太田述正コラム#13043(2022.10.8)
<皆さんとディスカッション(続x5315)/映画評論75:マリアンヌ>

<QNVEL0gs>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 太田さんはかつて日本のアルゼンチン化を心配して居ましたが、日本の場合は先進国からの転落まではいかない、という見通しですか?

⇒プロト日本文明の時代、日本文明の時代を通じ、日本は人間主義を基調とする社会を維持し続けて来たという意味では、世界の最先進国であり続けて来たのであり、それは、日本列島に住民が絶えない限り、今後ともプロト日本文明へと回帰した日本で続いていくと思っています。
 幕末に日本を訪問した欧米人達の驚きを当コラムでも紹介したことがあります(コラム#省略)が、今日では、ささやか、かつ卑近な例ですが、小1女児の遺族の声明
https://www.asahi.com/articles/ASQB73VP9QB7UDCB005.html
一つとってもそのことを実感できるのでは?(太田)

<uaG733gY>

 ウクライナのゼレンスキー大統領は7日夜、ビデオ演説で、「ウクライナはロシア占領下にある北方領土を含む、日本の主権と領土の一体性を尊重することを確認した」と述べた。国内の関連文書に署名したとし、各国にも同様の対応を求めた。ウクライナ議会もこの日、同じ内容の決議をした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/540585b16eb46beb9a8fd202dea1653458a0f8d7
 ↑
 露助よ、怖かろう。絶対に日本に向けてミサイルとか打つなよぉ〜、絶対に打つなよぉ〜。

<太田>

 安倍問題。↓

 <繰り返すが、自民党全体が、岸カルトのシンパであることが問題の本質なんだよな。↓>
 「・・・「議長が国会で答弁できるのか、また拒否できるのか。基本的には答弁できない規定はありませんが、実際に議長が質疑に対応したという事例は私自身、記憶にありません。法制度的には、国会での質問は、議院運営委員会の理事会で決めますので、そこで決まれば、議長がそれを拒否せず審議するのが原則です。しかし、現実的には前例もなく、議長への質問は困難でしょう。  
 そこで考えられるのは、議事録が残る本会議や委員会ではなく、議運の理事会で、議長からの釈明の場として質疑を行なうという落としどころですが、野党が要求しても、議運の理事会で与党の自民党が反対すれば、そこで止められる」  
 細田議長が拒否すれば、議長席にいても国会質問から逃れられるのだ。  
 岸田自民党は、菅氏と細田氏という、安倍元首相を両脇で支えた2人の旧統一教会との関係を明らかにしようとはしない。そのことは、岸田首相の教団との「絶縁宣言」が口先だけの批判逃れで、関係を根元から絶つつもりなどないことを示している。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bea274665294191b4674023fd5b279c4671b524
 <統一教会がらみの疑惑はほぼ即事実。↓>
 「菅義偉氏、官房長官時代に「旧統一教会幹部を首相官邸に招待」疑惑 事務所は否定・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6066d350f539cfa1173098df2da17475ca1e28e8
 <これも繰り返すが、こういった類の話が問題の本質じゃあないのよね。↓>
 「「多くの嘘を言うように…」旧統一教会側、元2世信者に会見中止要求 本人涙の続行「どうかこの団体を解散させて」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1170b22b84b12940af0feda5adf97b09964b250 

 ウクライナ問題。↓

 <早くもクリミアに王手?↓>
 Ukraine Close to Controlling Crimea as Russia’s Southern Front Collapses・・・
 Breakthroughs by Kyiv’s forces against Russian troops in the south of Ukraine, near a key point that supplies water for Crimea, have put at risk Moscow’s control of the peninsula it annexed in 2014.・・・
https://www.newsweek.com/ukraine-russia-southern-front-crimea-water-nova-kakhovka-1748811
 <北東戦線でも健闘続く。↓>
 ‘They Are in a Panic’: Ukraine’s Troops Size Up the Enemy–Ukrainian soldiers are exulting in their smashing of Russian lines in the northeast. They engaged enemy troops up close, and gained confidence from it.・・・
https://www.nytimes.com/2022/10/07/world/europe/ukraine-war-fighters.html
 <露軍側からも不協和音頻出。↓>
 Blunt Criticism of Russian Army Signals New Challenge for Puti–An official in a Russian-occupied region of Ukraine suggested Russia’s defense minister should shoot himself because of his army’s failings, an unusually blunt and public rebuke of Kremlin leadership.・・・
https://www.nytimes.com/2022/10/06/world/europe/putin-russia-army-criticism.html
 <露軍ができるのは、ウクライナ国民の戦意を高揚させるだけのこーゆーあがき。↓>
 Its Army in Retreat, Russia Strikes Multiple Ukrainian Cities・・・ 
https://www.nytimes.com/2022/10/07/world/europe/russia-strikes-ukraine.html

 それでは、その他の記事の紹介です。

 記事なし!

