太田述正コラム#10434(2019.3.16)
<皆さんとディスカッション(続x4013)>

<コラム#10432の訂正>(ブログ修正済)
孫文は、中国の → 孫文は、ナショナリズムを掲げたものの、中国の
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<太田>(ツイッターより)

 ニュージーランドでの対イスラム教徒テロで49人死亡、少なくとも20人負傷。
https://www.bbc.com/news/world-asia-47578798
 大体からして、クライストチャーチだのイスラマバードだのという都市名をつける発想が出て来るだけで、キリスト教もイスラム教も野蛮だよ。
 人類よ、21世紀中に少なくともアブラハム系諸宗教の廃棄を!

 「JOC・竹田恒和会長、週明けに辞任か…」
https://www.msn.com/ja-jp/sports/news/%EF%BD%8A%EF%BD%8F%EF%BD%83%E3%83%BB%E7%AB%B9%E7%94%B0%E6%81%92%E5%92%8C%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%80%81%E9%80%B1%E6%98%8E%E3%81%91%E3%81%AB%E8%BE%9E%E4%BB%BB%E3%81%8B/ar-BBUPCMD?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp
 仮にそうしたとしても、遅きに失したくらいだが、刑事訴追の恐れこそないとはいえ、何度も辞任していてしかるべきだった安倍首相の方は、辞めないどころか、4選の話まで出ている有様だ。
https://mainichi.jp/articles/20190314/k00/00m/010/080000c
 何をかいわんやだよ。

<7I4EbeH0>

 首相官邸の新しいHPがホワイトハウスのそれに似せているという指摘。

 The top page with its image of Prime Minister Shinzo Abe is very similar in structure to that of the White House’s website, which features an image of U.S. President Donald Trump.
https://www.japantimes.co.jp/news/2019/03/12/national/new-website-japans-prime-ministers-office-takes-cue-trump-white-house/#.XItB6Sj7TIU
https://www.kantei.go.jp/
https://www.whitehouse.gov/
 単にこの手のレイアウトが流行ってるだけだと思うから、Japantimesのこじつけだと思う。
 同紙は安倍-トランプ蜜月関係がよっぽど嫌なのかな?

<M2RpucDE>

 中国が米国から攻撃を受けはじめたのは、中国が日本文明総体継受している事に米国が気付いたからなのかな。
 だとすると米国は日本文明総体がよほど嫌いだとみえる。

<太田>

 ちゃうちゃうちゃう。
 好きとか嫌いとかは、対等の者同士の話。
 米国の白人層は、日本を、黄色いサルが群れてる、強い者に諂い従う幼児的な野蛮な国だと見下しているのさ。

<太田>

 <Chaseさん、福岡>オフ会準備、ご苦労様です。
 23日も駅でお出迎えいただける由。
 まことにありがたいことですが、ついでに、軽く、夕食、ご一緒しませんか?
 「軽く」というのは、疲れてはマズイし、また、パソコン作業を宿でしたいからです。
https://wow-j.com/jp/Allguides/fukuoka/food/00419_jp/#1
の中から、前回賞味させていただいた1、と、どこでも食べれそうな5、以外の中から、どれか、ということで決めていただければ幸いです。
 4は「重」そうですが・・。

