太田述正コラム#10342(2019.1.29)
<皆さんとディスカッション(続x3967)>
<太田>(ツイッターより)
「大坂なおみに「日本語でコメントを」 記者会見での質問に「しつこい」の声…」
http://news.livedoor.com/article/detail/15933687/
だって英語だと誤訳しちまうもーん。
「大坂なおみ、日清CM「関心が無い」は誤訳だった 朝日新聞が訂正して謝罪…」
https://blogos.com/article/353976/
記者、就中スポーツ記者の質を示す?
通訳雇う金なし?
<globalyst>
≫大学時代の友人達が、現役時代も、リタイア後も、それぞれの能力を100%使っていないことを残念に思っていたところ、どういう発想は間違っているのではないか、と<私は>考えを改めつつある。≪(コラム#10341(未公開)。太田))
に関連して、太田さんは以前にも(といっても最近のことですが)
≫しかし、これについても、考えを改めつつあります。
日本が20世紀末に高度成長を止めたのは、縄文モードの深化のせいだ、と、私は指摘してきたところ、人々が能力の最大限発揮を回避する、というのも、縄文モード深化の賜物なのではないか、と。
というか、縄文時代、遡っては、狩猟採集時代、の人々もそうだったのではないか、それこそ、人間の本来の姿ではないか、とも。≪(コラム#10269。太田)
と言ってました。
狩猟採集社会については、「以前は「厳しい食料事情によって余剰食物が出ることは稀」とされていたが(生存経済)、民族誌の蓄積により、彼らは生存に必要な量の倍の食料を生産できるにも関わらず、また原始農耕よりも労働時間が少ない過小生産傾向によって、余暇を生みだし生活していることが判明して」います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%A9%E7%8C%9F%E6%8E%A1%E9%9B%86%E7%A4%BE%E4%BC%9A
もちろん、これは日本の縄文時代のことではなくて、現在の地球上に残る狩猟採集社会の説明なのですが、日本の縄文時代も似たようなものだったのではないでしょうか。
日本各地の縄文時代の地層からイネのプラントオパールが見つかり、縄文時代には稲作がなされていたことが、ほぼ確実視されるようになり(例えば、岡山県灘崎町の彦崎貝塚の縄文時代前期(約6000年前))、
https://kotobank.jp/word/6000%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE%E7%A8%B2%E4%BD%9C%E9%81%BA%E7%89%A9-186079
三内丸山遺跡(約5500年前)では、栗の木を栽培していたといわれていますので、
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005310001_00000
縄文人の生活も単なる狩猟採集ではなく農耕もやっていたのでしょう。
この点、縄文時代に行われてたとされる稲作は、水稲ではなく陸稲である可能性が高く、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E4%BD%9C#%E7%B8%84%E6%96%87%E7%A8%B2%E4%BD%9C%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7
「<陸稲は>水田を作らずに畑に作付けできることから育成が容易である…。水稲の場合、直播と移植の両方の栽培方法があるが、陸稲では種籾を畑に直播するのみであり、移植栽培はない。陸稲では、水稲の移植栽培のように、苗の育成や田植えなどの手間のかかる作業を省けるという利点がある。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E7%A8%B2
というのですから、縄文人の稲作も「生存に必要な量の倍の食料を生産できるにも関わらず、また原始農耕よりも労働時間が少ない過小生産傾向によって、余暇を生み」出すような(手間暇をかけない)稲作だったのでしょう。
もちろん、栗の木は秋に実がつくまで放ったらかしだったでしょう。
昨年、東京国立博物館の特別展示「縄文―1万年の美の鼓動」を見てきたのですが、そのとき、縄文土器は単なる生活用品ではなく工芸品であると思いました。
と同時に、縄文人は、けっこう暇だったんだな(豊かな生活を送っていたんだな)とも感じました。
私も、「縄文時代…の人々もそうだった」、つまり、縄文人は、能力の100%を生産のために使わずに(=あまり一所懸命には働かなかった)、結構、余暇を楽しんでいたのではないか思います。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
大坂なおみ小特集だ。↓
「大坂なおみ 全仏は大苦戦か「V確率30%」と沢松奈生子氏・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/15937884/
<大丈夫みたいよ。↓>
「・・・昨年行ったインタビューでは、なんと大坂は自信を持っていた。
「全仏もチャンスがあるんじゃないかな。クレーコートの特徴は、ラリーが長く続くから体力が試されるけど、いまの私のフィットネスがあれば、十分に可能性はあると思う」
