太田述正コラム#10442(2019.3.20)
<皆さんとディスカッション(続x4017)>

<太田>(ツイッターより)

 全日空が、乗客達からの聴取に基づき、今年の世界で最も清潔な航空会社に選ばれた。
 台湾、韓国、シンガポールの航空会社と続き、5位は日航。
 ちなみに、一般に、機内で最も汚れているのは座席トレイだとさ。
https://edition.cnn.com/travel/article/cleanest-airlines-survey-scli-intl/index.html
 旧大日本帝国の遺産、こういうところで健在ってこと。
 結構なこっちゃ。

 大阪メトロ「堺筋→Sakai muscle 誤訳事件」、そもそも誤訳だらけだったのね。
https://www.bbc.com/news/world-asia-47622639
 マイクロソフト(MS)のソフトを使ったらしいが捧腹絶倒モノ。
 ところで、MSのEdgeに全ページ翻訳アドオンを入れたんだが、これ「印欧語→英語」で使うと素晴らしいが、多分「→日本語」ならXだろ。

<気持与三郎>

 近畿大はKInki univ.ではなく、Kindai univ.が正。

<太田>

 近畿大当局がそう訳していることの典拠は?

<気持与三郎>

 以下をご参照ください。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E7%95%BF%E5%A4%A7%E5%AD%A6
 2014年5月20日、2016年度に外国語系学部の開設を目指す中、kinkiに発音が似る英単語kinkyに「異常な」「風変わりな」「変態」などの意味があることから、大学の国際化を進めるに当たって誤解されないようにするため、2016年春から1949年の大学設立時から使用してきた英語名「Kinki University」を「Kindai University」に変更すると発表。

ということのようです。

<こうちゃん>

 太田さんおはようございます。・・・
 文Ⅱが文Ⅰを上回った、とのことは今一緒い働いている後期研修医から数日前に聞きました。
 まさか自分が生きている間に文Ⅰが文系トップから陥落するとは予想もしていなかったのでかなりの衝撃度でした。
 由々しき事態と、私も思います。
 近畿大学はキンキ、という発音を嫌って、英語表記はKindai.univ.としている、とどこかで読んだ記憶があります。

<太田>

 kindaiの件、お二方のご教示に感謝。
 そういや、「kindai」マグロでしたねえ。

<豊丘時竹>(2019.3.20)http://toyotoki11.hatenablog.com/entry/2019/03/20/072113

 –西郷隆盛は分かっていた–

 島津斉彬にただついていくとだけ決めたのである。
 斉彬の言葉のとおり動けばいいと分かっていたのである。それで明治維新を成し遂げた。・・・
<URL:https://www.ohtan.net/blog/archives/12616>

<太田>

 昨日、19:00頃、ヤマハから電話。
 サウンドバーに異常はないとの結論、とのこと。
 「朝使えていたサウンドバーが、昼、TVの電源を入れても自動的に電源が入らなかったのは、電源コードがサウンドバーに挿しこまれた部分が抜けかけていたからだろう。
 次いで、サウンドバーのリモコンの電源ボタンを押して電源が入ったのは、電源コードが完全には抜けていなかったためたまたま電源が入ったのだろう。
 しかし、その時に、TVとのHDMI端子を通じてのインターフェースがオフになったのではないか。」とのこと。
 (さっぱり腑に落ちなかったが、何かあっても、原則、リモコンは使うな、ということと受け止めた。)
 念のため、電源コードだけ新品で取り換え、(私がK.Kさんの助言で取り付けた)クランプ(clamp)をそのまま使って、今度は緩まないように挿しこんだ状態で、明日、ヤマト運輸で返送し、21日午前中に届ける、と。
 なお、21日は休日なので出勤しないが、22日は出勤するので、いつでも電話をかけてくれれば対応する、とも。

