太田述正コラム#2552(2008.5.17)
<皆さんとディスカッション(続x141)>
<ウッチー>
 毎日拝読しています。
 朝生にご出演との事で、いよいよメジャーですね。
 たかじん、太田総理のような、アホ相手のバラエティーとは違うので、少し心配です。
 他の出演者がどなたかは分かりませんが、口八丁、発言潰しの連中である事は間違いないでしょう。
 当然だとは思いますが、夫々背負った物や目論見が有る人が来るわけです。
 太田ツブシの目論見もあるはずで、多分、碌に喋らせてはもらえないのでは。
 正念場だと思います。頑張ってください。
<太田>
 ご心配いただき、痛みいります。
 それにしても、朝生ってまだやってたんですね。
<コバ>
 米国税関が、外国から米国へ入国する全ての人が保持するPCのデータをコピーする新制度が始まるとの記事がありました(
http://www.technobahn.com/news/2008/200805161507.html
)。
 本当にこの新制度が導入されたら、米国へ行くのが非常に面倒になってしまいそうですね。
 安全保障音痴の日本人としては、何でそこまでやるのか、と思ってしまいます。
<太田>
 手間とコスト、そして効果を考えると、この話、にわかには信じられません。
<コバ>
北朝鮮との国交正常化を目指す議員連盟が発足する(
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/poli_news6.html?now=20080517164223
)そうですが、自民党公明党政権のままでは拉致問題も核問題も北朝鮮に関する問題がうやむやにされてしまいそうです。
 民主党が政権を奪取することになれば、現状よりはマシな対北朝鮮政策は望めるのでしょうか。
<太田>
 日本は米国の属国だし軍隊も持っていません。
 属国ですから、どこの国との外交にせよ、米国の定めた土俵の上でしか日本がマヌーバーする余地はありません。
 また仮に、日本が歴とした独立国であったとしても、軍隊を持っていないのですから、いくら日本が経済力やソフトパワーがあっても、安全保障を最優先に考える北朝鮮のような国に対しては、外交手段の大部分を欠いているのが実状です。
 ですから、民主党政権になっても、対北朝鮮政策が現状よりマシになることはありえません。
 
<ケンスケ2>
 田中角栄の訪中も、共和党のニクソン政権の末期でしたね。
 ブッシュ政権末期の今、六ヵ国協議も明らかに日本の意志を無視して結論を出す方向に突っ走っていって居ますし。
 今明らかにアメリカが対日政策を変更して、アジアの2極の一つ、つまり一ローカルパワーに過ぎないとして突き放し、世界の問題への発言を無視し始めているとき、このレスキュー隊の活動が、かつての田中外交の役割を果たすことになるかも知れませんね。
 日中が、同盟とまで行かなくても友好関係を深める事態になれば、アメリカも、そして対中批判を強めている欧州特にフランスもかなりあわてるかも知れませんよ。
 彼らの基本戦略は,日中分断統治戦略の上につくられていますから。
 両国を咬み合わせ続ける戦略の上に。
<太田>
 皆さん、私のコラムを読んでおられるはずなのに、日本が米国の属国に過ぎないことをお忘れのようですね。
 米国も、フランスも、そしてもちろん中共も、日本が米国の属国であることを前提に動いているのです。
<読者A>
 コラム#2550の件です。
返信どうもです。自分はML組です。(まとめて見ることが多いです。)
 2541で太田さんが紹介された米国の声の中の人道的介入にソマリアの件が含まれていて自分の抱いていた印象と違っていたので、質問した次第です。
≫軍政当局の同意なしにミャンマーのサイクロン被災地域に直接支援物資を届ける、ということです≪(太田)
 普通に圧倒する軍事力を援助側が持たない限り、ミャンマー軍の妨害を排除できないのでは?とも思ったりしています。
 個人的妄想ですが、次の戦争の理由に使われそうな気がしてちょっと心配だったりします。
<太田>
 有料読者の方であったとは失礼しました。
 ソマリアの場合は、1991年から、内戦状態の下で人道的危機状態となり、1992年に入って、人道的支援を主目的として国連平和維持活動が開始されたところ、埒が明かない状況が続いたので、(ブッシュ父政権下の)1992年末、国連国連安保理の承認の下で、米軍を中心とした多国籍軍が強制的に人道支援を行うために軍事介入を行い、いわゆるブラックホーク・ダウン(Black Hawk Down)を経て(クリントン政権下の)1993年、介入後10ヶ月後に米軍が撤退したわけです。
 (以上、
http://en.wikipedia.org/wiki/UNOSOM_I
http://www.slate.com/?id=2060941
http://www.twf.org/News/Y2002/0119-Somalia.html
(いずれも5月17日アクセス)による。)
 この時のことがあるので、中共やロシア以外の主要国連加盟国の間でも、ミャンマーにおける(軍事力を用いた一方的)人道的介入に慎重な意見があるのは確かです。
 要は、ソマリアとミャンマーじゃ相当事情が違うと考えるか否かでしょうね。
 
<だっと>
 –北海道開発局の談合–
http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY200805140324.html
 天下りを不正の温床として取り上げるマスコミって珍しいと思いました。
 太田さんや掲示板の皆さんは既にご存知かもしれませんが、何かの役に立ててもらえればと思い、ここに貼らせてもらいます。
<太田>
 読んでました。
 官製談合はなくなったはずだし、官がからまない談合だって根絶されつつあるとされているのに、いまだに公共事業発注官庁から関係企業に天下っている官僚OBがいるとすれば、談合が依然行われているか、不必要な随契が行われているか、その両方でしょうね。
 やっぱ、政権交代しなくっちゃ。
 自公政権がいやいやつくったできの悪い公務員制度改革基本法案の成立すら自民党内での抵抗で危ぶまれている(
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008051702011971.html
。5月17日アクセス)のは予想通りです。
 全く違う話題を二つ。
 一番目はコラム#2545(未公開)がらみです。
 このコラムで言及した、アインシュタインの、神の存在とユダヤ人の選民性を否定した(新しく発掘された)手紙が競売にかけられた結果、何と40万米ドルで落札されました(
http://www.nytimes.com/2008/05/17/science/17einsteinw.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print
。5月17日アクセス)。
 二番目は、欧州文明は人種差別文明であるという私の一貫した主張を裏付ける新たなニュースのご紹介です。
 世論調査で、イタリア人の68%がイタリア在住の(イタリア国籍保有者を含む)15万人のジプシーの国外追放を望んでいるという結果が出ました。
 ジプシーのうち7万人はイタリア国籍を保有しており、うち3万人は15世紀に移住してきた人々です。
 残りはそれ以降の移住者であり、多くは1990年代にバルカン諸国からやってきた人々です。
 更に,2007年にルーマニアがEUに加盟するとルーマニアから約50万人の人々がイタリアにやってきました。そのうち1万人がジプシーです。
 上記世論調査では、イタリア人の81%がどこからやってきたかどうかを問わずジプシーは「嫌い」ないし「大嫌い」と答えました。もっともジプシー以外のルーマニア人についても似たり寄ったりですが・・。
 (以上、
http://www.guardian.co.uk/world/2008/may/17/italy
(5月17日アクセス)による。)
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太田述正コラム#2553(2008.5.17)
<ミャンマーと中共の大災害(その3)>
→非公開