太田述正コラム#10575(2019.5.25)
<皆さんとディスカッション(続x4083)>
<太田>(ツイッターより)
「…格差広がる歯学部の偏差値、上は60超から下は30台まで…」
https://news.infoseek.co.jp/article/president_28116/
こりゃ、確かに歯医者を選ぶ際にはその出身大学を気にしなくっちゃ。
それにしても、阪大、偏差値トップなのに国家試験合格率はぐっと順位を下げてるね。
大学側の責任か、学生がサボルのか、それとも環境のせいか。
<IYwch9so>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
まさに腐敗政治「大阪維新の会」不祥事リスト
https://matome.naver.jp/odai/2144437261638147701?&page=1
大阪人のダメっぷりが香ばしい。
<vcA7H5fM>(同上)
アームは、ブレグジットがあるかもしれないし、アメリカと仲良くしたいってことでしょうか。
ソフトバンクもアメリカに恩を売りたいでしょうし。
で日本は、ますます鎖国・縄文モードになるのでしょうか。
↓全然やってけるみたいだし。
「日本が輸出に頼らなくてもやっていける国になる理由・・・」
https://diamond.jp/articles/-/203455
<HH>
ネットストーカーのように思われるかもしれない(笑)なんて思って迷いましたが、やっぱり反論したいと思います。
≫「「佐藤が一部漫画雑誌のインタビューで「最初は<首相役を>絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」と発言。」
http://news.livedoor.com/article/detail/16455118/
までは、「俳優の自由だと思」われるわけですよね。≪(コラム#10561。太田)
全く同感です。考え方は自由ですし、場をわきまえれば(これが大きな問題だと考えているのですが)公の場で発言すること自体、その意見への自分自身の賛否とは別にまったく気になりません。
≫しかし、「さらに首相を虚弱体質に変更させたことが潰瘍性大腸炎を患った安倍晋三首相(64)をやゆしているなどとして、ネット上で大炎上していた。」
http://news.livedoor.com/article/detail/16455118/
という話だって、役作りで俳優が演出家や監督に提案をすることはままあることですし、いずれにせよ、そういった提案が通ったとすれば、それは、当該俳優ではなく、当該演出家や監督の「問題」でしょう。≪(同上)
これこそが私が問題にしたいことそのもの、なんです。
ドラマの成立とは製作者と鑑賞者との思惑のぶつかり合いであり、ある面、大げさに言えばその劇の解釈をめぐる双方の真剣勝負だと思っています。
まず制作側ですが、文筆と違い(これだって編集者の意見や思想も無視できないと思いますが、さておき)、ドラマというものはすべからく共同作業、その意味で俳優と監督が共同作業を行うこと自体は一つのあり方だと思います。
というよりまず制作側当事者達が役の解釈をめぐっての相克を繰り広げています。
まず脚本家がその想像力と構想力で登場人物の骨格をつくる、役者はその脚本に込められた脚本家の思いを自らの思想と肉体の動きで具現し演技として発揮する、そして演出家(監督)は、脚本そのものと役者の演じる人格とのズレを修正するか放置するか、これもまた演出家自身の人生観で演出していく、そのようにしてドラマが完成していく、一方、受け手である我々は、それら制作側の相克の中で練り上げた人格に対し、共感したり反感を持ったりしてドラマの世界に引き込まれる、それがドラマを見る醍醐味である、そのように思っています。
そのプロセスで個人的葛藤からの試み、あるいは共同作業としての役作り、あるいは純粋に演出家の注文通りの演技、舞台裏は様々だと思いますし完成するまでは色々な試行錯誤や対立があるのかもしれません。
ただ一旦、完成した以上、制作側は映画会社やテレビ局の宣伝戦略の範囲を除いて、少なくとも封切り公開前から最初の数週間までは演出家や脚本家も含めて制作側は視聴者側の先入観につながるような発言を控えるべきであると思っています。
その理由は言うまでもなく視聴者側に自らの解釈の余地を狭めないようにするため、です。簡単に言えば未知のものに出会う楽しさ、ワクワク感を視聴者側から奪わないでくれ、という言葉になりますか。
それを自らの保身のため(その理由は後述)に破る態度が許せない、そう感じたわけです。
≫なお、「『ヒトラー〜最期の12日間』でヒトラーを演じた俳優は、主演を引き受けるかどうかを相当悩んだことを告白しています
https://en.wikipedia.org/wiki/Downfall_(2004_film)
が、そりゃそうでしょうね。」以下で紹介されている丹波哲郎の発言は、歴史上実在した政治家等に関しても基本的に日本人しか演じることが求められない人物によるところの、必ずしも一般化できない発言だと思います。ヒトラーのように人類の敵的な悪評が(日本でを含め)「確立」している日本人政治家等は存在しないのですから・・。≪(同上)
私も、その部分を読みましたが、太田さんが引用されたこの映画の存在そのものが私がいわんとしたことをいみじくも語っていると思います。
