太田述正コラム#2592(2008.6.6)
<皆さんとディスカッション(続x156)>
<おはなし>
>如蘭会のパプリックフォーラム
すいません。トワイライトフォーラムの間違いでした^^。
それより、コラム#2584でのkaiwareさんの投稿なされた
>確か、国民の金融資産1400兆の内7割位は高齢者が保有しているはず。とても海外に逃げ出すとは思えない。
この意見にも一理あるとは思いましたが・・・。
<太田>
高齢者は、引っ越しはおっくうかもしれないけれど、他方で勤務先等、しがらみから解放された人も多く、インターネットや航空便の発達で、日本にいる親戚や友人とコンタクトを保つことも容易になっています。
それに、まさに小金を持っている人も多いわけで、国内の居心地が悪くなれば、どんどん海外に逃げ出しまっせ。
日本人が多数住んでいて、日本食コンビニや日本食レストランがある所がお好みであれば、そんなのいくらでもありますよ。その上治安の良い所だってね。
<コバ>
オバマがついにクリントンに勝利しましたが、ヒラリー・クリントンの経済政策が真っ当だとするサイト(
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/b4899fcff33524b1f048c473dd4666ed
)があります。日本はビル・クリントンが行ったような、経済成長と財政再建を同時に達成する経済政策(
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/
)は行えないものでしょうか? ただ他国のモデルがそのまま日本でもうまくいくわけではないとは思いますが。消費税など重い税金をかけている北欧が元気なのが不思議です。北欧では税金がしっかりと運用されているということなのでしょうか…。
<太田>
日本人が外国について書くことはヨタ話ばかりであり、それは経済の話においても同じです。
私は経済の専門家ではありませんが、お示しの二つのサイトの記述に強い違和感を感じました。
そこで、グーグルで、それぞれのテーマについて検索して、実質最初(と2番目)に出てきたサイトの記述を読んでみたところ、やはり、私の感覚が正しいことが裏付けられたように思います。
下掲の抜粋をお読み下さい。(今回も翻訳の労をとりませんでした。)
Obama’s current economic advisors are Austan Goolsbee of the University of Chicago and Jeffrey Liebman of Harvard University.
His 2006 rating by the Almanac of American Politics (2008) on Economic Policy is 87% liberal, 0% conservative. (2005: 87% liberal, 12% conservative.) The National Journal in January 2008 ranked Barack Obama as the most liberal senator in the US Senate.
Obama wrote: “We should be asking ourselves what mix of policies will lead to a dynamic free market and widespread economic security, entrepreneurial innovation and upward mobility […] we should be guided by what works.” Speaking before the National Press Club in April 2005, he defended the New Deal social welfare policies of Franklin D. Roosevelt, associating Republican proposals to establish private accounts for Social Security with Social Darwinism.
http://en.wikipedia.org/wiki/Political_positions_of_Barack_Obama
America’ 42nd President, William Jefferson Clinton, is likely to be remembered for the longest- running business cycle expansion in American history, which coincided with his two terms. ・・・
How then to explain the boom? While any business cycle expansion has multiple causes, two stand out here. The first, and most important, was a change in policy at the Federal Reserve about five and a half years ago. The Fed, which had previously operated under the theory that six percent unemployment was the best that the economy could do without accelerating inflation, abandoned that view. Unemployment was allowed to fall to its current 4 percent, and growth continued beyond the point at which the Fed, in the past, would have pulled the plug.
The second was the stock market bubble: a 14 trillion increase in stock holdings over the last decade caused many upper income households to spend freely. This spending, even if it was based on paper increases in wealth that are now disappearing, provided a considerable stimulus to the economy– much the same as we would get from a large increase in deficit spending by the federal government.
Mr. Clinton cannot claim credit for the stock market bubble, nor would he necessarily want to. Nor did he have anything to do with the Fed’s policy shift, which was probably the most important positive change in economic policy in the last 20 years. ・・・
In short, Clinton’s policies continued the upward redistribution of income and wealth, and punishment for the poor, that were the hallmarks of the Reagan era.
http://www.commondreams.org/views01/0109-04.htm
The US has the highest rate of inequality of any industrialised country, and that inequality increased during Mr Clinton’s years in office. ・・・Some of the policies he embraced, such as the expansion of the earned income tax credit, were designed to redistribute money to working families. But others, such as welfare reform, meant that even less government support was likely for poor people at the bottom of the income distribution.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/1110165.stm
<文十郎>
朝生の録画を見ました。
片山さつきさんが「日本の法律は精緻すぎて一ヶ所変えると関連で変えなければならない箇所が多すぎる」と言われていたと記憶しています。
これは本当ですか?
憲法は、いい加減に解釈しているのに変な気がします。
それとも憲法みたいなどうとでも取れる書き方をしていると骨抜きになるのことが明白なので、自分達(関連省庁)が損しないように注意深く法律を書いているということでしょうか?
諸外国は、法律をあるていど自由に解釈して問題が起きないのでしょうか?
変化の激しい時代に合わせて弾力的に運用できる法律の書き方(?)があるのでしょうか?
