太田述正コラム#12857(2022.7.7)
<皆さんとディスカッション(続x5222)>
<H8i5/nR.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
「韓国の不動産バブル崩壊か?ユン新政権における不動産政策とは・・・」
https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/kaigai_i/5567.html
「韓国の合計特殊出生率の推移・・・」
https://ecodb.net/country/KR/fertility.html
不動産価格の上昇と出生率の低下はほぼリンクしていることは間違いない。
ムンちゃん政権で、ただでさえ高いソウルの不動産価格を爆上げしてしまったのは、相当罪深い。
⇒ちゅうことは、不動産バブルが崩壊すりゃ、出生率が急上昇するんだな?
師匠、おあとがよろしいようで。(太田)
<太田>
ウクライナ問題。↓
<ロシア軍、引き続きじりじり前進中。↓>
Russia’s offensive gains pace in Donetsk; focus shifts to Slovyansk・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/06/russia-ukraine-war-putin-news-live-updates/
<NYタイムスは戦線膠着を予想。↓>
・・・Russia would dominate the east but would not be able to go much farther. The two countries would fall into a stalemate that Haines described as “a grinding struggle.”・・・
https://www.nytimes.com/2022/07/06/briefing/ukraine-war-three-scenarios.html
<仮にそうなったとしても、ロシアが実質的に得るものは少ない。↓>
The battlefields of eastern Ukraine are largely abandoned fields and streets.・・・
・・・many who fled won’t return to the Donbas. Beyond the war damage, the region’s coal mines had fading prospects even before the war.・・・
https://www.nytimes.com/2022/07/06/world/europe/the-battlefields-of-eastern-ukraine-are-largely-abandoned-fields-and-streets.html
<たまにホントのことがあるんで困るわ。↓>
「「ロシア国防省はでたらめ」 調査報道で判明、戦果水増しか・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0012de6c1956c2ababf5b0c81bb4d26298031747
<で、出色なのは、自衛隊将官OBのこの分析。↓>
「・・・元・陸上自衛隊中央即応集団司令部幕僚長の二見龍元陸将補に解説してもらった。「まず、一番単純な戦争とは、ウクライナとロシアが自国の軍隊だけで戦い、兵力の大きな方が小さい方をすり減らしていき、片方の国が無くなるというものです。これがこれまでの『戦争の方程式』です。ただ、今回の戦争は新しい戦争形態となっているので、その方程式が変っていきます」。6月18日の報道によるとウクライナ軍は、・・・装備の50%を失ったことを自ら明らかにしたという。「装備を半分失ったと自ら発表してしまうのが、『戦争の方程式』の変化の第一段階です。自分たちの損害を積極的に明らかにするのは、敵に有利な情報与えてしまうことになるので通常は行いません。しかしこれは、旧ソ連製の古い兵器が50%分、新しい西側からの装備に切り替わった、との報告なのです。ウクライナ軍の失った装備に代わる装備を、NATO・・・や米国がポーランド国境経由で補給し、軍隊が回復してロシア軍と戦う。これが『戦争の方程式』が新しい形に変化する第二段階です」。6月25日の報道によると、ウクライナ軍トップは米参謀本部議長と電話会談し、「ロシア軍と同等の兵力が必要だ」と伝えたという。・・・「今、ロシア軍の侵攻兵力は総計10数万人と想定されます。これと同じ兵力をウクライナ軍が準備すればいいので、そんなにハードルは高くないのです。 今までの戦争では兵力が足りなくなると、自国の後方で備える軍の様々な兵科の教育部隊からそこの学生、教官を引き抜いて最前線に補充してきました。これをやると、次回補充する時に新兵の教育ができなくなり、兵の質が格段に落ちます。そこで、英国がウクライナに、最大4か月かけて英国内にてウクライナ軍兵士1万人の訓練を行う、と申し出ました。ここからが『戦争の方程式』を変える第三段階です。 本来、自国の国力を使って新兵の訓練をすべきところを、他国でやってもらう。英国が新兵訓練を開始すれば、他のNATO諸国も開始します。同時に、米国やNATOからの膨大な額の軍事援助によって、凄まじい量の西側戦闘装備が無料で届けられています。