<Chase>

 ありがとうございます。
 私も差し支えなければ夕食をと、考えていました。
 2,3で中洲近辺で探しておきます。

<太田>

 USさんを含む皆さん、スライド#7の解説案です。
 昨日、内々にお示ししたものの改定版です。

               記

 簡単に左側から説明します。
 皆さんには、日中戦争・大東亜戦争は日本の勝利だった、という認識に、ぜひとも、まず、立っていただきたいのです。
 ベトナム戦争は、一方的に北ベトナム側が(天文学的な)人的物的被害を被り、しかも終戦の条件は、(単純化して言えば)ベトナム戦争が始まる前の状態に戻すというものだったことから、北ベトナム側が、形の上では敗北したのですが、終戦後、まもなく、北ベトナム側は、戦争目的であったところの、南ベトナムの吸収合併に成功するのですから、彼らが実質的には勝利したわけです。
 このことに異を唱える人は殆どいないのではないでしょうか。
 それと同じ理屈で行けば、結論は自ずから明らかでしょう。
 日本は、自由貿易実現、対露(ソ)抑止完成、アジア解放(必然化)、(中国再生必然化、すなわち、)国民党打倒(共産党支援)、の4つからなる戦争目的をことごとく達成したのですから、勝利したのです。
 (ご自分で、4つの目的それぞれについて、若干なりともお調べになれば、その通りだ、と納得されるはずです。)
 計画的、組織的に戦ったとしても敗ける場合はあるけれど、計画的、組織的に戦わずして勝つことなど、およそありえないことです。
 連合国は、英(豪、加)を除き、自分達が敗けたという認識はなかったでしょうが、それでも、計画的、組織的に日本が戦ったと見て、共同謀議を想定し、極東裁判を行ったけれど、結局、共同謀議の存在の証明はできませんでした。
 私は、共同謀議は存在し、その黒幕が陸軍の杉山元であることを突き止めたわけです。
 私が名付けたところの、杉山構想の実現に向けて、杉山の指揮の下、陸軍の上層部が共謀して日中戦争・大東亜戦争を戦い、勝利した、と。
 それどころか、杉山元らは、日本が勝利した後のことまで布石を打ち、その結果も予見していた、と私は見ています。
 アジア・アフリカの植民地の独立は、アジア解放が必然化されたことの論理的帰結であり、改めて説明する必要はありますまい。
 (日本型経済体制の構築、日本型社会体制の構築、日本型政治体制の構築の順序で行われた)日本型政治経済体制の構築は、戦争遂行のための総動員体制の構築に藉口して、戦後の高度経済成長の基盤を確立するのが目的でなされたとすら見ることができますし、人口増政策に至っては、もっぱら、戦後を見据えた政策であったことは明白でしょう。
 その結果、戦後、速やかに日本の経済大国化が成り、その後、その日本は、少なくとも、(韓国を唯一の例外として、)旧大東亜共栄圏諸国から、模範の国とみなされるになり、今日に至っています。
 また、ロシアについては、米国が全力で対ソ(対露)抑止に取り組むようになった結果、疲弊したロシアが、冷戦に敗北し、崩壊し、衰亡することによって、ロシアの脅威が、基本的に除去されるに至りました。
 そして、国交回復後の日本による中国支援、及び、中国による日本文明総体継受の進展、により、中国もまた経済大国化し、そう遠くない将来、経済力ではもちろん、総合国力でも米国を抜き去る可能性が大になっています。
 また、米国は、杉山らが押し付けたところの、全球的対ソ(対露)抑止体制を、全球的に維持するための知的・財政的等のあらゆる面におけるImperial overstretch(ポール・ケネディ)の累積の結果、その相対的衰亡が促進され、いまや、トランプを大統領に戴く等を通じ、世界の顰蹙を買うに至っています。

