太田述正コラム#2231(2007.12.12)
<近況報告(続x3)>(2008.1.11公開)
 (本篇は当分の間、非公開にします。)
1 始めに
 昨日私が行った記者会見については、本日取材を受けた河北新報の記者によれば、朝日と毎日と東京新聞が記事にしているそうですが、私が目にしたのは朝日の記事(電子版)とこの記者がくれた東京新聞の記事のコピーだけです。
 この二つの記事について、今回は語りたいと思います。
2 朝日新聞の記事
 電子版に載った記事は短いので、ここは朝日に目をつぶってもらって全文を転載しましょう。
    –現宮城県知事も口利き」 元防衛官僚証言、知事側否定–
 元仙台防衛施設局長の太田述正(のぶまさ)氏(58)は11日に東京都内で記者会見し、99年に、当時宮城県議だった村井嘉浩・同県知事や元防衛庁幹部 ら計4人から同局発注工事に関する口利きを受けたと述べた。これに対し、村井知事は「全然知らない。あり得ない」と全面的に否定している。
 太田氏はパソコンに保存していた日記に記載がある、と説明。それによると、99年11月22日、村井氏から紹介を受け、村井氏同伴で仙台市内の建設会社社長ら2人と面会。会社社長から「協会加盟各社をよろしく。××〈原文は会社名〉は、十数年前以来、局から一度も指名がない」と言われたという。
 また、訪問時のやりとりのメモを同日中に仙台防衛施設局の建設企画課長に手渡したと日記に記していた。その後、この会社は同局発注工事の入札指名を受けたが受注はしていないという。
 太田氏は、元防衛庁幹部ら4人の「口利き」について述べた理由について「(前防衛事務次官の)守屋武昌容疑者ばかりが取り上げられているが、防衛省の不祥事は幹部全体の問題だということを知ってほしかった」と説明した。
http://www.asahi.com/national/update/1211/TKY200712110375.html
 この記事は、惜しいかな、一点誤りがあります。
 「訪問時のやりとりのメモを同日中に仙台防衛施設局の建設企画課長に手渡したと日記に記していた。」
は、ちょっと長くなりますが、
 「訪問時のやりとりは仙台防衛施設局の建設部には伝えていなかったが、翌年に建設企画課長につくらせた口利きリストには99年11月22日に村井氏から口利きがあったと記されているところを見ると、同日、村井氏らは局長を訪問すると同時に局の建設部も訪問し、その折、建設部において口利きとして記録されたと考えられるという。」
の誤りです。
 私は、記者会見の説明のポイントをこの点に置いたつもりだったのですが、残念ながら朝日の記者には伝わらなかったようです。
 記者会見の録音があれば、彼にはぜひもう一度聞いて確かめてもらいたいものです。
 いずれにせよ、私としても、説明の仕方をもっともっと工夫しなければならないと反省させられています。
3 東京新聞の記事
 東京新聞の記事は、記者会見する私の大きな写真入りのかなりでかい記事です。
 内容は一点非の打ち所もありません。
 以前間違いだらけの私とのインタビュー記事を載せた東京新聞が起死回生のクリーンヒットを放ったといったところです。
 書いた記者に、次のようなメールを本日送っておきました。
<引用始め>
○○ 様
 河北新報の記者から本日、恐らく○○さんが書かれたであろう私の記者会見に関する記事のコピーをもらい、読ませていただきました。
 素晴らしい記事をありがとうございました。
 (朝日の記事は、私と懇意の記者が書いたにもかかわらず、事実関係に誤りがあります。)
 私は、今回の記者会見をメディアミックス形式でやろうと思い、東京新聞(●●記者)と東北放送の二社にできるだけ詳しく報じていただくべく根回しをしたのですが、東北放送さんは、事前に私へのインタビューを収録する決断がつかず、また、●●記者からは(土曜日に申し入れたのですが)日曜夜に、詳細な資料をメール送付してあったにもかかわらず、月曜中にご返事をいただけなかったため、裸の記者会見になったものです。
 しかし、結果的には、東北放送さんとは記者会見直後にインタビューを収録でき(放映したかどうかは知らない)、また、東京新聞さんも、良い詳しい記事を翌日掲載されたので、私の当初からの目論見はほぼうまくいったと言えるのではないでしょうか。
 それはともかく、昨夕のお電話(留守電)に気付かず、○○さんにコンタクトできなかったことをおわびします。
 (河北新報の記者も、記者会見を知らず、あわててほぼ同じ時間に私の留守電にメッセージを残していたのですが、やはり私が気付かなかったため、結局私への取材は本日にずれ込んだわけで、皆さんに多大なご迷惑をかけてしまいました。)
 取り急ぎ、お詫びと感謝の意をお伝えしようと思ってメールしました。
 今後ともどうぞよろしく。
                    太田 述正
<引用終わり>
 この記事は長いので全文を転載することはあきらめ、終わりの部分だけをご紹介しておきます。
 ・・・たった一人で”告発”を続ける太田氏。東京地検特捜部の捜査や国会審議が続く中で、記者会見に踏み切ったのはなぜか。そこには、疑惑に幕が引かれそうな現状に対する焦りがあるようだ。
 「残念ながら、追及があまり見えてこない。検察は捜査していると信じたいが、国会は尻すぼみで、腰砕けになっている。微力ながら、私も前線に立って援護射撃したい。事実関係を一部でも、一人でも二人でも認める人が出てくることを期待している。」
 この記事では、村井知事の言葉として、「・・・こうした口利きの事実はない。かなりの憤りを感じており、全く根拠なく証拠もないものを出されることに名誉毀損で訴えたい気持ちだ」を紹介していますが、「訴える」と言い切っていないことからすると、訴える気はなさそうです。
 当たり前のことですがね。
 (それにしても、どこか、額賀さんの口を利いた業者である松田組の関係者の名刺を報じたところはないのでしょうか。)