太田述正コラム#2306(2008.1.18)
<皆さんとディスカッション(続x40)>
<内田 一>
 日本国はアメリカの属国であるとのご意見ですね。
 防衛官僚であった太田述正さんは、どのようにすべきであるとお考えでしょうか。
 また、真の独立国家となれるのでしょうか。
 それとも、現在までの様な立場が、結局は日本にとってメリットがあるのでしょうか。
<太田>
 私の考えについてはこれまで何度も明らかにしています。
 私に聞くより、皆さん一人一人がどうすべきであるか、ご自分で判断していただきたいと思います。 
 「真の独立国家」なんて形而上学的なことはどうでもよいのです。
 法理論上独立国家であるかどうかを私は問題にしているのです。
 憲法(の政府解釈)と日米安保条約(広義の日本国憲法の一環です)から、私は法理論上日本は独立国家ではなく、米国の保護国(属国)であると指摘しているのです。
 これは私の「ご意見」なのではなく、真実なのです。
 こういう話を「日本にとってメリットがある」かどうかで判断しようとする発想そのものが、奴隷の発想です。
 これだって私の「ご意見」なのではなく、真実です。
<読者>
 コラム#1875「CIAの実相(その1)」を読みました。
 最近、「反米大陸」という伊藤千尋著の新書を読んだのですが、そこに出てくるCIAの狡猾さとはエラい違いですねえ。w
<太田>
 この20~30年来日本人が外国について書いたものは基本的に読まないようにしている私を見倣ってください。
 とりわけ宗主国米国について、日本人は過大評価する嫌いがあることに注意が必要です。
 軍事力が強いからといって旧ソ連は学ぶに値しませんでしたし、経済力が強いからといって現在の中共など学ぶに値しないことくらいはお分かりのことと思います。
 私は、一貫して米国・・その軍事力と経済力は群を抜いています・・はできそこないのアングロサクソンであり、智恵の足りない大男であって、母国の英国(正確にはイギリス)ほどには学ぶに値しない国であると主張してきました。
 米CIAができの悪いのは当たり前だ、と思わなければならないのです。
<ちんみ>
 コラム#1429「佐藤優の「国家の罠」(その4)」を読みました。
>米国の保護国である日本に外交政策>など存在し得ないことは言うまでも>ありません。そんなコップの中の争>いをしているヒマがあったら…
 ドッひゃー…素人にもわかる お見事なカウンターパンチがヒット!
 効いてイマス。。
 検察や拘置所他 読み物として面白いですが。
<太田>
 だけど、外務省キャリアの大部分より佐藤さんの方が優秀な外交官であったことは間違いありません。
 大部分の外務省キャリアの諸君、仕事を碌にしていないのだから、在外公館勤務で貯め込んだカネ、ODAがらみで以前業者からしこたまもらった贈答品を返せ!
<大阪の川にゃ>
 コラム#602、603「2島返還で、北方領土問題解決を」を読みました。
1、サンフランシスコ講和条約の千島列島放棄の条項を、関係各国と協議して改正はできないのでしょうか。旧ソ連は締結国ではないのでいけるかも、と甘い期待を抱いてます。
 まあ、改正というか、「千島」の定義を国後・択捉を除くもの、と定義する条項を新たに入れるものです。
 日本以外の国々がロシアを敵に回すことになるので、とてもできない相談ということでしょうか。
2、靖国参拝するのならサ条約を破棄してからにしないと矛盾する、という人もいます。いっそのこと破棄したら、とも思いますが、旧交戦国間に平和条約がなくなるのですから、緊張が高まる気がします。
3、もちろん、保護国日本が上記1・2のような「外交」なんてとてもできない事は、百も承知です。
<太田>
 コメントは控えさせていただきます。
 なお、コラムの番号を↓に入れれば、そのコラムのURLが分かるようになったのでやってみてください。
http://www.ohtan.net/blogtoc/
<有料読者SM>
 『防衛庁再生宣言』届きました。ありがとうございます。
 僭越ながら、一言意見させてください。
 包み紙の使用済みの封筒がプライベートあまりにも出しすぎです。マジックで消され
た部分もかざせば読めました。
 志を同じくする私なので、この件ではまったく心配ございません。
 ただし、今日本最大の某組織とガチンコバトルされている現実を認識してください。
 ちょっと脇が甘いのではないかと思います。
 おこがましい限りで、失礼いたしました。
 末永いご活躍をお祈り申し上げます。
<太田>
 ご心配いただいて恐縮です。
 私は政治活動(革命活動(?!))を行っている公人であると自分では思っており、基本的にはプライバシーはない、という認識です。
 家族のことなど、調べようとすれば簡単に調べられるでしょう。
 今後名誉毀損訴訟や諸々のいやがらせを受けることも予期しています。
 一つ、名誉毀損訴訟を経験し、敗訴しましたが、次はもっとねばり強く戦いますし、最悪の場合の覚悟もできています。
 それにしても、ご心配いただいたことに再度感謝申し上げます。
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太田述正コラム#2307(2008.1.18)
<ガンジー・チャーチル・ホロコースト(その4)>
→非公開