太田述正コラム#10422(2019.3.10)
<皆さんとディスカッション(続x4007)>

<太田>(ツイッターより)

 うれしいニュース2つ。
 「福岡の116歳・田中カ子さん、世界最高齢に認定…」
https://mainichi.jp/articles/20190309/k00/00m/040/138000c
 「米軍駐留経費、総額に5割上乗せ案…」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42266590Z00C19A3EA3000/?nf=1
 田中さんのような長寿者を多数擁する立派な国である日本が介護されててどーすんのよ、とトランプ様が教育的指導をなさってくれとるわ。

<太田>
 
 <USさん、>スライド#6<で、>・・・杉山がやったことの追加です。
 終戦、もお願いします。
 <また、>コラム#10365を踏まえ、1937年4月に、杉山が「陸軍中将中で序列1位、陸軍全体でも事実上3位に」、という文面を、スライドのしかるべき位置に入れてください。
 (事実上=寺内寿一大将は別として<、の意味です。>)
 <更に>また、コラム#10365、及び、下掲↓

西義一:1936年8月、予備役に編入
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E7%BE%A9%E4%B8%80
植田謙吉:1939年(昭和14年)12月に予備役編入
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%94%B0%E8%AC%99%E5%90%89

を踏まえ、1939年12月には、杉山が、(寺内寿一大将は別として、)陸軍で序列1位になったので、この時点で「事実上、陸軍序列1位に」、という文面を、スライドのしかるべき位置に入れてください。

http://news.livedoor.com/article/detail/16135137/
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〇スライド#3の更なる修正依頼

・「()読み替えられたもの」を「島津斉彬コンセンサス」の右側に黒字で付け加える
・英国の脅威への対処→英国(英米)の脅威への対処
・(軍事・統治)→軍事・統治
・人間主義(縄文性)追求→人間主義追求(縄文性)
・軍事力重視(弥生性)→軍事重視(弥生性)

〇スライド#3の解説案・・どうもイマイチできがよくありません。

 横井小楠コンセンサスの話を、3年度前、この場でしたわけですが、このコンセンサスを、ロシア抑止と言い換えれば、それが明治以降の日本の安全保障政策の最重要課題であり続けたことについて、異論を唱える人はそう多くはないと思います。
 他方、私自身、今からお話しする島津斉彬コンセンサスの存在に、昨年、気付いたばかりなのですが、気付いた人は、いまだに私以外はいません。
 どうしてそうなのかですが、横井小楠コンセンサスが顕教だとすれば、島津斉彬コンセンサスは密教であったからでしょうね。
 単純な話、明治維新から日華事変が始まる頃までの間、英国は日本の与国ないし同盟国でありつづけたことから、日本は、実は英国も敵視しているだの、英国等の植民地支配からアジアを解放したいと思っているだの、を公然と政府関係者が語ることは憚られたわけです。
 それは、陸海軍の内部でも同じで、陸士・海兵や陸大・海大、等では、横井小楠コンセンサス的なものは教えられても、島津斉彬コンセンサス的なものを教えるのは憚られたはずであり、それは、一部の、しかし、最も有力で、かつ、相互に気心の知れたところの、幹部達の間で、声を潜めて口伝で伝承されるにとどまった、と想像されるのです。
 (もとより、日本でも、英国の在東アジア軍事力を相手にした机上作戦計画的なものは策定され続けたでしょうが、世界のまともな国であれば、与国、潜在敵国、を問わず、当該国に係る、全ての主要な周辺国や関係国、に対する机上作戦計画的なものを策定するのが普通であって、それは別の話です。)
 このスライドは、『島津斉彬言行録』という本、と、この本に盛り込まれていない、斉彬の史実たる事績、をもとに、島津斉彬コンセンサスを、できるだけ忠実かつ簡潔に紹介したものです。
 それを一瞥されただけで、日本の幕末以降の国の歩みが、ほぼこのコンセンサス通りに進展したことにお気付きになると思います。
 「<明治>維新」は成功しましたし、「富国・・・強兵」についてはご承知の通りですし、「東アジア戦略要衝・・・確保」は、朝鮮、満蒙への日本の進出の形で実行に移されましたし、「欧州<との>・・・提携」は、日独伊同盟の形で結実しています。
 「アジアを辱めよ」だって、1895年の朝鮮閔妃殺害事件や1915年の対華21ヶ条要求、等の形で実行に移されたところです。
 付言しておきますが、明治維新以降の日本の大きな問題点の一つとして、島津斉彬コンセンサス、と、その部分集合たる横井小楠コンセンサス、に共通するところの、「軍事重視(弥生性)」の意識を、陸士・海兵等の軍学校以外の学校では身に着けさせる教育が行われなかったため、非軍事官庁の官僚達を始めとする娑婆、と、軍人達、との間で、考え方において断絶が生じてしまったことが挙げられます。
 これでは、軍人達も、やがては、娑婆の考え方・・私はそれを、勝海舟通奏低音と呼んでいます・・に染まってしまう恐れがありました。
 そこで、陸軍が設置したのが、陸士よりも低学年の生徒(学生)を対象とする幼年学校であり、ここに優秀かつ可塑性に富んだ子弟の入学者を確保できたこともあって、(同様の学校を設置しなかった海軍とは違って、)陸軍では、正しい意味での軍事重視の意識が風化するのを回避することができたのです。
 また、早い段階から、軍人達の中の島津斉彬コンセンサス信奉者達は、気心の知れた民間の有志達と示し合わせ、この有志達に、日本国民の間に、アジアの覚醒・復興を支援する、いわゆるアジア主義、を広める活動を行ってもらったのですが、これがやがて功を奏し、昭和に入ると、その政府おける推進母体として、陸軍内の島津斉彬コンセンサス信奉者達に期待する世論が次第に高まって行くのです。