 日・文カルト問題。↓

 <ご愁傷様。↓>
 「米国 「日本海」で韓米日共同訓練と発表=数時間後「中間水域」に修正・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/07/2022100780240.html
 <文カルト健在。↓>
 「共に民主・李在明代表、韓米日の共同訓練を「極端な親日行為」「国防惨事」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880010.html
 「「韓日米協力を緊密に」vs「自衛隊参加は国防惨事」…韓国与野党、安保リスク攻防・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/296362
 <そんなところへ、岸カルトに踊らされて、日韓関係を悪くするのに務める鳩山さん。↓>
 「訪韓した鳩山元首相が尹大統領に皮肉?「慰安婦被害者は納得しない」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b902370-s39-c100-d0191.html
 <くっだらねー議論だなあ。↓>
 「「韓米日訓練は親日」李在明代表の主張に韓国与党「盧武鉉政権時には自衛隊が仁川入港」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880011.html
 「韓国野党が「親日国防」と批判する韓米日訓練、どんな意味がある? 文政権時代も東海で実施–北朝鮮の核を防ぐには韓米日の協力が必須・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880021.html
 <同じく。↓>
 「韓国最大野党「独島近海まで日本の艦艇を呼んだ」、与党「独島から185キロ離れた公海」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880012.html
 <意味なきランキング。↓>
 「「サムスンと現代自がある」…韓国の国力は世界6位、日本を上回る–住みやすい「世界最高の国」ランキングでは20位–起業家精神・文化的影響力などで上位に–ビジネスの開放度・冒険性などは中下位圏・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880013.html
 <愚問。↓>
 「韓日の国力は本当に逆転したのか・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/08/2022100880023.html
 <祝着至極、と一応言っておこう。↓>
 「北ミサイルのバタフライ効果…韓日協力が急進展、新冷戦は加速化・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/296361
 「尹大統領の支持率24%から29%に上昇…60代以上が牽引・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/296355

 この前のオフ会出席者が話題に出していた、米国を目指すヴェネズエラ不法移民問題が取り上げられている。
 ダリエン地峡
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E5%9C%B0%E5%B3%A1
なんて名称、知らなかったな。↓

 In Record Numbers, Venezuelans Risk a Deadly Trek to Reach the U.S. Border・・・
https://www.nytimes.com/2022/10/07/world/americas/venezuelan-migrants-us-border.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 日中交流「人」士モノ。↓>
 「中日国交正常化50周年記念日にあたる29日、日本郵政は「中日国交正常化50周年」記念切手を発売した。新華社が伝えた。
 この記念切手は中国の「国宝」ジャイアントパンダを題材とし、水墨画の技法を用い、柔らかく優雅なタッチで描かれている。・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2022/0930/c94475-10154139.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 「出」ちゃったわー。↓>
 「羽生結弦さんは舞台裏で「レディーファーストでした」、日中記念式典の共演者が明かす・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b902367-s25-c50-d0052.html
 <客観報道。↓>
 「日本から「100円寿司」が消える・・・香港メディアの香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b902368-s25-c30-d0052.html
 <冷静である。↓>
 「トヨタに見る水素自動車の未来、「シェア5%」は少ないが日本の狙いはそこだけではない・・・新浪汽車・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b902363-s25-c20-d0193.html
 <結論は明白。↓>
 「中国経済は本当に米国を超えられるのか?・・・独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイト・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b902297-s25-c100-d0193.html
 <ご期待には沿えそうにありません。↓>
 「「“核汚染水”放出に日本の民衆が反対」と・・・中国中央テレビ(CCTV)・・・、韓国も反発とも・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b902328-s25-c100-d0193.html

 一人題名のない音楽会です。
 リスト(Liszt)の小特集を組みました。
 最初の2曲は、余りにも有名なピアノ小品、その後の2曲は、私が知らなかった佳作。
 
Consolation No. 3(1850年)(注α) ピアノ:Horowitz 4.26分
https://www.youtube.com/watch?v=MfDmUk7ie6s