<太田>
私も防衛庁(当時)所管法の改正で、法制局審査を受けたことがありますが、それはそれはファナチックなまでに細密な法技術的チェックがなされます。
最近の私の持論は、日本には憲法は存在しないというものですが、それはさておき、いくら細密な法技術的チェックを経て法律がつくられても、法律には官僚に大幅な裁量権限を与えているものが少なくないため、官僚による怪しげな行政指導がいまだに乱発されていることはご承知のとおりです。
こういった点でも現在の日本はまことにおかしな国ではないでしょうか。
ところで、クラスター爆弾禁止反対の大論陣を(元航空自衛官、元外務省職員の)森本敏氏が張っておられます(
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080606/plc0806060322000-n1.htm
。6月6日アクセス)。
森本氏にしても、こんな氏の論考を載せる産経新聞にしても、到底正気の沙汰ではありません。
それにしても、この論考で
「わが国にどこから侵略があるのかという議論をする人がいるが、クラスター弾を保有している中国、韓国、北朝鮮、ロシア、米国は禁止条約に参加もせず、条約を議論する会合にさえ出ていない。これらの国には侵略の脅威があり、わが国に侵略がないと考えるのは現実世界を理解しない空想主義である。こういう人に国家の防衛や安全保障を語る資格はない。・・・かかる兵器を禁止することが人道的だというのは非武装中立論者のすることである。」
と森本氏がおっしゃっている以上、私は「現実世界を理解しない空想主義」にして「非武装中立論者者」であって、こういう私には「国家の防衛や安全保障を語る資格はない」ことにならざるをえませんが、厳しい言い方をすれば、この中の「非武装中立論者者」を「日本の政官業癒着構造の代弁人」に置き換えれば、森本氏の形容としてぴったりだと思いますね。
<タカ>
私は、太田さんから官僚批判は聞きたくないです。
これは私の好き嫌いの問題なんですが、バッシング報道って報道側と受け手の心の汚い部分が丸出しだから観たくないんです。
例えば赤福バッシングと、官僚バッシングって、同じ心理でやっているように見えます。文句の言えない(言わない)適当な相手を一斉に叩いて、国民のカタルシスを得るという。私はそういうのを見て喜ぶ人の気が知れないし、げんなりです。
私は防衛官僚がどんな人たちなのか知らないし、太田さんがメチャクチャ、と仰るんだから本当にそうなのかもしれない、と思います。でも、元いた場所を悪く言う人は、私は見たくないです。人を悪く言う人は、その人自身の品位を落としていると思うからです。
<太田>
そんな品位のないはずの私のコラムを好んで読んでおられるあなたは一体何なんですか?
ねえどなたか、私に代わって、この迷える子羊ちゃんを善導していただける方、いらっしゃいませんか。
<忽那>
「太田述正と楽しく語る。」
今回、7月4日の太田述正氏の来阪に合わせまして、懇親会を開催することになりました。コラムの読者の方、マスコミで太田氏をみて面白いと感じた方、どしどし参加をお願いします。
日時:7月4日金曜日、
18時ー21時(はじめから参加される必要はありません。
講演は19時からを予定しております。)
参加費:無料
場所:大阪府大阪市東淀川区東中島1-13-13(JR新大阪駅東口)
青少年文化創造ステーション(通称KOKO PLAZA、06-6321-4567)
1F レストラン「シー・ステージ」
食事代金:2580円(ワンドリンク付、コースになっていますので来られた時から
順番に運んできてくれます)
なお、参加される方は、できれば事前に
忽那
http://www.ohtan.net/meeting/
宛、食事の要不要を明記の上、メールを下さい。
<太田>
忽那さん、大変お世話になります。
忽那さんは、オフ会の際、私に、講演のほか、太田コラムの熱心な読者お一方との対談もやったらどうか、と提案されています。
どなたか、私の対談相手をやってみよう、という方いらっしゃいませんか?
いらっしゃったら、私か忽那さん宛、ご連絡下さい。
なお、参加費は無料となっていますが、忽那さんは、会場を提供してもらったレストランとの関係上、できるだけ食事をしてもらえると助かる、とおっしゃっています。
私自身、食事代を払って食事をするつもりです。
なお、昨日の私の呼びかけに応えて、パワーポイント資料を作成していただける方が2名出てこられたので、とりあえず、それ以上の募集は中止します。
<田吾作>
すでに御存知かもしれませんが新しい選挙対策が始まっています。
http://www.senkyo.janjan.jp/diet/profile/0000/00000122.html
太田さんもフリップ以外の情報伝達方法として河野太郎と同じような動画の作成を検討したらいかがでしょうか?
自作のビデオを作製してユーチューブに投稿し、掲載された事を確認した後に自分の媒体にアドレスを貼り付ければ完成します。
最初は不出来でもフィードバックを繰り返せばすぐにまともな事が出来るようになると私は考えます。
絵と声と少量の文字を使用し、文字だけの場合と比較すると大量の無駄な情報を垂れ流して消費者の貴重な時間の大量消費を強制する方法ですが、すでにゲッベルスは宣伝の持つ本質(物事の核心を共通知識化する)を理解してドイツ国民にヒトラーとナチスを独占販売する事に成功しています。
<太田>
お気づきかと思いますが、IT支援グループのご尽力により、
http://jp.youtube.com/ohtanobumasa
が生まれています。
残念ながら、まだ独自コンテンツがないのですが、今度大阪で行うオフ会の際の私の講演を、第一弾としてアップする予定です。
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太田述正コラム#2593(2008.6.6)
<21世紀における仏教の役割(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x156)
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