太田述正コラム#11527(2020.9.11)
<皆さんとディスカッション(続x4558)>
<太田>(ツイッターより)
「…首相は菅氏を推す理由として「彼は世襲でもないし、エリートでもない。他人の足を引っ張ることもない」と述べた…」
https://news.livedoor.com/article/detail/18876572/
一、じゃ自分はなぜ首相になった?
二、エリートじゃない人が最高のエリートに適任とはこれいかに?
三、確かに外交・安保放棄の属国首相なら務まるかも。
<US>
≫ね、分かったでしょ。≪(コラム#11523。太田)
アングロサクソンの方達と同じ価値観ではないということが強烈にわかりました。
私たちは甘いのだと思い知らされました。
一方、では中国とは価値観を共有できるのか?
やはり価値観は違うと思いました。
太田さんのブログを読んで、中国が日本のやり方をお手本にしているということを知りましたが、それは自国を統べるのに都合が良いからだけで、価値観は中華思想のままで、制度は真似るが、別に日本と価値観を共有しようなんて思っていないんだろうなぁと感じました。
中国に取っては、都合の良いポチをこっち側に引き寄せたいだけ、と思いました。
属国とはこういうものか、と思い知らされた記事でした。
<太田>
「価値観」と「属国」、という、本件に係る適切な2補助線を提示されつつも、この補助線群の用い方にいささか難点があるように私には思われます。
引用コラムの筆者が指摘していることのほぼ全ては、日本が「属国」であることに由来するものである上、彼自身が「価値観」の違いだと思い込んでいるらしいことすら、日本が宗主国移行中であることに彼が気付いていないからそう誤解しているだけのことである、(対ロシアの件はまた別の要素がある、)というのが私の所感です。
(中共に対する、私自身の評価、や、私のと表見的には似ているけれど根本的に異なるところの、経産省による評価、については、さしあたりは立入りません。)
具体的には、次の通りです。↓
「日本がファイブ・アイズの一員に簡単にはなれない理由・・・
まず、日本は敵のスパイ活動に対する防御力が弱いと見られていることだ。・・・
⇒宗主国米国が強く要求した「スパイ活動に対する防御力」は、既に概ね整備されたのであって、それ以外のものは、整備されない方が米国の利益になることから、米国が強く要求してこなかったということ。(太田)
日本は、政府だけでなく民間企業にも適用する、セキュリティークリアランスの厳格なシステムを導入する必要がある。・・・
⇒「セキュリティークリアランスの厳格なシステムを導入」すれば、日本の民間企業が自企業に対する(ないしは自企業内で行われている)米国の諜報活動も発見する機会が増大するところ、日本政府とは違って日本の民間企業の多くは米国に対する忖度などしないので、米国による対日本企業諜報活動が警察・検察に持ち込まれる可能性が高まる。
そして、たとえ警察が受理しなくても、(警察よりも相対的には政権に忖度しない)検察は受理するかもしれないし、受理しなければ検察審査会に訴えられるかもしれない。(太田)
日本にはまだスパイ防止法がないことも問題の1つだ。秘密情報を窃取したと判明した日本人および外国人に対して、より厳しい罰を与える法律だ。
⇒スパイ防止法ができれば、米国の在日対日諜報員も摘発される恐れが出てくる。以下、上と同じ。(太田)
第2の障害は、海外で機密情報を収集する能力が日本には不足していることだ。・・・
⇒日本が(イスラエルやドイツのように、米軍を含む)米国内で諜報活動が行うことに伴うデメリットの方が米国が(自衛隊を含む)日本内で一方的に諜報活動を行い続けるメリットに比して、米国にとって大きいということ。(太田)
第3の障害は・・・日本の政治指導者たちは、価値観外交の重要性を指摘することが時折あるが、たいていの場合、他国の内政を批判する行為を控えている。つまり、権威主義国が人権侵害や民主主義の欠如を示す行為に及んでも、それを批判することはない・・・
⇒米国だって、同国内の有色人種に対するもの等の「人権侵害」や(三権分立はさておくとしても、)大統領選の際の選挙人制等の「民主主義の欠如を示す行為」に「及んで」いるが、属国日本はもとより、大部分の諸国も、米国が全球的覇権国である(だった?)ことから、あからさまにそのことに言及しない。
要は、「人権侵害」や「民主主義の欠如を示す行為」なるものは、自国に対する潜在敵国等の好ましからざる諸国を非難する際の常套外交用語であるところ、日本は米国の属国で、外交の基本を放擲しており、「好ましからざるを諸国」の認定は外交の基本に属するので日本はそれを行ってはこなかったということ。(α)
筆者は日本の対中(対香港を含む)が最も念頭にあるのだろうが、中共に関しては、日本が、現在、米国から中共へと宗主国移行中であることから、対中忖度を行っていることがこれに付け加わる。(太田)
欧米諸国がロシアを孤立させるべくさまざまな取り組みを試みたのと同じ時期に、安倍政権はロシアへの関与を強めた。・・・
最も衝撃的だったのはスクリパリ事件への対応だった。・・・
日本はG7(主要7カ国)において、ロシアの外交官を追放しない唯一の国となった。・・・」
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/090800199/