 では、右側です。
 どうして、今まで、杉山構想的なものの存在に誰も気付かなかったのでしょうか。
 外国人のことまであげつらうのは止め、日本人について、その私なりの謎解きをしておきましょう。
 杉山が、史料等を破棄・隠蔽した・・韜晦を念頭に置いた資料を自ら作成したり作成させたりした上、終戦時に全官庁の重要書類を焼却させた・・、ということが大きいとは思います。
 しかし、犯人にうまく証拠隠滅をされたらお手上げ、というのでは、警察は要らないでしょう。
 ところが、同時代の陸軍以外の識者達ですら、軒並み、自分達が一体何をやらされ、何をやっているのかさっぱり分からない、という状態だったのです。
 開戦時の蔵相であった賀屋興宣は、極東「裁判で・・・「軍部は突っ走るといい、政治家は困るといい、北だ、南だ、と国内はガタガタで、おかげでろくに計画も出来ずに戦争になってしまった。それを共同謀議などとは、お恥ずかしいくらいのものだ」と語って」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%80%E5%B1%8B%E8%88%88%E5%AE%A3
いますが、これは、賀屋の本心であったかどうか一応は疑う必要があるものの、私は、本心だと思っています。
 また、近衛文麿は、「1945年(昭和20年)2月14日に、昭和天皇に対して「近衛上奏文」を奏上し・・・<、その中で、>陸軍は主流派である統制派を中心に共産主義革命を目指しており、日本の戦争突入や戦局悪化は、ソビエトなど国際共産主義勢力と結託した陸軍による、日本共産化の陰謀であるとする反共主義に基づく陰謀論<を>主張している<ところ、この>近衛上奏文の作文には吉田茂・・・が関与し」ています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E6%96%87%E9%BA%BF
 この主張は、実は、元内務官僚で政治家であった三田村武夫の見解の受け売りだったのですが、後に、この見解を盛り込んだ三田村の著書を読んだ岸信介は、痛く感銘を受け、みんながこの本を読むべきだと述べています。(コラム#10042)
 この岸は、「中国の内戦について・・・「支那が中共の天下となれば朝鮮は素より東亜全体の赤化である。」とも述べています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E4%BF%A1%E4%BB%8B
 彼らが、みんな、間違っていることがお分かりですよね。
 つまり、近衛、賀屋、岸、吉田は、陸軍のこと、とりわけ杉山らのこと、が、皆目分かっていなかったことが明らかなのです。
 これは、近衛以下が、共通して軍事素養を持ち合わせていなかったこともさることながら、より根本的には、陸軍の上澄み達に比べ、彼らが、個人的にも、また、彼らの出身母体たる、それぞれ、華族社会、大蔵省、商工省、外務省、という集団的にも、知力の隔絶があったからだ、というのが私の見解です。
 (なお、海軍の上層部は、軍事素養は身に着けていたと思いたいし、陸軍の上層部に知力でもそれほどの遜色はなかったはずですが、頼りないこと夥しいものがあり、例えば、終戦時に海相であった米内光政は、同僚の阿南惟幾陸相が自裁した時、「私は阿南という人を最後までよくわからなかった」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E5%8D%97%E6%83%9F%E5%B9%BE
と語っていますが、これは、自分は陸軍が何を考えていたのかさっぱり分からなかったという告白に等しい、と私は思っています。)
 政治学者の丸山眞男は、戦後初期の日本を代表する知識人の一人とされていますが、日本の陸軍の最高幹部達は、ナチスの最高幹部達に比べて、非計画的で非論理的で責任回避的であった、つまりは、矮小であった、という趣旨のことを書いており(コラム#1658)、コメントにも値しません。
 戦前史を論じた、その後の日本の識者達については、以上申し上げたことを踏まえれば、私の言いたいことはお分かりいただけると思います。

<太田>

 この話全く知らないわけではなかったけれど、我らが天皇陛下は面白いねえ。↓

 「天皇陛下の知られざるご研究――なぜタヌキたちは、皇居の中で暮らすのか・・・」
https://blogos.com/article/364207/

 FTまでもがこんな非論理的な内容のコラムを載せるとは。
 ボーイングって、多分、コワーい会社なのね。↓

 「ボーイング737MAXへの搭乗を恐れるな・・・」
https://blogos.com/article/364437/
 <FT、人民網に敗北。↓>
http://j.people.com.cn/n3/2019/0315/c94476-9556836.html
 <エアバスに好機到来と笑いを噛み殺すシュピーゲル誌(ドイツ)。
 三菱も頑張れ。↓>
 Aerospace Turbulence Boeing’s Unsuccessful Attempt to Avert a Crisis–Boeing has been the undisputed leader in the aviation market in recent years, with Airbus struggling to keep up. But the crashes of two Boeing 737 Max 8 aircraft could invert the industry’s pecking order.・・・
http://www.spiegel.de/international/business/boeing-s-unsuccessful-attempt-to-avert-a-crisis-a-1258109.html
 <米国内からも、自国の行政府の安全感覚への疑問の声が。↓>
 Why Does the U.S. Tolerate So Much Risk?・・・
https://www.nytimes.com/2019/03/15/opinion/federal-aviation-administration-boeing.html

