太田述正コラム#13411(2023.4.9)
<皆さんとディスカッション(続x5496)>

<MLE0KO6Y>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 ジャニーの件は、強姦(~準強制わいせつ)にあたるかがメルクマールだと思ってるんだけど、伊藤詩織さんの件とは別種の事柄なんですか?↓

 「準強制性交等罪とは、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等を」することを言います(刑法第178条2項)。
 ここにいう性交等とは「性交、肛門性交又は口腔性交」のことを言います(刑法第177条)。」
https://keiji-kaiketsu.com/sexciaxciacrime/%E6%BA%96%E5%BC%B7%E5%88%B6%E6%80%A7%E4%BA%A4%E7%AD%89%EF%BC%88%E6%BA%96%E5%BC%B7%E5%A7%A6%EF%BC%89%E3%82%92%E7%96%91%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8C%E3%81%B0/

⇒別種。
 ジャニー氏の件は、和姦・・性行為の相手方の「激しい抵抗」もしくは「抗拒不能(抵抗ができない状態)」の事実がない・・であり、性的同意年齢に達しておれば、たとえその相手方が女性であったとしても、日本の当時・・現行でも同じ・・の刑法に触れる可能性はない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E5%88%B6%E6%80%A7%E4%BA%A4%E7%AD%89%E7%BD%AA
 (なお、そもそも、2017年までは、男性に対する性行為は一切刑法には触れなかった。また、女性に対する強姦(強制性交)であっても被害女性の告訴がなければ起訴できなかった。(上掲))
 なお、私は、初めて、本件を知った時は、ジャニー氏がデビューを餌に少年を事実上抗拒不能にしていたと思っていたのだけれど、そもそも、ジャニー氏のこの性癖は、ジャニーズに入所しよう、させようとする、親を含めた当時者等、の多くにうすうす知られていて、そのことを承知の上で入所させていた、していた、というし、そうでなかった者も含めて、現在まで不法行為に基づく損害賠償訴訟を提起した者が皆無だったらしく、被害感情を抱いている者が殆どいないと言ってよさそうであり、見解を改め、民事的にも非難するのは困難だ、と認識を変えるに至った次第。
 ちなみに、世界中でのカトリック教会の性的虐待事件については、ジャニーの件とは、それが司祭の独身制に由来する組織的なものである・・隠蔽も組織的に行われた・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%80%A7%E7%9A%84%E8%99%90%E5%BE%85%E4%BA%8B%E4%BB%B6
という点で異なるが、(被害感情を抱いた者もいたはずなのに宗教的マインドコントロール下にあるためか、)長年月にわたり被害者からの(民事上の)損害賠償訴訟がなかったという点だけをとれば同じであるところ、それが問題にされるに至った契機は、米ボストン司教区における(刑事上の)起訴だった(上掲)ことが想起される。(太田)

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

 ウクライナ問題。↓

 <ヒアヒア。↓>
 Putin’s Forces Are Surrendering at Surging Pace: Ukraine Official・・・
https://www.newsweek.com/putins-forces-are-surrendering-surging-pace-ukraine-official-1793225
 Ukraine Says Russia Is Preparing to Evacuate Civilians From Occupied Areas of South–Ukraine is widely expected to launch a counteroffensive in the coming weeks to recapture territory from Russian forces.・・・
https://www.nytimes.com/2023/04/08/world/europe/russia-ukraine-war.html
 <ウクライナ問題の副産物。日本は米国の属国だから、どんだけ米国に秘密が筒抜けでもヘイキだけどな。↓>
 On Saturday, as U.S. officials and their foreign allies scrambled to understand how dozens of classified intelligence documents had ended up on the internet, they were stunned — and occasionally infuriated — at the extraordinary range of detail the files exposed about how the United States spies on friends and foes alike.
 The documents, which appear to have come at least in part from the Pentagon and are marked as highly classified, offer tactical information about the war in Ukraine, including the country’s combat capabilities.・・・
https://www.washingtonpost.com/national-security/2023/04/08/intelligence-leak-documents-ukraine-pentagon/

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 アユム氏、むりやりアップ。↓

 「大盤解説で佐藤天九段&観客が驚愕!幻の▲7七銀以下の変化で△7八銀という鬼手があった・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=bizN-vYDMUQ