⇒αに加え、日本が北方領土問題を抱え、いまだにこの問題が「解決」する可能性があると思い込んでいることから対露忖度を行っているからであるところ、そんな幻想がいまだに失われていないのは、属国化してから時間が経過し、日本が脳死してしまったためだ。(太田)
<US>
>「価値観」と「属国」、という、本件に係る適切な2補助線を提示されつつも、この補助線群の用い方にいささか難点があるように私には思われます。
属国状態の日本に価値観共有の話は無理と言うことですね。
属国は脳死状態なので、同盟国と共有すべき価値観を理解できない。
脳内お花畑状態を脱しきれていない。
中共の属国となった場合でも、やはり脳死状態なので、中共の価値観を理解し共有することは無理だし、中共側も米国同様、属国にはそれを求めない、と言うところでしょうか。
>宗主国米国が強く要求した「スパイ活動に対する防御力」は、既に概ね整備されたのであって、それ以外のものは、整備されない方が米国の利益になることから、米国が強く要求してこなかったということ。
これまた目からの鱗の話でした。
もうこれ以上の防御力は属国には不要であること納得しました。
筆者の言うところの
・スパイ活動に対する防御力が弱い
・海外での機密情報を収集する能力が不足している
・権威主義国が人権侵害や民主主義の欠如を示す行為に及んでもそれを批判しない
の3点は、宗主国の意向に適ったものなので、必ずしもファイブ・アイズ参加の弊害とはならないかもしれないと理解しました。
ポチがポチらしくしていれば、もしかしたら河野大臣の言う通り、椅子さえ持っていけばその辺にいても良いよと言ってくれるのかもしれないと感じました。
<太田>
コロナウィルス問題。↓
<この調子。↓>
「・・・死者1418人(+7人)・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55811680Z10C20A2I00000/
それでは、その他の記事の紹介です。
だねえ。↓
「藤井聡太二冠の順位戦勝率「.970」! 谷川浩司九段との「中学生棋士」対決に勝利、勢いとどまらず・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/sports/news/%e8%97%a4%e4%ba%95%e8%81%a1%e5%a4%aa%e4%ba%8c%e5%86%a0%e3%81%ae%e9%a0%86%e4%bd%8d%e6%88%a6%e5%8b%9d%e7%8e%87%e3%80%8c970%e3%80%8d%ef%bc%81-%e8%b0%b7%e5%b7%9d%e6%b5%a9%e5%8f%b8%e4%b9%9d%e6%ae%b5%e3%81%a8%e3%81%ae%e3%80%8c%e4%b8%ad%e5%ad%a6%e7%94%9f%e6%a3%8b%e5%a3%ab%e3%80%8d%e5%af%be%e6%b1%ba%e3%81%ab%e5%8b%9d%e5%88%a9%e3%80%81%e5%8b%a2%e3%81%84%e3%81%a8%e3%81%a9%e3%81%be%e3%82%89%e3%81%9a/ar-BB18T7Ab?ocid=UE03DHP
「藤井聡太二冠の順位戦で郷田九段が語った事とは..谷川九段が対局前、そして対局で見せた美学.負けなし4連勝に賞賛【順位戦B級2組VS谷川九段】・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=gRr9POdB6e8
「藤井聡太二冠に中村太地七段の“再戦”への一言にファン驚愕…谷川浩司九段との対局とコメントや羽生善治九段・木村一基九段との対局への言葉も【第79期順位戦B級2組】・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=KRckxnAzopo
日本のスポンサーも日本のミーチャンハーチャンも同じ目線ってことね。↓
「大坂なおみの人種差別抗議に国内外で温度差 スポンサーの微妙な事情・・・」
https://mainichi.jp/articles/20200910/k00/00m/050/300000c
侮日NYタイムスが、なおみのポリコレにたまらず、彼女の長文試合記事。↓
Naomi Osaka Reaches U.S. Open Final With Win Over Jennifer Brady–Osaka, the 2018 U.S. Open champion, prevailed even as she had her power matched often by Brady. Osaka will meet either Serena Williams or Victoria Azarenka in the final.・・・
https://www.nytimes.com/2020/09/10/sports/tennis/us-open-naomi-osaka-jennifer-brady-serena-williams-victoria-azarenka-semifinal.html?action=click&module=Latest&pgtype=Homepage
