太田述正コラム#9743(2018.4.4)
<岸・安倍家三代の凋落記(その8)>(2018.7.19公開)

 (4)安倍晋三本人

 いよいよ、安倍チャン本人の番ですが、晋三の学歴「問題」については、これまで(コラム#1417から始まり、)何度も取り上げてきたので、ここでは、改めて触れません。(注8)

 (注8)コラム#8285で、晋三の南カリフォルニア大「遊学」にすら疑念が、的なことを書いたが、それに関わる下掲を、この際、紹介しておく。↓
 「<安倍>氏の公式の経歴書には、成蹊大学を卒業後、南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学したとされているが、USC広報者担当者によると、安倍氏が政治学部に在籍したことはなく、78年の春期、夏期、秋期にのみ在籍し、取得した6コースのうち、3つは外国人のための英語コースであり、そこには政治学は含まれていない。しかも安倍氏は、2年間留学といいながら、実際には1年間にも満たない」
https://matome.naver.jp/odai/2135651435806199401

 この際、特記すべきは、晋三の親族達の無責任さです。
 まず、結婚についての無責任さからです。
 娘洋子の結婚を、岸の良子夫人がご主人不在中に一人で進めたという岸家の「伝統」を踏まえ、今度は、安倍家で、洋子夫人が、晋三の嫁選びでも同じやり方をした、と私は見ています。
 そうとでも見ないと、良家の娘であること以外に何の取柄もなかったところの、・・洋子夫人自身の高卒という学歴を上回らず御し易いと見たのかもしれませんが、・・昭恵嬢を夫人が選んで晋三と見合い結婚をさせた理由の説明が付きません。(注9)

 (注9)昭恵嬢は、当時、既に、「聖心女子学院で、4年制の大学に進まないのはわずか1割以下」
http://news.livedoor.com/article/detail/12925707/
だったというのに、進学しなかったという豪の者だが、安倍第一次内閣が惨めな終焉を迎えた後、昭恵夫人は、何と、立教大学大学院で修士を取得している。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10172127410
 この修士号取得の胡散臭さについては、取り沙汰する
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10172127410 (←一例)
のもバカバカしいので止めておく。

 もとより、晋太郎も、洋子嬢の高卒と昭恵嬢の高卒とは時代が違うので意味が全く異なることを知ってか知らずか、この結婚に反対をしなかったことは確かであり、その責任を逃れることはできません。
 この二人の無責任の結果が、現在、安倍首相が陥っている無様な大苦境、ということになるわけです。

 次には、より根本的な問題であるところの、晋三を政治家にしたことについての無責任さです。
 岸や佐藤は、晋太郎が政治家になろうとするのを、屁理屈を捏ねてまでして止めようとした、と私は見ている次第ですが、そんな晋太郎が、今度は、晋三について、「政治家として最も大事な情がない」、「俺に輪をかけて甘いところがある」、と見ていた
http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/42279583.html
からでしょうが、岸や佐藤が自分にしたように、1987年に自分の地盤以外から晋三が衆院補欠選挙に立候補しようとした時、屁理屈を捏ねてまでして説得し断念させた
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%8B%E4%B8%89 (★)
、というのですから、因果は巡る、というやつです。
 ところが、1991年に、その晋太郎が急死した結果、1993年の総選挙に、晋三は父の地盤を受け継いだ形で立候補し、当選してしまうのです。(★)
 この時、母親の洋子が止めた形跡がないどころか、晋三の幼少期に全く交渉がなかったところの、疎遠であったはずの叔父の西村正雄までもが、「晋ちゃんは人がいい。人がいいから、他人に利用されやすい。まだ若いから苦労が足りない。力のある秘書がいない。晋ちゃんを本当に支えてくれる人間が周りに見当たらない。だから、耳障りのいい話しか下から上がってこないんだろう」」
http://3620065.at.webry.info/201503/article_7.html
、と晋三に厳しい評価を下していたにもかかわらず、「晋三が選挙戦に打って出た<時>に、下関まで応援に出かけている」(上掲)、というのですから、彼は、現地で、一体、どんな心にもない仲人口を駆使したのでしょうか。
 当時、既に興銀の幹部であった人物
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%91%E6%AD%A3%E9%9B%84 前掲
らしからぬ軽躁さだ、無責任の極みである、と、叫びたくなります。

(続く)