<US>(本日)

 太田さん、スライド#5 の右半分(福澤分のみ)を作成しました。
<スライドは省略(太田)>
 <左半分の>山縣分はまだです。
 盛り込みすぎでとてもビジーなものとなってしまいました。
 削除して良いもの、不要と思えるものは指摘してください。
 もちろん足りないものがあればこれもご指摘ください。

<太田>

 例によって、取敢えずのコメントです。
(中津藩と薩摩藩の関係は、スライド#4で説明されているとの前提です。)

一、山縣有朋と福沢諭吉、帝国陸軍(幼年学校)とアジア主義

官界の山縣有朋と民間の福沢諭吉
二、薩摩藩松木弘安「一小家塾」出講開始

  薩摩藩松木弘安(後の寺島宗則)「一小家塾」(中津藩江戸藩邸の蘭学塾で慶応大学の前身)出講開始
三、1856年(安政3)松木、蕃書調所教授手伝となる→トル
四、1858年(安政5)福澤、江戸に出て→1858年(安政5)中津藩福澤、江戸に出て
五、(松木と共に幕府スパイに化ける)→1864年(元治元年)福澤正式に幕臣になる
六、黒田清隆→薩摩藩黒田清隆
七、「島津斉彬コンセンサス:中国を辱めよ」の実践→「島津斉彬コンセンサス」の実践
<太田>

 昨日、ヨドバシカメラからの配達メールを読み損ね、電話機を受け取れなかったので、本日、午前、再配達してもらって受け取りました。
 ところが、電池パックが2個しか入っておらず、1個足りないので、子機への装着、充電ができません。
 子機用には改めて買わなければならないのかと思いつつも、取説を読んでみると、この製品、電池パックは3個ついて来なければならないように読めたので、ヨドバシドットコムに電話をかけたものの、繋がりません。
 そこで、同社のサイトのフォームからのメールでこの旨を伝えました。
 その後、このフォームの画面にもう一つ電話番号が書いてあったのでそれに電話したら月曜に(メーカーからまたは直接)電池パックを送りますとの返事。
 ところが、しばらく経ってから折り返し電話があり、私の型番の見間違いで、電池パック2個でいいんですとの話。
 要は、私が電池パックの一つを本体に使ったのがまずかったのであり、電話機二つに使い、停電の時にも電話を使えるようにしたい人に限って、別途電池パックを買って本体に装着するのだとの仰せで納得。
 そうこうしているうちに、今度は、AmazonからLANケーブル3本とEcho dotが届いたので、長いLANケーブル2本を新着ので取り換えました。
 どういうわけか、二つのルーターを結んだ方のやつがうまくいかず、ルーターの端子を変更したりしてようやく解決。
 (ところで、K.Kさんの注意喚起にもあったように、確かにこのケーブル、今までのより太いだけではなく、押しつぶしにも強いようで、パソコン部屋とリビングの間のドアの隙間が気になる状態になってしまいました。
 冷暖房の効率が落ちることがちょっと心配です。
 緩衝材をスライド式ドアの隙間部分に貼り付けようかしら。)
 最後に、Echo dotのセットアップを、ヤマハのサウンドバー・システムと同じルーターと繋ぐ形で、iPhoneを使って行い、一応、成功しました。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

アドバルーンあげてるばっかしじゃん。↓

 「対韓国、関税引き上げ検討=徴用工訴訟で対抗措置-政府・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/16136322/

 また、東大じゃなく京大が・・。↓

 「東洋一の大望遠鏡、京大が挑んだ「純国産」・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42024040U9A300C1000000/?n_cid=DSTPCS001

 クジラ(?)との衝突のニュースをガーディアンとBBCが。
 相手がクジラらしいってだけで過剰反応かい?↓

 More than 80 injured in Japan ferry collision・・・
https://www.theguardian.com/world/2019/mar/09/more-than-80-injured-in-japan-ferry-collision
 Japan ferry ‘hits whale’, injuring more than 80 on board・・・
https://www.bbc.com/news/world-asia-47509017

 中身ねーなあ。↓

 What It’s Like to Be a Black Man in Japan・・・
https://www.nytimes.com/2019/03/09/us/what-its-like-to-be-a-black-man-in-japan.html?action=click&module=News&pgtype=Homepage

