太田述正コラム#2189(2007.11.21)
<人種別知能指数比較(その2)>(2008.5.21公開)
(本シリーズの前篇は即時公開しましたが、本篇は当分の間、非公開とします。)
それでは、サレタンの二日分の話のさわりをご紹介しましょう。
なお、私は一人の人間の書いたものだけに拠ってコラムを書くことは原則としてしないのですが、なかなか本格的なコラムを書く時間がとれないことと、サレタン自身が資料を広汎に渉猟して本コラムシリーズを書いていることから、ご容赦いただきたいと思います。
米国の黒人はアフリカの黒人よりIQが15高い。
これは、米国の黒人に白人との混血が多いからだ。
実際、米国の黒人の中で最もIQが低いのは、最も混血が少ない南部の黒人だ。
同様、南アフリカの黒人と白人の混血は同じ南アフリカの黒人と白人のIQの中間値を示す。
良い環境はIQに良い影響を及ぼす。
母親は父親よりも子供に及ぼす環境的・生物学的影響が大きい。
ただし、ここで言う生物学的影響とは、ホルモン的または栄養学的影響であって遺伝的影響ではない。
現時点で、言えることは次のとおりだ。
一、個々人のIQを人種のIQから予想することはできない。
二、部分集合のIQを人種のIQから予想することはできない。
例えば、米軍兵士は、一定以上のIQの者を選別して採用されることから、白人兵士と黒人兵士との間にIQ差はない。
三、白人のIQは世界の人種の中でトップではない。
四、人種差別は情報不足に由来する選良主義だ。
個々人のIQを公開すれば、人種による十把一絡げ的差別は雲散霧消する。
五、人種間婚姻は格差を縮める
六、環境要因も重要
IQの違いの20%から50%は環境要因に起因する。
とりわけ大きいのは栄養不足、疾病、教育不足であり、これらは、白人とアフリカの黒人の間にIQ差30ポイントをもたらした大きな要因だ。
七、IQは富のようなもの
金持ちはけしからんと貧乏人は次第に言わなくなった。IQの大小についてもやがて人々は問題にしなくなるだろう。しょせんIQは人間の価値の指標などではなく、現代における社会的経済的成功を予測させる指標にすぎないからだ。
八、人生はIQを超えている
たとえIQは低くても、勤勉であるならばそれはそれで立派なことだ。
九、子供は投資対象ではない
IQが低い子供だって人権がある。
十、遺伝上のハンデは克服可能
遺伝病であるフェニケルトン病(phenylketunuria=PKU)は治癒可能だ。また、環境を変えることである程度ハンデを克服することも可能だ。
しかし、白人の女性は黒人の女性の3倍母乳で乳児を育てるところ、黒人ももっと母乳で育てるようになれば黒人のIQも上がると主張されたこともあるが、最新の研究によれば、母乳で育った乳児は、そうでない乳児よりIQが7ポイント高いところ、中には母乳で育ってもIQが高くならない乳児がいるし、特定の遺伝子を欠いているためにかえってIQが低下する乳児もいることが分かってきた。
ちなみに、この遺伝子を欠いている割合は、支那人や日本人は2.2%、欧州系米国人は5%、ナイジェリア人は10%だ。
(以上、
http://www.slate.com/id/2178122/entry/2178124/、
http://www.slate.com/id/2178122/entry/0/
(どちらも11月21日アクセス)による。)
3 感想
まだご存じなかった方々は、朝鮮半島の住民と日本人が、平均IQにおいて世界有数の高さを誇っていることを覚えておいてくださいね。
(完)
人種別知能指数比較(その2)
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