太田述正コラム#2520(2008.5.1)
<皆さんとディスカッション(続x126)>
<ケンスケ2>
 コラム#2442「台湾総統選挙」を読みました。
 日本も次の総選挙までのことと思いますよ。
 自公政権が、2/3にしがみつけばしがみつくほど、次の総選挙の敗北の幅が大きくなるだけでしょうから。
 その意味では,小泉さんは大きな置きみやげを残してくれたことになりますね。
 愚かな既得権集団は、結局2009.9まで、しがみつき続けるでしょう。
 さすがにミャンマーのように、敗北後総選挙無効を言い立てたりは、しないと思いますが。
 それだけは????
 そのとき自衛隊と警察は???
 選挙前に、2/3を使ってゲリマンダリングを試みるかも知れませんが。
<太田>
 日本列島のことばかりではなく、台湾のことも、旧日本帝国領域内のことですから、皆さん、もっと関心を持ちましょう!
 中国国民党党首の馬次期台湾総統の話も出てくるコラム#2446を公開したところですが、馬氏について、最近注目すべきニュースがあります。
 一つ目は、支那人の性格的欠陥を指摘した『醜い中国人(醜陋的中國人=The Ugly Chinaman)』(1984年)の著者として日本でも知られる、柏楊(Bo Yang。1920~2008年)・・国民党の独裁政権を風刺する作品を相次いで発表し、1968年に逮捕されて9年間政治犯として服役し、民進党の陳水扁総統の高級顧問を勤めた・・が4月29日に亡くなったのですが、この柏楊を、馬が4月16日に見舞っていたことです( 
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2008/04/30/2003410623
http://www.asahi.com/obituaries/update/0429/TKY200804290212.html  
(どちらも4月30日アクセス))。
 二つめは、馬が、台湾の対中共交渉担当大臣と言ってよい大陸協会(Mainland Affairs Council=MAC) の会長に、元台湾団結連盟(Taiwan Solidarity Union=TSU)の元立法院議員、賴幸媛(Lai Shin-yuan)女史(現在でも台湾団結連盟の党員)を任命したことです。
 台湾団結連盟は、李登輝前総統が事実上指導者であるところの、民進党より強硬な「独立」派であり、国民党内部に激震が走っています。
 (以上、
http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2008/04/30/2003410646
(4月30日アクセス)、
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2008/05/01/2003410707 
(5月1日アクセス)による。)
 中共当局はもっとショックでしょう。大陸協会のカウンターパートである中共の台湾事務弁公室(Taiwan Affairs Office)の広報官は、賴女史の任命についてのコメントを拒否しました。(
http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2008/05/01/2003410722
。5月1日アクセス)
 ところで、台湾の報道の自由度指数が、世界195国または地域中、初めて日本(35位)を上回り、32位になりました。(韓国が香港と同じ67位というのはちょっと可哀想ですが・・。)(
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2008/05/01/2003410718
。5月1日アクセス)。心から祝福したいと思います。
 また、台湾国籍を持つチベット人亡命者の札西慈仁(Tashi Tsering)が、長野市での聖火リレー妨害(フリー/チベットと叫んで飛び出し制止された)の廉で逮捕され、今なお勾留されていることが、卵を投げつけた3人の日本人はもう釈放されていることに照らし、不当であるとの声が台湾内で起こっていますよ(
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2008/05/01/2003410715
。5月1日アクセス)。
 確かに、民主主義(コラム#2448。未公開)だけでなく表現の自由の面でも、ひいては人権擁護の面でも日本は台湾の後塵を拝す立場になったのかも。
<自転車泥棒>
 コラム#2516「チベット騒擾(続x9)」を読みました。
 朝日は、親中は親中でも、江沢民派とのパイプが強いように感じます。
 だから、同じ中国のことでも、江沢民派と対立している胡錦濤にはつれないのでしょう。
<太田>
 議論には典拠をつけましょう!