魚心(経産省/経産官僚)あれば水心(安倍チャン)ってことだろ。
なんで、片方のことだけ言うんだよ。↓
「・・・なぜ経産省出身者がこんなに活躍したのかといえば、それは経産省の人が一番経産省の将来を見限ったからだという。つまり、経産省として霞が関でプレゼンスを上げることは諦めて、どれだけ官邸に人を送り込むかということに専念した結果だ・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/18876095/
確かに低いねえ。↓
「なぜ大麻は日本で解禁されない?「薬物生涯経験率」が低い日本・・・」
https://blogos.com/article/483819/
ここにも、ウィキペディア・ファンが・・。↓
「【本郷和人の日本史ナナメ読み】感染症の日本史(下) 大山捨松と史料編纂所の奇縁?・・・」
https://www.sankei.com/life/news/200910/lif2009100006-n1.html
そう言われても、ウジウジ。↓
「iPhone歴12年だった経済評論家が「いまはアンドロイド」と激推しするワケ・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/18873707/
・・・。↓
「仲のよい男女はいっしょに寝るとよく眠れる・・・」
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200710/med/00m/070/003000d
この人の書いてることには毎回、話は逆では、とツッコミを入れたくなる。
読書が嫌いな人は頭が固いってことなのよ。↓
「・・・いろいろな方向から物事を見て、いろいろな立場に立って考えられることこそが、「頭が柔らかい人」の特徴なのです。・・・
<そのためには、>本を読むときに、その本を書いた人の気持ちになって考えてみる<ように心がけるとよろしい>。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/money/career/%e6%9d%b1%e5%a4%a7%e7%94%9f%e3%81%8c%e8%a6%8b%e3%81%9f-%e9%a0%ad%e3%81%8c%e6%9f%94%e3%82%89%e3%81%8b%e3%81%84%e4%ba%ba-%e7%a1%ac%e3%81%84%e4%ba%ba-%e3%81%ae%e7%bf%92%e6%85%a3-%e3%81%aa%e3%81%9e%e3%81%aa%e3%81%9e%e3%81%bf%e3%81%9f%e3%81%84-%e3%81%aa%e6%9d%b1%e5%a4%a7%e5%85%a5%e8%a9%a6%e3%82%92%e8%a7%a3%e3%81%8f%e4%ba%ba%e3%81%ae%e9%a0%ad%e3%81%ae%e4%b8%ad/ar-BB18UGFS?ocid=UE03DHP
日・文カルト問題。↓
<日本、勝利!↓>
「・・・死者は前日から4人増えて計350人・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200911001400882?section=society-culture/index
<日本にからむなって言ってんだろ。↓>
「韓国の若年失業率が10年間で5位→20位へ、日本は?・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/10/2020091080109.html
<妻ともども韓国大好き首相を嫌うところが、カルト国国民。↓>
「韓国人84%が安倍氏不信、日本人79%が文大統領不信・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/270132
<日本のメディアみたいね。↓>
「地上配備の場所なく白紙化した日本の迎撃武器…人工浮島か、専用艦か・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/270118
「好機に乗じる?…「優勢」の菅氏、首相就任後に早期総選挙を行うか・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/270124
<愚高尚コラム。↓>
「災難と物質:コロナ時代の日本文化断想・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/270104
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<日中交流人士モノの常連に?↓>
「日本の政治経済学者「サービス貿易交易会を通じ中日の新たなビジネス協力を期待」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/0910/c94476-9759135.html
<日中交流人士モノに新人登場。↓>
「日本の大学教授「サービス貿易が中国経済成長を牽引する新たな原動力に」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/0910/c94476-9759127.html
