太田述正コラム#2242(2007.12.18)
<皆さんとディスカッション(続x20)>
<太田>
>回を追って私利私欲に縁がない太田君が理解されてきているような気がします。(コラム#2240)
ありがたいご指摘ですが、それは友人の欲目というやつで、実際には、(直接的な因果関係はないのかも知れませんが、)この「太田総理・・」放送の後、私へのブログの訪問者数は大幅に減っています。
首都圏以外の聴衆と違って首都圏の聴衆は政官業(プラス主要マスコミ)の癒着構造の当事者や関係者が多いのです。
大企業であなたの勤務しているような癒着構造と無縁の会社はほとんどないのですよ。
私の発言を聞いて不愉快に思う人の方が圧倒的に多いということです。
<友人TK>
しかしこれだけ混迷していてクーデターや一揆・焼き討ちが起きないのは不思議ですね。
<太田>
クーデターや一揆・焼き討ちの対象となる中央政府が東京には存在しないからです。
じゃどこに存在するのか?
ワシントンです。
<小早川伸木>
太田総理の番組いまいち。
たかじんの番組とはかなりちがう。
とくに平沢勝栄がうざい。
金美齢も太田さんの意図を理解せず太田さんにいちゃもんをつけている。
編集を見ても大田さんを異常者扱いの編集に見えるが ・・・。
私の偏見でしょうか。
なぜこの番組に太田さんが出るのか、お茶目な太田さんの性格からだろうか。
すみませんが僕には理解できないな。
<太田>
上述したように、首都圏での放送ですから致し方のない面があります。
しかしとにもかくにも、首都圏の聴衆に私の考えを発信できる意義はあると考えているのですよ。
平沢さんは平沢さんで、適宜政府自民党への批判を織り交ぜながらテレビに露出を続けることで、厳しい状況下、次期総選挙での当選を期しているのでしょうが、そうはさせじ。
21日放送の「太田総理・・」では彼は窮地に立たされますよ。まあご覧ください。
<古参有料読者>
防衛省問題が一段落したら、海外ニュースの記事も期待しています。
・欧州議会の「旧日本軍 従軍慰安婦問題」への動向
・ロシアの欧州通常戦力条約停止
・韓国大統領選挙の行方
などに関心があります。
あと防衛白書は、無料でWeb閲覧ができます。
・防衛省「防衛白書」
http://www.mod.go.jp/j/library/wp/index.html
<太田>
防衛省がWebに公開している防衛白書は、要約版であり、全くものの役にはたちません。
>・欧州議会の「旧日本軍 従軍慰安婦問題」への動向、・ロシアの欧州通常戦力条約停止、・韓国大統領選挙の行方
領土だけ大国のロシアの安全保障政策などどう転ぼうとさして気にする必要はありません。
また、韓国の大統領選挙の結果も行方も紛れる余地はありません。
慰安婦問題については、すぐ後で触れます。
<たかおん>
ヨーロッパでまた従軍慰安婦の問題が取り上げられています。
今の首相は正しく対応できると思いますか。
それとも更に状況を悪化させてしまうと思いますか。
また、なぜ日本の政治家は真実を言わない、官僚が言わさないのでしょうか。
<太田>
日本政府に対し、Sex Slave(慰安婦問題)で公式謝罪等を求める決議が、次のように各国等で行われてきました。
米連邦下院:7月30日
オランダ下院:11月8日
カナダ連邦下院:11月28日
EU欧州議会:12月13日
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/72340/、
http://s04.megalodon.jp/2007-1112-1751-36/news.aol.com/story/_a/asian-editorial-excerpts/n20071111205409990005、
http://www.japantoday.com/jp/news/422182、
http://www.chosunonline.com/article/20071214000010
(いずれも12月18日アクセス)による。)
慰安婦問題については、何度も取り上げてきた(ブログのカテゴリー「従軍慰安婦」参照)ところですが、最後に取り上げたのは今年の5月2日であり、それ以降、とんでもない成り行きになったわけです。
これは将来の歴史家によって、21世紀における日本外交の最大の失策の一つとして記録されることになることでしょう。
米下院が恐る恐る慰安婦決議を可決する前に、いくら日本の宗主国の議会だとはいえ、安倍政権は外務省の総力を結集し、あらゆるブラフを利かせてこの決議を阻止すべきだったのにそうしなかった結果がオランダ、カナダ、EUにおける決議を論理必然的にもたらしたのです。
過去の関係コラムを読んでいただければ分かるように、私はナショナリスト的観点から慰安婦決議に反対しているわけではありません。
明白に間違っている事実認識に基づいた決議だから反対しているのです。
米国とカナダにおける決議の背景をさぐった古森義久論考(
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/63/
。12月6日アクセス)・・やや陰謀論的色彩あり・・も参照してください。
残念ながら、オランダとEUにおける決議の背景をさぐった論考にはまだお目にかかっていません。
この際、一点だけ皆さんの参考になるであろうことをご紹介しておきます。
英国政府が今月、外国から英国に拉致されてきた性奴隷約1万人に刑事事件の被害者として金銭補償をする方針を打ち出し、さっそくうち4人に補償金の支払い(一人1万6500~6万2,000英ポンド)を開始したのです。彼女たちは当面強制出国させられることもありません。(
http://observer.guardian.co.uk/uk_news/story/0,,2228263,00.html
。12月16日アクセス)。
つまり英国では、性奴隷には、拉致に国が関与していなくても、国が金銭補償をする運びになったということです。
慰安婦を性奴隷と見ること自体が誤りなのですが、仮に性奴隷だったとすれば、彼女たちの拉致に日本政府が関与したかどうかにかかわりなく、日本政府は公的に金銭補償に応じるべきだ、と英国人は考えている可能性が高い、ということになるわけです。
<まさし>
–お年の志方俊之さん(コラム#2233)について–
指摘をされた志方さんへの矛盾については異論はありません。
しかし、重箱の隅をつつくようで申し訳ないですが、「お年の」という言い方はいかがなものかと思います。
「たかじん」にてあえて志方さんが質問することを通して太田さんの文民統制の考え方をテレビで紹介しようとしたことに対して、太田さんは意図を読み取れず、「本読めば書いてあるでしょ」という意味のことを言っていた場面では大分太田さんはお年なのかな・・と思えましたよ。
「お年」ということばを三宅さんや金さんにも使っていますが、どうも侮辱的にみえます。矛盾点を指摘すればそれで良いでしょう。
ただあえて過激な言葉を使うことで面白みを出そうとしているのならかまわないですが・・・。
それはそれと太田さんには民主党から衆院戦にぜひ出てほしいなあ。関西方面から。現在の関西の知名度だったら通るでしょう!応援してますよ、頑張ってください!!