<タテジマ>
どうも有料版がブログに出てる感じがするんですが。
 気のせいかな 「チベット騒擾」とか。
<太田>
 今話題に出たコラム#2516「チベット騒擾(続x9)」のことですね。
 「チベット騒擾」シリーズは非公開(逐次公開中)ですが、「続x9」だけは、例外的に最初から公開したということです。
 ちなみに、「その1」、「その2」と続けるシリーズはすべて非公開か公開にしますが、「続くx○」と続けるシリーズは、一篇ずつ、独立のコラムだとお考え下さい。
<FUKO>
 コラム#2507(未公開)でオバマ氏の師であるライト牧師の説教をとりあげておられますが、そのライト牧師にオバマ氏が不快感を表したようです。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080429/amr0804291805008-n1.htm
http://www.asahi.com/international/update/0429/TKY200804290207.html?ref=rss
 太田氏はこの事についてどうお考えになりますか?
 日本人としてはオバマ氏とライト牧師の関係は良好であってほしいですが・・。
<太田>
 シリーズの続きをお読みいただきたいが、
 「ライト<が>原爆投下を行った米国と9.11同時多発テロの下手人とをいずれもテロリストと括った上で、英国が(奴隷貿易について)アフリカに謝罪したように米国が奴隷制について黒人に謝罪しておらず、また、米国が原爆投下についても日本に謝罪していない以上、米国は9.11同時多発テロを喰らっても文句は言えないと主張している」
こと、そしてこの種発言についてライトが米国で袋だたきに遭っていること、に日本のメディアはもっと敏感に反応すべきでしょう。
 引用された朝日の記事も産経の記事も、また、私が参照した朝日の記事(
http://www.asahi.com/international/update/0430/TKY200804300122.html
。5月1日アクセス)にしても、上記ライト発言を全く報じていませんが、こんな自己規制めいた電子版記事を読まされる日本の皆さんは本当にお気の毒です。
 私は、ライトを見ていると、自分自身がライトであるような錯覚に陥ってしまいます。
 このようなライトの発言に対し、オバマが不快感を表明し、ライトと袂を分かつと宣言したのは、イエスが逮捕された時、イエスの使徒達が異口同音に、自分達はイエスとは関係がないと主張した話(聖書)を思い起こさせます。
 オバマ(使徒)が何を言おうと、オバマ(使徒)がライト(イエス)の弟子であることに変わりはありませんし、オバマ(使徒)やライト(イエス)が貶められることにもなりません。
 日本会議と原水協(まだあるんだろうね)が連名でライトを日本に招待する日が来たらいいなあ。
<大阪の川にゃ>
≫地域のいかなる問題だってあなたのおっしゃる「純粋に民生部門」であるとは言えないのではないでしょうか。(太田)≪(コラム#2320)
 後段に対してお答えがないのは、何故でしょう。
 いっそのこと知事も外国人OKにしましょうか。
<太田>
 後段って「現状でも、外国人を研修生として大量に(当然政治家の利権がらみですが)受け入れています。日本は十分「国際社会」でしょう。」(大阪の川にゃ)のことですか?
 研修医制度の改正によって全国各地で医師不足になっている問題はさておき、産婦人科医も解剖医も絶対数が不足していると承知しています(典拠省略)。
 特定の職種が不足してしまうというのは、日本がヒトの面で鎖国している証拠です。
 ちなみに、英国なんざ、医師の半分は外国で医師資格をとった人々ですよ(
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article3321919.ece
。5月1日アクセス)。
 大体からして、「研修生」なんてのはおかしい。堂々と労働者の受け入れができるようにすべきでしょう。
<通りすがりますが>
 コラム#1666「ポルノと強姦(その1)」を読みました。
≫「アフリカにポルノが普及すれば性犯罪が減少する」とはいえない・・・≪
 アフリカでの性犯罪の多さの原因には、そもそも女性の人権が弱いことと、「処女を冒せばエイズが治る」という迷信(アフリカでのエイズ罹患率はかなり高い)が蔓延している事をあげる人は少なく無いのですが・・(汗)
≫たとえば科学的根拠は未確認だが肉食化と性犯罪は因果関係があるとよく言われる。≪
 え?ご自分で「厳正な実験を行うことができない事象について科学的推論を行うべきではありません」って主張していながら、それを言うのですか?
 あなたそれ、矛盾してませんか?
<太田>
 オイオイ、引用箇所はどちらもコラム#1666に対するある読者からの投稿中の文章じゃないの。
 相当慌て者だね、キミ。
 なお、アフリカでのエイズ問題をコラム#25で取り上げたことがあるのでご一読を。
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太田述正コラム#2521(2008.5.1)
<オバマ大頭領誕生へ?(続x7)(その3)>
→非公開