<太田>

 <USさん、旧スライド#9と10を入れ替えていただいた、新>スライド#10ですが、解説の拡充版を作ろうとしているところ、(私の考えを変えた部分はないのですが、)毛沢東に関し、全く新しい事実や視点を盛り込んだものになる予定です。
 そこで、そのほんのさわりの部分で結構ですので、それをスライド#10の左側に盛り込んでいただきたいのです。
 本日のディスカッション公開時点では、拡充部分の全部を完成させるところまでは恐らくいかす、完成は本日夜になる、と思うのですが、それから、ようやく、スライド#10の増補修正作業に着手していただけるようになろうかと思います。
 (この作業に伴い、北朝鮮の部分は、写真を削除するなりして、圧縮する必要が出て来るかもしれません。)
 まことに厚かましく、また、手際の悪いことをしてしまって、お詫びの言葉もありませんが、できる範囲でお付き合いいただければ幸いです。

<US>

 <上>記問題ありません。
 今夜内容わかり次第着手します。

<太田>

 そのスライド#10の解説案(未完)です。

                記

 このスライド#10は、スライド#9での話を受け、中国共産党の日本文明総体継受戦略の紹介を行うのが主たる目的ですが、中国共産党と金王朝とを比較する形で、北朝鮮にも簡単に触れておきます。
 まず、中国、というか、中国共産党、の日本文明総体継受戦略についてです。
 毛沢東(1893~1976年)は、小さい時から、日本の明治維新や日露戦争勝利に熱狂し、嘉納治五郎に心酔するといった具合に、日本の弥生性に目覚めるところから出発したところの、日本大好き人間であり、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E6%B2%A2%E6%9D%B1 ★
恐らく、最初から、中国の日本化、すなわち、私の言葉で言うところの、日本文明総体継受・・要は、中国に弥生性と縄文性を移植すること・・、を決意し、その目的追求のために生涯を捧げる決意を抱いた、と、私は見ています。
 その毛沢東は、北京大図書館司書だった時(1918~19年)、どちらも日本留学中にマルクス主義と邂逅したところの、同大教授の陳独秀と李大釗からマルクス主義の何たるかを教わった(★)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A ☆
のですが、この3人は、いずれも、マルクス主義を、日本社会の特徴である人間主義、つまりは縄文性、への弥生的手段をもってする回帰、を訴える思想である、と受け止めていたに違いない、と私は睨んでいます。
 で、毛らは、1921年に中国共産党を、東大留学経験者の中国人の上海の自宅で結成するのですが、同党は、その時から、(マルクス主義をロシアのモンゴルの軛症候群に基づく領土・勢力圏拡大衝動の新たな隠れ蓑に使うと言う意味での)マルクス主義の堕落形態たるマルクス・レーニン主義を掲げるところの、ソ連(ロシア共産党/コミンテルン)の、ヒト、カネを通じた統制下に置かれることになり、1922年には、毛らの意に反し、ナショナリズムを掲げる孫文の中国国民党・・レーニンは、その丸ごとマルクス・レーニン主義党(ソ連の傀儡)化を目論んでいた・・との合作を強いられ、かつまた、党自体も、毛らに代わってソ連留学組が牛耳るところになってしまいます。(史実は☆と下掲による)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88
 やがて、国民党は、蒋介石の下で腐敗したファシスト政党に堕していくのですが、レーニン死後、ソ連の最高権力者になったスターリンもまた、蒋介石の反共産党姿勢にもかかわらず、国民党重視方針を引き続き堅持しました。
 さて、人民解放軍の創設は、共産党が国民党と第一次内戦状態に入った1927年とされているところ、
https://kotobank.jp/word/%E5%BB%BA%E8%BB%8D%E7%AF%80-1696029
それは、国民党軍から寝返った部隊の寄せ集めに過ぎず、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%98%8C%E8%9C%82%E8%B5%B7
それが、自前の軍らしきものになったのは、翌1928年、中国共産党の根拠地の一つで合流した、毛と(ソ連で軍事を学んできた)朱徳(1885~1976年)、の手によってです。
 その折、毛は、朱徳と協力して策定されたというふれこみの、徹底したゲリラ戦術を旨とする基本戦略、「十六字訣」を明らかにしました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E5%BE%B3 ※
http://yagibamu.seesaa.net/article/449378363.html
 しかし、この「十六字訣」自体は、国民党を打倒するまでの過程における、人民解放軍の運用に係る自由度を最大限確保するための政治的作文であった、と私は見ています。
 (実際、日本の「敗戦」後に起ったところの、「同等」の敵が相手だった国共内戦ではもちろん、その後の「圧倒的優位」の敵が相手だった朝鮮戦争でも、人民解放軍はゲリラ戦術など、全くと言っていいほど用いていません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%85%B1%E5%86%85%E6%88%A6
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%88%A6%E4%BA%89 )
 それはさておき、ここに、毛は、中国共産党における、弥生性を象徴する存在、としての第一歩を踏み出すことになったわけです。
 更に重要なのが、この共産党軍の訓育に藉口する形で、毛が、自らを、中国における、縄文性を代表する存在に仕立て上げたことです。
 すなわち、毛は、民衆のものは一切盗るな、売買はごまかしなくやれ、といった、人間主義の初歩的な規範を盛り込んだ、「三大紀律六項注意」(後に「三大紀律八項注意」へ)を制定したのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%A4%A7%E7%B4%80%E5%BE%8B%E5%85%AB%E9%A0%85%E6%B3%A8%E6%84%8F
 ここに、毛は、中国共産党ならぬ、中国における、縄文性を象徴する存在、としての第一歩も踏み出すことになったわけです。
 なお、これら、「十六字訣」と「三大紀律六項注意」の策制定は、国民党軍とは全く異った、軍隊を共産党が持つに至った、ということを内外に宣明する意義もあったことでしょう。
 そんな毛が、7年後の1935年に、中国共産党の事実上の最高指導者になることに成功するのですが、それは、彼が、同党の軍事上の最高指導者にのし上がることを通じてでした。(★、※)
 ここまでの過程で毛の念頭にあったのは、かつての日本における、(縄文的弥生主義者たる)武家の棟梁による国家権力の掌握、すなわち、幕府体制、だったのではないでしょうか。
 (この間、毛沢東の最大の協力者であったところの、軍事のプロで政治に余り関心がない朱徳への毛の感謝の念は大きく、毛沢東の初期からの党内協力者達が、その後、ことごとく失権させられ、そのほんの一部しか復権できなかったというのに、朱徳は、一度も失権させられることがありませんでした。(※))(まだ、全然途中です(太田))