<日中交流人士モノに新「人」登場。↓>
「不二家のペコちゃんポコちゃん、上海に現る!中国初のポップアップストア・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/0910/c94638-9759108.html
<めんどくちゃいのー。↓>
「日本から中国への渡航者、三日以内のPCR検査陰性証明が必要・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/0910/c94475-9758892.html
<ここからは、サーチナより。
概ね定番。↓>
「日本で暮らして何か変化あった? 中国ネット「祖国では感じたことのない抑圧があることを知った」・・・中国のQ&Aサイトの知乎・・・」
http://news.searchina.net/id/1692632?page=1
<ついにここまで来たか。↓>
「・・・中国メディアの捜狐・・・記事は、日中戦争において中国側が「苦難に満ちた戦い」を強いられたのは事実であるとし、その原因は「日本側の武器」が優れていたからと考えている中国人は多いと指摘。当時の日中の武器には一定の差があったのは事実だとしながらも、もっとも大きな差があったのは「精神力」や「意志の力」だったのではないかと主張した。
続けて、現代の中国人たちの日常会話には「誰もが減速するカーブで一気に追い抜く」、「小さな力で大きな力に勝つ」といった言葉が頻繁に登場すると指摘し、こうした言葉の背後には「小さな労力で最大の利益を得よう」とする精神性があり、それは戦時中だって同じだったはずだと主張。
さらに、「不撓不屈の精神」や「一生懸命、必死に取り組む精神」という点で、日本に負けていたことが、日中戦争で中国側が苦戦を強いられた原因なのではないかと主張した。また、旧日本軍は圧倒的に劣る兵力でありながら、兵士が逃げることなく、全員が戦死するまで徹底的な抵抗を続けた事例は枚挙に遑がないことを伝え、中国人が抗日戦争で苦戦を強いられたのは「鋼鉄でできた武器に差があったのではなく、鋼鉄のような意思や精神がなかったからではなかったか」と主張した。」
http://news.searchina.net/id/1692606?page=1
<ほほえましい。↓>
「・・・中国人がセーラー服を日常的に着用することについて「日本人にどう思われるか気にする必要はない」という意見が多いように見受けられたが、青春をジャージで過ごした中国人のなかには可愛らしい、あるいは格好良い制服に憧れている人が少なくないことも見て取れた。・・・中国のQ&Aサイトの知乎・・・」
http://news.searchina.net/id/1692608?page=1
<定番化しちまったウソ。↓>
「中国のポータルサイト・百度・・・文章は、「海外の大型商業施設や免税店で爆買いし、路上では平気でタバコをポイ捨てしたり、所かまわず大小便したりする」というのが、1980年代ごろまでの世界における日本人および日本という句にに対する典型的なレッテルだったと紹介。それからわずか20年ほどの時間で従来のイメージを払拭し、ゴミ拾いをソフトパワーに変えてしまったのだと伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1692614?page=1
<おもろない。↓>
「なぜだ! 日本とタイはなぜ「植民地」にならずに済んだのか・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1692621?page=1
<かなり前の記事の使い回し。↓>
「この発想が日本なんだ! 「ごみ処理施設」が観光スポットになるなんて!・・・中国メディアの北極星固廃網・・・」
http://news.searchina.net/id/1692622?page=1
<さあて。↓>
「・・・中国メディアの百家号・・・日本で出土した貴重な「銅鏡」、その精巧さと品質に「きっと中国製に違いない!」・・・
記事は、中国の職人が日本へ渡って製造したとの説もあることを紹介し「いずれにしても中国製と言える」としている。」
http://news.searchina.net/id/1692624?page=1
<知るか。↓>
「日本はバブル崩壊後「失われた30年」を経験・・・
中国メディアの百度・・・記事は「時間をかけて経済を改善し軟着陸させるしかない・・・そのためには30年ではまだ足りない。おそらく50年はかかるだろう」
http://news.searchina.net/id/1692625?page=1
<中共にとっては?↓>
「中国、12年連続で日本最大の貿易相手国 双方の投資が加速・・・中国メディア・斉魯晩報網・・・」
http://news.searchina.net/id/1692629?page=1
<こういう話、地方の「議会」で議論しないのかねえ。↓>
「ああ、わが国の地下鉄も「日本のように相互乗り入れができていれば良かったのに」・・・中国のQ&Aサイトの知乎・・・」
http://news.searchina.net/id/1692635?page=1
————————————————–
太田述正コラム#11528(2020.9.11)
<大津透『律令国家と隋唐文明』を読む(その8)>
→非公開