太田述正コラム#10211(2018.11.24)
<2018年度八幡市セミナー1回目次第>(2019.2.13公開)

1 新幹線

 先日の大学時代の友人達との会合で、新幹線の電子予約をしたけれど、切符はどうやって入手するんだろうね、と聞いたら、スマートEXのことじゃなく、昔のインターネット予約の頃のやり方なのでしょうが、2人の友人が、一緒になって「説明」してくれました。
 帰宅してから調べてみたら、スマートEXは、基本的に切符レスの制度であることが分かったので、その旨をメールで、この2人を含めみんなに教えてあげました。
 この2人とも、私が役人を辞めた後も、つい最近まで、フォーマルな勤務を続け、従って、仕事等で新幹線を使う機会がいっぱいあったわけですが、ほぼ完全にリタイアした現在、日々「進歩」する世の中についていけていないようだ、と思った次第。
 この2人のうちの1人が、このところ、奥さんとよく京都に出かけているらしいのですが、私に、さほどかかる時間が変わらないのに、どうして、ひかりじゃなく、高いのぞみを使うんだ、とも言ったので、この時、既に、私のような「現役組」と「悠々自適組」の違いを感じてはいたのですがね・・。
 さて、スマートEX制度がいかなるものであるかが分かったとはいえ、本当にSUICA(的なもの)だけで新幹線に乗れるのか、依然、不安だったのですが、往きは09:54品川発ののぞみであったところ、08:01にリマイダーメールがあったので一安心。
 (帰りは1626京都発ののぞみで、14:40にリマインダーメールがありました。
 なお、面白いことに、行きも帰りも、座席番号が全く同じでした(7号車-7A)。
 ちなみに、新幹線改札をSUICA(的なもの)でタッチすると、座席票が出てきます。
 降りる際も、この座席票ではなく、SUICA(的なもの)を使います。)
 ところが、せっかく、窓際のコンセント付きの座席を確保してあったのですが、3年前と違って、往復とも、うとうとして過ごしたままで終わり、結局パソコン作業はしませんでした。
 年ですねえ。
 それでも、窓際に座ると、他人のことを気にせずにおられるので、やはり、今後とも窓際席を確保したいと思っています。

2 京都駅と八幡市の往復

 表記に関し、2名の市職員(副館長と女性職員)がアテンドしてくれました。
 3年前は、当時の館長1人での対応でしたが、人数が増えたのは、(今が観光シーズンということもあったらしいけれど、)当時に比べて京都の観光客が増えたために、駅前(南口)の路上に車を停車させたまま、その場を離れて私と待ち合わせるというやり方をとることが不可能になり、車の停駐車場所探しと並行して、運転を担当する職員以外の職員を駅構内で私と落ち合わせる必要性が生じたから、だそうです。
 この副館長、文化財保護畑が長かった人のようですが、歴史に大いに興味をお持ちの上、国際問題にも強い関心があり、往復時、運転しながら、私を質問攻めにされました。
 なお、車内で、PDF資料とPP資料のコピーを渡されたのですが、PDF資料の方がカラーでなかったので、後で館長・・現在の館長は、3年前の館長の後任です・・に聞いたところ、どうも、私とのやりとりの過程で勘違いをされていたようであり、次回からは、カラーにします、とのことでした。

3 セミナーの前

 どちらも太田コラムの熱心な読者であるところの、市長、そして、(3年前も皆勤に近かった)ご高齢のshihouenさん・・1月の関西オフ会には必ず参加されるとのこと・・が、控室を訪問され、暫時、懇談しました。
太田:こういう機会を与えていただいたおかげで、例えば、人間主義の定義をしていなかったことが分かったりした。
市長:和辻自身は、人間(じんかん)は世間と同じ、という趣旨のことを○○・・聞き洩らした・・という著書の中で言っていたと思う。
太田:和辻のものは、『人間の学としての倫理学』と『風土』しか読んでいないので・・。
市長:他の自治体からは太田さんに声はかからないのか。
太田:かかるわけないでしょ。
市長:私のような変わり者の市長は他にいないらしいな。

4 セミナーの終わりでの質疑

 (下掲以外の質疑もあったのですが、印象に残っている2つを紹介します。)
Q:文明論は歴史理解にどう役に立つのか。
A:2回目、3回目も聴いて、ご自分で結論を出して欲しい。
Q:どうして、イタリア等と比べて、日本の米軍地位協定は基地提供国にとって不利な内容になっているのか。
A:違いがあるのは、枝葉の部分で、米軍の地位協定の基本的な部分はどの国との間でも同じだ。
 明治初期の条約改正問題じゃないが、今でも、どれくらい、相手国の行政官や裁判官が信頼できるかによっても、(枝葉の部分は)変わって来得る。
Q:米国から見て、イタリアの行政官等の方が日本のよりも信頼できるというのか。
A:イタリアと日本の決定的な違いは、米国と相務的な安保関係にあるかどうかだ。
 日米安保は片務的なので、日米安保は保護条約なのであり、日本は米国の保護国、つまりは属国だ。
 しかも、日本が自ら望んでそうしているのであり、米国は、日本がイタリア等とは違って、米軍はお引き取り下さいなどとは絶対に言わないと踏んでいるので、日米地位協定は枝葉部分で米軍にとって有利なままになっているのだ。