太田述正コラム#9615(2018.1.30)
<キリスト教の原罪(その3)/私の現在の事情(続X109)>(2018.5.16公開)
(3)野蛮の時代
「著者による<この本の>物語は、キリスト教なる支配権(dominion)が、今や全ての人々がこの信仰(faith)とその社会的、性的、文化的、そして家族的な諸実践を採用(confirm)しなければならなくなったことから、<それまでの>概ね寛容であった社会の終焉をもたらした、というものだ。
若干の古の諸形の名高い執着者達(prominent adherents)は、当局に対し、この新しいキリスト教帝国<となったローマ>において、宗教的な違いに寛容であるよう嘆願した。
著者は、382年に、雄弁家のシンマクス(Symmachus)<(注7)>が、皇帝グラティアヌス(Gratian)<(注8)>に、ローマの元老院議事堂の中の勝利の祭壇(Altar of Victory)<(注9)>を認めるよう懇願した、という話を引用する。
(注7)Quintus Aurelius Symmachus(345?~402年)。ローマの政治家、雄弁家、文筆家。アフリカ属州(proconsular)総督(governor)、ローマ市長官(precept)、執政官(consul)、を歴任。
https://en.wikipedia.org/wiki/Quintus_Aurelius_Symmachus
(注8)Flavius Gratianus(359~383年。皇帝:375~383年)。「ウァレンティニアヌス1世の長男として生まれ、・・・父帝死亡時はまだ16歳にすぎなかったが、弟のウァレンティニアヌス2世とローマ帝国西方の統治者として跡を継いだ。378年、東帝ウァレンスがハドリアノポリスの戦いで戦死した後、グラティアヌスは・・・小テオドシウス(後のテオドシウス1世)をローマ帝国東方の共同皇帝に任命した。・・・
ミラノの司教アンブロジウスの影響で、父帝の穏健な宗教政策から離れ、最高神祇官の称号を拒否したり、<勝利>の祭壇を元老院から撤去させたりした。383年、マクシムスがブリタンニアで挙兵してガリアに進軍を開始すると、それを迎え撃ったが、・・・敗走し、ルグドゥヌム(現リヨン)で殺害された。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%8C%E3%82%B9
(注9)アントニウスとクレオパトラに対するアクティウムの戦いでの勝利を記念して、オクタヴィアヌス(後のアウグストゥス)によって設置された。
元々はピュロス戦争(Pyrrhic War。BC280~275年)後に、戦争相手の本拠の<シケリア(現在のシチリア)の>ターレスを奪取した時(C272年)の戦利品でニーケー(Nike)が彫られていた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Altar_of_Victory
「ピュロス戦争・・・は、<現在のアルバニアあたりにあった>エペイロス<の>王ピュロスが共和政ローマ、<及び、>カルタゴ相手に行った戦争である。ピュロスはイタリア南部のマグナ・グラエキア(ギリシア人植民都市)のターレス(現在のターラント、ラテン語名はタレントゥム)からローマとの戦争の支援を依頼され、これに<傭兵として>応えたものである。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%82%B9%E6%88%A6%E4%BA%89
「ニーケー<は、>・・・ローマ神話ではウィクトーリア (Victōria) と同一視される。・・・一般には有翼の女性の姿で表される。アテーナーの随神だが、アテーナーの化身とする場合もある。しかし、ローマ神話のウィクトーリアは、マールスに付き従う。・・・
スポーツ用品メーカー「ナイキ」の社名はこの女神に由来する。トレードマークはこの女神の翼をイメージしたもの。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%BC
「誰でも、自分自身の慣習、自分自身の宗教的儀典を持っている」、とシンマクスは主張し、次のように尋ねた。
「真実を探求するために、一人の人間が、いかなる知恵を使おうと構わないではないか」、と。
しかし、彼の諸懇願は無視された。
この祭壇は撤去され、古の神々の諸祭壇や諸肖像は全て破壊されなければならない、とする新しい法律が408年に施行された。
これまで、<キリスト教徒達という>一方からだけ、「迫害」と「殉教」という言葉が投げかけられてきた。
しかし、この新しい宗教を採用するのを拒んだことによって、少なくとも、一定の数の非キリスト教徒達も、迫害され殉教しているのだ。
(続く)
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–私の現在の事情(続X109)–
1 個人番号カード申請
そろそろ、確定申告の季節が近づいてきたので、昨日、電子納税の際の認証に必要な住民基本台帳カードを用意しておこうと思い立ったところ、それがなかなか見つからず、家探しをしてようやく発見して安堵のため息をついたのですが、今度は、その有効期限が2018年3月9日まで、となっていることにいやーな気持ちが。
申告に手間取ったりした時、まだ、申告期間中なのに、認証ができなくなるのでは、心配だからです。
第一、3月9日までに、このカードの更新を行わなければなりません。
それだったら、この際、個人番号カードを作ってしまおう、と思い立ちました。
ところが、(マイナンバーの数字そのものこそ控えてあったものの、)今度は、申請のための個人番号カード交付申請書が見つからず、またも家探しして、ようやく発見。
ただちに、パソコン上でネット申請を行ったのですが、その過程で顔写真をスマホで撮る際に、自撮り方法がすぐ分からずまた手間取ったりして・・。
ホント、ヤキが回ってきてるなって思いましたね。
で、本日朝、T個人番号カード申請を呼びかけるTVコマーシャルに気付きました。
関心がないのに、コマーシャルで新商品等の知識を得ることがある一方、関心がないために、コマーシャルにも気づかないことがあるってことなんですねえ。
2 筋トレ
隔日、筋トレをやっているわけですが、着実に記録が伸びています。
昨日は、コロコロ8往復、腕立て伏せ18回になりました。
一番実感するのは、妙なもので、下腹部・・文字通りの意味なので誤解なきよう・・の筋肉が張ってきたことです。
ただ、腕立て伏せと言っても、胸が床に着くくらいまで「伏せ」ていないので、インチキと言えばインチキなのですが、その間手で握っている、床においた器具(2個)に高さがあり、そこまで上体を沈み込ませる勇気が起きないからです。
ま、これは、将来の課題ですね。