即ち、ウクライナは兵隊だけを出し、その訓練、持つ兵器、それに掛かる費用全て他国が援助するという形の戦争を今、やっているのです。このやり方だと、ウクライナの国力が落ちない。国力と軍事力が大きい方が勝つ、というこれまでの『戦争の方程式』が書き換えられるのです」。ロシア軍兵士は訓練が不十分で質が落ちているのを、ロシア民間軍事会社「ワグネル」の傭兵、チェチェン人部隊を頼りにしている。「部隊の損耗率が15%になると部隊の交代や人員の補充・再編成が必要となります。逆に部隊の15%の新兵を常に補充できる教育訓練が出来ていれば、ずっと元気はつらつな部隊が最前線にずっといる状況となる訳です。しかし、兵隊はずっと最前線で戦えません。精神が壊れてくるので、ある程度戦ったら休ませないと持ちません。ここで英国での兵隊訓練が効果を発揮してきます。最前線の部隊を交代させ、一度ウクライナ国外に出して、英独仏などの後方でリフレッシュさせます。国外で休養し、再訓練して元気になり、また最前線に戻って来るサイクルが完成します。ロシア軍はずっと最前線で戦わせられるので、どんどんと心がすり減り、損耗していきます」 即ち、『戦争の方程式』はこう変わっていく。・・・これこそが英首相の「『戦争の方程式』が変えられる」発言の真意なのだ。 「今、ロシア軍はウクライナ東部に兵力を集中してくれたので、分散せずに集まっています。そこをボコボコにして、速く綺麗にしやすい戦況になっています」。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/727da5382d98620971b096d66215e866f57fa1d7
<それにしても、スリランカの窮状までもが、ウクライナ戦争のせいにされつつあるのねえ。↓>
The war in Ukraine may still dominate international headlines. But it’s a country far from the battlefield that has turned into a kind of crucible of the global moment. For months, Sri Lanka has been in an economic death spiral: A public debt crisis, exacerbated first by the toll of the pandemic and then the disruptions provoked by Russia’s invasion of Ukraine, has led to shortages in food, fuel, cooking gas, medicines, cash and other essential commodities.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/06/sri-lanka-global-crisis-economic-ukraine-russia/
それでは、その他の記事の紹介です。↓
しつコロナ。↓
「東京都、新たに8341人の感染発表 約3か月ぶりの8000人超 先週水曜日から2倍超 新型コロナ・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f91413f7a12cff698a17a8dc04994762978ce40
小西は魂胆があってそう言った、というのが私の説であるわけ。(コラム#省略)
「・・・日本側は朝鮮出兵に際し、明がどこまで朝鮮を支援するかということが当初、議論の的となっていました。小西行長などの慎重派は、明の大規模な介入の可能性を想定し、朝鮮征服は簡単ではないと主張していました。小西は明と朝鮮の宗属関係を重く見たのです。一方、加藤清正ら主戦派は明の介入は限定的であると考えました。加藤は武人特有の嗅覚のようなもので、事態を観測しました。結局、加藤の読みが当たっていました。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb779b9730b951caa6f60f0844f4f4518f2f8f3d
日・文カルト問題。↓
<羊頭狗肉コラム。↓>
「元徴用工めぐる問題解決に向けて官民協議会発足、「韓国」が日本との関係改善に動き始めた納得の事情・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/727da5382d98620971b096d66215e866f57fa1d7
<「被害者と加害者」という発想の克服から始めなきゃダメよ。↓>
「韓日関係、被害者と加害者の共感から積んで行かなくては・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292916
<次々に勇気あるヒトが登場はするが・・。↓>
「韓国大学教授の歴史歪曲妄言に学生が反発…「日本は韓国を近代国家にしようとした、慰安婦は自発的な売春」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292930
<文カルトのマインドコントロールから三分の二以上の韓国民が脱しない限りは修復はムリよ。↓>
