太田述正コラム#12460(2021.12.20)
<2021.12.18東京オフ会次第(続々)>(2022.3.14公開)
D:習近平が、中共の天皇になろうとしているとして、後継者は一体誰にしようとしているのか?
O:習ちゃんだけは知っているのだろうが、私には分からない。
D:また、天皇は権威を担う存在であるところ、習ちゃんは、権力は一体誰に移譲しようというのだろうか。
ま、それが誰であれ、中共の最高権力者は軍事委主席だから、軍事委主席なのだろうな。
O:(軍事委主席は国の軍事委主席を兼ねるわけだが、)問題は、人民解放軍そのものは、あくまでも党軍であって、それが国家外の存在であることだ。
(何だか、権力が軍に移譲された場合の中共、江戸時代の日本の天領・・将軍直轄地域・・に似てるなあ。)
D:そう言えば、そもそも、人民解放軍=中国共産党、だったな。
ところで、太田さんは、韓国の一人当たりGDPが日本を超える、また、中共はそのGDPが米国を抜くがまた米国に抜き返される、という予想に対して、「どっちもあたらないのでは?」と書いた(コラム#12453)が、どちらについても、少子化動向が念頭にあったのでは?
O:そうだ。
(韓国の少子化度は日本を上回っており、日本を上回る人口減度が一人当たりGDPの伸びについても制約要因になると見ているのだが、)中共は少子化対策を、強制的に、とりわけ中国共産党員・・しかも、党員は一応、人民中の選良であるわけだ・・に対して講じることができるのに対し、米国じゃあそうはいかない(し、合法不法移民の増加については共和党支持者を中心とした反対で期待薄だ)からね。
だから、米国による抜き返しはない、と、見ているわけだ。
D:私も、いずれにせよ、一旦米国を抜いた中共が再び米国に抜き返されるようなことはありえないと思っている。
B:でも、子供を育てる経済コストは大きく、中共の人々は拝金主義者達だから、少子化を食い止めるのは、いくら中共とはいえうまくいかないのでは?
O:いや、3人子供をつくらなければ党籍が剥奪されるといったことにすれば、子供を余計に作った場合の経済コストよりも、出世できなくなることによる経済的ロスの方が大きいから、子供を作らざるをえないだろう。
B:中共では、既に、子供3人政策を打ち出していたな。
https://www.bbc.com/japanese/57278331
E:帝国陸軍は毛沢東と真に協力したのだろうか。
単に、敵の敵同士が、結果として便宜的に協力しただけではなかったのか。
O:私は、両者が真に協力したと考えているけれど、日本側からも中共側からも、絶対にその裏付け証拠は出てこないだろう。
杉山らは、中国共産党を率いる毛沢東が青少年時代に日本大好き人間であったことから、三つ子の魂百まで、と判断したのだろうし、(これは前にも述べたことがあるが、)毛沢東がマルクス主義者になったのも、日本のような社会を支那で実現する方法が見つからず、マルクスが追求したところの、原始共産主義的社会=日本社会、であるとの認識の下、それを実現する具体的方法を唯一提供しているのがマルクス主義だ、と思ったからだ、とも考えたのだろう。
D:縄文モードが深化してプロト日本文明帰りしてしまった日本からも、引き続き中共当局は学ぼうとしているように見えるが、そのことについて、太田さんはどう思っているのか。
O:日本文明総体継受が行き着く先(行き着いた後?)はそこだ、と、習ちゃんは考えているのではないか。
但し、欧米が中共打倒の意思を完全に放棄するまでは、プロトの方じゃない日本文明を継受して、中共の国力増強を図らなければならない、とね。
D:それにしても、最近の日本の反中意識は、若者も含めて極めて強い、と、ひしひしと感じている。
O:そうか。
(米国も、日中世論調査結果↓等をフォローしていて、当然そのことを知っているわけだ。
「・・・日本での調査では、中国への印象が「良くない」とする人が去年よりも5ポイント増えて9割近くに上り、対中感情が悪化している日本の現状を示した。
一方で、中国では、日本に対して「良い」印象を持っている人が45.2%。2005年の調査開始以来、過去最高を更新した去年の45.9%とほぼ同水準を維持し、対日感情が改善している状況を印象づけるものになった。・・・」
https://www.fnn.jp/articles/-/110706
我が脳死政府は、何も考えないまま経済原理に従って夢遊病者的に動いており、結果として、日本は米国から中共へと宗主国を移行中であるわけだが、そういう時に、国民意識上反中度が強まりつつあるというのは、米国の目晦ましになって、日本の宗主国移行を押しとどめるための米国による強い介入を行うことを米国に回避させている、と、言えそうだ。)
C:ところで、私は、学習院時代の紀子様を知っているが、極めてまともだった。
だから、秋篠宮家のダメさは、秋篠宮一人の責任だ。
D:悠仁様がTVに向かってしゃべる姿を見たことが一度もないが、それは、アブナくて、とてもじゃないがしゃべらせるわけにはいかないのだろう、と、自分は思っている。
だから、次の天皇は、愛子様で決まりではないか。
C:戦後の天皇家が急速におかしくなったのは、美智子様が、子育ては自分でやります宣言したあたりまで遡るように思う。
貴族、とりわけ天皇家の子弟教育は、乳母だの里親だのによる、特別なものでなければならないのではなかろうか。
O:確かにそうかも。