太田述正コラム#964(2005.11.23)
<崩壊しつつあるフィリピン(その1)>
1 海外へ海外へ
(1)医者が看護師になって海外へ
フィリピンでは、医師が看護士として欧米に海外脱出するケースが続出しています。医学部を卒業し、研修医過程も終えてから、改めて看護学校に入り直し、海外脱出を目指す医師も出てきています。
もちろん、医師を続けることができた者もいるのですが、欧米では医師に比べて看護師の需要の方が大きいためです。
正確な統計はないのですが、既に医師の二分の一から三分の一は海外に脱出したと見られています。
どうして、彼らはそうまでして海外脱出を図るのでしょうか。
フィリピンでの医者としての所得の二倍以上の所得を看護師としてでも、例えばカリフォルニア州では得られることは事実ですが、脱出の動機はカネではなさそうです。
フィリピンの政治エリートの無能さ、やる気のなさにほとほと愛想を尽かした、ということのようなのです。
フィリピンの経済状況は、東アジアで一国だけ蚊帳の外の惨状が続いており、今やベトナムにすら後れを取ろうとしています。
医療を取り巻く情勢も医師にとってこの上もなく厳しいものになっています。
フィリピンの8,000万余の国民の大部分は貧しく、地方にいる医者は、医療費が払えない患者ばかりでまともな生活ができないために、都会に引き揚げざるをえない状況です。しかし、その都会でも病院の施設は劣悪であり、ベッド数も足りず、慢性的な医師不足に悩まされており、病院が次々に廃業に追い込まれつつあります。
この結果、医師を志す若者が少なくなり、医学部の入学難易度は大幅に低下してしまいました。
これでは、海外脱出ということにならざるをえないわけです。
(以上、http://www.csmonitor.com/2004/1224/p07s02-woap.html(2004年12月24日アクセス)及びhttp://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2005/11/22/2003281222(11月23日アクセス)による。)
(2)若い女性は売春婦として海外へ
昨年12月、日本政府は、フィリピンのダンサー等の芸人(entertainer)向けのビザ発給数が年8万であったところ、今後は8千に押さえる方針を発表しました。
これは昨年、フィリピンを含む東南アジアから、推定で毎年22万5,000人もの女性が売春目的で海外に「密輸」されており、その最大の仕向地が日本であることを、米国務省が指摘したためだ、と考えられています。
実際、日本の売春婦の半分はフィリピン女性だと言われています。
これはフィリピンの仲介業者や日本の暴力団のせいというよりも、総勢で700万人にもなるフィリピンの出稼ぎ者のうち、医師のようなインテリ以外の一般大衆にとって、たとえ売春することになろうとも、日本に行って「働いて」高収入を得ることに抗しがたい魅力があるからです。
何せ、本国では月100米ドルしか稼げない女性が、日本に来ると月500米ドルは本国に送金でき、都合日本のフィリピン出稼ぎ者による本国への送金額の総計は、毎年4億ドル弱にものぼっているのですから・・。
(以上、(http://www.csmonitor.com/2004/1222/p04s01-woap.html(2004年12月22日アクセス)による。)
どうやら、フィリピンは大変な苦境にあるようです。
一体どうしてそんなことになってしまったのでしょうか。
(続く)
アメリカ最高!!
もっと指摘してください!
汚いフィリピーナとキモイおやじを