太田述正コラム#2604(2008.6.12)
<皆さんとディスカッション(続x162)>
<衆愚>
コラム#2529「韓国の親日ぶりチェック(その1)」を読みました。
韓国は嫌日でしょう。
今の政権だって、日本をお財布感覚でみているような大統領ですからねぇ。
http://blog.m.livedoor.jp/dqnplus/c.cgi?sss=f0010ecb749e8aaa41dbf9092a88c1b8&id=1067933
どうせ
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/suzuoki/20080410n5b4a000_10.html
のような感覚でしょう。
誰が書いたのかわからないような歴史教科書使ってるような時点で意識改革など無理でしょうし韓国はずっと嫌日でしょう。
http://3.csx.jp/peachy/data/korea/korea.html
(このサイトは最後のほう怪しいですが、それなりにソースがあるので載せました)
太田さんのおっしゃってらっしゃる事は、(日本でのチベットデモ前の)朝日新聞見て日本は親韓、親中だと言ってるような物なのでは。
<太田>
確かに、韓国のメディアとしては、朝鮮日報しか読んでいない私が、それでもって韓国を論じることは片手落ち(禁止用語ですがご容赦を)かもしれません。
しかし、韓国で最も歴史が長く、かつ約230万部と韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%97%A5%E5%A0%B1
。6月12日アクセス)でもって韓国を代表させることは、一つの見識ではあると私自身は考えています。
それだけではありません。
朝鮮日報は、英ガーディアンやファイナンシャルタイムスに匹敵する高級紙だと私は評価しています。
最近の例を挙げれば、これもすこぶるつきの親日的記事なのですが、同紙経済部記者の、山梨県のメルシャンワイン博物館訪問記が、「1867年に江戸幕府を倒し、王政復古を成し遂げた明治政府の当初の悩みはコメ不足だった。悩んだ末に考え出したのが、コメから作る日本酒ではなくブドウから作るワインだった。すなわち殖産興業政策の一環としてワインの製造に着手したのだ。」から始まることにうなっちゃいましたね(
http://www.chosunonline.com/article/20080610000037、
http://www.chosunonline.com/article/20080610000038
(どちらも6月10日アクセス)による。)
明治政府は、安全保障の観点からワイン製造に着目してたってわけです。
大昔、同博物館を訪問したことがありますが、問題意識が当時なかったのか、私はそんな風に展示を受け止めえていませんでした。
<ちんみ>
今回の、“秋葉原無差別殺傷事件”の衝撃映像をみて、深川通り魔事件(1981年6月)の川俣軍司
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E5%B7%9D%E9%80%9A%E3%82%8A%E9%AD%94%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
を、なにげに 思い出しましたが、律令/ボーンズ掲示板・植田さんが、この事件に対し、「アノミーです。戦後の日本人からアイデンティティーが亡くなったことの、端的な表れです。この点では、官僚の居酒屋タクシーと、秋葉原殺傷事件は同根です。で、戦後日本語の無力は、ここに迫れないことです」 とのコメント。
アノミー
http://note.masm.jp/%A5%A2%A5%CE%A5%DF%A1%BC/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%BC
この、“アノミーとは、従来の社会規範が緩んだり崩壊したりするため、人々の行為や欲求に規制が加えられなくなり,焦燥や欲求不満が生じること”・・で、新宿西口バス放火事件(1980年8月)の丸山博文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E8%A5%BF%E5%8F%A3%E3%83%90%E3%82%B9%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/sinjuku.htm
を思い出しました。
私、現在は堅気の者?ですが、昔のことですが この両方の事件の、川俣と丸山を担当したことがあり、其々一審の法廷にも(全部ではないですが)行きました。(その頃は まだ若く、海綿体に血流も激しく循環している頃~と、遠い眼を つい する…。)
深川通り魔・川俣軍司は、覚せい剤中毒のどうしようもない、所謂チンピラでしたが、新宿西口バス放火・丸山博文は、おとなしく真面目で小心な男で(質問しても小声でボソボソと伏し目で答える)、今回の秋葉原無差別殺人事件をコピーしたような事件…であることを思い出し、考えさせられました。
今回のようなアノミー・事件予備軍は まだまだいますね…と云うより増え続けていることでしょうね。 個人的に、丸山は忘れ難い人間でした。
<太田>
お示しの「アノミー」(なつかしい言葉です!)に関するフランスの社会学者のデュルケームによる定義を用いるとして、官僚達が「焦燥や欲求不満が生じ」て居酒屋タクシーを利用したワケがないのであって、こんなのアノミーとは何の関係もありませんよ。
(役所にいた頃、何度も午前様残業をやって居酒屋タクシーでないタクシーで帰宅した私が保証(?)します。)
また、新宿西口バス放火・丸山博文と今回の秋葉原無差別殺人の犯人とは、前者が中年男(事件当時38歳)、後者が青少年(25歳)であること、前者には精神疾患歴があるが後者にはないこと、前者は無学歴だが後者は有名進学校に進学し短大まで卒業していること、等、必ずしも同列には論じられない部分もあります。(後者の典拠省略)