苦手意識はない。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/sports/tennis/%E3%80%8C%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%82%92%E8%A8%B1%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E5%A4%A7%E5%9D%82%E3%81%AA%E3%81%8A%E3%81%BF%E3%81%8C%E3%80%81%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%81%AB%E2%80%9C%E5%A4%89%E8%BA%AB%E2%80%9D%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B/ar-BBSSlAo?li=AA5aaw&ocid=spartanntp#page=2
<またもやBBCが・・。↓>
「全豪優勝の大坂なおみ選手を「世界が称賛」・・・」
https://blogos.com/article/354063/
<そして、あの英エコノミストが・・。
彼女が未完成だっての例えばこういうことなのね。
こりゃ、確かに恐るべきことだ。↓>
・・・Ms Osaka remains a work in progress, still demonstrating plenty of room for improvement. Her first serve, which averaged 105 mph in Melbourne and has peaked above 120 mph, is one of the fastest on tour, and is deceptive enough that in a 2018 mixed doubles match, she sent an ace flying past Roger Federer. But her second serve is as weak as her first is strong. In both the semi-final against Ms Pliskova and the final versus Ms Kvitova, her results behind her second ball were so poor that she would have been better off hitting only first serves, despite the additional risk that entails.
Repairing that one glaring weakness would promote Ms Osaka from first among equals to a queen standing alone. ・・・
https://www.economist.com/game-theory/2019/01/28/naomi-osaka-proves-she-belongs-among-the-elites-of-tennis
<そのエコノミスト、別記事でセリーナ・ウィリアムスも取り上げているが、ホントはセリーナが決勝で大坂の相手になるはずだったのにってハナシ、他の媒体じゃ、殆ど取り上げてないね。↓>
Serena Williams’s choke was the biggest recorded in women’s tennis・・・
https://www.economist.com/game-theory/2019/01/24/serena-williamss-choke-was-the-biggest-recorded-in-womens-tennis
<マレーも英国の選手だしねえ。↓>
「大坂、“チームなおみ”の1枚が15万超大反響 マレーもジョークで祝福「がっかりだ」・・・」
https://news.infoseek.co.jp/article/theanswer_50250/
<習ちゃんも興奮気味。↓>
「大坂なおみが全豪制し、グランドスラム2連勝 世界ランキング1位に・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0129/c94473-9542054.html
<朝鮮日報も挽回中。↓>
「テニス:なおみとセリーナ、二人の共通点が話題に・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/01/29/2019012980006.html
エー! てなもんだな。↓
「・・・久しぶりにロンドンに行ったら、日本食が大変なことになっていた。
街のあちらこちらに日本食を提供するレストランや店があって、しかもその「引き」が凄いことになっていたのである。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%82%AA%E9%AD%94%E7%9A%84%E3%81%AB%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%84%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E3%81%A7%E8%A6%AA%E5%AD%90%E4%B8%BC%E7%B5%B6%E8%B3%9B%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%82%B1/ar-BBSOIzl?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp#page=2
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
こういう記事中共の記者書くかしらねえ、と思いながら読んでたら、日本人記者だった。↓>
「約1ヶ月の攻防戦に耐えた名城 福島県会津若松市の「鶴ヶ城」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0128/c94473-9541864.html
<日本へ行けキャンペーンの一環。↓>
