太田述正コラム#2144(2007.10.24)
<私のTV出演(続)>(2007.11.26公開)
(本篇の内容は当面他言無用に願います。)
1 始めに
このところ、マスコミからの対応に逐われ、もはやどの社の何という記者からコンタクトがあった、ということすら書き留められなくなってしまいました。
2 分かってきたこと
大阪のよみうりTVと在京各局の、守屋問題に関する報道取り組み姿勢は、別の国のTV局かと思えるくらい差があります。
本日の時点でも、まだ「同期だそうですが、守屋さんはどんな人か、太田さんのコメントをぜひ録画撮りさせて欲しい」と言ってきた寝ぼけた在京TV局がありました。
申し訳ないけれど、これまで私には、大阪には地盤沈下のイメージしかなかったのですが、どうやら硬派番組のレベルは、大阪の方が東京よりはるかに高いようです。
そういえば、官製談合問題で、私をラジオに出演させたのも大阪のラジオ局(毎日放送)でした(コラム#1663)。
この時も、在京のTV局やラジオ局からは、出演依頼どころか、録画撮りないし録音依頼すらありませんでした。
思うにこれは、在京のTV局もラジオ局も、権力のお膝元に所在しているため、より権力と癒着しているからではないでしょうか。
この関連で嫌な感じなのは、一つには、少なくとも在京の民放地上波TV局5局のすべてから私にコンタクトがあったのに、NHKだけからはコンタクトが全くないことです。
昨年の施設庁官製談合事件の時はコンタクトがあったということを考えると、NHKは、今回の守屋事件は、施設庁という外局に係る事件ではなく、防衛省本省に係る事件であり、より権力の中枢に近いので、太田のような危険な人物には近付かない方がよい、と判断したとさえ思えて来ます。
嫌な感じのもう一つは、昨日、TBS(6チャンネル)の番組ブロードキャスター(土曜)の担当者から録画撮りの話があったけれど、「守屋さんはどんな人か」一点張りだったのでお断りしたところ、今度は同じTBSの番組ピンポン(木曜)の担当者から話があり、交渉の結果、私の発言のつまみ食いをしないという回答が得られたので、録画撮りを了承したところ、本日迎えに来る時間の3時間ちょっと前の16時前に、急遽(ボクサーの)亀田で行くことになった、とお断りの電話があったことです。
関東圏での私のTV出演への道のりは、依然遠そうです。
蛇足ながら、各TV局内での横の連絡がほとんどないことにびっくりしています。
番組ごとに横の連絡が全くないのは、ひょっとすると下請け制作会社も違っていて、仕方のないことなのかもしれませんが、報道局の中でもほとんど横の連絡がないため、私の取材も一々初対面の挨拶から始めなければならないし、特定の記者が録画したものが、他の記者によっても利用されることも余りなさそうなので、何という無駄だらけの世界か、とため息が出ます。
3 私の記事
(1)夕刊フジ
10月23日付の夕刊フジの「揺れる防衛省–前事務次官守屋堕落の道程」という記事の中で、私への取材に基づき、「守屋氏と同期の元防衛庁審議官で評論家の太田述正氏(55)が「守屋氏を清廉潔白という人は多い」としながらも、「問題なのは、かつては優秀な人間であっても、どんどん無能になっていく防衛省の構造的問題だ。その象徴が守屋氏」と指摘する。 さらに、「実質的な仕事はほとんどないのに、潤沢な国防費を与えられ、ヤミ年金もはずむ。さらに他の省庁に比べても特段に閉鎖的だ。どんな立派な人間も堕落させる」と話している。」というくだりが出てきます。
(2)週刊文春
私が登場する記事が明日発売の週間文春に載ります。しかし、手違いで見本刷りがまだ届いていないため、この記事をまだご披露できません。
(3)社会新報
社会新報は社会民主党の機関紙ですが、10月31日号に、私のコメント
「守屋前防衛事務次官に対する「日本ミライズ」社長(「山田洋行」元専務)によるゴルフ・飲食接待に関する報道を通じて、防衛専門商社山田洋行からの日本ミライズ分離に伴う両社間の内紛騒動を、国民は知るところとなりました。 その後、国民の関心は、山田洋行への防衛省OBの天下りや、山田洋行と政治家との関わりといったより大きな問題にも向けられつつあります。 この際、自民党系政治家、官僚機構、及び官と関わりの深い業者、の3者の間で形成されている政官業癒着体制という巨悪そのものに国民の目を向けさせることができるかどうか、メディアと野党の力量が問われています。」
が載ります。
4 今後の予定
明日、午前中私用があり、その後、午後毎日新聞本社で、サンデー毎日の、私の写真入りインタビュー記事のためのインタビューを受けます。
金曜(26日)には、よみうりTVでの番組収録のために、送られてきた新幹線指定席切符を使って大阪に行ってきます。
生まれて初めての新幹線のグリーン席です。
なお、新大阪から乗れということでしょう、タクシーチケットも送られてきましたが、「乗車者 番組出演者」、「利用区分 タレント」と印字してありました。
タレントねえ。
5 終わりに
こういうわけで、ここしばらくは、コラムの質と量を維持することができそうもありません。
有料読者の皆さん。
ご迷惑をおかけしますが、ぜひご理解のほど、お願いします。
太田さん。タレント区分はギャラが高いんですよ。学識経験者よりも。
太田様
1、実は大阪読売テレビ「たかじん委員会」は2005年の春に、いわゆる南京事件も取り上げています。
その取り上げ方は、NHKのように「被害者」の映像を垂れ流すのではなく、亜細亜大学の東中野修道教授がスタジオに出演して、著書の『南京事件「証拠写真」を検証する 』の偽写真 の検証作業を説明しています。しかも約30~40分の長時間です。中国の影響力が強いNHKやTBSには絶対にできません。
やっと今年、テレ朝の「たけしのタックル」で、同著『南京事件「証拠写真」を検証する 』が数分間放映され、インパクトを各方面に与えました。
かわにゃ
2、元朝日新聞記者の本多勝一が紹介している「日本兵による略奪の証拠」とする兵士の写真があります。しかしそれは略奪ではなく、同じく朝日新聞のアサヒグラフに掲載されていた写真で、ちゃんと兵士がお金を払って手に入れた、とキャプションが付いているのです。
3、「たかじん委員会」と大阪朝日放送「ムーブ」月火木曜日は、官僚だけではなく中国共産党にも厳しいのです。
かわにゃ
またたかじんの委員会に出演ですかね?
とりあえず、ざこば師匠と三宅先生を怒らしたら番組は盛り上がりますわ。
一万円ネコババの件も取り上げられたらおもろいですな。
期待してます。
在京テレビ局が放送しなくても,ニコニコ動画が流し続けていますから,見る気のある人はみんな見てしまっていますよ。
テレビが世論を左右できる時代は,終わっていますね。
>>4
今回のコラムは10/24に書かれて11/26に一般公開されたものです。
タクシー券の話も10/26金の来阪の話です。
このブログではこういう例が多いのでご注意下さい。