太田述正コラム#1247(2006.5.21)
<子供の近視はよくなるのか(続々)(その2)>
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<補足>
前にアクセスしたことがある兵庫県明石市の新見眼科のサイト(http://www.ocular.net/miopia.htm。5月21日アクセス)にもう一度アクセスしたところ、以下の点に気付きました。
「近視の治療について その2<いわゆる民間療法について>」の中に、「(2)超音波治療器・低周波治療器 超音波や低周波などを発生する機器を使って目の筋肉をほぐそうとするものです。医療用具製造承認を受けている低数帯域超音波治療器(眼科用)は、眼精疲労や調節緊張を緩和したり、血流を改善したりする効果が学会報告されています。しかし、一方で多くの眼科専門医がマッサージ器による「近視回復の効果」を疑問視していることも事実です。肩こりや腰痛の治療などに使う振動マッサージ器や低周波治療器を誤って目に連続使用した場合、虹彩炎や白内障を併発したケースや、網膜剥離を誘発しやすくなる危険性が指摘されていますので、間違った使用をしないように注意しましょう。医療用具(眼科用)として承認を受けている製品は一般のマッサージ器と違って微弱な低数帯域超音波を使用しており動物実験などでの安全性は証明されていますが、使用される場合には定期的に診察を受けられた方がよろしいでしょう。」という記述が出てきます。
このうち、「超音波治療器」は、視力回復センターで購入を勧められたものです。
そしてもう一つの「低周波治療器」が、通電治療を受けた時の説明を踏まえれば、通電治療に使われている機器です。
「低周波治療器」については、このサイトの最新更新時までに、例の女医先生等がまだきちんと治療実績等を学会報告をしていなかったことが分かります。通電治療が普及していないはずです。
また、これに続いて、「(3)アイマスク、視力回復マスク 小さな穴のあいたマスクや眼鏡をかける方法です。カメラの絞りと同じ原理で、小さな穴から覗くと、像は暗くなるがピントの合う範囲(=被写界深度)が大きく広がるので、多少の近視や乱視があってもピントがはっきりしてくっきり見えます。それにより、調節力をほとんど使う必要がなくなるというわけです。ただし、かなり薄暗くなるので使い方をよく考えないと、かえって目に負担がかかって悪化するケースもあります。」という記述もあります。
前からこの「視力回復マスク」は気になっており、近視の進行を抑え、通電治療の効果を持続させるために、(店舗では売っていないので)このマスクを通信販売で求め、勉強をする時には通常より明るくした上で、息子にこのマスクを着用させることを考えています。
なお、このサイトの同じページの冒頭近くで、「最近の学校保険統計調査では小学生の1/4、中学生の1/2が裸眼視力1.0未満となっており、更に低下傾向が続いています。その原因として現代の日本人は近くを注視する機会が増えて「環境要因」による近視化を招きやすくなったためと考えられています。」という記述もあり、その関連でTVの見過ぎやゲーム機の使いすぎが出てきます。
ですから、前回私が青少年の体力の低下と近視の増加の原因として受験年齢の低下、すなわち塾通いの小学生の増加だけを挙げたのは狭すぎるのであって、そのほか、TVの見過ぎやゲーム機の登場とその使い過ぎ・・・当然かけずり回り遊びや定期的な運動・スポーツを行う時間もまた十分とれない・・・、という原因も無視できません。
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小学生の塾通いを減らすには中学受験の必要性を減らしたらいいわけですが、それにはどうしたらいいのでしょうか。
私の案をご披露します。
それには公立小学校と公立中学校を合併させて小中一貫校にするとともに、この小中一貫校を自由に選択できるようにして、現行の公立小中学校全体の再活性化を図るとともに、結果としての学校間格差の発生を図ることで、中学受験の必要性を減少させるのが第一です(注1)(注2)。
(注1)東京の品川区が、小中一貫教育を導入し始めている(http://www2.city.shinagawa.tokyo.jp/jigyo/06/sidouka/p24.htm。5月21日アクセス)。対象児童は品川区住民だが、隣接区の住民たる児童にも開放すべきだ。
(注2)学校間格差があれば、補修塾通いの必要性もなくなるはずだ。
これだけだと、もともと中学受験ほどの弊害はないものの、高校受験の過熱化が避けられないので、公立の高校受験を、学力試験から知能試験的なもの(国語と算数2科目の米国の大学入試統一試験(SAT)的なもの)へと切り替え、このことを私立の高校受験においても義務づけるのが第二です(注3)。
(注3)反対に私の中学生時代のように、高校受験に中学の全教科(当時9科目)を課す方法も考えられる。平素の学校での授業に集中することが受験につながるからだ。しかし、実技科目でペーパーテストを行う意義に疑問があるので、やめた方がよかろう。
それでも、私立の有名中高一貫校をめざす中学受験を「根絶」することはできないであろうことから、中学受験について、学力試験を文字通りの知能試験で代替させることを義務づけるのが第三です(注4)。
(注4)それでも知能試験準備塾は生き残るだろうが、学力とちがって「知能」を上げるのはむつかしいので塾ははやらないだろうし、学力を上げる勉強とちがって「知能」を上げる勉強は眼への負担が小さいと考えられる
近視の話が小中学生教育の話にまで発展(拡散?)してしまいましたが、皆さんのご意見をお待ちしています。
(完)
子供の視力回復に関する記事を読ませていただきました。
日本の視力に関する研究などは世界に対してものすごい遅れをとっていると思います。
海外には視力低下や障害に関する悩みを診てくれるオプトメトリストがいますし、国として深刻な問題として捉えていると感じる場面もあります。
その点日本はほんとメガネ屋とぐるなんじゃないか?っていうぐらい視力に関する研究はしていないとつぐつぐ思うのです。
視力低下一種の社会問題だと思いますし、是非日本でもこの研究が進んでいくことを切に願いします。
成人女性です。中学受験勉強で、小学6年の段階で左右0.1程度でした。現在、左目-8.5 右目-7.5で、電車内での読書のせいか乱視も強いです。
10代の終わり頃から眼精疲労に悩まされ、現在はパソコン画面を見るのに限界を感じることがあります。目を酷使しても、近視になりにくい児童もいますが、遠視気味か近視気味かの違いなのでしょうか。
自分の経験から、視力低下の著しい子供はアカデミックな職業に就くにはハンデがあると思います。難関校の受験を知能検査で代替とするには無理があるかもしれませんが、難関校の生徒でも視力がさほど悪くないケースもあります。やはり、生来の目の質が良いのでしょうか?