太田述正コラム#1643(2007.1.31)
<ストーンヘンジ。附消印所沢通信5>
1 始めに
私が1988年に一年間英国に滞在した時には、もちろんロンドン南西約100マイルに位置する世界遺産、ストーンヘンジも訪問しました。
最近、ストーンヘンジの近くで、ストーンヘンジの一環をなす新たな建物群が発掘されたという話をご紹介しましょう。
2 ストーンヘンジに関する歴史の見直し
私がストーンヘンジを訪ねてからも、歴史の見直しがどんどん進んでいたことが分かりました。
まず、ストーンヘンジができた推定年代が、BC2640??BC2480年(確度95%)へと600年も遡ったということです。
もう一つは、ストーンヘンジをつくった人々が、ブリトン人のブリテン島来住以前にこの島に住んでいた正体不明の原住民ということになっていたところ、ブリトン人だということが分かった、ということです。
アングロサクソン等海外からの来住はしょっちゅうあったものの、つい最近に至るまで、ブリテン島の住人の主力はブリトン人であり続けた、という、これまた比較的最近はっきりしてきた事実を踏まえれば、現在の英国人とほぼ同じであるところのブリトン人は、エジプト人がギザのピラミッド群をつくったのとほぼ同じ時代に、それに匹敵する巨石建造物をつくる能力を持っていた、ということになるわけです。
3 新たな建物群の発掘
2003年から始まった発掘により、ストーンヘンジの東北2マイル弱のところで建物群が発見されました。
この建物群は、ラジオカーボン法により、BC2600からBC2500年、つまり約4,600年前につくられたと推定されています。
この建物群のすぐ近くで、(ストーンヘンジの石柱ならぬ)木柱(timber)を立てた(ストーンヘンジと瓜二つの円形をした)ティンバーヘンジが1967年に発見されていました。ストーンヘンジが夏至の日の出と冬至の日没を指し示す建物であるのに対し、ティンバーヘンジは逆に冬至の日の出と夏至の日没を指し示す建物と考えられてきました。
このことを改めて裏付けたのが、今回発掘された建物群(一つ一つの建物は、約5メートル四方の木造ワンルームで、部屋の中央部に炉床、焼き物を敷き詰めた床、ベッド跡、そして家具跡が認められる)から、冬至の頃に行ったと思われる宴会の跡(壊れた壺や石器や食い散らかした動物の骨等)が発見されたことです。冬至の頃と推定できる根拠は、動物の骨が約9ヶ月の月齢のものが多く、動物は春に子供を産ませるものだからです。
この建物群は、250キロ離れたウェールズから運ばれてきた石を使ってストーンヘンジを建設した人々の宿舎でもあったと考えられています。
また、この建物群からすぐ近くのエーボン(Avon)河まで火打ち石が敷き詰められた500フィート長の道路が設けられていたことも今回判明しました。ちなみに、ストーンヘンジからエーボン河までも同様の、しかしはるかに長い道路が設けられています。
ストーンヘンジは太陽神と祖先を崇拝する施設であると考えられてきたところから、恐らく、当時まだ定住していなかったブリトン人の中で死者が出ると、遺体をティンバーヘンジに持参し、そこで宴会を行いながら死者が祀られた後、遺体ないし遺灰はエーボン河まで運ばれ、そこで河中に投じられ、特別な人物の場合は、遺体がエーボン河からストーンヘンジまで運ばれ、火葬後ストーンヘンジに埋葬された、と考えられています。(ストーンヘンジには少なくとも250体の遺体が埋葬されています。)
(以上、
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6311939.stm、
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/01/30/AR2007013000661_pf.html、
http://www.nytimes.com/2007/01/31/world/europe/31stonehenge.html?pagewanted=print、
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-ex-stonehenge30jan31,0,2474737,print.story?coll=la-home-headlines
(いずれも1月31日アクセス)による。)
4 感想
王家の歴史こそ日本よりもちょっと短いけれど、同じ島国である英国の民族史は日本よりもはるかに長く、しかも英国は、日本とは違って木の文化ではなく、最初から木石混合文化であったというわけですが、その一方で、英国人も、もともとは太陽神と祖先を崇拝する信仰の持ち主だったという点では、神道成立後の日本と大変似通っており、改めて親近感がわきますね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――消印所沢通信5:MMR,あるいは矢追純一スペシャル「宇宙人は日本を狙っている!」
局長「諸君,まずはこれを見てくれたまえ」
http://wiki.nothing.sh/1070.html
局員一同「これは……!!」
局長「これは,このところネットをにぎわせていた事件をまとめたサイトだ.
社民党・阿部知子議員のネットでの発言に端を発し,非難の大合唱が起こったとい
うものだ.
詳しい経過は
http://obiekt.seesaa.net/article/31798228.html
http://obiekt.seesaa.net/article/31950805.html
および
http://obiekt.seesaa.net/article/32049046.html
を見てほしい.
最近でも,その秘書が
> ギョーカイ用語で「炎上」というらしいのですが、個人では収集がつかなくな
り、
>やむなく一旦閉鎖することにしました。
(略)
> ネット上の方々を相手に、シャドーボクシングをする力量は今の私にはありませ
ん。
> 私は毎日、現実と格闘している方々のお話を伺い続けています。
http://www.cafeblo.com/happyspringwater/
と,火に油を注いだ上にダイナマイトを放り込むかのような,ネチズンの神経を逆な
でする
対応を見せているから,今後もまだまだ尾を引くだろう」
局員A「しかし,これではまるで,自衛隊がサボってたかのような物言いじゃないで
すか.
