太田述正コラム#9747(2018.4.6)
<岸・安倍家三代の凋落記(その10)>(2018.7.21公開)
このシリーズを書いているうちにも、こんな首相を戴いている、余りにも哀れな自国の姿に滅入った気持ちが募るばかりです。
終わりを急ぐことにしましょう。
精神科医の片田珠美(注10)(コラム#7753)氏が、小保方嬢と昭恵夫人評を行っていますが、片田さん自身にそんなつもりは全くないでしょうが、昭恵夫人評については、そのまま、安倍チャン評にもなっている・・<>内に示した・・ので、ご一読願います。↓
(注10)1961年~。「大阪大学医学部医学科卒業、1996年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)を取得。論文題目は『分裂病者における象徴化と攻撃性』。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学でラカン派精神分析を学び、DEA(専門研究課程修了証書)取得。人間環境大学人間環境学部准教授(2000年~2004年)<、>神戸親和女子大学発達教育学部教授(2004年~2011年)<、>京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E7%94%B0%E7%8F%A0%E7%BE%8E
「・・・要するに、2人<(3人)>とも無自覚に行動して罪悪感がなく、自身の行動が、周囲にどんな影響を与えるか、理解していない。
無自覚というのは、昭恵さん<(安倍チャン)>でいうならば“首相夫人<(首相)>としてどれほどの影響力を持っているか”というところの話です。
そういう意味では、迷惑な人たちではある。
それぞれ自殺者を出す事態を招いたにも拘わらず雑誌やイベントに顔を出したり<(外交日程をこなそうとしたり)>して、自重していませんしね・・・
昭恵さん<(安倍チャン)>には“悪性のナルシシズム”は見られない。
むしろ“良かれと思って”動く彼女<(彼)>は『週刊文春』の見出しにもあった[、昭恵夫人を形容したところの、]『善意の怪物』です」・・・
昭恵夫人は聖心女子学院高等学校から、専門学校に進学<(安倍チャンは成蹊小・中・大卒)>。
「誤解を恐れずにいえば“落ちこぼれ”ルートで、そのコンプレックスは根深い」(政治部記者<(私)>)という。・・・
彼女<(彼)>は『首相夫人<(首相)>』という、学歴とはまた異なった“特権”を持っているわけで、それに基づく行動がたびたび見られますね。
にもかかわらずその影響力について想像力が足りないので、問題を引き起こしているわけですが」・・・
そもそも森友問題も、そんな特権意識による行動が発端ではなかったか。
いずれにせよ「反省」「謝意」なき2人<(3人)>。
[エーリヒ・]フロム[(注11)(コラム#1596、2290-2、2745、2798、2799、4365、5287、5301、6080、7474)]は、こう言っている。
(注11)Erich Seligmann Fromm。1900~80年。「ドイツの社会心理学、精神分析、哲学の研究者である。ユダヤ系。マルクス主義とジークムント・フロイトの精神分析を社会的性格論で結び付けた。新フロイト派、フロイト左派とされる。・・・
ユダヤ教正統派の両親の間に一人っ子としてフランクフルト・アム・マインに生まれた。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%A0
「自分自身を信じている者だけが、他人に誠実になれる」と……。」
http://news.livedoor.com/article/detail/14528759/
(4月4日アクセス)
(蛇足ながら、前にも記したことがあると思いますが、私は、精神分析学は、錬金術並みのエセ科学(魔術)であると考えており、そんなものを、錬金術師でもあったニュートンとは違って、自分の学問方法論の中核に据えたところの、フロムにせよ、片田にせよ、学者としては、全く評価していません。
但し、こういった人々であっても、評論家としては、正鵠を射たことを述べることはありうるわけであり、その限りにおいて、こういった人々の評論を参考にしたり、紹介したりすることはある、ということです。)
(完)