
→非公開