出動準備は整えていたものの,シビリアン・コントロールという制約の下で,出動
しようにも
できなかった,ということも知らなかった議員がいるなんて,信じられません」
局員B「しかも,当時の首相,つまり自衛隊の最高指揮官は社会党の村山だったはず
ですよ..
これはひょっとして,遠回しな内部批判?(笑)」
局員C「一応,村山首相の責任については,
・そもそも,『村山さんは,首相が自衛隊の最高指揮官であることすら知らなかっ
た』
ところへもってきて,
・官邸に『碌に情報が入っていなかった』ために生じた齟齬であって,『村山氏に全
く落ち度はない』
http://mltr.e-city.tv/faq05e.html#07707
http://mltr.e-city.tv/faq05e.html#ignorant-MURAYAMA
という意見もあるが……」
局員D「でも,とても信じられないわ.
まるで,その当時の首相がどの党の人間なのかを知らなかったかのような議員や,
自分が自衛隊の
最高指揮官であることすら知らない首相がいるなんて」
局長「そう,とても信じられる話ではない.
ということは,この阿部議員の発言は,何か別のことを暗に伝えようとするメッ
セージ….
そう解釈するのが最も自然ではないだろうか」
局員A「? それはいったいどういうことでしょう?」
局長「つまり阿部議員は,自衛隊は本当は首相の指揮下になく,日本政府以外の何物
かに
コントロールされている,と言いたいんだよ!」
局員一同「……!!」
局員D「日本政府じゃないとしたら,じゃあ,まさか…」
局長「そう,自衛隊は,いや,日本全体が既にエイリアンのコントロール下にあると
いうことを
リークしようとしているに違いない」
局員一同「なっ…なんだってええええ!!」
局員C「そういえば腑に落ちないことがある.関西はそれまで殆ど地震がなかった地
域だ.そのせいで
防災への備えが弱かったという.
そこへ突然あんな大地震.不自然すぎる…」
局員A「まさか,エイリアンの地震兵器…!?」
局員一同(ざわ… ざわ…)
局長「さらに,もう一つ不可解な点が,阿部議員メルマガにはある.
この『国土保安隊』という単語だ.
自衛隊の前身は保安隊,さらにその前身は警察予備隊であって,『国土保安隊』と
いう名前ではない.
しかも阿部議員のサイトでは,何日か後にこっそり『警察予備隊』に書き換えられ
たという.
いい年をした大人が,そんなコソコソした真似をするだろうか?
これには何か別の意図があるはずだ」
局員B「もしかして,何かのアナグラムとか?」
局長「そう,そこで,この二つの単語,『国土保安隊』『警察予備隊』を分解し,並
べ替えてみよう.
察,備,安,国,土,警,隊
さつ・び・あん・こく・ど・けい・たい
…『水金地火木土天海冥』という言葉と発音が似てないか?」
局員A「! そういえば…」
局員D「でも局長,『冥』がないわ」
局員C「冥王星は惑星ではなくなったばかりだぞ」
局員D「……!!」
局員A「そうか,全ては繋がっていたんだ!」
局長「そうだ.
これは近い将来,惑星直列が起こるということを,阿部議員は予言しているんだ.
そしてそのとき,惑星直列のエネルギーを利用してエイリアンは再び地震兵器を用
い,
人類は
滅亡する……」
局員一同「なっ…なんだってええええ!!」
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<太田>
>さつ・び・あん・こく・ど・けい・たい …『水金地火木土天海冥』という言葉と発音が似てないか?
ウーン。
「び」=ビーナス=金星、「あん」=earth=地球、「こく」=もく=木星、「ど」=土星、「けい」=かい=海王星、あたりまでは何となく分かるけれど、「さつ」がどうして水星なんだろう。
satu=sui=水 ということか?
それに火星がいないのでは?
「あん」を「あ」と「ん」に分解して、「ん」=「運命」を「火」ないし「火の鳥」、もしくは「mars」や「Ares」 にこじつけるのだろうか、
なーんて深刻に悩んでしまいました。
近頃、こんなに頭を使ったことはありません。
太田さんとは違った切り口で、興味深いコラムでした。
しかしながら、以下の部分については訂正をお願いしたいと思います。日本の優越を誇りたいわけではありませんが、不当に貶めることになるのも困りますので。
>王家の歴史こそ日本よりもちょっと短いけれど
現ウィンザー朝の成立はA.D.1917年、ハノーヴァー朝まで遡っても1714年、イングランド・ウェールズ・スコットランドが統一されたグレートブリテン王国の成立でさえ1707年ですから、神武天皇の橿原即位がB.C.660年(別の推定でA.D.57年や181年)、一般的に実在したとされている応神天皇の即位がA.D.270年とされる日本の皇室と比較して、「ちょっと短い」ではなく、「短い」もしくは「かなり短い」の方が適切だと思われます。
※資料:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
>英国の民族史は日本よりもはるかに長く
「三内丸山遺跡」はご存知ですか?
B.C.3500年??2000年(約5500年前??4000年前)の大規模集落で、32m×10mの大型住居跡や「環状列石」もあるそうです。
また、一般的に原始時代からの転換期と見なされる新石器時代に入ったのは、英国がB.C.5000??4000年頃、一方の日本ではB.C.11000??9000年頃ですし、世界最古の土器は日本の縄文土器(約16000年前のもの)ですから、英国の民族史は「日本よりもはるかに長く」ではなく、「日本よりもはるかに短い」の方が適切だと思われます。
※資料:
http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/about/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%85%88%E5%8F%B2%E6%99%82%E4%BB%A3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
ご返事は
http://sol.la.coocan.jp/wforum/wforum.cgi
に掲げました。
今後のご投稿は、そちらにお願いできれば幸いです。
投稿 太田述正 2007/02/04 23:26:31