 故ムツゴロウもエセインテリだった。
 それを言っちゃあおしまいよ。↓

 「「ムツゴロウ」畑正憲さん死去 壮絶な満州の記憶・・・
 戦争というのは、人間の倫理観や感情、そういうものを全部押しつぶす、ぶった切って、あんな無残なものはないですね。人類がやっていけないのは、一番やってはいけないのは戦争。戦争だけはどんなことがあっても阻止しないと・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%A0%E3%83%84%E3%82%B4%E3%83%AD%E3%82%A6-%E7%95%91%E6%AD%A3%E6%86%B2%E3%81%95%E3%82%93%E6%AD%BB%E5%8E%BB-%E5%A3%AE%E7%B5%B6%E3%81%AA%E6%BA%80%E5%B7%9E%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6-%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%8C%E4%B8%80%E7%95%AA%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E6%88%A6%E4%BA%89-%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AB%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%84%E6%80%9D%E3%81%84-%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E7%99%BA/ar-AA19C4KH?ocid=msedgntp&cvid=174ededd2bee4b8da0de39f5c1cd6c1a&ei=33

 福澤が隠れ薩摩藩士だったという私の説が、彼を理解するカギなんだけどねえ。↓

 <細かい話はともかく、そりゃ常識。↓>
 「・・・福沢の思想形成において蘭学は「過去の遺物」になった、と広くイメージされてきました。  
 しかし、その解釈は誤りであると私は考えています。  
 なにより福沢自身が『福翁自伝』のなかで、最初、蘭学修行が無駄になると思って落胆したが、実はそれは大間違いであり、むしろ蘭学を身につけたことこそが洋学の研鑽の基礎になったと述べているのです。・・・
 実際、福沢は英語を学ぶにあたって、英語-オランダ語辞典を用い、英文をオランダ語に翻訳しながら独力で学習しています。つまり、蘭学を介して英語を学んだのです。  
 ですので、福沢は蘭学を「捨てた」のではなく、蘭学の蓄積を基礎にしながら西洋学術を学ぶ軸足を英語へと移した、と考える必要があります。  
 それだけではありません。福沢は慶應義塾の創設にあたって、〈慶應義塾は杉田玄白や前野良沢をはじめとした蘭学者たちの学問的営為と精神を継承するものである〉と高らかに宣言しています。さらに晩年に至るまで、みずからの学問の源流は近世徳川期の蘭学にある、と繰り返し指摘しているのです。・・・
 <これも、二人が秀吉流日蓮主義/島津斉彬コンセンサス信奉者だったという私の説を踏まえてはじめて腑に落ちるハズよ。↓>
 明治十年代に入り、大隈と急速に接近しました。大隈と福沢は、イギリス流の議院内閣制を範とした早期の国会開設構想などを共有しました。  
 また興味深いことに、二人は統計学にも高い関心を持ちました。福沢は徳川末期、蘭学者としてヨーロッパの統計表にいち早く注目し、その先駆的な導入をはかっています。大隈が明治14年に統計院を設立すると、そこには尾崎行雄や犬養毅ら、慶應義塾出身者が登用されました。  
 さらに時を前後して、福沢は明治13年の末に、大隈や伊藤博文、井上馨から政府の機関誌『公布日誌』の発行を依頼されています。こうした動きが、いわゆる明治14年の政変の一つ遠因となりました。  
 明治政府にとって福沢諭吉は、看過できない思想的な影響力を有していました。・・・  
 福沢諭吉は大久保利通と鮫島尚信邸で面会し、会談を行っています。会談後、大久保が福沢について、「面白く流石有名に恥ず」と日記に綴ったことはよく知られています。
 <絶対に違うで。↓> 
 それに対して、西郷とは直接の面識はなかったようです。
 しかし明治政府による「廃藩置県」を「古今の一大盛美」と高く評価する福沢は、西郷こそがその実現において最も重要な役割を果たしたと指摘し、功績をたたえています。  
 西郷の方も、福沢の著作を読んで「実に目を覚し」たと、手紙に記しています。  
 それだけに、西南戦争の勃発は福沢にとって大きな衝撃でした。
 西郷の死に際し、福沢は『明治十年 丁丑公論(ていちゅうこうろん)』という文章を書き残しました。
 そのなかで福沢は、「西郷は天下の人物なり」と記してその死を悼み、西南戦争に至る明治政府の術策、ならびにそれを是認するメディアと世論に対して批判を加えています。  
 <西郷だけじゃなく大久保だって大した人物じゃあなかった、というのが私の説なわけで、2人とも福澤から見りゃ・・。↓>
 ただし福沢は同時に、西郷たちの行動のうちに「抵抗の精神」を見出しながら、しかしそれは未熟であり、「人民自治の権利」にまで成熟したものではなかったとも指摘します。
 そして、西郷がもう少し「学問の思想」を抱いていたら、地方から議論を起こし、工業を奨励育成するなど、地方自治を推進し、大きく日本を変えたのではないかと嘆いています。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f46fa70cb30669b1371a2a976bdf36bb3ae43d3a

