太田述正コラム#2399(2008.3.3)
<皆さんとディスカッション(続x77)>
<桜の花>
 自衛隊の不祥事の大部分を考えると、日米安保条約自体、噂にある不平等条約(秘密部分を含む)に起因しているのではないだろうか?
 事件が起こるたびに隠蔽を繰り返し起こしているのが官僚と政府の政治家達です。総理大臣に指揮権があるとは考えられない出来事です。
 まさか、日本国自衛隊の指揮権は未だに米軍にあるのではありませんか?
 どこを向いているか解からない自衛隊幹部の姿勢がうなずける。
 自衛隊の姿勢は 護民官であるべきなのですが 現状ではあらゆる点で残念です。
<太田>
 私の知る限り、日米の不平等条約的なものでオープンにされていないものと言えば、米軍が日本に設置した戦略情報収集施設を自衛隊が引き継いだ際、米側からの見返りなしに、自衛隊が得た戦略情報は米軍に提供することを約束させられていることくらいです。
 私がかねてから力説しているように、日本は米国の属国(保護国)であるわけですが、平時有事を問わず米軍が自衛隊の指揮権を持つことはありません。
 防衛省/自衛隊の様々な不祥事は、日本が米国の属国であること、だから自衛隊など持つ必要がないのに、米国世論への申し開き上見かけだけの軍隊である自衛隊を保持していることに起因しているのです。
 どうせ米国の属国なのであれば、(政府憲法解釈を変更した上で)米軍に自衛隊の指揮権を与えるというオプションもありうるわけであり、最初からそうしていたとすれば、米軍が自衛隊をもっとまともなものにしてくれていたはずであり、防衛省/自衛隊の様々な不祥事は、ご指摘とは逆に、かなり少なくなっていた可能性が大です。
<いむれ・さるろす>
 博覧強記のコラムをいつも感心しつつ興味深く読ませていただいております。
 新規有料読者になりました。アングロサクソンについてのコラムをゆっくりまとめて読むつもりをしていますが、次々興味深い新しいissueが表われ、なかなか到達できません。先に楽しみがあるのもよいものです。
 お身体にお気をつけられて、ご活躍くださいますようお祈りしています。
<太田>
 激励ありがとうございます。
 随分長い間、太田コラムの女性の有料読者は1~2名にとどまっていましたが、テレビに出だしてから、女性の有料読者が一挙に増え、大変うれしく思っています。
<かたせ>
天下りを辞めさせる為に政権交代が必要?
 何をどうしたら、そんなとんでも理論が展開出来るのか馬鹿にも解るように説明してくれ。
<太田>
 「民主党は<2007年5月>9日午後、「国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案」はじめ4案からなる「天下り根絶法案」を衆議院に提出した。 国家公務員の天下りあっせんを全面禁止する内容となっており、あっせんを官民人材交流センターに一元化するとしている政府の国家公務員法改正案の対案となる。 民主党案では「再就職の制限の強化」として、国家公務員の天下りを原則禁止する期間を離職後2年間から離職後5年間に拡大。天下り先の規制対象を営利企業に加えて非営利法人等に拡大した。また、「政府によるあっせんの禁止」として、各省庁による職員に対する再就職のあっせん等の関与を禁止、「人材バンク」も設置しないこととした。 このほか、「退職職員の働きかけ行為の禁止」として、退職職員は離職後10年間は、離職前の在職機関の職員に対し、離職後5年間は働きかけ行為を禁止、あわせて「国が関与する限り、再就職先はあっせんを断れない」との観点で定年前の退職を勧奨することを禁止することを定めている。地方公務員については離職後5年間は天下りを原則禁止、特殊法人や独立行政法人の役職員は、離職後2年間を原則禁止としている。」(
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=9979 
。3月2日アクセス)
 このように、自民党が、政官業の癒着構造の中核的存在として天下り禁止への動きを全く見せていない一方で、民主党は天下り禁止法案まで昨年既に提出しているのですから、「天下りを辞めさせる為に政権交代が必要」であることは明白でしょう。
<コバ>
 馬鹿の一人として思い至ったのは、自民党公明党政権がズルズルと延命したところで、政権に都合の悪い構造改革など絶対にしないし、天下りは絶対になくそうとしないということです。
 恨み言も言わずに、ただ負け犬として朽ちるよりは、自民党や官僚機構にへなちょこパンチのひとつでもかましてやりたいではありませんか。
 民主党が政権を取って、天下りをなくそうとしなければ、すかさず自民党が言行不一致を攻撃するでしょうし・・。
 弛緩した政治に緊張感を取り戻すためにも、政権交代は非常に有効だと思います。
<太田>
 2月1、2両日に実施された毎日新聞の世論調査で、福田康夫内閣の支持率は30%で、昨年9月の政権発足以来最低を更新、不支持率は初めて半数を超える51%となったのは、一連の防衛省不祥事の影響が大だと思いますが、それでもなお、政党支持率は自民26%、、民主23%と自民が民主を上回っているのは残念です。(数字は、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080302-00000051-mai-pol
。3月2日アクセス)による。
 このところの民主党の代表は、岡田、前原、小沢とミスキャスト続きですが、そんなことには目をつぶって、とにかく政権交代を実現しなければなりません。
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太田述正コラム#2400(2008.3.3)
<あたごの衝突事故(その2)>
→非公開