「独島の空を飛ぶ韓国の戦闘機…尹大統領就任式の映像に難癖付ける日本・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292920
<文カルト健在。↓>
「米人気バンド・マルーン5が旭日旗を削除、韓国のファンに“白旗“=韓国ネットの怒りは収まらず・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897241-s39-c30-d0191.html
<いや、単に、米国は日本の宗主国だからだし、韓国に対しては、日本は対等の国視し始めたからだよ。↓>
「「98%の信頼、2%の許し」という夢・・・
最近の日本の対米外交がこれと似ていると感じる・・・
ただ、こうした外交力は韓日関係に関しては例外というのが問題だ。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292918
<健闘を讃える。↓>
「韓国企業が”難攻不落”の日本市場を攻略?いすゞに1000億円規模のバッテリー供給へ・・・韓国・ニューシス・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897220-s39-c20-d0191.html
<いらはいいらはい。↓>
「韓国からの観光ツアー客が約2年ぶりに日本に、「わくわく」「カレーが食べたい」と喜びの声・・・聯合ニュース・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897286-s39-c30-d0191.html
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
そでしゅねー。↓>
「七七事変勃発から85年 歴史を銘記し、未来に向かう・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2022/0707/c94474-10120218.html
<ここからは、レコードチャイナより。
「何でも関心」記事。↓>
「中国紙・環球時報は4日、「トーストアートが日本人の朝を楽しみなものにしている」とする記事を掲載した。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897104-s25-c30-d0052.html
<「いらはいいらはい」記事。↓>
「愛媛県の下灘駅が中国ネットで話題に=「本当に美しい」「日本には何度行っても飽きない」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897221-s25-c30-d0052.html
<「健闘を讃える」記事。↓>
「日独自動車メーカーが行き詰まる中、中国自動車メーカーの海外進出が加速・・・環球時報・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897233-s25-c20-d0052.html
<ホント、どうやってやるんだろね。↓>
「・・・中国メディアの環球時報は、岸田文雄首相がロシア産石油価格の上限を設定する制裁について現在の半額程度にするとの見通しを示したことについて、ロシア側が反発したことを報じた。・・・中国ネット「面の皮厚い」「資源に乏しい国が…・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897278-s25-c100-d0193.html
<やらせだー。↓>
「韓国の慰安婦像破壊の企てを防ぐ大学生たちを・・・中国国営の中央テレビ(CCTV)・・・が取材=「NATOの日韓抱き込みに反対」とも・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b897282-s39-c100-d0052.html
<太田>
「・・・基本的には、1930年代まで強大な常備軍をもつことに、多くのアメリカ人は反対であった。大きな転換点は、第二次世界大戦後に訪れた。それは世界にとって、そして日本にとって、決定的に重要な転換であった。・・・
⇒日本が、杉山構想に基づき、米国を強制的に転換させたのであり、それは、世界にとって、決定的に重要な転換であったわけだ。(太田)
ただし近年、「国際秩序を維持するアメリカの責任」と言われても、反応しない、あるいは反発すらする雰囲気が国民の間で強くなっていることは確かであろう。・・・」(法学部スタッフ近著を語る 「久保文明(注a)『アメリカ政治史』」(東京大学大学院法学政治学研究科・法学部ニューズレター 2018年12月 No.23)より)
(注a)1956年~。東大法卒、同大博士(文学)、東大、筑波大、慶大、東大を経て防大校長。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E4%BF%9D%E6%96%87%E6%98%8E
⇒杉山構想の残滓が、今、ロシアに自分の死を悟らせるため、そして、米国を筆頭とする欧米世界全体の衰亡を一挙に加速させるため、息も絶え絶えの米国に最後の一働きをさせているのよね。(太田)