<太田>
志方さんは自衛隊の防災協力態勢等について、金さんは台湾「独立」運動等について、三宅さんは現在の日本の政治家の矮小さ等について語らせたらそれぞれ日本の第一人者なのですが、畑違いの防衛省キャリア問題について語るのはお控えになるべきです。
それが控えられないことをもって私はこのお三方が「お年を召された」と形容しているのです。的確でしょ。
いずれにせよ、ご指摘のやりとりの際の私の怒りの理由を詳述するのは、志方さんのためにも止しておきます。
それにしても志方さん人気ありますね。
なお、ご声援いただくのは光栄ですが、革命家は一度選挙に出れば十分でしょう。
<ゼアファイネストアワー>
暴力団や同和関係者には、在日朝鮮人が非常に多数含まれていることは太田さんもご存じでしょう?
無分別に移民を取り入れると、彼らのように治安を乱す要因になるだけであることは目に見えていますが、太田さんはこれを防ぐ手だてはおありなのでしょうか?もしあれば、ぜひ教えてくださいな。
<太田>
同和関係者に在日朝鮮人が多いとはこれいかに?
エセ同和の話でしょうか。
先進国では考えられないことに、日本で暴力団がいまだ看板を掲げた形での存続を許されているわけですが、これは警察が暴力団とつるんでいて取り締まりが依然大甘だからです(典拠省略)。
話をそらしちゃ困ります。
<大阪の川にゃ>
米国以外の国では初めてSM3による弾道ミサイル撃墜実験に日本が成功しました。まずはおめでとうございます。読売新聞の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071218it04.htm?from=top
そして、SM3が敵ミサイルを打ち落とし損ねた場合には、地上配備のペトリオットミサイルでの迎撃ですね。
しかし、SM3は敵ミサイルを赤外線追尾できたとしても、ペトリオットが標的とする核弾頭は重力によって自由落下してマッハ10で落ちてきます。赤外線追尾はできません。電波レーダーによるしかないでしょう。
しかし、将来核弾頭をステルス化されたら、電波レーダーでも捉えられませんので、ミサイル防衛の信頼性はさらに低下してしまうだろうと危惧しています。
<太田>
そりゃ成功した方がいいに決まってますが、SM3は商社が介在した米国からの輸入でしょう。一体一システムいくらなんでしょうね。聞くだに恐ろしい!
<「太田総理・・」担当者>
お世話になっております。
17日<の収録、>よろしくお願いいたします。
今回は、いつもの賛成・反対に分かれての討論ではなく、今年一年の出来事を振り返るということで、いくつかの出来事の関係者にお越しいただいて爆笑問題や福留功男をはじめ、国会議員・有識者・芸能人の方で構成した「仮想内閣」を相手に「証人喚問」と称して、話を伺おうという事です。
太田様には、「守屋防衛省元事務次官収賄容疑事件」の関連で御出演をお願いいたします。
同席していただく方<(「証人」)>は、○○様、●●様、△△様です。
いままで以上に奥の深いお話を聞けたらと思います。
17日は、19時に日本テレビにお越し下さい。
いつも通りに、受付で入構証を受け取り、X階のタレントクロークへお越し下さい。打合せ、メイクの後、19時50分頃から、このコーナーの収録を開始いたします。
今回は、30分程度の収録になると思いますが、進行が多少遅れることが有りますので、後ろの時間に多少、余裕をお持ちいただきたく存じます。
どんなに遅くなっても、21時には終了すると思います。
<太田>
実際の収録は約1時間遅れになりましたね!
今度は、細切れの中のほんの一つだけに出させていただく形でしたが、通産、農水、労働省キャリアOBと防衛庁キャリアOBの私が「証人」としてテリー伊藤さんら「閣僚」の質問に答えさせられました。
テリーさんがいち早く天下り問題を指摘されたのはさすがと感心しました。
それに比べ、私以外の「証人」達の怪しげな証言ぶりには唖然。最後に私がまくしたてましたが、一体どんな編集になることやら。
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太田述正コラム#2243(2007.12.18)
<「太田総理・・」3回連続出演(その3)>
→本篇は、12月26日まで公開しません。
皆さんとディスカッション(続x20)
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