 スマートスピーカーも買ったし、残るは、いよいよVRだけ。↓

 Nintendo VR is Happening with New Labo Kit・・・
https://www.newsweek.com/nintendo-labo-vr-kit-release-date-price-1355222

 以下の全ては、杉山元の陸士同期で、次官当時の杉山が、やはり同期の小磯國昭の後任の次官に就任させ、その更に後任の次官に就任させるところまでお膳立てしたところの、柳川平助陸軍次官
http://www.geocities.co.jp/since7903/gunbu/rikugun-zikan.htm ←歴代陸軍次官 
の差し金だったのよ。
 で、要するに、当時の日本は、(陸軍内を事実上制するに至っていたところの)「杉山構想賛同者達」と「彼らの、牧野伸顕を始めとする宮中におけるスパイ達」と「アジア主義に鼓吹された世論」、に対するに、天皇等のそれ以外の勢力、という図式だったのさ。↓

 「・・・リットン調査団がまとめた報告書について、昭和天皇はのちにこう語っている。
 「私は報告書をそのまゝ鵜呑みにして終(しま)ふ積りで、牧野(伸顕内大臣)、西園寺(公望元老)に相談した…」(昭和天皇独白録)・・・
 だが、新聞メディアはそう思わなかった。リットン報告書が公表された翌朝、昭和7年<(1932年)>10月3日の各紙朝刊は激烈な批判記事で埋め尽くされ、「認識不足」「一顧の価値なし」「満州国を侮辱」などの見出しが並んだ。・・・
 強硬路線の記事の背後に軍部がいるとみた昭和天皇は、元凶である軍部の暴走を、自ら押さえようとする。・・・
 このとき、<とりわけ、>昭和天皇が憂慮したのは<、>・・・満洲国<が>建国宣言で、山海関のある熱河省(現河北省など)を領土の一部と主張していた<ところの、同省の併合を目指す>熱河作戦の発動である。・・・
 御前会議は天皇臨席の下、元老、主要閣僚、軍部首脳らが国家の最高意思を決定する会議<で、>法制上の明文規定はないが、明治27年の日清戦争開戦時に開催して以来、天皇が発言できる唯一の公式会議として慣例上認められていた<ところ、>・・・昭和天皇は・・・<この>「御前会議を開いたらどうだろう」<とか、>・・・統帥最高命令によって作戦発動を中止することが可能か・・・<と言いだしたが、>・・・もしも命令に反する事態が起きれば、昭和天皇の威信に傷がつ<く、と側近達に反対されて断念。>・・・
 <結局、1933年>2月23日、熱河作戦が発動<され、>関東軍は満州国軍と連携し、たちまち熱河省内の要衝を攻略した。・・・」
https://special.sankei.com/f/society/article/20190310/0001.html?_ga=2.194798445.1328640290.1551401688-194765844.1544486342

 中共官民のの日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <ムフフフ。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、日本に対して興味を持つ中国人に向けて、日本で生活する中国人が「リアルな日本の生活」を紹介する記事を掲載した。・・・
 記事は、日本と中国の違いを中心に「リアルな日本」を紹介している。たとえば街中で見かける日本人の学生たちは「ドラマで見たのと同じように、本当に制服姿」だと伝えつつ、男子はスタイルが良く、女子はオシャレで、なかには化粧をしている子もいると紹介。中国の学生にとって「制服はジャージ」が定番で、高校生はとにかく勉強漬けで、ひたすら本を読むことに没頭する日々を送るのとは大きな違いがあると伝えている。
 ほかにも、日本人の女性は「やたらと『可愛い』を連発し、小さな魚や小動物を見ても可愛いという」と指摘し、「まるで何にでも醤油をかけるかのようだ」と表現。・・・
 また、生活面では「通信費と水道、光熱費が異常に高い」と主張。・・・」
http://news.searchina.net/id/1676504?page=1
 <これもだ。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、日本にはなぜ教師の日が存在しないのかと疑問を投げかける記事を掲載し、その理由について考察している。
 日本では教師の日という記念日が広く認知されていない理由について、記事は「日本ではすべての人が平等であると定められていて、職業そのものも平等であると考えられている」と指摘し、教師の日を記念日とすることは「特別扱いする」ことを意味し、他の職業についても記念日を設立する必要性に迫られると論じた。
 さらに、日本では教師という職業はもともと待遇が悪くなく、「医師や弁護士、政治家と並んで『先生』と呼ばれる職業」であると強調し、受けている待遇の点から見ても「教師の日を設立する必要性に乏しい」のではないかと主張した。」
http://news.searchina.net/id/1676508?page=1
 <建蔽率のハナシを忘れてるぞー。↓>
 「なぜ日本の戸建て住宅は「2階建て」なの? 土地や空間を有効活用してない・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676505?page=1
 <概ね定番。↓>
 「日本を旅行してみたら、わが国はまだまだ及ばないと感じた!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676506?page=1
 <定番。↓>
 「軽自動車ばかりの駐車場を見て、思わず「本当にここは日本か?」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676507?page=1
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太田述正コラム#10423(2019.3.10)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その11)>

→非公開