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 ホンマ、度し難いアホやわ。↓

 「・・・<辺野古問題の>代案を出せといわれたら、唯一実現可能性が(わずかに)あるのは、「日本から米軍に出ていってもらう」ことです。トランプ大統領は、「アメリカが負担する軍の海外駐留は認めない」と断言しているのですから、首脳会談で「思いやり予算(在日米軍駐留経費負担)はもう払えません」といえば「解決」する話です。
 そうなれば日本は真に「独立」して、大量の核兵器を持つロシア、中国、北朝鮮という隣国から自力で国民・国土を守ることになります。当然、「核兵器保有」を求める大きな政治勢力が登場するでしょう。米軍の「核の傘」があるからこそ、日本の右傾化=軍事化が抑えられてきたのです。
「沖縄に米軍基地はいらない」というリベラルは、この不愉快な現実とちゃんと向き合わなければなりません。・・・」
https://diamond.jp/articles/-/197317?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

 ハヤブサ2、引き続き大人気。↓

 Japan’s Hayabusa2 Reveals Secrets of Ryugu, the ‘Spinning Top’ Asteroid it Plans to Blast Open for Samples・・・
https://www.newsweek.com/japans-hayabusa2-reveals-secrets-ryugu-spinning-top-asteroid-it-plans-blast-1367653