つまりヒトラーという存在を演じる好奇心の方が強かったという点において役者的心情は丹波哲郎と同じではないかと思うことです。
確かにヒトラーに比べれば東條英機の悪評は世界的なレベルでは比べ物になりませんが、日本国内における東條英機は悪評が、少なくとも40年前は今と比べるとはるかに高かったと思います。
少なくともそれが好意的に評価されることはなかったはずです。
しかし彼らにはその好奇心と共に批判を受け入れる根性がある。
それが佐藤浩市にあったのか。
佐藤浩市の発言「僕の年代は反体制的な気分が残っているから。」、この一言がなぜ唾棄すべきものように感じるかというと、上記のブルーノガンツや丹波哲郎と比べて、彼の発言に、言わずもがなの自分の政治的な考えを漏らすことで彼の演技そのもに対する批判への予防線、あるいは演じたことそのものを批判されることへの予防線を張っていることの浅ましさを感じるからです。
さらに言えば彼自身の価値観から考える彼の支持層への媚びへつらいが底意にある気がしてなりません。
役者は演技でその思想を表現するのが筋です。
その意味で安倍晋三を揶揄する表現がある、それはその作品の特徴ですから出来不出来での批評はあれど、することが許せないという批判は正当ではない、もちろんそう思います。
しかし揶揄するのであればきちんとそれへの賛否を作品の出来として正面で受け止めるべきだと思うのです。
また。これは映画を見ていないので判断はできませんが、肝心の人物造形に関しても期待できませんね。
権力者を演じるのに安倍晋三くらいしか参考にできない知識と想像力の貧困、安全保障における国家的決断でという権力者にとって最も過酷な決断とは、そういう問題意識があるだけで東條英機や鈴木貫太郎は脳裏によぎらなかったのか。
またそれが歴史的存在として古すぎるといえば、近年のアメリカ大統領の心情に思いを馳せるという手段もあります。
安倍晋三ごときのレベルでしか権力を語ることができない程度の幼稚さは正に噴飯ものではないでしょうか。
もっとも、その程度の役者と総理大臣しか持ち得ないのが、現代の日本。その意味で佐藤浩市レベルそのものが今の我々の象徴なのかもしれませんね。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
頑張れ讀賣。↓
「公証人ポスト回すため?「10年で退職」念書・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190525-OYT1T50085/
心愛ちゃん事件を持ち出すのは筋違い。↓
「虐待、止められぬ母 夫からの暴力「歯が立たない」 防止法改正案、衆院委で可決・・・
千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)が今年1月、両親から虐待を受けて死亡した。父・勇一郎被告(41)=傷害致死罪など=と、母・なぎさ被告(32)=傷害ほう助罪=が起訴されている。なぎさ被告も夫からのDV被害に遭っていたとされる。」
https://mainichi.jp/articles/20190524/k00/00m/040/307000c
面白そうだが、有料記事なので途中まで。↓
「欧州で差別、日本にはじかれ…「排外右派」日系人の原点・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASM552RN7M55UHBI006.html?iref=comtop_list_int_n04
てやんでえ。↓
「・・・外交官としては有能でも、軍を抑えて国をまとめる力量は、広田にはなかった。・・・
広田はやはり、器ではなかったようだ。内閣発足後も陸軍に押され、「パンドラの箱」を開けてしまうのである・・・」
https://special.sankei.com/f/society/article/20190525/0001.html
Amazonのに限らないんだろな。↓
「未発売商品がAmazonレビュー高評価 競合企業「闇の深さに涙が止まりません」・・・」
https://news.infoseek.co.jp/article/20190524jcast20192358331/
X299パソコンに「クリーンインストール」したFirefoxで起きている一連の「問題」はこのせいだな。
ASUSパソコン等にも導入するかどうか・・。↓
「高速化した「Firefox Quantum 67」登場・・・
先日公開した「Firefox Quantum 67」はこれまでのFirefoxで最も高速性を実現している・・・
これまでよりもプライバシー機能が強化されている点も注目したい。・・・」
https://news.infoseek.co.jp/article/itmedia_news_20190524118/
それにつけても、島津重豪のスゴさよ。↓
「男性にもタイムリミット──35歳までに精子を凍結すべき理由・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/16510268/
ペットは健康リスクってことね。↓
「猫好きに衝撃!?「飼育女性の肺がん死亡率2.85倍」・・・」
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20190524/med/00m/100/011000c