「最上部に広がる美しい樹氷原 山形県山形市の蔵王温泉スキー場・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0128/c94473-9541869.html
<邦字紙だったかしらん。↓>
「消費税増税を前に日本で住宅購入ブーム・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0124/c94689-9541150.html
<こりゃ、分かり易い。習ちゃんが、日本企業をどんどん買収せよ、とお達し。↓>
「日本企業は「まさに宝の山」、中国企業は今こそ積極的に買収すべき・・・」
http://news.searchina.net/id/1675069?page=1
<ここからは、サーチナより。
こんな記事が登場する背景を考えちゃうな。↓>
「・・・中国メディアの海外網は・・・読書家の朴元大統領の愛読書は日本の歴史小説「徳川家康」の改訂版だったと紹介<し>・・・た。
「徳川家康」は小説家・山岡荘八氏による歴史小説で、韓国では「大望」という書籍名で出版されていた。記事によれば、韓国で「大望」は財政界の人びとにとっての必読書と見なされているという。朴元大統領にとって「大望」は愛読書の1つであり、朴元大統領の父で、1963年から1979年まで大統領を務めた朴正煕(パク・チョンヒ)氏も同じく愛読していたとされる。
記事は、2018年10月に朴元大統領が「大望」を獄中で読み返していると報じられたことを紹介しつつ、韓国メディアが「朴元大統領は徳川家康に自分を重ね、臥薪嘗胆のもと政界への復帰を狙っているのではないか」と伝えたと紹介した。」
http://news.searchina.net/id/1675070?page=1
<ウム。↓>
「アジアカップで見た日本サッカー、「いつも安定した成績を残せるのはすごい」・・・」
http://news.searchina.net/id/1675080?page=1
<ウフフ。↓>
「嵐の活動休止宣言、中国のネットでも衝撃走る「メンバーが結婚しても続けると思ったのに・・・」・・・日本の情報を紹介する微博アカウント・・・」
http://news.searchina.net/id/1675081?page=1
<改めて考え見ると理由は私にもよく分かってないけどな。↓>
「日本で電線の地中化が進まないのは、「わざわざ埋める必要がないから」だった!・・・中国メディア東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1675082?page=1
<しばらく前の記事の使いまわし。↓>
「ベトナム人はなぜ「高額な日本メーカーのバイクを好むのか」・・・中国メディアの網易・・・」
http://news.searchina.net/id/1675084?page=1
<お喜びの習ちゃん。↓>
「 日本政府がこのほど、敵のレーダーを無力化する「電子攻撃機」の導入を決めたと報じられたことについて、中国メディアの快資訊はこのほど、中国の軍事専門家である李莉氏が「もはや日本が専守防衛の国ではないことを意味する」との見解を示したことを伝えた。・・・」
http://news.searchina.net/id/1675085?page=1
<おーここまで来たかね。↓>
「・・・中国メディアの百家号・・・記事は、日本は資本主義のもと発展を遂げた国であるため「商品の種類が豊富なだけでなく、価格競争が激しい」と主張し、各店舗では絶えずセール品を用意して、特に食品は安く販売されることが多いと説明した。たとえば、日本では「豆腐が1丁39円」で売られていることを紹介し、この金額は中国の豆腐の値段と大して変わらないことを指摘。また、野菜については、時期や産地、入手ルートによって値段が大きく異なるのは日本も中国も同じだが、日本では芋類が1袋200円ほどで買うことができ、「中国国内より安い場合もある」と強調した。
他にも、卵や冷凍食品、飲料などの値段を紹介しつつ、「中国で売られている値段と変わらない、もしくは、中国より安い場合がある」と驚きを示し、中国人が口にする「日本の物価は非常に安い」という噂は嘘ではないと主張した。」
http://news.searchina.net/id/1675102?page=1
<そういう見方もあるってことか。↓>
「・・・今日頭条・・・記事は、日本人と桜の関係は、神話に始まると紹介。古代には、山の神が桜の花の花びらに宿り、田の神様になったというものがあり、桜が咲くたびに農民たちは神を祀ったと伝えた。日本人にとって、桜は昔から特別な花だったと言えるだろう。
しかし、「桜よりも梅のほうが人気だった」時期もあると言う。中国から入ってきたと言われる日本の梅は、万葉集では桜よりも多く言及されている。その数は119種と、萩に次いで多く、桜は40あまりであることからも、当時の梅の人気ぶりが分かる。記事は、「中国の影響を受けたのだろう」と誇らしげに伝えている。
さらに時は流れ、遣唐使が廃止されると変化が生じる。記事は、平安時代には、花見と言えば桜を指すようになったと紹介。日本人の意識の中で、梅と桜の順位が入れ替わったと言って良いだろう。仏教の影響を受け、命ははかなくて平等という考え方を持つようになった日本人に受け入れられたのではないかと分析した。
記事はさらに、近代においては日本人のなかで政治的・軍事的な意味も持つようになったと主張。靖国神社に桜の花を植えて戦没者の霊を慰めたり、武士の切腹を桜の花のように美しいと例えたり、さらには戦時中の愛国を題材にした歌の歌詞に桜がよく登場するようになったとも指摘した。」
http://news.searchina.net/id/1675108?page=1
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太田述正コラム#10343(2019.1.29)
<2019.1.27関西オフ会次第(続々)/丸山眞男『政治の世界 他十篇』を読む(その9)>
→非公開