・・・This is not your parents’ business school course.GSBGEN 324:Leading with Mindfulness and Compassion explores the role of compassion in the workplace, asking questions such as “How con mindfulness enhance productivity?” and “What does compassionate leadership look like?” The course regularly carries a waiting list of 70.・・・(Melinda Sacks(注b) ‘Kindness Is Power’(Stanford March 2018)より)
(注b)スタンフォード大卒、カリフォルニア大バークレー校修士(ジャーナリズム)、記者、マイクロソフト関連会社を経て、スタンフォード大職員。現在、フリー。
https://www.linkedin.com/in/melindasacks
⇒まだ、スタンフォード大で、就中そのビジネススクールで、瞑想学習は行われているようだが、その目的が生産性の向上だあ? アカンわ。(太田)
「・・・発掘された獲物の動物の骨を見ると、人類は長らく一人で小さい獲物を獲っていましたが、25万年前、集団で大きい獲物を捕るようになったようです。しかも獲物を一人占めすることなく公平に分けていたようです。これが社会的知性のより進化した形としてのモラルの起源でしょう。「モラルは遺伝子に組み込まれている」と思います。そう考える根拠の一つは、人は人前で失敗すると、赤面することです。もう一つは、第二次世界大戦中、前線で「撃たないと自分が殺される」という局面でも、発砲率が15~20% だったことです。アメリカ軍はこれを反省し、敵を見たら良心の呵責なく殺すよう訓練しましたが、多くのベトナム帰還兵が後に遺症に苛まれました。・・・
化粧品、装飾具、埋葬儀礼、芸術作品(彫刻、洞窟壁画)など自意識の存在を示す間接的な証拠・・・は約5万年前頃から爆発的に増えているので、文化の大爆発と呼ばれています。そこで、「対話が始まったのも、5万年前頃ではないか」と私は推定しています。我々が対話べたなのは、ごく最近獲得したばかりの発展途上の能力だからでしょう。・・・「技術的知性」を獲得し、いい石器を作れるようになると、獲物の肉を綺麗に分けられるので、余剰分が脳の活動に使われ、獲物や身のまわりの自然についての博物的知性など様々な能力が発達したのでしょう。・・・5万年前、別々に進化した能力を隔てる壁が取り払われ、一気に統合したのだと思います。・・・」(大野照文(注c)「博物館で探るヒトの知恵の進化(『NU7 2018.05 No.17』)より。下の[]内も。)
(注c)1951年~。京大理卒、同大修士、同大博士課程修了、ボン大博士、京大助手、助教授、教授[、三重県総合博物館館長]。
https://www.hmv.co.jp/artist_%E5%A4%A7%E9%87%8E%E7%85%A7%E6%96%87_200000000510682/biography/
⇒この説だと、人間主義が先にあって、その後個性が出現したことになりそうだが・・。(太田)
スタンフォード大学生の男女構成(2017~2018学年)
学部:50 50 計7056人
院 :60 40 計9368人
経営:61 39
地学:53 47
教育:33 67
工学:69 31
文理:60 40
法学:52 48
医学:50 50
(Sam Scott ’Jane’s Restriction(Stanford September 2018)より)
⇒前も書いたことがあると思うが、スタンフォード大って、大学院の方が大きいんだよな。
男女比については、院でさえ、女性に下駄履かせてるっぽい。
院での分野別男女比は、すぐ上で記したことも勘案すりゃ、ま、こんなものかって印象。(太田)
「・・・山北<(沖縄本島北部)>に続き、山南(沖縄本島南端)>も下した尚巴志は、1429年に琉球を<武力>統一した。1470年まで続く尚巴志の王統が、第一尚氏である。・・・
沖縄本島を統一した琉球王国の周囲には、言葉や文化を異にした人びとのクラス地域が広がっていた。北には奄美地域が、南には都・八重山といった先島地域が。・・・
琉球王<国>は、・・・このよう<な>周辺の異文化地域に軍事的に侵攻するという、帝国的要素をもっていた。1522年には台湾を遠望できる与那国島まで征服するに至る。・・・」(村木二郎(注e)「グスクと琉球の戦国時代」(學士會会報 July No.937 2019-IV)より)
(注e)京大文修士、同大博士課程中退、国立歴史民俗博物館、助教、准教授
https://www.hmv.co.jp/artist_%E6%9D%91%E6%9C%A8%E4%BA%8C%E9%83%8E_000000000789355/biography/
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000050321542/
⇒琉球に縄文的弥生人がどうやって生誕したのかを知りたいところだ。
とまれ、(その後の話だが、)琉球では、縄文モードへの恒久的回帰が、日本本土よりも遥かに早く起こったことは興味深い。(太田)
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太田述正コラム#12858(2022.7.7)
<伊藤之雄『山県有朋–愚直な権力者の生涯』を読む(その25)>
→非公開