とにかくやっかむなっての。恥ずかしいことなんだから。↓>
「電話30回、会談10回、ゴルフ4回…安倍首相を「私の友人だ」と紹介するトランプ大統領・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/24/2019052480133.html
「陸・海・空から宇宙まで…「同盟」以上の米日新軍事同盟・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/24/2019052480134.html
へー。↓
別に中共版コミンテルンがあったわけじゃないで。
要は、誤解に基づき伝播したのよね。↓
・・・Mao developed a socialism that was rooted in a rural society exploited by imperialism. Lovell shows how these conditions galvanised Maoism’s rise in Indonesia, India, Nepal, Peru and Africa.・・・
https://www.ft.com/content/4ea5c8c4-56fb-11e9-8b71-f5b0066105fe
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
それはそれは。↓>
「中国自動車メーカー・比亜迪(BYD)の日本における業績は特筆に値する。同社によると、現在日本の市内路線バス市場において、電気バスの3台に1台がBYD社製だという。・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0524/c94476-9581267.html
<概ね定番。↓>
「日本茶道の「一期一会」から味わう人生の哲理・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0524/c94689-9581275.html
<ここからは、サーチナより。
材料はともかく、定番のサッカーフェチ/日本サッカー礼賛記事。↓>
「・・・中国代表について記事は、マルチェロ・リッピ氏のような名将を招聘しても、その指導や采配に疑問を呈し、不満を言うだけで、その疑問や不満から学び、成長しようとしない・・・
中国のサッカー選手はあくまでも生計を立てるためにプレーしている人が多く、・・・また、私生活と仕事を混同している選手も多い・・・」
http://news.searchina.net/id/1679082?page=1
<おおきに。↓>
「・・・中国新聞網・・・記事によると・・・日本は2番人気の国外旅行先の国であるにもかかわらず、「中国人が買物に行きたい都市トップ10に、東京、大阪、京都、横浜、名古屋、札幌、福岡、神戸の8都市が占めた・・・。これは、日本業者の割引クーポン戦略が功を奏した結果のようだ。・・・」
http://news.searchina.net/id/1679083?page=1
<いらはい、いらはい。↓>
「・・・中国メディアの捜狐は・・・日本で暮らす中国人が増えているのは、中国での生活のように「メンツ」を気にしなくても良いからであると伝えた。・・・」
http://news.searchina.net/id/1679094?page=1
<ホントかなあ。↓>
「・・・中国メディアの網易・・・記事は・・・日本の芸能人が中国で芸能活動をしない理由について分析し、「中国では様々な海賊版が販売されていること」が理由ではないかと考察し、日本企業は知的財産権にシビアであるため、中国への進出に消極的な姿勢をとっているのではないかと論じた。また、日本の芸能プロダクションは日中間に存在する感情に配慮し、中国で積極的に動こうとしていないのではないかと論じた。
しかし、こうした現状は「日本のドラマやアニメが好きな中国人ファンたちを落胆させている」と伝え、逆に日本の一部の芸能人が個人的に中国のSNSを通じて自ら中国人ファンに情報を発信している姿勢はファンを非常に喜ばせていると伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1679095?page=1
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<komuro>
あとはHD650はケーブルの取り外しが出来るので、ここの接触不良です。
ヘッドホンの根元でケーブルを抜き差ししてみてください。
交換用ケーブルの写真を見ると、参考になると思います。
https://www.amazon.co.jp/Sennheiser-HD650-HD600-%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB-092885/dp/B00CC9GM3Q
⇒あらー、売ってるんですね。
いざとなったら、買うのが一番かも。(太田)
それでダメなら、K.Kさんご紹介の接点復活材でしょうか。
私は使ったことは無いですが、人によって効果の感じ方が違うので、何とも言えません。
何か思いついたら、またご連絡します。
≫komuroさん提供の機器はバカ高そうな製品ばかりで、≪(コラム#10573。K.K)
オーディオに凝りだすと高音質の高級パーツを使いたくなり、その結果、少量生産品で高価になっていきます。
