太田述正コラム#9697(2018.3.12)
<2018.3.10東京オフ会次第(続々)>(2018.6.26公開)
A:私が生まれ育ったのは、父方の祖父母が「左」、母方の祖父母が「右」、という家庭であり、ずっと、私自身、「左」だったのだが、次第に、それでいいのか疑問が生まれてきたところに、太田コラムに出会ったわけだ。
(こういった葛藤と通常の人々は無縁なせいか、)友人等に太田コラムを勧めても誰一人関心を持ってくれたためしがない。
B:私は米国の大学の理系の学科で研究を行った時期があるが、そこでは、軍の受託研究が盛んに行われていたし、そもそも、教授達も、核攻撃を受けた場合を想定した、シェルター利用等の計画に通暁していた。
彼らの安全保障意識は日常的なものだ、と思った。
O:武(安全保障意識)を身に付けると、藩校教育がそうだったように、天才であれ、凡才であれ、生来の能力以上の能力が発揮できるようになるものなのだ。
そのことは、私自身が「証拠」だ。
私がさしてアタマがいいわけではないことは、過去に成績がらみのデータを全部開示しているからお分かりの通りだが、自分で言うのもなんだが、そんな私が結構いい線を行っているものの考え方とか分析を提示できるのも、私がたまたま防衛庁(当時)に入ったおかげだと思っている。
通常の人が持たない問題意識や、持ち合わせない方法論、を、防衛庁での仕事を通じて身に着けるとができた、というわけだ。
G:それは、例えばどういうことか。
O:内外に潜在的脅威が存在しないか常に目を光らせる、情報収集を怠らず、得られた(常に不十分な)情報を想像力とバランス感覚でもって分析する、有事においてもドンパチ以上に兵站に計数感覚を駆使して配意する、といったところか。
A:人体の中でも免疫機能が内外の敵を常に見張っていて、敵を見つけては殺している。
生きるということ自体が極めて残酷なことなのだ。
B:免疫と言えば、消化器系は人体外なのだが、小腸は腸内(体外)に無数の細菌が生息していて、有益な働きをしているところ、他人の小腸自体に対する拒絶反応だけを抑制する形で小腸移植をしても、くっついてくる細菌群に対する拒絶反応まで抑制するのが困難であることから、移植がいまだできないでいる。
O:自分の細胞で小腸を作れるようになれば大丈夫なのか。
B:自分のips細胞といったもので小腸を作れるようになれば、その通りだ。
G:理系、文系が交錯するような話題が出ているが、私は地方国立大の理系を出ているところ、高校時代に、理系に行くのなら、国立であればどこでもいいが、文系に行くのなら、どの先生の弟子になるかが重要だから有名大に行け、と言われて理解できなかったものだ。
どうやら、日本の文系じゃ、実績をどれだけあげても、先生の引きがないと評価されないってことらしい。
O:最近の私のコラムで、いくつか、日本の文系学者の著書を取り上げているが、典拠の付け方や選び方一つとっても、おしなべて、トレーニングを受けていないという印象だ。
日本の文系がなぜダメなのか、という話は、次のオフ会「講演」で詳しくやるつもりだが・・。
H:その文系には文学も入っているのか。
O:この場合の文系とは、人文社会科学、とりわけ、社会科学が私の念頭にある。
G:ところで、慰安婦問題って、要するに、朝日の誤報問題なのか。
O:全く違う。
一つには、売春自体を賎業と見るかどうか、という問題だ。
韓国人達は、賎業なんぞに好んで就く女性などいないのだから、就いたことに、必ず何らかの強制性が働いたはずだ、と主張するのだ。
(他方、日本人の方は、漠然とではあるが、そんな意識はない。江戸時代、有名売春婦はスターだったし、遡れば、日本神話はセックスから始まっている、というお国柄だ。)
しかも、慰安婦の場合、日本政府(軍)に奉仕するために賎業に就かされたのだから、更に更に許し難いのだ。
なぜなら、日本による朝鮮統治そのものが、韓国人からすれば、国際法違反の憎むべき犯罪だからだ。
ご存知のように、韓国の人々は、統治されること自体が大っ嫌いで、だからこそ、現在じゃ5年の任期しかない大統領達を、辞めてから、殆ど全員罪人に仕立てあげてきた。
だから、35年間も彼らを統治した日本の犯罪性はこの上もないものだってことになるし、そもそも、大統領と違って、選挙ならぬ領土強盗という犯罪によって統治が始まったのだからなおさらだ、とね。
G:ちょっと想像を超えるが・・。
O:対日協力者達の子孫達の財産まで召し上げてることを思い出して欲しい。
それにしても、新しいことを始めてしまったので、なかなか、朝鮮論を完結させる遑がなくて困っている。