 天才には影がある。↓

 「・・・秀吉は、天下を獲る前も、獲ってからも、残忍で陰険な手段により、人々を殺してきた。目的のためには人の命を何とも思わない・・・所業<だ。>・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fe627a0ca4ce65c9b8ebb72fc198907c1024a81
 <というか、信長に倣っただけでは?↓>
 「・・・信長は浅井久政・長政親子に対して、「一方ならざる遺恨深重」「悉くもって討ち果たすの条、大慶」(毛利輝元宛の信長書状)と書状に記すように、深い恨みを抱いていた。
 浅井長政の10歳になる嫡男を捜索して、関ヶ原で磔(はりつけ)にしたこと、朝倉義景の母や嫡男を殺害させたことも、信長の恨みとそれを晴らしたいという、情念が渦巻いていたからこそだろう。
 長政の嫡男を処刑したことを『信長公記』も、「長年のご無念を晴らされた」と記している。
敬意ではなく、日頃の恨みを晴らす行為
 また、かつて信長を鉄砲で狙撃して、逃走していた杉谷善住坊(生年不詳〜1573)も、近江国で捕縛された結果、体を土中に埋められ、首だけ出されて、その首を人に鋸(のこぎり)でひかせるという方法で処刑される。そのときも「日頃のお怒りを晴らされた」(同書)とある。
 そうしたことを考えると、信長による敵将の首の箔濃は、敬意ではなく、首を見せ物にし、日頃の恨みを晴らす行為だったと捉えることができよう。」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E4%BF%A1%E7%8E%84%E3%81%8C-%E4%BF%A1%E9%95%B7%E5%8C%85%E5%9B%B2%E7%B6%B2-%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%8C%E3%81%97%E3%81%9F%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%81%BD-%E4%BF%A1%E7%8E%84%E6%AD%BB%E5%BE%8C%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB%E6%83%85%E5%8B%A2%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B/ar-AA19BRGj?ocid=msedgntp&cvid=174ededd2bee4b8da0de39f5c1cd6c1a&ei=40

 戦国武士にはそろばんもできた者が少なくなかったようで・・。↓

 「・・・新田喜斎という武将・・・は一時期、副業として商人をしていた時期があり、その時に瀬戸方久と名乗っていたと言われてい<る>。井伊次郎法師(直虎)から瀬戸村の地を分け与えられて管理し、政商として塩の販売を行ったり、運河を作り、供養の三重塔を建てたりもしてい・・・た。その後、紆余曲折を経て隠棲していた喜斎は、江戸幕府が開かれて間もない慶長11(1606)年、凶作で困窮した農民たちのために年貢を軽減してほしいと代官に直訴状を書き、処刑されてしまう<。>・・・
 茶屋四郎次郎清延の『茶屋』は屋号で、姓は中島とい<うが、>・・・中島家は元々、武士の家柄<だったところ、>・・・徳川家の庇護を受けたことで江戸時代には呉服商と、今で言う銀行業の両替商を営んでい<た。>・・・
 同じく江戸時代に豪商と呼ばれた松坂屋・・・、三越・・・は、武士だけでなく庶民を相手に商売をやっていたので、徳川家と共に傾くことはなかったの<だ>が、茶屋家は徳川家との縁が深すぎ、共倒れとなった<。>・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/97c2ba01eeb3464c27a562baa8e255b991b83e4f