ただ仮に壊れた場合でも、AMP-KUMAMOTO製作元のような小規模メーカーの方が、割と相談に乗ってくれます。
あとは経験と知識ですが、K.Kさんなら容易に理解するでしょうね。
もし太田さんがHD650を壊れたと判断したら、K.Kさんに差し上げるのが良いと思っています。
ただ同僚曰く「komuroの推奨機器は、本来聴こえなくてもよい音まで聴こえるので、あまり使いたくない」と言われました。
<K.K>
太田さん、ヘッドフォンの不調に関して、抜き差しだけで改善するかもしれませんが、良い機会ですので清掃をオススメします。
接点復活剤ですと他に使い途がありませんが、無水エタノールであれば、他の清掃(マウスやキーボードを拭く等)にも使用できますので、無水エタノールを購入してはどうかと思います。
・無水エタノールP 500ml(掃除)
用途・使用法
●冷蔵庫の外側・照明器具のカサ・鏡等に
無水エタノールを布などに含ませてふいて下さい。
(冷蔵庫の庫内に食品や汁のこぼれ汚れがある場合、無水エタノールを含ませた布などでふき取って下さい。)
●換気扇・レンジ・オーブン・レンジまわりの壁等に
無水エタノールを布などに含ませてふき取って下さい。
●便器・便座等に
無水エタノールを布などに含ませてふいて下さい。
●密閉容器について食品の臭いとりに
無水エタノールを布などに含ませて、容器の内外をよくふき取って下さい。
Amazon ¥970
https://www.amazon.co.jp/%E5%81%A5%E6%A0%84%E8%A3%BD%E8%96%AC-%E7%84%A1%E6%B0%B4%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%ABP-500ml/dp/B000TKDKA8/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E7%84%A1%E6%B0%B4%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB&qid=1558724573&s=gateway&sr=8-5
ヨドバシ ¥1,100
https://www.yodobashi.com/product/100000001001869602/
<太田>
お二方、アドバイス、ありがとうございます。
無水エタノール、いずれにせよ、買っておいてよさそうですね。
さて、ヘッドフォン「問題」は少し置いておいて、エアコン「問題」の方ですが、昨日、イオンに電話で聞いてみたら、予約はネットでできるものの、支払いには実店舗に行かなければならないことを確認し、少し、躊躇を始めました。
また、「エアコンを買い換えるまでの平均使用年数は13.6年、うち65.2パーセントが故障により買い替えています。」
https://enechange.jp/articles/air-conditioner-replacement
を読んで、まだ、どちらにも該当しないな、と思い、かつまた、省エネ化の進展具合をチェックしても、
https://enechange.jp/articles/cost-air-conditioner
6畳用のエアコンであれば、さほどの節約にならないな、とも思い、やっぱり、止めておこうか、という気持ちに傾きつつあります。
とにかく、クリーニングはしないこととし、次の節目は、今年秋の消費税アップ直前ですねえ。
自動掃除機のルーロも今日は快調でした。
これも、買い替えは、少なくとも消費税アップ直前まで先延ばしチックです。
それはともかく、風呂場スピーカーは本日も快調。
このスピーカーを活用するために朝シャワーにした前後から、どういうわけか夜の就寝時間が1時間早くなり、これも、主観的にはいい影響を及ぼしています。
このほか、ヤマハシステムのファームウェア更新に伴い、本日も同システムの再設定に一苦労したが、更新毎に、システムの状態がデフォルトに戻るっての、何とかしてくれないかなあ。
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一人題名のない音楽会です。
ファジル・サイ(Fazıl SAY)の小特集の3回目です。
予定を再度変更して、もう1回増やすこととし、2回にわたってベートーベン(Beethoven)の曲をお送りします。
Moonlight Sonata ←イマイチの演奏。全般的にメリハリが効いておらず、また、第一楽章は遅過ぎ、第三楽章は速過ぎる。(楽譜を用いた演奏というのも珍しい。)
https://www.youtube.com/watch?v=RkmS4PmLGGM
Appasionata Sonata ←これはイイ。
https://www.youtube.com/watch?v=7Sq_TjQj46g
Tempest Sonata mvt. 3 ←これはとてもイイ。
https://www.youtube.com/watch?v=7U5if44LYKs
(続く)
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太田述正コラム#10576(2019.5.25)
<三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』を読む(その31)>
→非公開