太田述正コラム#2227(2007.12.10)
<近況報告(続々)>(2007.12.22公開)
 (本篇は当分の間、非公開にします。)
1 私の記者会見
 明日、1410から参議院議員会館第三会議室で私の記者会見を行います。
 社会民主党の保坂展人衆議院議員のお名前でこの会議室を確保しました。
 保坂議員とは面識がないのですが、彼が麹町中学の後輩、ということでお願いをしたところ、快諾していただけました。
 私がお話しするのは、あの「斡旋利得議員等リスト」の残された4名についてです。
 社会民主党から流してもらった記者の皆さんへの連絡FAXは「4名の政治家」とありましたが、正しくは「1名の政治家と3名の官僚」です。
 読者の中に、記者の方がおられたら、念のため、同じ社の司法記者クラブや防衛記者クラブ等の記者に注意喚起してあげてください。
2 「太田総理・・」出演記
 日本テレビ(汐留)に間違って一時間(実際は50分)早くついてしまい、弁当2人前を平らげて収録開始を待ちました。
 元北海道警の管区本部長でヤミ金造りを内部告発した原田宏二さんや元国土交通省キャリアで俳優に転じた早坂実さんとお近づきになれたのは収穫でした。
 また、元民主党事務局におられ、現在テレビでもよくお顔を拝見する政治アナリストの伊藤○(立心偏に享)夫さんとも名刺交換したのですが、2001年当時私に(民主党本部で?)会ったことがあるとおっしゃっていました。
 収録時の原田さんのお話をうかがって私の苦労など物の数ではないな、と思いました。
 とにかく、既に北海道警をリタイアされOBになってしばらく経った頃に原田さんは内部告発されたのですが、爾来、非難の投書が山のように寄せられ、警察と提携している生命保険会社からは排除され、公安と思われる人物による尾行がつくようになったとおっしゃるのです。
 前にも申し上げたように、私に対しては非難の投書も電話もメールも一切来ていませんし、防衛省関連団体の損害保険から排除されることもなく、尾行がついている気配など皆無です。
 キャリアは、内部告発(外部告発?)してもキャリア扱いを受けている、ということなのか、それとも私の内部告発など、痛くもかゆくもないのか、その両方なのか、と考え込んでしまいました。
 私は私で、平沢議員(警察庁出身)と大村議員(農水省出身)お二人に向かって、「比較的最近官僚から自民党議員になった人はけしからん。天下り等の官と業の癒着構造を熟知していて、この癒着構造から用心棒代をせしめている自民党に入り、議員になったのだから・・。」と攻撃したのですから、平沢議員など、特に針のむしろの思いだったことでしょう。
 また、例によって守屋がさんざん出演者から叩かれていたので、守屋擁護論をぶっておきました。
 更に、私のいわゆる「斡旋利得議員等リスト」に登場する10人の国会議員のうち、5人は斡旋利得処罰法ができておれば、捜査対象になったメンメン、と述べた上で、この5人がみんな自民党議員であること、だから、政権交代が必要だと考え、自分としては民主党より自民党の方が好きにもかかわらず、他に手段がないので民主党から立候補した、とも述べておきました。
 今回は割と言いたいことが言えたように思います。
 21日(金)に2000から放送されるのでぜひご覧下さい。
 この番組の次回の収録は17日に行われますが、今度は私は質問者の立場になると聞いていますし、舞台背景も全く変わるそうで楽しみにしています。
3 読者の声
<遠江人>
 –江戸時代の日本の礼儀と習慣をスケッチした貴重書が全ページ無料公開中–
「イギリス海兵隊の艦隊に随行して来日したJ.M.W. Silverが、1864年から1865年にかけてまとめた江戸時代当時の日本における冠婚葬祭や端午の節句、切腹、入浴、お墓参りなどなどを描いた「Sketches of Japanese manners and customs」という1867年にロンドンで出版された貴重書があり、今でもAmazonではペーパーバック版が1万5000円もするというレベル。
 そんな貴重書が同志社大学の「貴重書デジタル・アーカイブ」にて公開されており、ネット経由で誰でも無料で全ページ閲覧できるようになっています。一般的によく知られている27枚の彩色画を収録した第1巻だけでなく、第5巻まで公開されており、かなり太っ腹です。
 閲覧は以下から。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071206_sketches_of_japanese_manners_and_customs/

 イギリス人が江戸時代の日本を描いたということで太田コラムファンとしては興味深いところですが、それを置いてもこれは見ているだけでかなり楽しいというか面白いと思います。
 太田さんは最近忙しくてお疲れだと思います。これを見て、癒されて(?)ください。
<太田>
 時間ができたら、必ず見ます。
<コバ>
 –納税者の意識が官僚機構の退行に反映されている–
 防衛省の問題などについて、そんなこと知らないよといった納税者の態度が省庁の腐敗や退行を助長するのではないでしょうか。省庁批判をする能力なんて全くなくても、政権交代という明確で簡単な答えが国民に対してもメディアなどで頻出しているのですから、官庁の腐敗が目に余っている今こそ納税者の私たちが怒って、コイズミが叫んでいたように、官僚機構の御用政党たる自民党をぶっ壊してやればいいのです。まだまだ国民が知ることのできない問題が隠されているでしょうし…。
<太田>
 そうだ、そうだ!