 義龍と道三/信長の対立も、基本的には日蓮主義を巡る争いだった、と、私は見ているワケだ。↓

 「・・・岐阜市文化財保護課の内堀信雄さんに解説してもらった。  
 道三は戦の天才だが、ワンマンで行政力は低かった。一方、義龍は父のような派手さはないが、行政役人としてはとても有能だった。美濃を統治していく段階になると、部下としては義龍に付いていこうと考える者が多かった。  
 長良川の戦いに関して「道三は勝つつもりがなく、負け戦を覚悟で臨んだ」という意見も多い。しかし、道三の生きざまから考えると、私は疑問。彼はどんな困難な戦いでも、勝つための戦略をひねり出してきた。この戦いも、必ず勝利へのシナリオを描いていたはずだ。  
 ならばどこで誤算が生じたのか。やはり織田信長の援軍が、義龍軍に阻まれて来られなかったことが大きかったのではないか。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/aaf456eac280a84ea2a0e57b862ee29f1f1d9d67

 日・文カルト問題。↓

 <そうだそうだ、と、面倒っちいから言っておこう。↓>
 「・・・反日と反共は、単純な善悪の構図で語るべきことではない。韓国が生まれて成長してきた精神の歴史そのものだ。
 20世紀の反共主義は、時として罪なき人々に苦痛をもたらした。21世紀の今は、むしろ反日主義が悪用されている様子が目に留まる。国際秩序が揺らぎ、新たな冷戦の黒雲が押し寄せている今、韓国には他の選択肢がない。古い親日フレームは昇華ではなく退化へと至るだけだ。民主党と李在明(イ・ジェミョン)代表は無責任な反日扇動をやめて、痛ましい過去の肯定的昇華のために力添えをすべきだ。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/04/07/2023040780109.html
 <これは、そうだそうだ、で終り。↓>
 「・・・ 世界中の人々が最も愛するスポーツマン、大谷翔平に戻ってみよう。彼はなぜ投手と打者を兼ねる、いわゆる「二刀流」の道を歩んでいるのだろうか。もしかしたら、野球にもっと没頭するために自らに大きな負担を掛けているのかもしれない。幼い頃から同年代に比べてずば抜けた体格、体力、技術を持ち合わせていただけに、片方だけに専念していたら野球がつまらなくなって没頭できなくなる恐れもあったかもしれない。
 幸せへの道は単純だ。私に与えられた仕事を、私が今できるものよりも少し難しく、もう少し一生懸命にすることだ。誰もが大谷のように成功するわけではないが、大谷のような幸せを味わうことは不可能ではない。働く人、仕事を通じて幸せになりたい人のための、真の労働改革が切実に願われる理由だ。」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/04/08/2023040880040.html
 <同じく。↓>
 「【社説】韓国民主党議員の見苦しい「訪日政治ショー」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/302998
 <こういう日本への注目はよろしい。↓>
 「日本の研究所「米朝が核兵器戦争なら最大210万人死亡」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/303000
 <日韓交流人士モノ。↓>
 「韓国・釜山で「朝鮮通信使祭り」 来月5~7日開催・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230407003100882?section=society-culture/index

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <英語媒体より。
 習ちゃんが自らマクロンをご案内するハズだわ。↓>
 French Diplomacy Undercuts U.S. Efforts to Rein China In–Allies don’t always see things the same way, as Emmanuel Macron’s cozy visit to Xi Jinping made abundantly clear.・・・
https://www.nytimes.com/2023/04/08/world/asia/macron-xi-france-china.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 元信頼醸成措置の政府専門家にして国際海洋会議日本代表団の一員だった私としちゃ、クサせないわな。↓>
 「中国と日本が4月10日に東京で第15回中日高級事務レベル海洋協議を行うことで合意した・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b912147-s12-c100-d0165.html

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太田述正コラム#13412(2023.4.9)
<小山俊樹『五・一五事件–海軍青年将校たちの「昭和維新」』を読む(その29)>

→非公開