それはそれとして、新宿西口バス放火事件は、色々なことを考えさせてくれる事件ですね。
http://yabusaka.moo.jp/nishiguchi.htm
も含め、皆さんがこの事件(事件の後日談を含む)を振り返られることをお奨めします。
<遠江人>
コラム#2584の典拠の件で補足です。
「>端的な例を挙げれば、次官や局長をやった先輩が、たとえ給与大幅ダウンの閑職であっても、省内にとどまっていたら、後輩の次官や局長は自由に腕を振 るえないでしょうし、そもそも、知的・体力的に衰えてしまった人々を含め、「高齢」官僚が給与大幅ダウンで窓際に多数たむろしているのでは組織の活力が減衰します。」
以上はコラム#2584のうち、こくぴとさんとの対話において太田さんの最初の部分のコメントです。
太田さんは自由に腕を振るえないことについて次官と局長を対象にしています。
次に、次官と局長についての解説を以下に掲載します。
「事務次官」というシステム – [よくわかる政治]All About
http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20010807/
以下、抜粋。
「大臣政務官の下が事務次官で、ここからが公務員つまり官僚たちのポスト、専門的にいうと「一般職」になります。
事務次官は官僚がつく最高のポストで、大臣を助ける重要な役職です。事務次官の下はいくつかの「局」で構成されています。局のトップである局長もまた、重要なポストです。」
以上のことから分かるとおり次官は官僚組織のうち最高のポストで局長もまた重要なポストのようです。
このことから(こくぴとさんが試みたところの)民間企業と対比することで「自由に腕を振るえない」ことを考察する場合は、同等の役職である会長または社長で対比することにしています。
次に、守屋前次官が常勤顧問に就任しようとしたことについて。
守屋防衛次官、退任後は事実上の常勤顧問に(読売新聞)
http://www.asyura.com/07/senkyo41/msg/456.html
「守屋氏は退任後、防衛省顧問に就任する見通しだ。顧問は非常勤だが、幹部によると、守屋氏は個室を与えられ、毎日出勤する事実上の常勤になるという。」
守屋氏は次官退任後、常勤顧問になるつもりだったようです。実際にそうなったとして、いくら制度を変えたとしても守屋氏が影響力を行使しようとすればそ れを完全に防ぐことはできないように思います。そもそも常勤顧問として残ること自体が異常だし、そんなことを許していること自体、どうしようもないと思い ます。
仮に民間企業で会長や社長を務めた人間が、会社に役立つ確かな能力がある場合においては顧問として残ることは、いいと思いますが、そのような会社に残すほどの高い能力もない場合に会社の残るのだとすれば、それは何かしらの後ろめたいことがあると思います。だからそのようなケースの企業「元社長や会長が顧問で残るようなケースは、政官と癒着しているダメ大企業に多いですよね。」はどうなのか<、異を唱えるのなら>典拠を示してください、ということだと思います。
ちなみにこくぴとさんいうところの「中間管理職で窓際」の人達については、民間企業で最後まで雇用することは私も賛成です。それを官僚にも適用することは、いいのか悪いのかちょっと判断が付かないので、それについては太田さんやみなさんの意見を聞いてみたいです。
<太田>
「中間管理職で窓際」の人達を定年まで、あるいは年金がつくまで(給与を下げて)雇用することについては、民間企業、官僚機構を問わず、私は賛成です。
<アヒル>
ダライラマとチベット僧がキュート(コラム#2596)だから欧米で大人気なんですか?もしかして、欧米人はダライラマ萌えだからチベットに肩入れしているんでしょうか?
欧米諸国の主張する人権擁護は建前で、本音はダライラマ萌えなんだとしたら、新しい視点だと思います。
それは冗談としても、国を追われてなお、仇の国の地震被災者のために祈るダライラマ(
http://www.dalailama.com/news.264.htm
)に共感する人は多いと思います。
私利私欲の追求ばかりしている中共(というより一般市民?)(
http://jp.epochtimes.com/jp/2008/05/html/d27030.html
)より、ダライラマ頑張れ!と応援したくなるのは人間の当然の心理ですよね。↑この記事のあまりのみみっちさに苦笑してしまいましたが。
<太田>
確かどちらの話も、一般の主要メディアもキャリーしていましたね。
たまたま、どちらの典拠についても、事実関係に誤りはないようですが、できるだけ主要メディアの典拠をおつけになられることをお奨めします。
というより、信頼性に疑問符のつくメディア(今回の場合はどちらも中共当局に敵視されている団体のメディア)は、(時間のない方ならなおさら)原則お読みにならないことをお奨めしたいところです。
蛇足ながら、チベット僧の漢人女性の眼から見た「キュート」さについて、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080604/160407/?ST=print
を参照されたらいかがでしょうか。
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太田述正コラム#2605(2008.6.12)
<ネオ儒教論の展開(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x162)
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日本で「中間管理職で窓際」の人たちは、民間企業では容赦なく再就職のあてもなく首切りされるのに、他方で官僚機構の人たちは官のあっせんで天下りして安定した生活を得られることが日本人の役人嫌悪感情を増大させているように思います。落ちこぼれの自分も安定した生活をしてる人たちには嫉妬、やっかみの気持ちを持ってますし…。