太田述正コラム#2644(2008.7.2)
<皆さんとディスカッション(続x182)>
<コバ>
 –日本は先進国で一番冷たい格差社会?–
米国の大学教授が、日本と欧米を比較すると、日本が一番冷たい格差社会(コラム#2638、2640)に思えると論じています(
http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/
)。
 この中で日本では家族、家庭が最終的なセーフティーネットになっているというようなことが書かれていますが、この家族というセーフティーネットだけに依存している日本社会は危険なのではないかと思いました。
 欧米出羽守でしたらご批判お願いします。
 しかし、消費税増税(衣食住は対象外にして!)、負担増も公的なセーフティーネットが確立されるなら賛成なのですが、やっぱり財務省がやろうとしてるのは財政再建のための増税、負担増ですよね…。最近、物価高、ガソリン価格高騰などワーキングプアとしてかなり滅入ってきました。民主党が政権を奪取したら、落ちこぼれでも生活が成り立つような改革を本当にしてもらいたいです…。
<太田>
 引用された記事はすばらしいですね。
 皆さん、ぜひお読み下さい。
 惜しむらくは、記事の最後の部分、誤訳によってでしょうが、意味が通らなくなっています。
<ライアン・コネル>
 コラム#2642を読みました。
 もうこれ以上言う事はありませんが、場合によっては、毎日新聞は重大な事態に陥る可能性があります。
 それに誤解を解いたところで日本のマスコミのレベルが上がるわけではありませんよ。
<大学生>
 関心がある人にとっては毎日新聞の英字サイトでエロを発信していたことが(日本の品位を下げかねない)重大な問題なんでしょうけど、そもそも低俗なエロを載せているサイトを見て英国人やアメリカ人がこれは高級紙から発信された日本の実態だ、なんて感じるでしょうか。
 エロは所詮エロです。
 彼らの価値観でもエロはエロです。
 売国奴叩きに勤しみたいナショナリズムの典型のような気がしてなりません。
 毎日を擁護するつもりはありませんが、低俗な記事などどこの国にもありますって。
 ゲンダイとかスポーツ紙の外国語サイトが充実してないからちょうどいいくらいじゃないですか。
 個人的にはどうでもいいんですけどね。
<太田>
 大事なことを言い忘れていました。
 「後世に名を残した浮世絵師のことごとくが春画を残した。浮世絵と春画は作者からみたときにまさに一体のものであった。」(
http://www.informe.co.jp/useful/culture/history/history11.html
。7月2日アクセス)ことを忘れないようにしましょう。
 なお、このサイト全体に目を通されることをお奨めします。
<VincentV>
会話能力と頭の良さは正比例しないという実例を示してくれて、口下手の1人として希望がわきました。
 テレビ出演時の太田さんの表情をみると物凄い勢いで目をパチパチまばたきさせるのが特徴の一つだと思いますが、ドライアイなのでしょうか。
<太田>
 常にドライアイ気味であることは確かですが、そんな仕草をしているとは、全く気づきませんでした。
 私が日本語で口べたなのは、私が一人っ子で、家でほとんど何もしゃべらなくても両親、とりわけ母親が私の気持ちを先読みして何でも私のためにやってくれていたことと、小学生時代に英語環境にいたためではないかと自分では思っています。
 例えば、九九(英国は当時12進法だったので、12X12=144まで)だって、英語で身についてしまい、高校に入るくらいまで、英語の九九で計算し、得られた数字を英語から日本語に翻訳してしていた記憶があります。
 (ついでに言うと、自分が、算数ひいては数学が異常にできないのは、このためだと自分で自分に言い聞かせていましたが、これは恐らく違うでしょうね。)
<雅>
 古い話題になると思いますが、第三セクター、とりわけ新銀行東京についてです。
 設立時の口利きとしか思えない過剰融資、融資時の選定についての事実による政治家の裏資金の苗床となっている事実や天下り先にもなりそうな事実、現在の頭取を見て解るとおり東京都が銀行を支配している客観的事実。
 推論の域を脱しえませんが、すごいお金が動いたんでしょうね。
 こう見ると一部の特殊・巨大プロジェクトなどの分野でない限り、このご時世役所などが法人を作るべきではないと思いませんか?
 設立したとしてもある一定期間を過ぎれば官から切り離すべきだとは思いませんか?
 
新銀行東京(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E9%8A%80%E8%A1%8C%E6%9D%B1%E4%BA%AC
第三セクター(shttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC
<太田>
 同感です。
 (ご投稿を相当整理、圧縮させていただきました。ご投稿の際には、必ず読み返ししてくださいね。)
<古参有料読者AH>
 –中朝開戦について–
 コラム#2628に掲載された私の投稿に関してですが、多忙な太田さん宛に、リンクURLだけ貼って読んでいただくなどと、大変失礼いたしました。
≫このシリーズの著者は、中共が北朝鮮を軍事的に併合する可能性がある、これに対抗するために北朝鮮は核武装を追求した、米国は北朝鮮を取り込むことで中共による北朝鮮の軍事的併合を防止しようとしている、と主張しています≪(コラム#2628。太田)
 これは逆でして、この著者の主張は、米国が北朝鮮を(内密に)支援し、中朝を戦わせることによって中共への国際的非難を喚起し、以て中共経済の崩壊・中共体制瓦解を誘導して、当分の間、中共による脅威を減じようと計画している、という内容です。
 指摘されている主なポイントは、以下のとおりです。
1)朝鮮族は歴史的に豆満江の両岸を根拠地としている民族であり、元来、中朝国境地帯では緊張がある
2)歴史的に高句麗が随・唐に対し十分以上に伍した実績があり、「先軍政治」の北朝鮮は失うものが少なく、貧しくとも戦闘意欲が高い
3)対して現在の中共は失うものが多く、外国からの投資を失いかねない軍事行動には躊躇せざるを得ない
4)中朝開戦となれば、北朝鮮の核(があれば)の脅威に対し、北京の巻き添えを喰うのを嫌う江南などの有力閥が分離・独立行動を起こす可能性がある
5)支那が分裂・内乱ということになれば、米国(日本も)への中共の脅威は半永久的に解消される
 こんな内容ですが、もし事実であれば、我が国の安全保障においても(あまり日本的ではないですが)非常に影響が大きいと思います。
 常識で考えれば、日本人の一作家が米国の安全保障に関わる機密事項に触れる可能性などあり得ないのですが、推理としても日本の安全保障政策(謀略?)としても、このくらいの策があって然るべきではないかと感じる次第です。
 太田さん、または読者の方(この説をご存知の方もいるかと思います)でも、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
<太田>
 本当におっしゃるようなシナリオであるとすれば、私が誤読したのももっともであり、荒唐無稽なんてもんじゃありませんね。
 中共が北朝鮮から攻撃を受けたら、「攻撃を受けたので反攻するが、北朝鮮を占領するつもりはなく、いわんや併合するつもりはない、その証として、平壌を占領することはせず、反撃が功を奏した段階で中共軍は撤退させる」、とでも宣言すれば、第三国が中共を批判するようなことはありえないでしょう。
 もちろん、中共国内はナショナリズムが燃えさかり、国民は挙国一致で北朝鮮懲罰を支援するはずです。
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太田述正コラム#2645(2008.7.2)
<中共体制崩壊の始まり?(続x5)>
→非公開