 「時代錯誤の過度女性優位社会」のマチガイ。↓

 「・・・女子学生への入試差別の根底には、女性医師が結婚・出産を経た後、現場復帰が難しい“時代錯誤の男性社会”が基盤にある。・・・」
https://diamond.jp/articles/-/197417?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

 MYの日本食(懐石)レストランについての大々的記事。↓

 Kaiseki, Straight Up With a Twist–Bringing New York Flavor to a Traditional Japanese Meal・・・
https://www.nytimes.com/2019/03/19/dining/odo-restaurant-review.html?action=click&module=Editors%20Picks&pgtype=Homepage&login=email&auth=login-email

 使う方法を見つけて欲しいなあ。↓

 「人間の「第六感」 磁気を感じる能力発見 東大など・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E3%80%8C%E7%AC%AC%E5%85%AD%E6%84%9F%E3%80%8D-%E7%A3%81%E6%B0%97%E3%82%92%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E8%83%BD%E5%8A%9B%E7%99%BA%E8%A6%8B-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%81%AA%E3%81%A9/ar-BBUWiLk?li=BBfTjut&ocid=spartanntp

 当たり前だわよ。↓

 「・・・淋しい人はボケる・・・」
https://www.mag2.com/p/news/388840?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000125_tue&utm_campaign=mag_9999_0319&l=lya063889f

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <視点が新しい。↓>
 「・・・中国メディア・東方網・・・記事は・・・「先進国である日本の所得水準は十分高いはずなのに、どうしてこのような状況が依然として存在するのだろうか」と疑問を提起した。
 そのうえで、日本のネットユーザーが「日本の路上生活者の多くは、自ら望んでそのような生活方式を選択している。彼らは決してお金が全くないわけではなく、そうするのが好きなだけなのだ」との見方を示したことを伝えた。そして、「とはいっても、日本だって朝晩や季節の気温差が大きく、外での生活は厳しいはず。どうして彼らはそんな生活を好むのだろうか」と改めて疑問を投げかけている。」
http://news.searchina.net/id/1676867?page=1
 <天皇制に好意的なのは驚かないが・・。↓>
 「120代以上続く日本の天皇家、中でもすごい5人の天皇とは?・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676853?page=1
 <定番。↓>
 「日本の高速バスは中国とは全く異なる・・・設備は充実、そして清潔・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676855?page=1
 <習ちゃんの意見は違うんでは?↓>
 「日本と英国、「世界最強の島国」はどっちだ? 経済、文化、軍事で比較してみた・・・
 中国メディア・東方網・・・記事は、「総合的に見ると、日本は経済面で英国をリードしているにとどまっている。ゆえに、世界最強の島国という観点では、英国が一番ということになるだろう」と結論づけている。」
http://news.searchina.net/id/1676868?page=1
 <否定的な論調じゃないのが、ホンネの現れ。↓>
 「陸上自衛隊が南西諸島に駐屯地新設へ 「心理的な作用のほうが遥かに大きい」・・・中国メディアの環球網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676869?page=1
 <過去に似たような記事があったような・・。↓>
 「日本にある無人駅が織りなす、独特の美しい風景・・・中国メディア・環球網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676871?page=1
 <記事の中身は良識的。↓>
 「日本で問題視される「観光公害」、中国ネット「われわれを公害呼ばわりするのか」・・・中国メディアの捜狐・・・」
http://news.searchina.net/id/1676878?page=1
 <そだよー。↓>
 「日本人は現代文明と伝統文化を融合させる能力が「非常に高い」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676890?page=1
 <野暮やねー。↓>
 「東京の隣にある埼玉って、本当に何も楽しい場所がないの? いや、こんなにあるぞ!・・・人民網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676894?page=1
 <人間主義が身に着き始めている?↓>
 「日本の電車内で見られる「マナーの悪い行い」、中国人から共感の声多数・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676902?page=1
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太田述正コラム#10443(2019.3.20)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その21)>

→非公開