(注α)「献呈先はザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公妃マリア・パヴロヴナ(ロシア皇帝アレクサンドル1世の妹)。リストの女性との交際を支援した人物といわれている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3_(%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88)

Liebesträume(愛の夢)No. 3(1850年)(注γ) ピアノ:反田恭平 5.49分
https://www.youtube.com/watch?v=yLilUy0LFXU

(注γ)「もともと歌曲として作曲した3つの曲を1850年に作曲者自身がピアノ独奏版に編曲したものである。原曲<は>・・・1845年作曲」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%AE%E5%A4%A2

Piano Concerto No. 3 Op posth.(注Δ)(1839年?) ピアノ:Jandó(注Ε) 16.01分
https://www.youtube.com/watch?v=QdRH4soPAGw

(注Δ)It was virtually unknown until 1989. It was identified and assembled from multiple sources by Jay Rosenblatt, a doctoral candidate at the University of Chicago.
https://en.wikipedia.org/wiki/Piano_Concerto_No.3(Liszt)
(注Ε)ヤンドー・イェネー(Jandó Jenő。1952年~)。「ハンガリー・・・生まれ。7歳からピアノをはじめる。国立リスト・フェレンツ音楽大学で・・・学んだ。1973年のハンガリー・ピアノ・コンクールで第1位、1977年のシドニー国際ピアノ・コンクール室内楽部門で第1位になるなど、各地のコンクールで多数入賞を果たしている。現在は母国ハンガリーで国立リスト・フェレンツ音楽大学の教授を務めている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%BC

Polonaise No. 1(1851年)(注Ζ) ピアノ:Cziffra 10.01分
https://www.youtube.com/watch?v=vjnIM2tko24

(注Ζ)「1851年作曲、1852年出版。ポロネーズはもともとポーランド宮廷儀式中にある行進時の音楽から発展したとされるが、特にショパン作品が有名である。リストのこの二つのポロネーズは、ショパンの死後に彼をしのんで作曲されたもの。ショパンのポロネーズをしっかりと研究し、ポロネーズならではの堂々とした雰囲気の中にリストらしい流麗さがちりばめられている。」

https://www.weblio.jp/content/2%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BA

          –映画評論75:マリアンヌ–

 昨夜、ノープロブレムで表記をアマゾンプライムで鑑賞。
 前日の映画に匹敵する秀作。
 「『マリアンヌ』(Allied)は、<2016年公開の>ロバート・ゼメキス監督、スティーヴン・ナイト脚本によるロマンティック・スリラー映画で<で、>出演はブラッド・ピット、マリオン・・・・らである」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8C_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
ところ、’In 1942 during World War II, Wing Commander Max Vatan, a Royal Canadian Air Force pilot with intelligence duties, travels to Casablanca in Morocco to assassinate a German ambassador. He is partnered with a French Resistance fighter, Marianne Beauséjour, who escaped from France after her resistance group was compromised and killed.
 They pose as a married couple and grow close, despite agreeing that in their line of work feelings can get people killed. Marianne, who is trusted by the Germans, secures Max an invitation to the party where they plan to conduct the assassination. On the day itself, they have sex inside a car in the middle of a desert sandstorm, knowing they might not survive. However, the mission is successful and they escape. Max asks Marianne to come with him to London and be his wife. They marry, settle down in Hampstead, and have a baby girl, Anna, who is born during a bombing raid.’
https://en.wikipedia.org/wiki/Allied_(film)
というのが基本的設定で、当然のことなんだろうなと思いつつも興味深かったのは、当時はカナダ人が英本国人と全く同等に英当局から扱われていたこと、英国系カナダ人はフランス語もしゃべれると見なされていたこと、だからこそ、ブラッド・ピット演じるカナダ人がフランス人になりすましたスパイに起用されたことだ。
 もう一つ興味深かったのは、原題と日本での公開の際のタイトルが全く異なっていることだが、原題はpolitical correctness に合致しているのに対し、日本でのタイトルはよりこの映画の実態に即しているといったところか。
 残念だったのは、前日の作品とは違って、ナチが単なる悪として描かれていたことだ。
 なお、コティヤールは、多方面で活躍している人物のようだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Marion_Cotillard
 さて、これくらいで、今回の一連のアマゾンプライム映画鑑賞は終わりにしたい。
 TVシリーズの『アップロード』(コラム#12847)の続きをやっているようだったが、その鑑賞は、年末回しにすることにした。

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太田述正コラム#13044(2022.10.8)
<『海軍大将米内光政覚書–太平洋戦争終結の真相』を読む(その19)>

→非公開