 行間読みの鋭さに一応拍手。↓

 「「異常な女性遍歴」が原因か…実は「父親嫌い」だった金正恩氏・・・」
https://news.biglobe.ne.jp/international/0316/dnj_190316_6960803868.html

 頑張る朝鮮日報。↓

 「【社説】米国に脱北者団体への抑圧を批判された韓国政府・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/15/2019031580052.html
 「【寄稿】校歌は校歌、「親日校歌」などない・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/15/2019031580111.html

 一応記録にとどめておこう。↓

 Google Chrome Added a Privacy-Focused Search Engine Called ‘DuckDuckGo’・・・
http://time.com/5551728/google-chrome-duckduckgo/

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <定番。↓>
 「日本の子どもはなぜ1人でランドセルを背負って登下校できるのか・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676738?page=1
 <同じく>
 「日本では財布を盗まれない? 日本で「すっかり安心しきってしまう中国人」・・・中国メディアの快資迅・・・」
http://news.searchina.net/id/1676741?page=1
 <これもそう。↓>
 「「天也酔桜花」の景色とは? 100万人の中国人観光客が日本へ・・・」
http://news.searchina.net/id/1676750?page=1 
 <お笑いコントみたいよ。↓>
 「空き部屋があっても、日本の大家は中国人に貸してくれない! その理由はね・・・中国メディアの鍵聞(ChainNews)・・・」
http://news.searchina.net/id/1676747?page=1
 <これはほのぼの物語。↓>
 「日本人は薄情? とんでもない!「もてなしに感動した」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676748?page=1
 <好意ある客観記事。↓>
 「日本の学生が書いた黒板アートが「中国のネットユーザーをざわつかせている!」・・・中国メディアの快資迅・・・」
http://news.searchina.net/id/1676751?page=1
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 一人題名のない音楽会です。
 近藤由貴の6回目です。
 今回は、映画音楽です。
 但し、最大の眼目は、どちらも鬼籍に入られたミシェル・ルグラン&羽田健太郎の2種類の圧巻の競演のご紹介部分と言ってもいいかもしれません。

ジ・エンターテイナー(映画「スティング」より)
https://www.youtube.com/watch?v=eBB0TK5ObFg

愛のロマンス(映画「禁じられた遊び」より)  
https://www.youtube.com/watch?v=ZkUeDPAmflQ

虹の彼方に (オーバー・ザ・レインボー) (映画『オズの魔法使』より)
https://www.youtube.com/watch?v=TpnL32lJTr0

アラウンド・ザ・ワールド(映画『80日間世界一周』より) 着物はピアノには不適だし第一彼女には似合わない。
https://www.youtube.com/watch?v=ItIjaQChvHA

愛のテーマ(映画『ゴッド・ファーザー』より) 
https://www.youtube.com/watch?v=QqGGIbJpjms

エーデルワイス(映画『サウンド・オブ・ミュージック』より) 編曲が平板。
https://www.youtube.com/watch?v=8EFOrx_qQw4

I will wait for you(映画『シェルブールの雨傘』より) 同上。
https://www.youtube.com/watch?v=fXgrv6uTuAQ

(おまけx2)
ミシェル・ルグラン&羽田健太郎 オケ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団 
https://www.youtube.com/watch?v=OThYA5LeN7A
ミシェル・ルグラン&羽田健太郎←素晴らしいジャズ風アレンジ連弾!
https://www.youtube.com/watch?v=Cru2oM5jVb8

(続く)
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太田述正コラム#10435(2019.3.16)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その17)>

→非公開