 ところで、本日(10日)昼過ぎまでに拙著の代金の入金が確認できなかった方は、明日は忙しいので、発送は12日になりますのであしからず。
 また、自宅保管分は残り7冊なので、それ以上の注文が出てきた場合、事務所に行って事務所保管分で補充しなければならず、更に発送が遅れますのであらかじめお断りしておきます。
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<Fan>
 <太田総理見ました。>
 政権交代!
 いいぞ、太田述正!頑張れ、革命家!!
<くるんくるん>
 太田総理見ました。
平沢さん、否定はしないんですね。天下りを助長してたってことを。それどころか、民主党も同罪だと足引っ張っていた・・・。
<gun>
太田総理~見ました。平沢さんが怒ってました。しかし、太田さんが民主党落選した腹いせで、自民党批判しているとは、幼稚な反論だ。
 太田さん がんばってください。
 そして、映画評論増やしてください、興味深く読ませて頂いております。
 お願いしますm(..)m
<太田>
 今度の「太田総理・・」の編集は平沢議員と大村議員という官僚出身の自民党議員に温情を示した編集であったと言えるでしょう。
 「私のいわゆる「斡旋利得議員等リスト」に登場する10人の国会議員のうち、5人は斡旋利得処罰法ができておれば、捜査対象になったメンメン、と述べた上で、この5人がみんな自民党議員であること、だから、政権交代が必要だと考え、自分としては民主党より自民党の方が好きにもかかわらず、他に手段がないので民主党から立候補した、とも述べておきました。」の部分が完全にカットされていましたし、平沢氏の私への民主党から立候補して落選云々の個人攻撃に対し、女性タレントや森議長がたしなめたのですが、ここもカットされていました。
 また、原田宏二さんが「警察と提携している生命保険会社からは排除され、公安と思われる人物による尾行がつくようになった」とおっしゃった、平沢さんには身の縮む思いがしたに違いない箇所もカットされた、という具合です。
<くらよし>
 –稲葉事件から始まり・・・–
太田総理~に出演していた原田宏二氏については
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
ザスクープで取り上げられており、これをごらんになれば平沢議員が警察の不正に関わっておられたと断言できるでしょう。
 署長を2~3回かわれば家が建てる、というのは常識でその裏金の管理は副署長。
 協力謝礼問題の件で、当時の国家公安委員長が記者会見。
 その発言に小生、ひっくりかえってしまいましたが、何事もなかったかのような記者達の反応にも驚いたものです。
 ほかにも、検察の金にまつわる特集もありますよ。
 ちなみに、警察の会計問題で知事として唯一行動したのは当時の浅野宮城県知事です。
<太田>
 全くしがらみのない私ならぬ浅野さんが、いわば徒手空拳で全警察機構と対決されたのは無謀でした。
 その結果が、例の自民党県議であった村井知事の誕生であったわけで、浅野さんの責任は重大です。
。平沢議員には、警察官僚のときに、パチンコ業界にプリペイドカード使用を義務付けて、それを取り仕切る協会を、警察官僚の天下り先にしたという実績がある(
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060928
。12月22日アクセス)ほか、2000年春の総選挙の際、外国人を含む複数のパチンコ業者から多額の献金を受け取っていたという疑惑(
http://www.v-point.jp/visitor/community/news0412/1222.html
。12月22日アクセス)等が取り沙汰されています。
 ちなみに、パチンコ業界における利権として、猪瀬直樹氏「ニュースの考古学」(週刊文春2007年3月23日号)は以下を挙げています。((株)遊技メディア東京 烏丸哲正氏提供資料による。)
1 日本レジャーカードシステム(プリペイドカード会社)代表取締役会長=元近畿管区警察局長
2 日本ゲームカード代表取締役会長=元関東管区警察局長
3 財団法人・保安電子通信技術協会常務理事=元東北管区警察局長
4 全日本遊技事業共同組合連合会専務理事=元九州管区警察局長
5 日本遊技関連事業協会(専務理事?)=元九州管区警察局長(上とは別人物)
 なお、平沢議員が1990年代半ばに警察庁から防衛庁に出向して防衛局担当の官房審議官(実質防衛局次長)をやっていた時の一の部下が防衛課長をしていた守屋であり、当時平沢氏はお客さん扱いで何も仕事をやらなかったか、仮に仕事をやっていたとしても防衛庁キャリアの退廃と腐敗には目をつぶっていたかどちらかでしょう。
 平沢議員や大村議員、とりわけ平沢議員を次の総選挙で再選させてはなりません。