太田述正コラム#1185(2006.4.15)
<裁判雑記(その4)>
まず、副署長らを創価学会員と誤解したことに、重大な過失・・社会通念上の用語として用いている・・があったとは考えていない理由を申し述べたい。
以下の本の記述の抜き書きを参照してほしい。
ちなみに、文中に登場する「万引き・・事件」とは、1995年6月19日に発生したとされる(ここだけ、乙骨正生「怪死 東村山女性市議転落死事件」(教育史出版会1996年5月)65頁による)朝木明代市議「万引き」事件のことを指し、「転落死事件」とは、1995年9月1日??2日(13??21頁)に発生した朝木明代市議転落死亡事件を指す。
(一)副署長と創価学会との癒着を示唆する記述(例示)
「母<(後に転落死することになる朝木明代市議。私が典拠とした本の共著者の一人の母親)>を犯人扱いした「万引き冤罪事件」でも、東村山警察のxx副署長は、「万引き事件の捜査は、私が直接指揮を取った」と胸を張り、「絶対にクロだ、自分の首をかけてもいい」と言い切っているのだ。
そして、母が、事件に関する正式な調書もないまま、”だまし討ち”のような方法で「書類送検」したその当日には、古顔の創価学会信者のxxという市議が、東村山警察の所長室でxx署長やxx副署長と面談しているところが目撃されている。」(73??74頁)、「「万引きねつ造疑惑」・・『事件』<の>「書類送検」当日、創価学会信者の古手市議xx「副議長」が東村山警察の所長室で署長・副署長と「密談」していたのを目撃された。」(118頁)、「7月12日、<万引き事件の>『書類送検』は午後におこなわれた。が、その前に、xx副署長が、創価学会党の古参市議で副議長のxxという人物を署長室に招きいれて、xx署長、副署長と話しこんでいた。」(234頁)
「東村山警察幹部すなわちxx副署長の談話をもとに書かれた『潮』<(創価学会系の総合雑誌)><の記事>は、「万引き冤罪事件」について、母が話してもいない内容の調書、それも署名、捺印のないものが「正式な『供述調書』として、今も地検にある」と断定した記事を掲載している・・。
しかし、この・・『潮』の名誉毀損記事裁判・・でxx副署長の供述を裁判所が断罪することになる」(133頁)、「判決書42頁で・・はっきりと「xx<(副署長)>の供述は信用することができない」と断罪している・・」(264頁)
「物的証拠は全くなかった。朝木議員と「万引き」とは繋がるものは何一つなかった。商品を取り戻し、実害もない。しかし女店主は「動かぬ」証拠もないのに、警察に訴え出た。朝木議員を名指しでだ。しかも、「動かぬ証拠」もないのに、東村山警察は必死に動き、「書類送検」までしたのだ。だが、書類送検は、<創価学会員である>xx検事が・・指示したとxx副署長が語った。」(221頁)、「『月刊宝石』は、「万引き冤罪事件」の舞台の用品店の女店主の夫に取材している。
「創価学会の信者ですか?」 この人物は、次のように答えた。「違います。私は恥ずかしいことだけど不信心・・(妻は)確か真言宗だたよな」・・女店主は頷かなかった。夫の方は、唐突にこう続けた。「聖教新聞<(創価学会の機関誌)>はとっていたことがあります。・・」(218??219頁)
(二)副署長が創価学会員であることをも示唆しているとも受け取れる記述
「<1995年>11月7日の衆院・宗教法人特別委員会・・で朝木明代の<転落>事件は取り上げられた。・・
質疑応答(収録ビデオから)
(質問者)熊代・衆院議員(自民党)
先程、東村山市の問題が出ました。・・亡くなりました朝木明代市議は、同市では市議会、市職員、それに警察署員に創価学会の方の比率が、相当に高い、ということを批判し、その癒着、業者との癒着、あるいは採用における癒着を批判しておられたということでございます。
先程、船田先生から権威のある雑誌であるとご評価頂きました「文藝春秋」の今月の11月号に載っております。私が問題にしたいのは、人が事件死した場合に・・は・・まず他殺を疑って、とことんそれを調べ・・そしてそれを潰していって初めて自殺という結論に達するんです。ところが、この東村山署は、殊に副署長さんというふうに言われておりますが、直ちに『自殺説』を出して、頑張っていると聞きます。・・『ナアナア主義』で正義を明らかにする情熱に欠けているんではないか、そんなふうに思われます。」(193??194頁)
「すでにお気づきのとおり、東京地検八王子支部に、創価学会幹部信者のxx検事が支部長として着任したのは1995年4月、東村山警察にxx副署長が異動になったのは同じ1995年2月、いつも当直の時に事件が起きる東村山警察のxx盗犯二係長の異動も同じ1995年2月・・」(206頁)
このような記述から、私は、副署長は創価学会員であると本に記述してある、と思いこんでしまったようだ。
裁判雑記(その4)
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